バンビーズみんなのバスターでバインバインしたかっただけなのに   作:カナダ次元

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 あけましておめでとうございます!読者の皆様方からの感想・誤字報告・高評価などなど感謝です!そして恐れ多い事になんとこの作品に推薦も書いていたき、作者として本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。本当にありがとう!

 今回の話の補足となりますが、今話のブログ記事部分は原作に存在しないオリジナル回となります。この話を差し込んだ事によりこれで原作と2話分のズレが現在発生していることになりますね。どうぞご了承ください。あと今回は「残酷な描写」に加え「R-15」タグが仕事するので、そういうのが苦手と言う方もご注意ください。

 と言うわけで第十一話。皆様の新年が良いものであることを心より願っております。まだまだ先は長いですが、精一杯頑張りますので今年もどうぞよろしくお願いします。


とある並行世界のBLEACH感想ブログ⑪

BLEACH557話「Time to Duel」感想

 

 

 さてさて、今週もやってきましたBLEACH557話!

 

 先週は見えざる帝国の第二次侵攻が進む中、ついに霊王宮での修行を終え出撃する主人公たち!いやー、カッコよかったですね!!我らが主人公の一護のみならず、彼の妹である夏梨ちゃん。相棒であるルキア。その相棒の(実質)旦那である恋次!そして未来で義兄さんと呼ばれて嫌そうな顔をするであろう白哉!五人揃ってゴレンジャイ!

 

 しかし遥か下の瀞霊廷では戦乱が続いてます。今週の場面は平子と狛村隊長から始まり、相対するは二話前に劇的な復活劇を見せてくれたバンビエッタ率いる威力偵察部隊の面々。バンビエッタは隊長二人を余裕たっぷりのドヤ顔で一歩一歩と近づいていきます。

 

 

『さて、どうやって料理してやろうかしらね』

 

『・・・待て、バンビ』

 

 

 しかしそこに待ったをかけるのは彼女の副官であるリルトットでした。歩みを進めるバンビエッタの前に腕を伸ばし彼女を止めます。その彼女の次の行動は――

 

 

『ん?なによリル、もしかしてアンタが暴れたいワケ?』

『めずらしい――ゴド!?』

 

 

 なんと!隊長のバンビエッタに強烈な腹パンをかます事でした!

 

 

『アババババ』

『バアアアァァ――!!』

 

『・・・・・・』

『・・・・・・』

 

 

 ズザザザザと言う効果音と共にバンビエッタは辛うじて立ったまま後退していき、最終的には大きいガレキの欠片にぶつかって止まります!そしてそのシュールすぎる光景を無言で見る二人の隊長達。

 

 どうしてくれるんだこの空気。(笑)

 

 

『な、なにすんのよ!!』

 

 

 ギャグ補正が掛かったのか、無傷で起き上がるバンビエッタ。

 

 

『こっちのセリフだ』

『テメェ、何勝手に自分から能力の事をばらしてやがる』

 

『あ』

 

『あ、じゃねーよこのドアホ』

 

『い、いやでもアンタたちを生き返らせるためにね?』

 

『ああ、それは別にいい。俺達を復活させるために使った事、それについては文句はないし、当たり前だが感謝もしてる』

『それでも俺らの能力も使えるって事まで喋んなくてもいいだろーが』

 

『あ』

 

 

 至極当然の理由でした。そりゃそうですよね、切り札になりえるだろう能力を自分からペラペラしゃべるのはどう考えても悪手ですもんね。この作品のオサレバトルをちょっと否定するような言動ですけど。(笑)

 

 

『・・・オイ、まさかとは思うが俺らが死んでる間に俺らの能力も使ってたんじゃねーだろーな?』

 

『そ、そそそそんなこと無いわよ?』

 

『他の能力なら使っとったでー』

 

『ゴラァ!ばらすんじゃないわよ!』

 

『やっぱ使ってたんじゃねーか』

 

『うっ・・・』

 

『・・・ハァ、このアホリーダーめ』

 

 

 後継者候補の姿か?これが・・・?さっきまでのカリスマ溢れる姿は一体どこに?

 

 そして平子。お前も乗っかるんじゃない。(笑)

 

 しかしこういうシュールなギャグパートもBLEACHの大きい魅力の一つだと思いますので無問題!むしろもっとやれ。

 

 ですが流石にシリアルはここまで。平子が場をシリアスに引き戻します。

 

 

『―――そんだけそのお嬢ちゃんの能力の事を知られたくないっちゅう事は』

『やっぱそのお嬢ちゃん、アンタら滅却師(クインシー)の中でもとびっきしの特別枠ってことかいな』

 

『ノーコメントだ』

 

『答えを言ってるようなものやで?』

 

『・・・・・・思った以上に頭が切れるみてーだな、護廷十三隊五番隊隊長平子真子』

『伊達に仮面の軍勢(ヴァイザード)を率いて百年も尸魂界(ソウル・ソサエティ)の追手から逃げきってねーって事か』

 

『・・・よくご存知のようで』

 

『だが追加情報を期待してるのなら無駄だ。俺の口はそんなに軽くない』

『なんせ今はお前以上に警戒するべき奴らがいるからな』

 

『・・・なんやと?』

 

『特記戦力が一、護廷十三隊技術開発局』

『その初代局長の浦原喜助と二代目局長の涅マユリ』

 

情報開発部隊(インフォリオンアルメー)からの情報(ダーテン)によるとあの二人は「未知数の手段」を持つ』

『アホリーダーが派手にやらかしたせいで、俺らは奴らに目を付けられてもおかしくねーからな』

『下手すりゃその手段とやらで今の俺らの会話も筒抜け状態ってこった』

 

『あらら、バレちゃってますか』

『―――フンッ』

 

 

 ここで五組の特記戦力のうち今まで不明だった二つのうちの一つが明かされました!まさかの技術開発局全般を指名とは。そして現在の技術開発局だけじゃなくて過去に所属してた浦原さんをも含む徹底ぶり。

 

 そしてリルトットちゃんはここで「未知数の手段」と言う興味深いワードを使いましたね。考察厨として考えすぎかもしれませんが、もしかして特記戦力とは五組それぞれが「未知数の○○」を持っていて、それゆえに見えざる帝国に警戒される存在になったとしてもおかしくはないですね。そして見えざる帝国にとって護廷十三隊技術開発局で最も警戒すべきモノとはその「未知数の手段」と言う事に。

 

 となると他の判明してる組の未知数うんぬんはなんなんでしょうね?一護と夏梨の主人公組は主人公らしく潜在能力とか?剣八は戦闘力っぽい。藍染はなんだろう、頭脳?まさか崩玉って事はないでしょう。大穴でメガネ。

 

 それにしてもリルトットちゃんもなかなかの切れ者のようですね。彼女の一見過剰とも思える警戒は実は当たっており、浦原さんとマユリ様両方に現場の会話を聞かれているようです。

 

 

『だから取引だ、平子真子、狛村左陣』

 

『・・・なんやて?』

 

『取引、だと?』

 

『ちょっ、リル、何を勝手に――』

 

『黙ってろバンビ』

 

『でもコイツは―――!』

 

『お前が俺達の為に怒ってるのは解ってる』

『そしてお前が意図的ではないとはいえ、俺達を()()殺してしまった罪悪感に蝕まれてるってこともな』

 

『・・・・・・っ』

 

『今は俺を信じろ』

『お前の統括副官としての俺だけじゃない』

『家族としての俺を、だ』

 

『・・・・・・・・・』

『―――好きにしなさい』

 

『ああ』

『という訳だ、取引といこーぜ』

 

 

 なんだこのロリなイケメンは。

 

 これは最早リルトットちゃんではない。リルトット「さん」だ。

 

 しかし取引とな?どのような内容なのでしょう。

 

 

『取引言うてるけど、アンタさんが何したいのかコッチはさっぱりやで』

 

『・・・このまま戦り合ったとしてもテメエらには勝ち目はねぇ』

『たとえ()()()()で戦ったとしてもだ』

 

『・・・・・・っっ!!』

 

『気付かれておったか・・・!!』

 

 

 おっと、どうやら雛森ちゃんと射場副隊長も傍にある瓦礫の後ろにて隠れていたようですね。隊長達の危機にいつでも飛び出せるようにスタンバってたようですが、リルトットにはお見通しだったと。

 

 

『これは驕りでもなんでもない、ただの事実だ』

『だがそうなると浦原喜助と涅マユリへと俺達の情報が漏洩する事は避けられなくなる』

『だから俺達はこれ以上戦りたくねーのが本音だ』

『だからこその取引』

決闘(デュエル)しよーぜ』

 

決闘(デュエル)?』

 

『お互い一人ずつ代表者を出し、サシで戦る』

『勝った方が負けた方に一つ要求を聞いてもらう、そういう取引だ』

『単純で理解しやすいだろ?』

『こうすればお前らにもこの場を生き残る目が出てくるし、俺達も全員で戦って余計な情報をくれてやる必要もねー』

Win(ウィン)-Win(ウィン)って奴だ』

『ついでに大サービスだ、合意すれば勝敗にかかわらずてめーら全員の命の保証もしてやんよ』

 

『・・・・・・それだけやないやろ?』

 

『・・・ちっ、本っ当に鋭いな。まっ、これぐらいならいーだろ』

『先程キャンディも言ってたが俺達は別にお前と戦いたかった訳じゃねー』

『あの時はそういう気分じゃなかったし、俺達は陛下からの任務を実行するまでに消耗を避けたかったからな』

『だが戦いが避けられないんなら話は別だ。ならばせめて価値のある戦いにしてーんだよ』

 

『価値だと?』

 

『ああ』

『俺達「威力偵察部隊(マークトアクレーゴンアルメー)」の任務、それは――』

『黒崎一護と黒崎夏梨の捕獲だ』

 

『!!!』

 

 

 威力偵察部隊と情報開発部隊が共同で請け負ってた任務の内容がついに判明しました!なんと一護と夏梨ちゃんの捕獲が任務だったとは!そういえばユーハバッハも彼らに対し「いずれお前達も迎えに来る」と言ってましたね確かに。そのお迎え部隊が彼女達という訳だ!

 

 バンビエッタの真の力が判明した今となってはパワーアップした一護達ともいい勝負ができるでしょう。元々この章にて夏梨ちゃんが相対するのはバンビエッタと言われてきたことですしね!そしてお忘れなく、情報開発部隊には星十字騎士団内で「最強」といわれる統括副官のグレミィがまだいる事を。そして未だに不明であるその統括隊長も。

 

 それにしてもリルトットも転んでもただでは起きないですね。我々は読者視点だからこそ共同任務だと知っていますが、彼女は情報開発部隊の存在を平子達に伏せています。隠したかった情報を見破られて仕方なくそれを話すことはしたものの裏に本当に隠したかった情報を隠す。これは上手い。

 

 

『平子真子、お前は情報(ダーテン)によると2年ほど前に奴らを鍛えてた時期があったらしいじゃねーか』

『俺達が勝ったらお前は捕虜として俺達について来てもらう』

『奴らの情報について吐いてもらうぜ』

 

 

 うーん、個人的な感想ですがリルトットのこの部分ってなんとなく取って付けた感じがするんですよね。今までの見えざる帝国の行動を見てると幅広く色んな情報を持ってる事が描写されてたのでたとえ平子を捕虜にしても彼からこれ以上得られる情報なんてたかが知れてると思いません?ましてや平子たち仮面の軍勢が一護達の師匠をしたのは2年前の破面編ですし、霊王宮で修行した一護達の強さは当時とはまったく違うものになってるはずです。

 

 つまりリルトットは何かしら他の理由で平子の身柄を欲しくなった?可能性としては彼の卍解の能力の有効活用、もしくは彼が虚の力を宿した死神だからとかですかね?同じ虚の力を持つ一護の弱点を探るため、とか?

 

 リルトットの暫定の目的を聞いて黙ってられなくなったのか、狛村隊長は一歩前に踏み出し彼女にプレッシャーを掛けようとします。

 

 

『嘗めるなよ娘!!』

『我が同胞をそのような屁理屈で捕虜になどさせるとでも思うか!!』

 

『まてや狛村サン』

 

 

 しかし平子は冷静に彼を言葉で引き戻します。

 

 

『・・・平子隊長?』

 

『取引と言うたな』

 

『ああ』

 

『ならばコッチが勝ったらアンタらも俺らの要求、なんでも聞いてくれるっちゅうんか?』

 

『そうだ』

『あー、言っておくがあくまで現実的な範囲に限るぞ?』

『流石に俺達に陛下を裏切れってのは無理な注文だ』

 

『―――黒崎遊子の解放』

『これならどうや?』

 

『!!!』

 

『これは根拠もない、只の勘やけどな』

『一護の妹の誘拐はアンタらが関わってるんとちゃうか?』

『・・・その反応からしてアタリみたいやしな』

 

 

 おお、ここに来てようやく遊子ちゃんについての記述が!遊子ちゃん忘れられてなかった!

 

 そして同時にかなり面白い情報も出てきましたね!遊子ちゃんを攫った実行部隊、どうやら彼女たち威力偵察部隊の仕業だったようです。遊子は少女である事から同じような少女や女性達で構成された部隊を遣わせたのはもしかして陛下からの配慮だったりするのでしょうか?

 

 平子の要求に対して考え込むリルトット。そして彼女が長考の末に出した答えは意外なるものでした。

 

 

『・・・・・・・・・』

『―――いいだろう』

 

『リル!流石にそれは――』

 

『心配いらねーよ、ユノ』

『たとえ誰が相手だろうと、俺らが負けるもんか』

 

『ついさっきまで死んどった癖に、大層な自信なこって・・・!』

『てなわけや。スマンな狛村サン、ここは俺に任せ――』

 

『・・・・・・いや、儂がやろう』

 

『・・・狛村?』

 

 

 なんと、ここで狛村隊長が名乗りを上げました!

 

 

『すまぬ、儂は貴公の事を今の今まで誤解していた』

『儂が今まで貴公ら仮面の軍勢(ヴァイザード)について聞かされていた事柄は、禁術を使い(ホロウ)能力(チカラ)を手にした無法なる集団』

『それが逆賊藍染惣右介の姦計により貴公らに着せられた濡れ衣と知った後も、儂は見苦しくも不信感を完全に拭えなかった』

『だが貴公が黒崎兄妹の家族を救おうと決心したその心意気!』

『それに胸打たれた単純な儂をおぬしは笑うか?』

 

『・・・そんな高尚なモンやないで。アイツらにドでかい借りがあったから返すのに丁度エエって思っただけや』

『アンタこそ本当にええんか?敵サンの親玉に用があったんやろ?』

 

『黒崎一護と黒崎夏梨に大きな借りがあるのは貴公だけではない、ということだ』

 

『・・・ハッ、それもそうやったな』

『・・・・・・本音を言うとな、さっき攻撃を食ろうてちときつかったんや』

『―――任せて、ええか?』

 

『無論!!』

 

『そっちの代表者は決まったみてーだな』

『んじゃ言い出しっぺの法則だ。この決闘(デュエル)は俺が――』

 

『あたしがやる』

 

『キャンディ』

 

 

 そして滅却師側からはキャンディスが名乗りを上げました!

 

 

『あのオオカミ隊長は元々あたしのエモノだ』

『こればっかしはリル、いや、統括副官のアンタでも譲れねーぜ』

 

『・・・・・・まあオメーの能力は単純だし情報の洩れは最小限で済むか。じゃあいいぞ』

 

『なっ!誰の能力が単純だっつうんだ!!』

 

『負けんなよ、キャンディス・キャットニップ』

 

『・・・・・・っ』

『こーゆー時だけフルネームであたしを呼ぶんじゃねーよ』

『たりめーだ。誰にモノ言ってやがるリル(次女)

『伊達にあたしは家族の最年長(長女)やってねーぜ』

 

 

 キャンディスは姉妹の中ですっかりいじられキャラが定着してしまいましたね。(笑)

 

 そしてその固い絆で結ばれた威力偵察部隊の家族構成が彼女らの会話から少し判明しました!キャンディスが長女なのはまあ納得感はありますね。しかしまさかリルトットが次女とは。てっきりバンビエッタが次女で逆にリルトットはおそらく末妹であろうユノワールの一つ上の五女ぐらいだと思ってたんですが、意外なポジションでしたね。

 

 そのユノワールですが、次のシーンにて死神の一団から前に出た狛村隊長が、そして滅却師の一団から前に出たキャンディスがそれぞれ向き合うなか、ちょうど彼らの中央に位置する場所にて立ってます。

 

 

『では、双方合意と見てよろしいですね?』

 

『うむ』

 

『おうよ』

 

『それでは僭越ながらこの決闘(デュエル)の立会人として務めさせていただく、ユノワール・シュリーレーランズと申します。死神の皆様方は以後お見知りおきを』

 

 

 どうやらユノワールは審判役を務めてくれるみたいです。しかしさっきまでの殺伐とした殺し合いが嘘のようにこのような正々堂々な決闘が成立するとは。雨竜は滅却師は誇り高い種族とずっと主張してましたが、ゲスい団員や乱暴な団員が居る中の星十字騎士団内では少なくとも彼女らはそれに相応しい誇りを持っているのでしょう。

 

 

『双方、構え』

決闘(デュエル)、開始!!』

 

 

(とどろ)け』

『 天譴(てんけん)!! 』

 

 

聖隷(スクラヴェライ)

『 神の雷霆(バルバリエル)!! 』

 

 

 見開き、かっこよすぎないっすか師匠?

 

 斬魄刀を解放する狛村隊長!そしてキャンディスはいきなり完聖体へと変身を遂げます!名前は神の雷霆と書いてバルバリエル!その姿はこれまたシンプルなもので単純に翼が雷の形をしてる以外は割と普通ですね。あと彼女の聖文字の能力名も雷霆《ザ・サンダーボルト》ですのでまさかのそのまんま。

 

 もしかしてリルトットが言ってたキャンディスの能力は単純ってこういう事じゃないよね?(笑)

 

 あと、狛村隊長の始解開放、なんか久しぶりに見た気がしません?なんか狛村隊長っていきなり卍解するイメージが強すぎるというか・・・(笑)

 

 何はともあれ、激突する二人!といったことろで今週は終了となります!いやー、今週も大変よい内容でございました!来週は彼らの戦いの経過、そして再来週ぐらいで決着かな?一体これからどうなってしまうのか!乞うご期待!

 

 ではみなさん、また来週!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 みなさん、こんにちは!ユノワール・シュリーレーランズです!

 

 突然ですがみなさん、蠱毒(こどく)と言うモノをご存じでしょうか?

 

 結構いろんな物語や創作で登場してるのでご存じの方も多いと思いますが、あまり馴染みのない方の為にも説明すると古代中国において用いられた呪術の一種です。蠱道(こどう)蠱術(こじゅつ)巫蠱(ふこ)という別名でも知られており、それは容れ物の中に様々な生き物を閉じ込めて共食いさせて、最後に残った一匹を呪詛の媒体に用いると言うトンデモ呪術です。元々はいろんな毒物を持つ生き物を競い合わせて最後に残ったものが最も強い毒!なのでソレを使って憎い相手を呪い殺そうぜ!という外道極まりない毒の生成法でした。

 

 この呪法は創作物でも様々な形で用いられていて、ポピュラーな代表例を挙げるとバトルロワイヤル系作品が皆様にとって最も馴染みある形ではないでしょうか。「今からアナタたちには殺し合いをしていただきます」みたいなデスゲーム系だったり、「最後に残ったやつが最強の生物だ!」みたいなどっかの軍国主義者傘下にいるトチ狂ったマッドサイエンティストの実験だったり、創作界隈では様々な活躍を見せてますね。

 

 そしてなぜ私がコレを突然に話題に上げて来たのか。

 

 はい、勘の良い方はもうお察しでしょう。

 

 私達バンビーズがかつて居た「愛の孤児院(リーベ・ヴァイゼンハウス)」。

 

 それは見えざる帝国に住む孤児を集めた「滅却師(クインシー)版蠱毒施設」とも言える最悪の施設でした。

 

 とはいえ大変不本意ではありますが、普通に生活してる分()()に限れば孤児院での生活そのものは悪くはなかったと認めざるをえません。孤児に認識番号みたいな名前を宛がうセンスはともかく、待遇自体はまさにどこにでもある普通の孤児院そのものでした。陛下に対しての忠誠を植え付けるためか義務教育は洗脳教育じみた内容だったけど意外としっかりしてたし、滅却師の戦闘教育も別に強制させたりとか苦痛を伴うものとかではなく、成績優秀者には普通に外出許可なども出たりしてある程度の自由行動さえも許されてました。

 

 普通の孤児院との最大の違いは大まかに二つ。

 

 一つは「班分け」。あの孤児院では孤児はそれぞれ与えられた名前の番号に沿って0から9の10個の"班"に分けられてました。班には26人の孤児が集められAからZのアルファベットが与えられ、それぞれの班は他すべての班から離されて育てられていました。つまり私の孤児院生活の初期にてバンビエッタに付けられた私の「(ユー)シュリー」改め「U3(ユースリー)」の名前は実は孤児院のシステムに沿ってなかったんですよね。本来ならアイルランドの某ロックバンドの名前になってました。まあバンビエッタは今リルトットに殴り飛ばされてる所からも見えるように結構うっかりちゃんな所もありますから。私からは絶対言わないけど!あれはリルトットだからこそできる芸当です。

 

 まあ結局今の「ユノワール・シュリーレーランズ」の名前を自分から名乗るまではそれで定着しちゃったんですけどね!

 

 話を戻しますと、一見孤児院は結構大所帯っぽく見えますよね?単純計算だと10の班かける26人の孤児で合計260人。詳しくは知らないけど普通の孤児院ってだいたい20~30人ぐらいのイメージだから、「愛の孤児院(リーベ・ヴァイゼンハウス)」は10個の孤児院を集めた巨大複合施設って思うじゃん?

 

 違うんだよなぁ。

 

 確かに私は先ほど班には26人の孤児が集められると言いました。しかしそれはあくまで()()()()()()()()()()()()()。実際私が最初にバンビーズのみんなと出会ったとき、その時点で2の班に所属してた孤児はすでに彼女達5人しか残ってなかったのです。じゃあ他の21人はどうなったかって?ここで「愛の孤児院(リーベ・ヴァイゼンハウス)」のもう一つの特徴の話になります。

 

 もう一つの違い、それは他の班との「交流戦」の存在でした。

 

 3ヶ月ごとに銀架城(ジルバーン)内にある闘技場で行われる班対班の「交流戦」。制限時間30分のそれは、班同士で行われる純粋なる「殺し合い」の場だったのです。

 

 普通そんな非道まかり通る訳ないと思うでしょ?最低でも孤児たちはいきなり殺し合いなんて言われても戸惑ったりとか、人である以上嫌悪感がありそう簡単に殺し合いには発展しないだろうと。

 

 でも最悪な事に「愛の孤児院(リーベ・ヴァイゼンハウス)」の院長は聖文字「(ザ・ラヴ)」を持ってるペペ・ワキャブラーダだったんです。あの糞野郎はその能力を使いさりげなーく孤児たちの殺し合いへの抵抗感を下げたり、交流戦への意欲を上げたり、そしてそれでもなかなか始まらなかった場合は特定の奴を直接操って殺し合いの火蓋を強制的に切らせたりとそれはもうやりたい放題してました。質の悪い事に彼の洗脳は洗脳後もその記憶が残ってしまうので、彼がさりげなくそれをやれば徐々に孤児たちは自分のやってる事に関して疑問を持たなくなってしまう事なんですよね。

 

 原作でアスキンがペペの事を「俺に言わせればあんたも充分バケモノだよ」って言ってたのは、つまりはこういう事だったんですね。強さではなく精神的なバケモノ、それもゲス方面に関してですが。

 

 ちなみになぜこんな事をペペの奴がしていたかと言うと、彼いわく短時間で聖章騎士になりえる人材を育成するためとの事。石田家は別として、本来滅却師は何百年と時間を掛けてようやく聖章騎士クラスの強さになるんですが、彼の孤児院の"卒業者"は10年足らずでその領域にたどり着けると、そうペペは陛下に進言したそうです。陛下って千年間も影の領域に引きこもってた割にせっかちな所があるのでどうやらペペの戯言を真に受けちゃったっぽくって、こうしてペペの孤児院ならぬ蠱毒実験施設が成立してしまったという訳ですね。

 

 私達が卒業するまでは何度繰り返しても誰も卒業しなかったみたいだけどな!

 

 そして私達の場合は10年じゃなくて6年のハードスケジュールだったけどな!

 

 ちなみに私達バンビーズ全員が持ってる神聖弓(ハイリッヒ・ボーゲン)を手軽に作り出せるようにするためのハート型のアクセサリー各種、実はあの孤児院から配給された奴です。今は私達家族の絆の証として使っているけど、あの孤児院ってペペの趣味なのかそこら中にハートマークが飾ってあったり家具やら日用品やら全部ハート型で統一されてましたからね。だから愛の孤児院ってか?クソが。星十字騎士団内での私闘禁止命令が無ければと何度思った事か。

 

 あと、これはペペの糞野郎とは出来るだけ会話したくないから確かめたこと無いけど、"班"が全滅した後のその()()について。それは孤児院の外で集めてるのではなく、おそらく()()()()していただろうという仮説が私の中にある。元々「交流戦」での死合の後は気が高ぶりやすいし、ウ=ス異本思考みたいでほんっとうに考えたくもないがペペもやろうと思えば能力で促すことも出来るだろう。もしそうだとすれば原作のバンビエッタとキャンディスの貞操観念に説明がついてしまうし、ジゼルの性同一性障害もそのあたりが関係してる節がある。

 

 そしてその孤児院をなんとか生き残り、卒業し、私達が見事聖章騎士に上り詰めた事によりその孤児院はようやく閉鎖されました。死にたくない思いに突き動かされ、生き残るためとはいえ私も自らかなりの数の孤児を手に掛けてしまい、本当に最悪の経験でした。

 

 いやそりゃ原作のバンビーズもこんな経験してたらあんな性格になるわな!

 

 とまあ、長々と孤児院の実情について語りましたが結局ペペの「短期間で聖章騎士を育成する」という目論見は成功しませんでした。いや、正確に言えばペペは成功したと「思ってる」が正解か?なんせ私達バンビーズは「交流戦」を経て力を付けたわけじゃない。バンビエッタが分け与える力を持つ滅却師だったからこそ私達の力が強くなり生き残ることが出来たってのが真相だ。

 

 とはいえ私がこの世界線にてバンビーズと一緒の班に配属された事で色々変化は起きてしまったと思う。最たるものはもちろんバンビエッタと他の4人の仲を取り持った事だろうか。

 

 私が合流する前はリルトット達はバンビエッタに対しておべっかなどを使ってやる気を出させ、彼女を前線に押し出し自分たちは後方の安全な場所から援護射撃に徹するという戦法を使いそれまで生き延びてたらしいです。おそらく原作ではずっとそのスタイルを貫いて孤児院から卒業したのでしょう。でも正直その戦法を取ったリルトット達を責める事は私には出来ない。彼女達も生きるのに必死で、彼女らは単に生き延びる確率が最も高い方法を選択しただけにすぎなかったのだ。

 

 しかしそれによりバンビエッタはますます横暴な性格になり、彼女たちの仲は拗れに拗れて、原作でのあの末路を辿ってしまったのだろう。

 

 私もリルトット達の行動にならい、あくまで原作順守の為にあえてこのままにしておくという選択肢を採ることもできた。しかしバンビエッタが一人で必死に前線を維持する姿はあまりにもいたたまれなかったし、私が合流したことによりどんなバタフライエフェクトが起こるかもわからない。実際私が合流した後の最初の「交流戦」ではバンビエッタが新しい子分である私にいい所を見せようと死にかける事態が発生しましたしね。

 

 なのでこれはいけませんとばかりに私は思いつく限りの仲直り作戦を次々と実行に移しました。途中で私がバンビエッタをうっかり彼女の原作の名前で呼んでしまったせいで公平を期すために私が彼女ら全員の名付け親になったり、私だけ名無しという訳にもいかないので急遽私の「ユノワール・シュリーレーランズ」と言う名前も考えなければならない事態になってしまいましたが、ともあれ色々試しました。

 

 結果、仲直り作戦はバンビエッタ以外の私達全員が一度死ぬことによりなんとか成功。いやー、あの時は本当にヤバかったね!まあ終わり良ければすべてヨシッ!って事で・・・

 

 いや本当はよくないけど!ショック療法にもほどがあるよ!あの時は本当にゴメン!

 

 と、ともあれ仲直り作戦の一環として試した試みの中で今まさにリルトットが平子達に提案してる決闘(デュエル)ってのもありました。最初はけんもほろろに扱われましたがバンビエッタとリルトット達が和解した後では私達の間ではなにかしらで揉めたら決闘(デュエル)して解決するって事がいつの間にか定着。時には模擬戦で、時にはグレミィを巻き込んでソリッドヴィジョンもどきを使い某カードゲームで。特に後者はめっちゃ楽しい!みんな自分のデッキを持ってて私が色々教え込んだおかげもあってみんなデュエルタクティクス高いしね!

 

 後で正気に戻ってグレミィのご機嫌取りをしなければならないってお決まりのパターンになっちゃうけど。その件に関してはリルトットに大変お世話になっております。

 

 しかしアレだ。まさか私が「やめて!私の為に争わないで!」ってポジになるとは。というか平子って私の事知ってるんだね。夏梨ちゃんからでも話を聞いたのだろうか。というか「黒崎遊子」として会ったことも無いのに私の事を気に掛けてくれるとは、平子いい男すぎない?元々好きなキャラではあったけどめっちゃ好感度あがったよ。リルトットも平子に対して捕虜としての扱いを約束してくれるみたいだし、これで最初はどうなる事やらと思った狛村隊長イベントも思ったより穏便に進みそうだな。さっき私達が死んじゃった事を穏便ですませてもいいのかは流石に自分でもどうかとは思うけど。

 

 おっと、どうやら決闘(デュエル)は結局狛村隊長VSキャンディスって事で落ち着いたようだね。では決闘(デュエル)の発案者として私が立会人を務めましょう!役得役得!ついでに試合の後の仕込みの為に「開錠(アンロック)」の発動準備もしておきますかっと!一石二鳥とは正にこの事!

 

 そして一石二鳥ならず一石三鳥!ふっふっふ、まさかBLEACH本編でこの台詞を言う機会がやってくるとは!テンション上がるなぁ~。

 

 決闘(デュエル)、開始!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バンビエッタはキャンディスと鎧を着た大柄の死神との決闘(デュエル)を内心複雑な気分で観戦してると、ふと視界の端に自分があのおかっぱ頭の死神と戦ってた時に投げた青龍刀型のゼーレシュナイダーが近くの瓦礫に突き刺さったまま放置されてるのを発見した。別にゼーレシュナイダーは他の予備のも含めるとまだ4つほどあったが、決闘(デュエル)はもうしばらく時間がかかりそうだったし、なんだかんだでキャンディスが勝つことを信じていたので少し席を外しても構わないだろうという事で取りに行くことにした。

 

 そして石から剣を引っ張り出そうとしたその時、後ろで辛うじて立っている柱の影の中から他の誰も聞こえない音量で声が聞こえて来た。

 

「ご無事でなによりです」

 

 バンビエッタは静かに目を閉じると、誰にも悟られないように同じような小声で返事をする。

 

「・・・アンタか。一応同盟相手全滅のピンチだったってのに、悠長な事ね」

 

「貴方様を信じていたので」

 

「それはどーも。で、今更何の用?」

 

「例の件、考えてもらえたでしょうか?」

 

「陛下の集会の後で私達に言ってたアレ?本気だったワケ?」

 

「ええ」

 

「・・・・・・今の段階ではまだ言えないわ。陛下の出方による、としか言えないわね」

 

「やはり、例の石田雨竜が影響してますか?」

 

「そうとも言えるし、そうでないとも言える。正直アイツが何考えてるのかチョットわからないのよね。本気で見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)に協力したいとも見えないし。陛下もなんであんな奴に親衛隊を預けたって最初は疑問だったんだけど、多分監視の為なんでしょうね。ただ後継者候補への任命に関しては・・・やっぱりアタシ達と同じ、と言う事なのかしら」

 

「探ってきましょうか?」

 

「よしなさい。情報提供には感謝してるけど、いくらアンタでも限度ってものがあるわ」

 

「―――本当に変わられたのですね」

 

「褒めてもこれ以上なにも出ないわよ。アタシはアタシのやるべき事を為す、それだけよ」

 

「・・・あの孤児院に勤めていた一人の教師として、あなた方の成長を嬉しく思います」

 

「その台詞、卒業する前に聞きたかったわ」

 

「・・・それは、申し訳なかったですね」

 

「今更だし、別にいいわよ。アタシもあの当時のアタシはどうかしてたって自覚はあるから」

 

「やはり、ユノワール君の影響ですか?」

 

「そうね。きっかけはそう。でもリルもジジもキャンディもミニーも、今のアタシにとってはみんな大事な家族だから」

 

「そうですか。それを聞けて良かった」

 

「・・・念のためにもう一度言うけど、無茶するんじゃないわよ?」

 

「ええ、もちろん。では死神達に怪しまれる前に私は失礼しますよ。引き留めて悪かったですね」

 

「本当に無茶するんじゃないわよ?」

 

「大丈夫ですよ。ではまた後程」

 

「あ、ちょっと――」

 

 影から感じていたその僅かな気配が消えた。それを察知したバンビエッタはゼーレシュナイダーを懐にしまいながら深くため息をつくのであった。

 

「ったく、兄が死んだことで自暴自棄になってなきゃいいけど・・・」

「しっかりしなさいよね、ロイド・ロイド」

「って、キャンディ!?」

 

 巨大な爆発が起こり慌てて空を見ると、バンビエッタは決闘(デュエル)の決着がついた事を悟った。

 




 ご清覧、ありがとうございました。これにて第十一話終了です。

 平子や狛村隊長の口調ムズすぎィ!多分色々と間違ってると思いますが、カナダ人にとって再現するのは辛いよ・・・

 ではまた次回に。
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