バンビーズみんなのバスターでバインバインしたかっただけなのに   作:カナダ次元

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 前回同様、感想・誤字報告・高評価などなどに感謝です!生き甲斐と言ってもいいほどに、いつもいつももらえるのを楽しみにしてます。

 と言うわけで第九話。今話では「残酷な描写」タグがちょっと仕事するので、そういうのが苦手と言う方はご注意ください。それでもよいと言う方はこれからも今作品をどうぞよろしくお願いします。


とある並行世界のBLEACH感想ブログ⑨

BLEACH553話「Frozen Cross」感想

 

 

 さてさて、今週もやってきましたBLEACH553話!

 

 先週の552話では「虚圏狩猟部隊(ウェコムンドヤークトアルメー)」の統括隊長である蒼都(ツァン・トゥ)が正式に登場し、さらには浦原による発明品、"侵影薬"で奪われた卍解に対しての解決策が開示されました!そして今週はそのまま前回の続きから、卍解の虚化の影響を受け大紅蓮氷輪丸を維持できなくなってる蒼都の様子からスタートです!

 

 

『何だ・・・!?』

『どうなってる・・・この僕が傷、だと?』

『!』

 

 

 蒼都の背に生えていた氷の翼が一つ、崩れたと思いきやその翼は日番谷隊長の元へと戻っていました!起き上がる日番谷。傷口の上に氷を覆い被せもなお戦おうとする姿は中々に痛々しいですね!

 

 

『・・・メダリオンに異常は無い』

『それなのに何故、卍解が君の元へ戻り始めているんだ?』

『一体何をした?』

 

『・・・さあな』

『氷輪丸が、戻りたいって言ってんじゃねぇのか』

 

 

 今回かなりシンプルなデザインのタイトルコールを挟み、場面は砕蜂を迎撃したBG9へと移っていきます。爆撃で黒焦げになってしまった砕蜂の前に静かに佇むBG9。しかし彼の背後に謎の人物が!

 

 

『・・・・・・・・・』

 

『終わりましたか?』

 

『ミニーニャ・マカロン嬢か』

『ああ、今しがた終わった』

『絶命の前にデータを採取しようとも思ったが、任務を優先する』

『貴方が此処に居ると言う事はそういう事だろう?』

 

 

 新キャラ、ミニーニャ・マカロンの登場です!十中八九、以前バンビエッタ率いる「威力偵察部隊」内での会話に出て来たミニーと言う人物が彼女でしょう。しかし彼女は声だけで姿がまったく映されてませんね。ここまで執拗に見せないとなると彼女の正体になにか重要な秘密があるのでしょうか?

 

 しかし思い出してほしい。尸魂界編で師匠は浮竹隊長を登場させるのも大分渋ってた事を。当時はもしかして彼が黒幕かってブログ内ではそれはもう色々な考察が飛び交ってましたが、結局はミスリードでした!このミニーニャ嬢の件に関しても同じパターンかもしれませんし、まだまだ一概には言えませんね。

 

 

『ええ、ただちょっと問題がありまして』

 

『問題?』

 

『そちら側の統括副官ですが、ターゲットを探しに勝手に出撃して行ったみたいで・・・』

 

『・・・共同任務だと言うのに、困ったお方だ』

『了解した。威力偵察部隊中一番迅速である貴女が我が隊の統括副官の索敵に加わってくれるのか?」

 

『はい、よしなに』

 

『ならば行くか。まずは北を探索しようと思う、よろしいか』

 

『はい、あなたについていきます』

 

 

 ここで543話でのリルトットとグレミィの会話に出て来た「共同任務」についての言及が入りました。てっきり共同任務はあくまでリルトットとグレミィの二人での任務と思っていましたが、この様子だと「威力偵察部隊」と「情報開発部隊」の二つの部隊が請け負ってる任務っぽいですね。大量の人員を投入する必要があるその任務とは一体なんなのでしょうか・・・?

 

 あと、このミニーニャの喋り方。誰か思い出しませんか?そう、第一次侵攻にてルキアと対峙してた相手です!もしかしてその相手ってこのミニーニャではないでしょうか!第一次侵攻でもルキアの相手の描写が皆無でしたし、喋り方もかなり似ているのでかなり可能性高いと思います!となると登場を渋ってるのはルキアとの再戦までその登場をとっておきたいからなのでしょうか?

 

 去って行く二人の滅却師。その場に残されたままの砕蜂は大前田が瞬歩で回収し、別の建物の屋上へと避難させます。そして先ほど回収した侵影薬を彼女の手にそっと渡します。

 

 

『・・・隊長、ご無事ですか?』

『これを』

『これで卍解を使えるようになるハズです・・・』

『ちょっと説明はややこしくてよく分かんなかったんスけど・・・』

 

『・・・ああ』

 

『!』

『隊長!!気が付いたんスか!』

 

『・・・ふん、お前の不快な声で目が覚めたわ』

『・・・・・・私は、見逃されたのだな』

 

『はい、おそらく・・・』

 

『・・・・・・・・・そうか』

『・・・畜生っ』

 

『隊長・・・・・・』

 

 

 敗北の苦い味。悔しがる砕蜂。だけどまだ生きている!悔しさをバネに、さらに強くなれ砕蜂!

 

 そして場面は一瞬BG9の元へと戻ります。どうやら彼も侵影薬の影響を受け、自分の体の異常を察知しました。

 

 

『―――何?』

 

『どうかしましたか?』

 

『接続が、鈍くなっている・・・?』

『・・・いや、この程度ならば問題ない』

『探索を続ける』

 

 

 場面はさらに移り変わり、日番谷と蒼都の戦いへと戻ってきました。

 

 

『・・・見縊るなよ』

『卍解を手に入れてから僕達がそれを制御する鍛錬をしてこなかったと思うのか?』

 

 

 片翼を捥がれてもなお卍解を使い続ける蒼都。自分の得物らしき鉤爪を振るい氷を日番谷に叩き付けようとしますが、当たる直前その氷の攻撃は見えない壁みたいなもので弾かれ四散します!

 

 

『!』

 

『無茶させんじゃねえよ・・・』

『自分で自分に攻撃できる訳ねえだろ』

 

 

 しかし氷の攻撃が効かないと悟るや、蒼都は瞬時に戦闘スタイルを変更してきました。おそらく本来のスタイルであるスタイリッシュな格闘技!その足技を使い日番谷の顔へと蹴りを叩き込もうとしますが、それも日番谷の氷に防がれます!しかし今度は蹴りの連打!最後には日番谷を空高く蹴り上げます!

 

 

『・・・どうやら本当に戻っているようだな』

『だがその体でどれ程制御出来る?』

 

 

 追撃とばかりに空へと日番谷を追う蒼都。

 

 

『・・・ああ、俺一人じゃ制御できないだろうな』

 

『だが、今は我が居る』

 

『・・・久し振りに声を聞くな・・・・・・』

『・・・よく帰ってきた』

『氷輪丸』

 

 

 久々の氷輪丸の具象化体のお披露目です!ちなみにアニメオリジナルを含めないのであればこの具象化体が最初に登場したのは単行本20巻での巻頭オマケ回ですね!

 

 

『!』

『翼が、完全に消えたか―――・・・』

 

『・・・カオがジャマくせえと思ったら、そういや卍解を一瞬虚化させるとか言ってたな・・・』

『仕方無え、今はこのままいくか』

 

 

 ちょっと虚化してますが、これで日番谷もようやく卍解を完全に取り戻しました!蒼都も卍解を奪われたのは不味いと流石に焦り始めたのか大技を繰り出そうとします!大気の霊子を集め蛇の姿へと固めます!

 

 

蛇勁爪(シェジンツァオ)!』

 

 

 しかしそれに対しての日番谷の反撃は冷静で、静かなものでした。

 

 

『―――十字の華は、氷輪丸の紋章だ』

『五芒星にしてやれなくて、すまなかったな』

 

 

 蒼都は巨大な氷の華の中へと閉じ込められます!

 

 これにて決着・・・と、思いきや?

 

 

『・・・・・・その気遣いは無用だ』

 

『!?』

 

 

 グニィィィィと言う効果音と共に蒼都が囚われてる氷の華は謎の力によって徐々にねじ曲がって行き、ついには耐え切れなくなったのか粉々になってしまいます!

 

 

『なん・・・だと・・・』

 

 

 無傷のまま日番谷が立つ建物の上に着地する蒼都。その彼の影が突如歪み始め、なんと彼の影の中から人が出て来たではありませんか!

 

 

残念(ぜんれん)だったにぇ?』

『あんたの攻撃はどれもこれも』

『オイの"紆余曲折(ザ・ワインド)"でぐにゃんぐにゃん曲がっちゃって』

隊長(たいちょー)全然(れんれん)(とろ)かないにょ』

 

 

星十字騎士団(シュテルンリッター) "W"

虚圏狩猟部隊(ウェコムンドヤークトアルメー) 所属

ニャンゾル・ワイゾル

Nianzol Weizol

 

 

 まさかのここで新キャラの登場!考察で出て来た虚圏狩猟部隊の不明隊員二名のうちの一名が出てきました!蒼都の影に沈んでた彼はニャンゾル・ワイゾル。蒼都が率いる虚圏狩猟部隊に所属しており、その聖文字は"W"。能力名は紆余曲折《ザ・ワインド》。これはまたユニークそうな能力ですね!描写的に空間を捻じ曲げるタイプの能力ですかね?防御力高そう!しかし蒼都の鋼鉄《ジ・アイアン》をこれと比べるとなんていうか、蒼都の能力って見劣りしてません?なんか地味だぞ、鋼鉄!なんかこう、もっと他になんかなかったのか?(笑)

 

 

『・・・・・・くそっ』

『―――すまん、松本』

 

 

 流石に無理がたたったのか、力尽き倒れる日番谷。それを見た蒼都は容赦無く爪を再び構え、彼にトドメを刺すべく一歩一歩と彼へ近づきます。

 

 しかしたどり着いたその直後、彼の背後に謎の人影が・・・!といった所で今週は終了です!

 

 今回も白熱したバトル回でしたね!ただ、こういうバトル回がどんどん続くのは考察厨としてはちょっと不満足気味ですが、BLEACHは所々に色んな発見が散らばってたりするので気が抜けません。あと、感想を書く側としては短くて済むのでそれ自体は楽出来るからいいんですけどね!(笑)

 

 さて、蒼都の元へと現れた人物とは誰なのか?死神達は卍解を取り戻したものの、本当に反撃できるのか?まだまだ続くよ第二次侵攻!

 

 ではみなさん、また来週!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 みなさん、こんにちは!ユノワール・シュリーレーランズです!

 

 デュエル(第二次侵攻)開始の宣言をしろ!磯野(ユーハバッハ)

 

 デュエル(第二次侵攻)開始ィィィ!!

 

 はい、というわけで始まりました見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)の瀞霊廷への第二次侵攻!いやー、ついにこの日がやってきましたね。人生十三年、そして見えざる帝国へとやってきて早九年。思えば長かったようで短かったですね!辛い事も悲しい事も多かったけどこうやってバンビーズの皆を仲良くして、私もその輪の中に入れたことは素直に嬉しい。皆との大団円まであとちょっと。頑張ろう!

 

 とは言え私がこの侵攻でするべき事は実はほとんど残ってない。確かに私達「威力偵察部隊(マークトアクレーゴンアルメー)」と、ついでに共同で事に当たることを許可された「情報開発部隊(インフォリオンアルメー)」は一護お兄ちゃんと夏梨ちゃんの束縛任務を請け負いました。ですがお兄ちゃんと夏梨ちゃんはまだ霊王宮に居るのでぶっちゃけ彼らが下りてくるまでまったく出番がありません。なので原作のバンビエッタ以外のバンビーズみたく一護達が来るまでサボる事も出来たわけですが、実は彼らが霊王宮に居ると言う情報は他の皆は知らないんですよね。私は原作知識で知ってるけど。

 

 夏梨ちゃんが霊王宮に居る、と言う事に関してだけは私の予想だが多分外れてないだろう。彼女は現世と瀞霊廷のどちらにも居ないことを確認したから彼女が居る場所は霊王宮か、大穴で虚圏しかない。

 

 つまり何が言いたいのかと言うと私達は居もしないターゲットを探す為にこの影の領域(シャッテン・ベライヒ)に塗り潰された瀞霊廷を巡回しないといけない訳である。ぶっちゃけ集団で散歩みたいなものだ。ただし戦場の中をって注釈が付くけどな!

 

 まあそれでも比較的楽ではあるし適当にやってれば大丈夫だろう。あと別に他にする事がまったく無いって訳でもない。キャンディスとBG9は隊長達から卍解を奪ったのでその隊長を討伐する義務が発生してる。なので彼女らは隊長を見つけ次第その隊長を追わないといけないのだ。

 

 なので私の第二次侵攻での最初の出番はおそらくここだろう。狛村隊長には悪いがキャンディスを死なせる訳にはいかない。というか狛村隊長、私達を無視してそのまま陛下の元へ向かってもいいのよ?狛村隊長にとって総隊長の仇である陛下が本来の目的なんだし、私達の中で一番好戦的であるキャンディスも陛下が彼と戦う事になれば流石に横槍を入れないだろう。なんとか誘導できないかなー?

 

 え?総隊長の仇は私じゃないかって?イッタイナンノコトカナー?

 

 ちなみに私の第二次侵攻におけるプランと言うか計画だが、かなり行き当たりばったりな内容だったりする。まず最初に原作におけるバンビエッタの死亡フラグである狛村隊長遭遇イベントを乗り越える。次にグレミィVS剣八がもしこの世界線でも勃発したら出来るだけ関わらないようにする。その後は一護達が到着するまで待って、彼らをバンビーズの皆と束縛ないし足止めをして、陛下が聖別を発動したら一護達に私の正体をカミングアウトして停戦。最後に一護達とバンビーズの皆をなんとか説得して一緒に打倒陛下の流れへと持っていくって感じだ。

 

 うん、言いたいことはわかる、ガバガバすぎると。でも勝算はかなりある方だと私は思う。一番の懸念材料であるバンビーズに死神側へと寝返ってもらう事に関してだが、成功の根拠は原作での陛下の聖別に対してのリルトットの反応だ。バンビーズの中で一番の常識人である筈のリルトットがなぜ死神と手を組んでまで陛下に無謀な特攻を仕掛けたのかは最初は謎だったが、私がこの9年間彼女らと一緒にいた経験を踏まえるとその気持ちを理解できるようになった。彼女らはあの最低最悪だった孤児院(ヴァイゼンハウス)で思想を歪められ陛下への忠誠心を刷り込まれたが、逆に陛下に裏切られたと理解するとその思いは反転し今度は陛下を激しく憎むようになる。それほどの環境だったのだ、あそこは。むしろ経験した側から言わせてもらうと原作ではよくあの程度の歪みで済んだって印象だ。

 

 その感情を利用する。

 

 最低なのはわかってる。罵られてもいい。嫌われてもいい。

 

 それでも私は、彼女達に生きてもらいたいのだ。

 

 ただ、狛村隊長の件はともかくその次のメジャーイベントであるグレミィVS剣八に関しては不安材料がいっぱいある。そもそもバタフライエフェクトで彼らの戦いが発生しない可能性もあり、理想としてはその通りになってほしい。原作では描写が無かったからわからないけど、この世界線においてはグレミィとリルトットの関係はなんというか、友達以上恋人未満スレスレな微妙な関係なのである。私個人としてはリルトットのその想いを応援してあげたい。なのでグレミィには出来れば死んでほしくないのだ。

 

 これはあくまで想像だが、もしかして原作においてリルトットがグレミィの後にそのままバンビーズと共に剣八に挑んだのは手柄の為だけでは無く、一種の弔い合戦でもあったのではないだろうか?仮に原作ではそうでなかったとしても、もしグレミィVS剣八がこの世界線でも発生し、グレミィが負けそうになったらこの世界線のリルトットは必ず介入する。そう断言できる。むしろ確信と言ってもいいぐらいに。

 

 正直な話、気持ちは痛いほどにわかる。私もなんだかんだでグレミィの世話になったし、おそらくバンビーズ以外の星十字騎士団の中で一番仲が良い人物かもしれない。というか便利装備を作ってもらったり、私の修行に付き合ってもらったり、ソリッドヴィジョン技術を再現してもらってバンビーズにデュエルの楽しさの布教を手伝ってもらったりと色々な意味で頭が上がらない人物になってしまってる。私だけじゃなく威力偵察部隊の同盟相手になった事でバンビーズ全員が何かしらの恩恵を彼から受けていて、私達の大恩人と言っても過言ではない。

 

 ・・・なんか気が付いたら私、月島さんばりにグレミィをこれでもかって褒めてるけど、彼の能力はそれほどまで便利で強力なのだ。伊達に星十字騎士団最強を名乗ってない。

 

 ともかく、グレミィにも生きていて欲しいというのは偽りなき私の本音だ、それは間違いない。だが彼とバンビーズの皆のどっちを取ると言われたら私は迷わずバンビーズの皆の方を取る。だから私はリルトットを、そして彼女の気持ちを汲んであげるであろう他の皆をグレミィと剣八との死闘に介入させたくない。彼女らに万が一があってはならないし、剣八を相手にすればその万が一が下手すると現実になってしまうのだ。

 

 で、そのグレミィに関して今ちょっと問題が発生しててですね・・・

 

「は?今何て言ったの?」

 

「ひぃ!」

 

「おいバンビ、怯えさせるな。みっともねーぞ」

 

「うるさいわよリル、こればっかりは見逃せないわ。そこの伝令兵、もう一度言ってみなさい?」

 

「は、はい!バンビエッタ・バスターバイン威力偵察部隊統括隊長へ、グレミィ・トゥミュー情報開発部隊統括副官からの伝言を再度復唱します!『君らと一緒に居ると退屈しそうだし、ぼく一人でターゲットを探しに行くから後はよろしく』、以上です!」

 

「聞き間違いじゃなかったってワケね。あんの糞野郎・・・」

 

 うん、なんとなくこうなるんじゃないかって思ってたよ!

 

 陛下の侵攻完了宣言後、王座の間を離れたバンビエッタと私はとりあえず事前に威力偵察部隊と情報開発部隊の皆で集合場所にと決めていた銀架城(ジルバーン)前にて待機してました。そこでみんなを待ってると最初にBG9が来て、彼のターゲットである砕蜂は彼の探索(サーチ)で見つけられなかったから彼女の副隊長である大前田の所に行くと私達に報告したらさっそうと出発していった。で、他の皆も徐々に集まって来たんだけど一向にグレミィだけがやってこず、ちょうどバンビーズの皆が揃ったタイミングでグレミィが寄こしたこの可哀そうな伝令兵がやってきたってワケだ。

 

 グレミィはこういうフリーダムな所があるからなぁ・・・そりゃバンビエッタも激おこぷんぷん丸だよ!むしろ彼、わかっててワザとやってるんじゃないか?なんかあり得そう。

 

 やがて怒るのに飽きたのか、バンビエッタは諦めたように大きく溜息を吐いた。

 

「ハァ・・・もういいわ。行ってもいいわよ」

 

「は、はいっ!では失礼します!皆様にご武運を!」

 

 本当にごめんね伝令兵くん!でも威圧だけで済んで本当に良かった。バンビエッタも本当にマイルドになって、私、感無量です。

 

「んで?どうするんだバンビ?いっそのことあたし達だけで回るか?」

 

 キャンディスが彼女にそう問いただすとバンビエッタは一瞬考える素振りを見せた後にまたため息をついた。

 

「ハァ・・・仕方ないわね。ミニー」

 

「はいー?」

 

「悪いけどアイツを探して連れ戻してくれる?」

 

「別にいいですけどぉ・・・言う事聞かせるならリルの方が良くないですかー?」

 

「オイ、それはどういう意味だ」

 

「アイツもそれは解ってるでしょ。だからアイツ、最近のお気に入りの能力使って隠れてるわよ多分。でもリル以外だったら油断してコロっと解除したりするかもしれないし、貴女なら能力で探索力を強化出来るでしょ?」

 

 リルトットのツッコミをスルーしないであげてバンビエッタ!彼女拗ねてる、すっごく拗ねてるよ!

 

「うーん、それでも多分見つける事は出来ないとおもいますよー?」

 

「まあそうね、だったら誰が行っても同じ。どうせなら行きも帰りも一番早い貴女が行くのが一番いいと判断したまでよ」

 

 なるほど、確かにそれならば納得だ。意外に思われるかもしれないがミニーニャは影式移動術を抜きにすれば私達の中で一番素早い。ミニーニャの聖文字は「(ザ・パワー)」。能力で足を強化し物理的に飛べばそのスピードは雷のブーストを受けたキャンディス以上なんだよね。スピードはパワーってどっかで聞いたけど、彼女の場合は逆もまた然りって事だ。

 

「とりあえずはやってくれる?三十分ぐらいで戻ってきてもいいから」

 

「まあそれなら・・・」

 

「あ、あと途中でBG9の奴を見つけたら拾ってきてもいいわよ。むしろ彼に探索を手伝わせなさい」

 

「了解ですぅー。それじゃあ行ってきますねー」

 

 BG9か。彼もこの世界線ではどうなる事やら。彼の正体に関しても色々と驚いたからなー。しかしミニーニャが彼の援護へ向かったりとさっそくバタフライエフェクトが起こってるがな!すまん、そいぽん!強く生きろ!

 

「それで、結局どうすんの~?」

 

 そうやって自分の中で色々考えながらミニーニャを見送ってると今度はジゼルが今後の方針についてバンビエッタに聞いてきた。

 

「そうね・・・キャンディ、貴女のターゲットは?」

 

「さっきから霊圧探してる。けど少なくとも瀞霊廷内には・・・ってもう瀞霊廷じゃないか。ま、とりあえずは遮魂膜の中にはいないっぽいぜ。副隊長の方も見つけられねぇ」

 

 そういえば狛村隊長と射場副隊長の修行場所は瀞霊廷の外だったっけ。まだ戻って来てないのか。

 

「そっ。それじゃ仕方ないわね、私達はあくまで任務を優先しましょう。ターゲットが見つかるまで他の奴らの見学でもしてましょうか」

 

「つまりはサボるって事か?」

 

「不満?リル」

 

「いいや?俺もそれでいいと思うぜ。ハラもへったしな」

 

「ボクもさんせー!」

 

「いいんじゃね?楽出来るんならなんでもいいさ」

 

「私も問題ないよー」

 

 というわけでミニーニャを除く私達バンビーズはキャンディスが狛村隊長達を見つけるまで結局サボ・・・こほん、戦場を観戦して回ることになりました。最初に見つけたのは割と近くにいたバズビーVSシロちゃんで、遠くからの視察だったけど見た感じほぼ原作通りに事が進んだ。シロちゃんがバズビーを氷で柱に叩き付け「やったか?」っぽい死亡フラグを立てたところあたりで遠くで大爆発も起こった。BG9VS砕蜂も原作通りに今の所進んでるみたいだね。お、蒼都の野郎も出て来た。となると次は・・・

 

「あっ!あたしの卍解が!」

 

「ほわー。キャンディの卍解、飛んでったね~」

 

「チキショー!あたし、アレをコントロールできるようになるまで結構苦労したんだぞ!!クソがー!!」

 

 浦原さんの侵影薬が尸魂界中にばら撒かれて卍解が隊長達の元へと戻っていったみたいだね。でも私の残火の太刀はそのままだ。よしよし読み通り。

 

「あれ、でもユノちゃんの卍解は飛んでいかなかったね?」

 

「うーん、多分だけど卍解の戻る対象が死んじゃったからじゃない?私が奪った卍解は死神達の総隊長さんの物だったから」

 

「えっ、オマエ総隊長の卍解奪ってたのかよ!?」

 

「そうなのよねー。でもこのお馬鹿さん、卍解奪う為にとんでもない無茶やらかしたのよ?」

 

「バンビちゃん、それに関してはもう許してちょうだいな・・・」

 

「オイ、駄弁るのはいいがアイツどうする?なんか氷の彫像になってるんだが」

 

 あっ、気が付いたら蒼都の奴シロちゃんにやられてる。統括隊長になっても結局は原作通りの展開で終了かー。

 

「うっわ、ダッサ」

 

「ざまーねーな。アイツ、あたしらに何かと嚙みついてくるからいい気味だぜ」

 

「・・・腐っても統括隊長だ。そう簡単にはいかなさそーだぜ」

 

「あん?なに言ってんだリル・・・あ、氷が割れた」

 

「そっか、ニャンゾルの奴が居たわね」

 

 そういえばそうだった。ニャンゾルはこの世界線では虚圏狩猟部隊に属しておりその統括隊長である蒼都の護衛をしてる。蒼都本人の能力と合わせると鉄壁の防御力を誇り、なかなかに厄介な布陣だ。

 

「・・・・・・ねえ、バンビちゃん?」

 

「ん?何よジジ」

 

「ボク、あの隊長さん、ほしいな」

 

「アンタあんなのが趣味なワケ?でも、んー、そうね・・・」

 

 あ、これってもしかしてジゼルがシロちゃんをゾンビにする流れか?蒼都もシロちゃんにトドメ刺そうとしてるから此処でインターセプトして原作通りに事を進めた方がいいかな。それじゃあちょっと口を挟んで後押ししてあげるとしますか!

 

「いいんじゃない?ジジも卍解、欲しかったんでしょ?」

 

「わかってくれてありがとう、ユノちゃん!そうなんだよねー、結局メダリオンを使う場面まったく無かったしさー」

 

「まっ、戦力は多いに越したことは無いからな。俺も賛成だ、バンビ」

 

「はいはい、わかったわよ。それじゃ蒼都と交渉と行きましょうか」

 

 その交渉自体は万事うまくいった。もちろん蒼都は彼の獲物を最後の最後で私たちに横取りされる事になり最初は渋っていたが、蒼都率いる虚圏狩猟部隊は私たち威力偵察部隊に対して一つ借りがあった。実は私たちは第一次侵攻前に統括副官だったキルゲの要請により虚圏へと赴き彼らの破面束縛任務を手伝っていたのである。この世界線では蒼都はキルゲをそれはもう慕ってたので、彼の名前を持ち出したバンビエッタに蒼都は嫌な顔はしたがそれ以上は何も言わず、ニャンゾルを連れて何処ぞへと去って行った。

 

 シロちゃん(アンデット族)、ゲットだぜ!

 

 あとついでに松本さんも。デカイ。何がとは言わんが。

 

 しかしどうやら無意識に私の両の手のひらが胸の前へと移ってたらしく、はっと気付いた時にはみんな微笑ましいものを見たようにニヤニヤしており、リルトットもやれやれって感じで私の背中をポンポンと叩いて来た。

 

「諦めろユノ。俺達には縁のない話だ」

 

「なっ!そ、そんな事ないよ!私にはまだ将来性が――」

 

 そういえば原作最終話での「黒崎遊子」はどうだった?それに夏梨ちゃんも。

 

 わ、私の勝利への方程式が存在しない・・・だと・・・?

 

「・・・・・・お、お母さんのは大きかったモン」

 

 最終的にはそんな苦し紛れの言い訳しか出てこなかった。てっきり笑われると思ったけどなんかみんな微妙な顔をしてた。あれ、スベったかな?

 

 とまあ、そんなわけでジゼルが獲得した新規ゾンビーズはいったん城に戻して私達は探索を再開した。そしてそう時間も経たないうちに次の戦場にエンカウントしたのである。

 

「あれは・・・どうやら「突撃急襲部隊(ウーバーファルアルメー)」の聖兵連中だな」

 

「相変わらずの脳筋集団だなアイツら。死神共を殺すにしても品が無さすぎだ」

 

 リルトットの言う通り、この突撃急襲部隊(ウーバーファルアルメー)は一人の例外を除き上の統括隊長から下の聖兵まで揃いにもそろって脳筋だらけの集団である。要するに滅却師版十一番隊みたいな奴らで、出来るだけ相手にしたくない連中だ。その蛮族共をかろうじて統率してる存在が先ほど言ってた唯一の例外である統括副官のロバートおじさんである。お労しやおじさん・・・

 

 しかもあそこの統括隊長、なんでかウチのミニーニャがお気に入りらしいんだよね。隙あらば彼女にセクハラかましてくるとんでもない迷惑野郎だ。いつかしばく。

 

 そしてその聖兵達は現在目の前の戦場で大量の死神を虐殺し終え、死体蹴りとばかりにその死神達の亡骸を矢の的にしたり試し斬りしたりと侮辱してる。ロバートおじさんも頑張ってはいるけど軍隊である以上、荒くれものばかりの突撃急襲部隊にはこんなヤツらも居るってワケだ。けっ、滅却師は誇り高き種族じゃなかったのかよ。見ていて気分が悪くなる。

 

 そしてさらには事切れた女死神に対して「戦禍」しようとしてる奴さえ――

 

「下種が」

 

 あっ。バンビエッタがキレてる。

 

 

苦悶の環(クヴァール・クライス)!」

 

 

「ぐああああああ!!?」

 

「な、なんだぁ!?」

 

 成敗!ナイスだバンビエッタ、スカッとしたぜ!私達もスタスタと聖兵たちの元へと歩いていくバンビエッタの後ろについていき後ろに並ぶ。

 

「お、お前らは・・・あがっ!?」

 

 口答えしようとした一人にキャンディスの雷が無言で飛び、その聖兵は一瞬で黒焦げになり地面に転がった。

 

「"お前ら"、ですって?たかが聖兵ごときが私達に対して偉そうに口を利けると思って?教育(しつけ)がなってないわね。ロバートの奴も草葉の陰で泣いてるわよ?」

 

 バンビエッタ、バンビエッタ、ロバートおじさん死んでないから!少なくともまだ!

 

「こ、こんなことしてタダで済むと・・・ひぎゃあああああああァァ!?」

 

 今度はリルトットの口が聖兵の腕を引きちぎった。あ、ペッと捨てた。

 

「マズい」

 

「腕一本ですませるなんてリルやさし~。ボクだったらさっさと死体にしてあげるのに」

 

「あんな奴らの死体の原形なんて必要ないですよ、ジジ。貴女のコレクションの質を下げるだけです」

 

「ん、それもそっか。ユノちゃんの言う通り!」

 

「ひっ・・・!コイツらイカれてやがる・・・!」

 

 イカれてるのはどっちだよ、ったく。でもまあいい具合に聖兵らに脅えが広がってきたな。あともう一押しで彼らも撤退するだろう。

 

「こ、このサイコ共が!俺らの統括隊長に報告させてもらうからな!」

 

「お好きにどうぞ。むしろ彼にぶっ殺されるだけと思うわよ?脳みそが筋肉で詰まってるあのバカでもそれぐらいの道理はあるわ」

 

「・・・・・・ぺっ!撤退だ、撤退!いったん退くぞ!」

 

 分隊の司令官らしき人物が言い返せないでいると最後の意地とばかりに地面に唾を吐いたあとに残りの聖兵を連れて戦場跡から退いて行った。静かになった広場で皆としばらく余韻に浸ってるとポツリとバンビエッタが口を開いた。

 

「・・・悪かったわね、付き合わせちゃって」

 

 私はふるふると横に首を振る。

 

「んーん。立派だったよ、バンビちゃん」

 

「そうだな。それでこそ俺らの統括隊長(リーダー)だ」

 

「ああ。誇っていいぜ」

 

「そうそう!ボクたちみ~んな、そんなバンビちゃんが大好きだよ!」

 

「・・・・・・ありがと」

 

「よくもやってくれたなぁ」

 

「!!」

 

 こ、この独特な喋り方は・・・!

 

 平子!平子じゃないか!そういえば原作では狛村隊長イベント時にバンビエッタは彼ともエンカウントするんだった!なんで忘れてたんだ私!

 

 突然現れた彼に対して私達は警戒心を一気に引き上げ、自然と彼を円の形で囲みいつでも動けるように構える。

 

「アンタ、一人か?あたしらは今あんまし戦りたい気分じゃねーんだよ。悪ィ事いわねーからアンタは――」

 

「多勢に無勢やから降伏せぇ、なんて思てへんやろな?」

 

 平子はキャンディスの降伏勧誘を断りながら静かに鞘から斬魄刀を抜いた。無駄だろうけど私も説得を試してみるか。

 

「・・・一応の弁明をしておきますが、この惨状を引き起こしたのは私達ではありません。むしろ止めた側ですよ」

 

「それが本当だったとしても、お嬢ちゃんたちは敵だって事に変わりないやろ?」

 

 ですよねー。

 

「ご立派ね。でも敵討ちするならせめてお仲間を連れて来た方がよかったのではなくて?」

 

「たしかに仲間やられたんはハラたつけどな、仲間がおったら使えん技っちゅうのもあるんやで」

 

「・・・・・・なんだと?」

 

「オマエらの常識も、この状況も、みんなまとめてひっくり返したるわ」

 

 

「卍解」

逆様邪八宝塞(さかしまよこしまはっぽうふさがり)

 

 

 平子の卍解!やばい、原作でも出なかったからどんなのかさっぱりわからないぞ!でも原作でも見られなかったモノを見れてちょっと感動してる自分もいる。卍解の解放ってのやっぱりカッコイイもんね!

 

 しかしどうしようか。私達に囲まれてもなお卍解を発動したって事は彼は今決死の覚悟を持って私達の前に立ちはだかってるってことだ。侵影薬が配布された今彼の卍解は奪えないし、これはもう彼を直接的に無力化するしかない。そもそも仮面の軍勢(ヴァイザード)である彼から卍解を奪えるかどうかは怪しいけどね。しょうがない、簡単にはいかないだろうけどとりあえずは倒してジゼルにゾンビにしてもらって、その後はマユリ様に彼を治してもらえればいいかな?

 

 でも実際問題どうやって彼を倒そう?平子の弱点である無差別範囲攻撃はバンビエッタはもちろんキャンディスも出来るし、いざとなれば私も残火の太刀を解放して似たようなこともできる。でもどれもこれもみんなが周りにいる間は悪手だ。それに卍解の能力も気になる。例外もあるが、基本卍解ってのは始解を発展させた能力の筈。逆撫はたしか個人に対して発動だったっけ?だとすると卍解は複数を対象に出来るのか?げ、もし本当だとすれば厄介極まりないな・・・って、分身した!?ヤバイ、どれが本物の平子だ?

 

 落ち着け。とりあえずは牽制として手に神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)を構えて、全部の分身に放つ!

 

 よし!あとは「開錠(アンロック)」を発動して卍解の秘密をかいせ―――

 

 

 

 

 

 

 ・・・

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・え?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 な、なんで神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)が、私の喉から生えて―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 血が、止まらな――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 暗転。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こうして私は()()()の死を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――これで、終わりや」

「敵と味方の認識を逆さまにして、同士討ちさせるんが俺の卍解。逆様邪八宝塞や」

「今は瀞霊廷のあちこちで敵も味方も入り乱れておるからなぁ」

「やたらと使えんのが泣き所や」

「・・・・・・恨んでもええで、お嬢ちゃんたち」

「女のコ斬るんは性に合わへんねんけど」

「そうも言ってられへんからな」

 

「・・・平子隊長」

 

「狛村サンか」

 

「・・・・・・貴公が、これを?」

 

「せや」

「彼女ら全員、殺したんのは俺や」

「ああ、言いたいことは解るで?」

「胸糞悪いのは百も承知や」

「せやけど分っとるやろ?」

「この戦争は、すでに綺麗事が許されるラインをとっくに越えてるっちゅうことに」

 

「・・・・・・・・・」

 

「ここは任せて、先、行き」

「目的、あるんやろ?」

 

「・・・すまない」

「これにて御免」

 

「・・・行ったか」

「あーあ」

「やっぱ俺は、ヒーローにはなられへんなァ・・・」

 

 




 ご清覧、ありがとうございました。これにて第九話終了です。

 主人公の死亡により、これにて今作品は完結となりまし――

 嘘です。まだ続きます。

 ではまた次回に。
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