すいません。
聖剣使いと魔剣使い
「せめて君だけは逃げて‼」「早く、ここからでるんだ。」
僕がいくら叫んでも声が届かない。剣を生み出し、切りかかろうとしても体を動かすことができない。僕がいくらあがこうとみんな教会の奴らに殺されていく。それでも、みんなは僕を逃がそうとしている。僕は、何もできなかった。
この間、イッセー君の家で、聖剣の写った写真をみてから胸騒ぎはしていた。
そしてフリードとの交戦の後から、僕はあの時の夢をまた見るようになった。
しばらく見なくなっていた、凄惨で残酷なあの夢を。
そして、思い出したんだ。僕はこんな安寧と日々を過ごしていてはいけないのだと。僕には、しなければならないことがあるのだと。
僕は、
「なあ、恭弥。最近、木場の野郎がおかしくねーか?」
俺たちは、ちょうど昼休みにそんな話をしていた。というのも、最近同じく二年でオカ研の木場祐斗が何をするにしても上の空であったからだった。
「そうだなぁ。ちょうどお前の家に行ったときに写真をみてからだったか?オカ研にも顔出してねーみたいだしよ。」
「いや、お前もたまにしか来ねーだろ。」
「いや、だって俺、眷属じゃないし。」
かといって、知り合いになった期間も短く、事情も知っているわけではないから、これといって出来ることがあるわけでもない。
「俺は、今日リアス先輩に聞いてみようと思ってるんだ。恭弥も会長なら、何かわかるかもしれないし、聞いてみてくれないか?」
いつもは、イケメン死すべし、などとは言いつつ、何かあれば気に掛けるし、行動する。これが多分、イッセーのいいところなんだろうし、リアス先輩たちが思いを寄せる理由なんだろうけど。
「オーケー。どうせ今日は、お菓子を持ってく予定ではあったからな。」
「…お前、オカ研にいないときはまさか。」
「生徒会室にいるけど?」
「この裏切り者が‼‼会長とイチャイチャしやがって‼‼うらやましいんだよこの野郎が‼」
でも、すぐ話が脱線するのはいつものことだけどね。…まあ殴りかかってきたら、吹き飛ばしても俺は悪くないよね?
「…それで、私に聞きたいと?」
「まあ、そんなところです。」
「…まあ私も詳しく聞いたわけではないのですが……」
ソーナ会長の話によると、木場は、教会で聖剣の実験に、被験者の一人として選ばれていて、計画の廃止とともに処分されそうになったところをリアス先輩に救われたらしい。とのことだった。
どうりで聖剣の写真を見て目の色を変えたわけだ。しかし、あいつにそんな過去がね。
だけど、それだけであんなに上の空になるか?
『失礼する‼ここは生徒会室で間違いないか?』
「いいえ、違います。お帰りはあちらです。」
「いや、どうもすまない。」
「ちょっと、ちょっと、ゼノヴィア騙されないで。ここが生徒会室で合ってるから。何もせず帰ったら、使命が果たせないでしょ。」
「なんだと。なんということだ。あやうく流れるように帰されてしまうところだったよ。すまない、イリナ。」
ッチ。引っかからなかったか。それにしても、あの白いローブにあの留め金の文様…教会の者か?そして背中に背負ったあれは……。
「…教会の者がうちに何の用ですか。聖剣まで携えて。」
「いや、すまない。戦いを仕掛けに来たわけじゃないんだ。ただ、リアス=グレモリーと話をさせて欲しくて、その許可をといった次第でね。」
「…まあ、いいでしょう。では明日の放課後に来ると伝えておきます。」
「感謝する。それでは、失礼する。いくよイリナ。」
木場が何かおかしくなってるこの時に教会の関係者。何か、関係があるのだろうか。
「ねーねーゼノヴィアいいの?この人、人間だよ。悪魔と一緒にいて悪に染まっているなら、断罪してあげなきゃ。」
「いや、やめておこう。今は、時間が惜しい。断罪なら、いつでもできる。」
そう言い放ち、二人は生徒会室を出ていった。
「…へぇ」
ずいぶん、俺をそしてソーナ会長を嘗めた発言をしてくれるじゃないか。そっちがそう来るなら、少しばかりは、反撃させてもらおうじゃないか。
そんな突然の来訪者に剣呑な目を向ける恭弥にソーナは呆れの混じった眼を向けるのだった。
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