バンビーズみんなのバスターでバインバインしたかっただけなのに 作:カナダ次元
と言うわけで第十六話。話数からして一見時間が飛んだように見えますが、今話のブログ部分でも補足しているように前話を直後にこの世界線の漫画は過去回想へと突入したって考えればOKです。
あと、今更の話ですが前話を境に原作崩壊が今以上に加速します。なのでこれ以降のブログ部分は原作には無い話が多くなると思うので、その点はどうぞご了承ください。
BLEACH592話「Shadows Behind the Rain op.10 "Unlock the Truth"」感想
さてさて、今週もやってきましたBLEACH592話!
583話から唐突に始まった遊子ちゃんの過去回想シリーズ「Shadows Behind the Rain」も今週でとうとう十回目!そして最終回となります!最初の回の冒頭であの運命の雨の日に遊子ちゃんがロバートに助けられた所以外ではこの過去回想シリーズの語り手であったジゼル・ジュエルの視点で進んできたバンビーズという家族の物語ですが、今回で終わりとなると少し感慨深いですね!
彼女らの出会い。孤児院での生活、そしてその裏に潜む悲惨なる秘密。生き延びるための歪なる共存関係。それを改善しようと努力する遊子ちゃん。和解、家族の誓い、そして遊子ちゃんから与えられたそれぞれの新しい名前。ペペが育て上げた最高傑作と称される孤児たちとの死合。遊子ちゃんまさかのいきなりの絶命から崩れ落ちるバンビーズ。一人、また一人と死んでいく家族。残ったジゼルとバンビエッタの命の火もあわや消え去るという所から遊子ちゃんの言葉を思い出し、ジゼルが死亡した直後に聖別を使い覚醒するバンビエッタ!奇跡の復活からの逆転劇!いや~、ほんと色々ありましたね!
てか彼女らの過去悲惨すぎないですか師匠?限度ってのもあるでしょう!
しかし悲惨であろうとも、彼女らは諦めなかった!様々な逆境に打ち勝ち、ついに彼女らは孤児院を卒業!見事聖章騎士の地位をそれぞれ獲得し、聖文字も与えられ、バンビエッタも後継者候補へ指名されました!後継者候補就任の儀の大乱闘の後、聖章騎士の席が足りなくて一人余る事になってしまいましたが遊子ちゃんが進んで辞退し彼女ら直属の聖兵へとなる事でそれも解決。彼女らとしては可愛がっている末っ子である遊子ちゃんを戦いから遠ざけたかったでしょうし、喜んでその決定を受け入れました。
だが肝心の遊子ちゃんはどうやらそう思ってなかったようで・・・結果、前回ラストで遊子ちゃん以外のみんなが部屋で駄弁ってた所に伝令から伝えられた遊子ちゃんの「昇格戦」の通知へとつながってしまったわけですね。前話のリルトットのセリフから解るように、「昇格戦」の申告は昇格を希望する聖兵から申し込むことで発生するらしいですし。やはり一人取り残されるのには遊子ちゃんには思う所があったのでしょうか。
今週は前回の直後そのままからスタート。伝令を押しのけ、部屋から出て長い廊下を走るバンビーズの面々が写されます。
『・・・わからない。アタシも何がなんだか――』
問いただすジゼルに対して自分も寝耳に水だったと返すバンビエッタ。そして混乱してる彼女らへと水を差すのは廊下の途中で彼女らを待ってたように立っている長身の黒人の男でした。
『!』
『・・・・・・なんの用よ、ナジャークープ』
『なぁに』
「
ナナナ・ナジャークープ
NaNaNa Najahkoop
『相変わらずの仲良しグループを観察しに来ただけさ』
ここでナナナ・ナジャークープが紹介文と共に正式に登場しました!初登場はバンビエッタが後継者候補として指名された時、不満をぶつけてきてバンビエッタにより一番最初に叩きのめされた人ですね!しかし改めて見るとかなり奇抜なデザインしてますねこの人!名前のセンスもさることながら、相変わらず師匠のオサレ加減は最高です。
そしてこのナナナさんですが、遊子ちゃんがいずれ持つことになる"U"の聖文字を持ってます。しかし紹介文に「当時」と書いてあるように、まあつまりはそういう事なのでしょう。ただ面白いのは同じ"U"の聖文字でもこのナナナさんが持つ能力は開錠《ジ・アンロック》ではなく無防備《ジ・アンダーベリー》と言うもの。となるとユーハバッハに同じ聖文字を与えられてもそれにより発現する能力は個人差があると言う事なのでしょうか?
ナナナさんの登場により歩を止めるバンビーズの面々。特にバンビエッタは彼に対して嫌悪を隠そうともしません。彼の挑発に対して彼女も挑発で返します。
『おーおー、コエーコエー。俺はあんたらとは争う気はもうねーよ』
『
『何よ、引っかかる言い方をするわね』
『―――オメーの部下、昇格戦に挑むんだってな?』
『・・・・・・』
その言葉に目を細めるバンビエッタ。それを見てナナナは笑みを深くします。
『だから今は
『・・・で、オメーの部下が挑む、その肝心の相手。誰だと思うよ?』
『・・・・・・!』
『まさか―――』
『ご名答!』
『この俺さ!』
『いやー、陛下に命じられた時、最初はどうかと思ったが』
『よくよく考えてみればオメーの皇帝候補者就任の儀で恥をかかされた借りをようやく返せるってワケだ!』
『このっ、屑が――』
『ダメだ!バンビちゃん!』
ナナナの言にカッとなってしまったバンビエッタは青龍刀風の刀を抜き彼を切り捨てようとしますが、その前にジゼルが彼女の腰に抱き着き彼女を必死に止めます。それを見たナナナはますます笑みを深めます。
『そう、ここで俺に手ェ、出してみろ。その時点でオメーの部下は失格!』
『そして昇格戦の敗者は死!』
『俺に危害を加えれば奴が殺されるのがちょっと早くなるだけさ!』
『どっちにしろオメーは部下が俺にむごたらしく殺される様を指くわえて見てる事しかできねーわけだ!!』
『傑作だな、オイ?ハハハハハハ!!』
ジゼルに自分の凶行を止めてもらったバンビエッタは一周回って冷静になったのか、歯ぎしりしながらも静かに返します。
『あ?』
『ユノは私たちと同じ孤児院の卒業生よ』
『そう簡単に彼女に勝てると思ったら大間違いだわ』
『・・・・・・ククク』
『何が可笑しいのよ』
『悪いな。あまりにも頭がめでたすぎて、つい、な』
『そもそもだ、
『?』
『教えてやるよ』
『オメーの部下、結構な真面目ちゃんらしいじゃねーか』
『だがそれは今回仇となっちまったな』
『アイツ、まだ試合まで30分もあるのにもう到着して闘技場のど真ん中に突っ立ってんだよ!』
『・・・・・・!!』
『そう、オメーの部下の霊圧はすでに観察済みさ!』
『俺の能力は「
『試合が始まったら後は俺の「モーフィン・パターン」でアイツの霊圧配置の穴を突いて霊圧を完全に麻痺させるだけよ!!』
『チキンの足を捥ぐよりラクショーだぜ!!ハハハハハハ!』
ここでナナナが持つ能力についての情報が提示されました!どうやら無防備と言う能力名から連想されるようにデバフ系の能力のようですね。観察と言う手順が必要そうですが、その条件を満たしさえすれば霊圧を麻痺させるという「モーフィン・パターン」というなんとも強力なロック効果の技を相手に掛けられるそうです。あえて言うのなら一手間はかかるが滅却師相手にも効くキルゲ・オピーの監獄《ザ・ジェイル》みたいなものでしょうか?
しかし遊子ちゃん、なんとも迂闊!生真面目な性格が災いとなり相手に準備の時間を与えてしまい絶体絶命の窮地に知らずのうちに立たされてしまいました!それをわかっているのかバンビーズの面々も悔しそうに顔を歪めてます。ただここで手を出してしまうとそれは彼女らの末妹の死を意味してしまう。
『せいぜい祈ってな!』
『オメーの大事な大事な部下が楽に逝ける事をよ!!』
『クハハハハハハ!』
高笑いしながら去って行くナナナ・ナジャクープ。しかし場面転換を挟み闘技場へと視点が移り変わると、そこにいたのは遊子ちゃんに正面から刀で胸を貫かれたナナナでした!
いや、結果はわかってたとは言え、フラグ回収早すぎィ!
『はぁ・・・はぁ・・・』
『ば・・・』
『ばか・・・な―――――』
刀を引き抜く遊子ちゃん。舞い上がる血しぶき。力なく倒れるナナナ。遊子ちゃんも全身ボロボロで満身創痍の有様ですが、どうやら勝利をナナナからもぎ取る事に成功したみたいです。
『私は、ここで』
『止まるわけには、いかないのです』
遊子ちゃんはすでに事切れたナナナの前へとひざまずくと、彼のバイザーを外し、生気を失ってしまった彼の目を指で優しく閉じます。彼のバイザーを胸の前でぎゅっと握る遊子ちゃん。
なるほど、遊子ちゃんはこれが理由でバイザーを付けるようになるのですね!543話でバンビエッタが言ってた「三年前アナタが殺したあの男への義理のつもり?」の謎がついに解けました。あの男とはナナナの事であり、遊子ちゃんが彼を殺したのは家族に置いて行かれたくなかった自分勝手な理由からだった。彼女がバイザーを付けているのはその罪を忘れないために、といった所でしょうか。なんと切ない。
そして今までは闘技場で他の孤児たちと戦ってきたバンビーズの面々ですが、今度は観客席から遊子ちゃんの試合を見守っていました。
『ユノの奴、勝っちまった・・・!』
『これでユノちゃんも、わたしたちと同じ聖文字持ちに・・・!』
『――――ああ、そうだな。だが・・・』
『ユノ・・・』
上からジゼル、キャンディス、ミニーニャ、リルトット、そしてバンビエッタ。緊張の糸が切れ口々に遊子ちゃんの勝利を喜び始める彼女たち。だがやはり彼女の勝手な行動に思う所があるのか、内心は複雑そうです。
『!!!』
なんと、ここでユーハバッハの登場です!闘技場の入り口からハッシュヴァルトを引き連れて現れる見えざる帝国の皇帝。その背後にはアスキンもいますね!さらには今のところまだ名前が判明してない片目にXの入れ墨がある黒人男と、なんと新キャラも二人!なんか北欧神話にいそうなヘルメットを被った半裸の戦士風の大男と、全身をフードで纏い顔も全く見えない背の低い人物。アスキンもいる事からこの面子が神赦親衛隊のメンバーという所でしょうか?となるとようやく聖章騎士全員の姿が判明したことになりますね!ここまで長かった・・・!
さて、今まで一度も闘技場へと訪れたことのなかったユーハバッハですが、今になって何しに来たのでしょうか!?
『よい』
立ち上がろうとする遊子ちゃんを手で制するユーハバッハ。
『・・・ありがとう、ございます』
『・・・・・・ですが、黒崎遊子の名は最早過去の名』
『今の私は、ユノワール・シュリーレーランズ』
『その名乗りを、許していただきたく存じます』
『――――よかろう』
『怖気付く事無く私に上申した、その多大なる勇気』
『それに免じてその名乗りを許そう、ユノワール・シュリーレーランズ』
『光栄で、ございます』
ああああああ。なるほどこう来たか。今まであれほど取り戻したかった黒崎遊子の名前をあえて自分から捨てた遊子ちゃん。こうやってユノワール・シュリーレーランズを名乗っていく事になったのか。彼女は最早戻れないところまで落ちてしまい、ならばせめて彼女の新しい家族と共に一緒に前に進み生きていく事を選んだという事でしょう。なんとも悲しい結末です。
というか遊子ちゃんが普通に自分の名を名乗れたと言う事はどうやらユーハバッハは試合に勝利した褒賞として彼女の名前を返したようですね。せっかく戻って来たのに本当にもったいない。
だがどうやらユーハバッハはそれで済ます気が無いようです。
『・・・・・・は?』
『
困惑する遊子ちゃん改めユノワールちゃんを無視し、ユーハバッハはバサッとマントを広げこの闘技場にいる全ての星十字騎士団員に対してとある決定を公表します。
『私はこの者を』
『ユノワール・シュリーレーランズを』
『バンビエッタ・バスターバインに続き』
『―――二人目の後継者候補に指名する』
ユノワール・シュリーレーランズ、衝撃の後継者候補へ!いやはやバンビエッタの後継者候補就任もいきなりでしたがまさかこういった形でユノワールも就任するとは、これも予想外でした。しかしバンビエッタは聖別を使えるようになり後継者候補への就任は納得感はあったのですが、いったいユーハバッハはユノワールの何を見て彼女を後継者候補としたのでしょうか?もしかして先ほど大幅カットされたナナナとの戦いで何かを見出したのでしょうかね?大幅のハンデを背負ってたはずにもかかわらず勝利してしまいましたし、彼女に後継者たる何からしらの要素があることは間違いないでしょう。
そして場面は、ついに!現代へと戻っていきます!
シーンは白哉により吹き飛ばされた今までの物語の語り手であったジゼルから。彼女は瓦礫から這い上がると、遠くで一護と夏梨へと対面するユノワールをその目で捉えます。
そして場面はユノワールに。彼女は懐からメダリオンを取り出し、構えます。
『卍解』
いきなりの卍解、といった所で今週は終了!つまり彼女は残火の太刀をまだ持っていたことに・・・!やはり彼女は浦原の侵影薬の影響を受けてなかった!
なんとも凄まじい急展開!いきなりのクライマックス!最悪の形での再会からついに開始される残された家族との戦い!一体どうなってしまうのか、見逃せません!
ではみなさん、また来週!
時は二人目の後継者候補指名の直後、ユーハバッハの王座の間へと巻き戻る。
「――――陛下、何故あのような者を後継者に・・・?」
「・・・気づいておらぬのか?ハッシュヴァルト」
「はい、いいえ、何の事でございましょうか」
「そうか、気づかなかったか」
「何、実に単純な話だ」
「おかしいとは思わなかったのか?」
「六年前、私が彼女の名を奪ったにもかかわらず」
「彼女が自分で黒崎遊子の名前を
「・・・・・・――――!!」
「フッ・・・」
「・・・陛下?」
「フハハハハハハハハハッッ!!!」
「愉快!!」
「実に愉快ぞ!!」
「これを笑わずにいられるか、ハッシュヴァルト!!」
「あの脆弱だった子供が!」
「あの何も出来なかったあの幼子が!」
「よもや自分の名前を取り戻す事だけではなく!」
「新しい名を自分に作り!」
「更には他人、それも同じ「与える者」にさえも名と力を与える事が出来たとは!!」
「そう!」
「だからこそ彼女はあの夜を生き延びる事が出来たのだ!!」
「今だから言おう」
「ハッシュヴァルト、貴様も所詮は我が半身」
「私と同じ「与える者」でもお前は私とは違った」
「私は長い間、唯一無二の存在だったのだ」
「あれから千年」
「我が見えざる帝国でも私と同じ「与える者」は僅かながらも生を受けた」
「ナナナ・ナジャークープ」
「蒼都」
「ドリスコール・ベルチ」
「そしてハッシュヴァルト、貴様と同じ「半身にしかなれない」ロイド・ロイド兄弟」
「だが、私が奴等に私と同じ母音の聖文字を与えてもだれもかれも自分が何者かを理解せず」
「私を心酔するあまり、強固たる意志を持たず、己の道を往かぬ愚か者共だった」
「だがあの日」
「聖章騎士就任の儀にてバンビエッタ・バスターバインが我が前に立ったあの日」
「自分自身がおぼろげながらも何者なのかを理解した上で私に相対したあの日」
「私は初めて、真なる意味で私と同格の存在に出会ったのだ」
「故に私は彼女を私の後継者候補とした」
「期待したのだ」
「彼女を端緒として、他の者共も自分がどういう存在なのかを理解し始めるのかと」
「だがそうはならなかった」
「奴らは依然変わりなく愚かで居続けた」
「バンビエッタ・バスターバイン配下の一聖兵が聖章騎士に昇格したいと直訴して来た時も」
「ナナナ・ナジャークープへと挑ませたのは、彼奴に自覚を持ってほしいと」
「私が僅かなる希望にすがったからだ」
「だが蓋を開けてみたらどうだ!」
「実に斬新奇抜!!」
「正に慮外千万!!」
「皆の、いや、この私の予想さえも上回り、彼女が勝利した!!」
「ナナナ・ナジャークープの事は残念だった」
「だがその命と引き換えに我が帝国が得た恩恵は広大無辺」
「彼の犠牲は、彼女の覚醒の為には最早必然だったのだ」
「それだけではない」
「彼女の存在が周知される事により」
「残る自覚無き「与える者」も直に自覚するようになるだろう」
「自分で気づくか」
「あるいは他人に促されて気づかされるのか」
「その工程に思う所はあるが、その暁には彼らの事も後継者候補に抜擢する」
「楽しみであるな?ハッシュヴァルト」
「・・・・・・」
「・・・楽しみ?」
「楽しみを感じているというのか?」
「この私が」
「・・・・・・・ああ、そうか」
「陛下―――」
「そうか」
「ようやく解った」
「これが、仲間を得ると言う事か」
「悪くない」
「本当に悪くない気分だよ、ハッシュヴァルト」
それはユーグラム・ハッシュヴァルトが初めて見る、ユーハバッハの影無き笑顔だった。
「私は最早」
「一人ではないのだ」
この後少ししてユノワール・シュリーレーランズは王座の間へと呼ばれ"U"の聖文字を授けられる事となる。
彼女が変えた、見えざる帝国の未来と共に。
ご清覧、ありがとうございました。これにて第十六話終了です。
以下よくわかる陛下の心境の解説
原作陛下:どいつもこいつも無能ばっか。こうなったら自分で全部やるしかないじゃない!
この世界線の陛下:体が軽い・・・。こんな幸せな気持ちなんて初めて・・・。もう何も恐くない・・・!
ではまた次回に。
追記:
アスキンに関しての補足ですが、この世界線での彼は第七話でもあるようにすでに神赦親衛隊に加わってます。設定をもう少し詳しく言うとバンビエッタの後継者候補就任のすぐ後に親衛隊に入りました。描写不足で混乱させてしまい、申し訳ございませんでした
オマケ:この世界線におけるBLEACH単行本のタイトル&ポエム、その4
BLEACH65巻「SHADOWS BEHIND THE RAIN」
表紙:ジゼル・ジュエル
死んでも
生きてやる