橘side
「ま、まあいいわ、ねえ恭弥くん?」
「さっきのように恭弥でいいですよ。」
「わかったわ。じゃあ恭弥。」
「はい、なんでしょうリアス先輩」
と微笑みながら返答を待つと、
「私の下僕にならない?」
「スミマセンがぼくにはそんな特殊な性へk…いえ趣味はありませんので。すいません、他人の趣味を否定する気はありませんデスヨ?ただ、オレには、そういうのは合わないかな~ってだけで。はい・・・・・・はっ!まさかオカ研って!」
俺はそう言って警戒した顔つきで、リアス先輩から距離を取り、保身をするように、肩をだく。
顔は至って真面目に、警戒と恐怖を貼り付けていた。内心では、演技をしながら大爆笑をこらえるのに必死だったのだが。
その態度に一瞬ポカンっとしたリアス先輩だったが、意味を理解し、急に顔を真っ赤に染め、
「ち、違うわよ!そう言う意味じゃないわ。下僕ってのは眷属悪魔の事よ!」
「知ってますよ、来る途中搭城さんに少し聞きましたから。」
必死になるリアス先輩を見ながら、笑みを浮かべ、そう答えた。
「にゃ!?」
「…はあ、もういいわ。じゃあ二人に私たちについて説明するわね。」
「私たち悪魔は堕天使と太古の昔から争っているわ。冥界ー人間で言う地獄ね。そこは悪魔と堕天使で二分化されているの、そこの覇権を巡っているってことよ。そこに神の命を受けて悪魔と堕天使を問答無用で倒しにくる天使も含めて三すくみ。それを大昔から繰り広げているのよ。」
わりかし、ウチの文献に書いてあったのと似てるな。
「いやいやいや⁈リアス先輩も恭弥も何普通に話してんですか⁈普通の男子高校生の俺には、ハードルが高いですよ?」
今まで空気だったイッセーが話してきた。
いきなり、この話しじゃあ戸惑うだろうな。
「天野 夕麻。」
「ッ‼」
イッセーに対してのジョーカーをきってきたな。たしか教室から連れてくる時もそう言ってたし。
イッセーはどこでそれを知ったって顔をしてるな。
「あの日、あなたは天野 夕麻とデートしていたわね?」
「……冗談なら止めて下さい。こんな雰囲気で話したくないです。」
「イッセー。とりあえず落ち着け、このタイミングで意味の無い話しなんてするわけないだろ。」
興奮したイッセーを俺は諭す。
「……恭弥わりーな。……取り乱してすいません。リアス先輩続けて下さい。」
「この子よね、天野 夕麻って。」
一枚の写真をリアス先輩は、イッセーに向ける。
「天野 夕麻いえ、この堕天使はある目的であなたに近づいたの。」
「目的?」
「あなたを殺すために。」
「ッ‼なんで俺が⁈」
「落ち着いてイッセー。……運がなかったのでしょうね。」
「運がなかったって…。」
結構キツイ言い方するな。それよりも、堕天使、ねえ…。
「
「神器?」
イッセーが知らない言葉に聞き返してくる。
「神器とは、特定の人間に宿る規格外のちから。中には、私たち悪魔や堕天使を脅かすほどのちからを持った神器があるの。イッセー、手を上にかざしてちょうだい。」
「目を閉じてあなたの中で1番強いと感じる何かを心の中で想像してちょうだい。」
「い、1番強い存在…。ど、ドラグ・ソボールの空孫 悟かな。」
え…。イッセーそれって漫画のキャラじゃなかったっけ?
「その存在を真似るのよ。強くよ、軽くじゃダメ。」
まさかイッセー……。
イッセーは両手を前に突き出し上下にあわせる。
「ドラゴン波!」
…まじでやっちゃた!
イッセーが目を開けると左腕が光だし籠手のようなものが装着されていた。
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ⁉」
「あっはは、イッセー面白!」
「他人事だと思って!」
いや実際に他人事だし。
「それがあなたの神器よ、あとは自分の意思で出し入れができるわ。そして、それを危険視されて殺されたところを私が生きかえらせたのよ。悪魔としてね。」
生き返らせることもできるのか。
「どういうことですか?」
バッ⁈
その瞬間、俺とイッセー以外の背中からコウモリのような翼がはえる。
バッ。
みれば、イッセーの背中にも同様のものがはえていた。
「おりゃ。」
ぐいっ。俺はイッセーの翼を掴む。
「え、恭弥?……痛い痛い痛い、なにすんだよ⁈」
「好奇心が抑えられず。」
だって気になるじゃん?
痛覚はあるんだな。
「ちょ、まだ触ってんの、?痛いんだけど?」
「いい加減にしなさい‼」
スパーーンッ‼
ふざけすぎた様でリアス先輩に頭を叩かれてしまった。
あのハリセンどっから出したんだろう?
「さて、改めて紹介するわね。祐斗!」
「僕は木場 裕斗。君たちと同じ二年生だよ。えーと悪魔です。よろしく。」
木場が俺たちに向けてスマイルする。
「……一年生。……搭城 小猫です。…悪魔です。橘先輩、勝手にお菓子取らないで下さい」
小さく頭を下げる小猫の隙をみて羊羹をつまんだ。茶菓子じゃないの?
「ごめんごめん。」
「……もう、いいです。」
「代わりのもの持ってくるからさ。」
「ホントですか!」
一番今までで反応がいいな、どうもこの子は食べることが好きみたいだね。
「三年生、姫島 朱乃ですわ。一応、副部長も兼任しております。
今後もよろしくお願いします。これでも悪魔ですわ。うふふ。」
「そして、私が彼らの主であり、悪魔でもあるグレモリー家のリアス・グレモリーよ。
家の爵位は公爵。よろしくねイッセー。」
全員の自己紹介が終わったところでリアス先輩は俺をみて、
「イッセーはもう眷属になるのは、いいわよね。」
「はい大丈夫です、こんなお姉さま方とご一緒できるのを断るはずがありません!」
イッセーは、悪魔になっても平常運転だった。
「じゃあ恭弥あなたはどうする?」
「悪魔に転生して眷属にならないか?ということですか。」
「そうよ。」
といわれましてもね~。
その後、おれはイッセーたちのような特別な力は持っておらず、身に余るということを主張し、(まあ嘘だが)丁重に断りを入れ、この話は、秘密にするということで、旧校舎をあとにした。
話が終わり、橘が出て行った後、イッセーにポーンの意味を説明し、男性陣は帰宅し、旧校舎の部室に残ったのは、リアス、朱乃、小猫の三人だった。
「惜しいことをしたわね。」
リアスは悔しがっていた。
「佑斗が魔力を使えなかったとはいえ、佑斗に勝つほどの人材は、ぜひ、眷属に欲しかったわ。」
「あらあら、ご執心ですわね。」
朱乃はそう言いながら、二人にお茶をだし自分もソファーに座った。
そのとき、おもむろに小猫が
「部長、朱乃先輩、橘先輩のことで少し気になることが。」
と言い始めた。
「いいわ、話してみて。」
「はい、私はここに来るまでに橘先輩に悪魔のことについては、一言も出していません。」
「じゃあなぜ、かれは私たちを悪魔と?」
朱乃も驚きの表情をしていた。
「彼は一体、何者なの?」
ロウソクの光に照らされた旧校舎にそのつぶやきは、ゆっくりと広がり溶けていった。
次回新章突入(原作時系列ではアーシアとレイナーレのあたりです。)