バンビーズみんなのバスターでバインバインしたかっただけなのに   作:カナダ次元

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UA3400越え、お気に入り130越えと予想以上の反響を頂き本当に感無量です。ご清覧いただきありがとうございます!おかげさまでモチベーションが増大し比較的短期間に次話を書き上げることができました。

感想に関してですが、一話投稿したらその一話前の感想に対してのみ返信しようと思います。こういう枷を自分からしていかないと自分からネタバレする勢いでイキイキと返信を書きそうなので・・・。もちろんすべてに目を通してます。感想、そして誤字報告をくださった方々、本当にありがとうございました。

今回は筆が乗り前回よりも長文になってしまいました。あと今後もそうですが独自解釈マシマシです。そういうのが苦手、という方はご注意ください。

では引き続き第二話も楽しんでいただければ幸いです。


とある並行世界のBLEACH感想ブログ②

BLEACH19話「6/17 op.3 "memories in the rain"」感想

 

 

 さてさて、今週もやってきましたBLEACH19話!

 

 連載開始から半年まであとちょっと!あっという間に感じます。

 

 今回は前回に続き我らが主人公の過去について!というか先週の話で明かされた一護の過去、重すぎじゃね?お母さんだけじゃなく妹まで一緒に亡くなったとか。お父さん一心の母娘ポスターあれこれとか今までコメディちっくに描かれてましたが、よくよく考えればヘヴィーな話です。

 

 一護は「俺が殺した」と言ってましたが、これはアレですな、サバイバーズ・ギルトとかいうやつ。Wi〇ipediaでは「戦争や災害、事故、事件、虐待などに遭いながら、奇跡的に生還を遂げた人が、周りの人々が亡くなったのに自分が助かったことに対して、しばしば感じる罪悪感のこと」という説明がなされてますね。自分のせいじゃないのに生き残ったこと自体を責任に感じてしまう、人間である以上どうしようもない感情です。なお今回の話で深堀りされ読者への精神的ダメージが更に加速する模様。

 

 最初のシーンは黒崎家の墓の前で祈りをささげる主人公の妹、夏梨ちゃんからです。

 

 

『久しぶり・・・お母さん、遊子姉』

『二人とも元気だった?って死んでんのに元気ってのもナイか』

『こっちは元気。あたしも一兄もなんとか元気にやってるよ』

 

 

 夏梨ちゃんと亡くなった遊子ちゃんは双子だったと前に描かれてましたが、夏梨ちゃんの方が妹だったと判明。ちょっと意外でしたね。なんかイメージ的に夏梨ちゃんが姉の方と勝手に思ってたのですが違いました。たしかチャドの時のエピソードでも少し触れられてましたが、姉が亡くなり自分がしっかりしないといけない自覚でも芽生えて今の性格になったんでしょうか?言葉使いは乱暴だけどなんやかんやで面倒見がいいですもんね、彼女。

 

 

『ただ・・・』

『・・・ぶっちゃけヒゲは元気すぎてちょっと、いや、かなりウザイです・・・』

 

『さあさあさあ今年も恒例の「ドキッ!黒崎家だらけの墓石ドミノ大会」の時間がやってきましたよ!!』

『みっちり2時間30分墓石倒しまくりでポロリもアリ!!のこのゲーム、勝った奴は負けた奴を一週間犬にできるって寸法よ!!』

『まずはさっそくグループリーグ一戦目!!父さん対一護―――!!!』

 

『うるせえぞクソ親父!墓場でぐらい静かにしやがれ!』

 

 

 そういうとこやぞ一心さん。

 

 うーん、いい人なんだろうけど、なんだろう、やる事がことごとく空回りするというか。多分自分なりに子供たちを励まそうとしてるのでしょうが、他にもっといいやり方あるやろ。子供達めっちゃ呆れてるぞ。(笑)

 

 

『よーし行くぞー!!』

 

『おい、ホントにやったらまたご飯作ってやんねーからな!』

 

『な!夏梨ちゃんそんな殺生なー!』

 

 

 なおもイベントを強引に進めようとする一心に黒崎家の家事担当である夏梨ちゃんの最終奥義「メシ抜き」が炸裂。効果は抜群だ!

 

 ・・・また、って言うあたり絶対何回も有言実行してるんだろうなぁ。(笑)

 

 その家族のほのぼの(?)した様子を上から見守る我らがルキア姉さん。一護が彼女に言った言葉を思い返してます。

 

 

『・・・俺なんだ・・・・・・!!!』

 

『母と妹を殺した・・・か』

『・・・あやつが家族を手にかけるとも思えん・・・』

『恐らくは過失か・・・』

『・・・事故だろう』

 

『可能性はあるのだ!』

『その貴様を狙って来た虚が・・・』

『誤って貴様の家族を・・・』

 

『・・・・・・莫迦者だな・・・』

『・・・私は・・・・・・』

 

 

 別に意図して一護の地雷を踏んだわけではないのでしょうが、ルキア姉さんはそれでも自分のうかつな発言を後悔しちゃってるようです。マジメか!マジメだったわ。

 

 

『ルキ―――アネ―――エさ――~~ん・・・』

 

『なんだコン、呼ぶまで出てくるなと言った筈だ』

 

『だーってネエさん、こん中けっこう息苦しいんスよ?カンベンして下さいよ~~』

 

『・・・息をするのか貴様・・・』

 

 

 さすがコン、シリアスな場面な筈なのに一気にギャグっぽくなりました。(笑)

 

 コンはぬいぐるみに憑依してる以上息は必要なく、彼の言はあくまで例えなのでしょうが、実際問題改造魂魄である彼に生命(?)活動に必要なモノってあるのでしょうかね?本体はあの飴ですし。多分ですが持ち主、あるいは周囲の霊圧を吸収してるとかですかね?なんか植物っぽいな。

 

 

『ねー、もう帰らねッスか?一護のヤツもなんか今回そっとしといて欲しいみたいだし・・・』

 

『言ったろう、こうして奴の傍におらねば虚が出た時に対処が遅れる』

『これも仕事のうちなのだ』

 

『ちぇーっ、やっぱダメかーチキショー』

『いつでもどこでも虚、虚、虚、虚・・・』

『ネエさん、そんな仕事のコトばっか考えてると友達減りますよー?』

『あーあ、こんな何もないトコ早く帰りてーなー』

 

『!・・・どうかしたんスか?』

 

『・・・いや・・・』

『・・・まったくだ・・・・・』

 

 

 悲報。ルキア姉さん、友達が少ない模様。(泣)

 

 今度はコンがルキアの地雷を踏んじゃったかー。でもまあルキアって生真面目な性格のせいで尸魂界で苦労してそう。尸魂界はどういうところかまだあまり詳しい描写ないですが、さすがに死神みんながルキアみたいな性格じゃないでしょうし、と言うかそうあってほしい。流石に死後の世界が真面目であふれかえってたら嫌すぎる。(笑)

 

 さて、場面は黒崎家の墓の前に佇む一護の元へと戻り、彼が物思いにふけりながら過去回想へと移ります。過去におけるたつきと一護の会話が写されます。

 

 

『・・・・・・ホント?』

『一護、あんたさ』

『ユウレイ見えるってホント?』

 

『・・・見えないよそんなの』

 

『だーと思った、やっぱアイツらのウソなんだ』

『三上たちが騒いでたんだよ、黒崎はいつも誰もいない所を見てるだの話しかけるだの』

『だからアイツはユウレイ見えんだ・って』

 

『ハハ』

 

『知ってる』

『物心ついた頃からユウレイが見えた』

『あんまりハッキリ見えるもんだから子供の頃は生きてる人間と死んでる人間の見分けがつかなかった』

『だからこういう事態もしょっちょうで』

『けど大抵はこうしてヘラヘラしてりゃ流れてくし』

『大したことないと思ってた』

 

 

 ユウレイが見えるという事はあまり大したことがないと今まで思っていましたが、意外と苦労するものだと改めて思わされました。よく性格が歪まなかったと感心するばかりです。両親の教育・愛情の賜物なんでしょうかね?

 

 しかしこのシーンのたつきと一護、両名ともボロボロなのは彼らが通ってる道場の稽古の結果なのか、それとももしかしていじめられてた一護をかばってたつきがいじめっ子をボコボコにでもした結果とかなんでしょうか?どっちにしろ彼ら仲がすごくいいですね!男前な幼馴染系ヒロインたつき。あると思います。織姫のエピソードでたつきが一護と織姫をくっつけようとしてた以上彼女は一護に恋愛感情を持ってないっぽいですが。ですがコンのせいで一護の(体の)ファーストキス相手はたつきなんですよね。(笑)

 

 うーん、この物語のヒロインってたつきか織姫のどっちなんでしょう?連載前の読み切りを読んだ自分としては織姫を推したい。

 

 え、ルキア?相棒枠でしょ。(断言)

 

 

『それは』

 

『あの日まで、ずっと』

 

 

 ここでタイトルコールと扉絵ですね!

 

 嗚呼、嫌な予感しかしないよぉ・・・

 

 

『あっ!』

 

『あ!おい遊子、大丈夫か?』

 

『あらあらあら、悪いトラックね』

『大丈夫?遊子』

 

『うえー、びしょびしょー』

 

『ゴメンな遊子、ホラ・交代しようぜ』

『オレがコッチ』

 

『ふふ、やさしいお兄ちゃんね』

『でも大丈夫、お母さんが道路側歩くよ』

 

『いいの!オレ雨ガッパ着てるからヘーキだもん!』

 

一護・9歳

 

6月17日、雨。

 

『今みたいなのから今度こそ遊子と、母ちゃんも守るんだから!』

 

 

 一護のお母さん・真咲さんと一護のもう一人の妹、遊子ちゃんの登場です!一応一心さんの母娘ポスターで姿だけは判明してましたが、こうして正式にセリフ付きではこれが初登場。お母さんめっさ美人ですな!そして遊子ちゃんかわいい!そしてその母娘にいいところを見せようとするショタ主人公!

 

 いやこれ本当によく性格歪まなかったな一護!こんな二人を一気に亡くしたら大抵の人はグレると思いますよ!まあちょっとヤンキー入ってるので多分それの影響なんでしょうけど。

 

 

『あら、頼もしい』

 

『おにいちゃんかっこいい~!』

 

『でもダーメ!組手でたつきちゃんに1回も勝てないうちは道路側は任せられません!』

 

『おにいちゃんかっこわるいー』

 

 

 うーん、この妹ちゃんの神速手のひら返しよ。子供って残酷ですね。(笑)

 

 

『うなっ!そ、そんなことないよ!こないだ一本とったよっ!』

 

『さ、行こ!』

 

『は~い!』

 

『えー、そんなー!』

『まってよ母ちゃん!』

 

 

 そして冗談っぽくわざと一護をおいていこうとするお母さん。この人もいい性格してますわー。さすが一心さんの奥さんという事でしょうか?(笑)

 

 すぐに追いつき、そしてまたすぐ笑顔になるショタ主人公。やめてくれ、結末を知っている以上それはオレに効く。 

 

 

『おふくろが、大好きだった』

 

『俺はおふくろが泣いたり怒ったりする様を』

『1度だって見たことがない』

 

『親の心の動揺は直接、それ以上に子供に伝わる』

 

『母ちゃん・・・手・つないでいい?』

 

『それをよく知ってる人だったんだと思う』

 

『あたりまえじゃん!』

 

『俺はどんなイヤなことがあってもおふくろの傍に帰るだけで全て忘れることができた』

 

『むー、おにいちゃんずるいー!わたしも手・つなぐー!』

 

『俺だけじゃない』

『その頃まだ4つだった遊子も夏梨も』

『親父だっておふくろが大好きで』

『つまるところその頃のウチはおふくろを中心に回ってた』

 

『うんと小さい頃"一護"って名前は「何か一つのものを護り通せるように」という意味でつけたんだ・と親父に聞いた』

『その時、それなら俺はおふくろを守りたい。そう思ったのを覚えてる』

『いつも 俺を護ってくれる おふくろを』

 

 

 俺知ってる、これって有名な「上げて落とす」って奴だって。

 

 この幸せいっぱいの家族がこの後・・・わかっていても辛いです、安西先生!

 

 

『その日は雨で、その前の日も雨で、そのまた前の日も雨で』

 

『あれ?』

 

『おかげで川の水はけっこう増水してて』

『それなのにその女の子は傘もささずにフラフラと』

『今にも飛び込みそうなカンジで川べりに立ってて』

『そして』

 

『あ・・・』

 

『当時の俺はまだ生きてる人間と死んでる人間の見分けがつかなくて』

 

『ちょっとまってて遊子、母ちゃん』

 

『え?』

『一護!?』

 

『おにいちゃん!?』

 

『最初はおふくろを守りたいと思った』

『妹の遊子と夏梨が生まれて守る対象がふえた』

『守るために道場に通い続けた』

『少しずつ強くなった』

『もっともっとたくさんのものを、守りたいと思うようになった』

 

『だめ!一護!!』

 

『おにいちゃん!!』

 

 

 嗚呼・・・

 

 ついに訪れてしまった残酷すぎる結末。場面が暗転し、意識を取り戻した一護が最初に見たのは彼を何かから護るように抱きしめ、背中を大きく引き裂かれて倒れてるお母さんの姿でした。

 

 

『か・・・』

『母ちゃ・・・』

 

『原因はわからない』

『どこかで切ったのかもしれないし、どこかにぶつけたのかもしれない』

『でも、俺を助けようとしてそうなったことは明らかで』

 

 

 そして彼の妹も・・・

 

 

『・・・遊子?』

 

『遊子も』

『川の傍に彼女のお気に入りの靴ひとつと』

『俺が誕生日に渡した髪飾りが血まみれになって残されただけで』

『俺が助けようとした女の子と共々』

『ついに見つからなかった』

 

 

 悲報。妹ちゃん、川に流され死体すら見つからず。

 

 これ何がタチ悪いって、死体が見つかっていないから「もしかして生きてるかもしれない」という希望を持ってしまう事なんですよね。まあ漫画である以上もしかして「頭を強くうった影響で記憶を無くして後で再登場する妹」と言う物語の黄金パターン展開があるかもしれませんが、少なくとも現時点では一護やその家族達は遊子ちゃんは亡くなったと受け入れてるみたいです。それを受け入れなければいけなかっただけでも物凄い苦渋の決断だと思うので、凡人には計り知れない苦悩があったんでしょうね。

 

 

『おふくろが、大好きだった』

 

『俺だけじゃない』

『その頃まだ4つだった遊子も夏梨も』

『親父だっておふくろが大好きで』

『つまるところその頃のウチはおふくろを中心に回ってた』

 

『その中心から』

『その周りから』

『俺がおふくろと妹を奪い取ってしまったんだ』

『俺が――・・・!』

 

 

 場面は墓の前に佇む一護の元へと戻り、そして彼がなぜ未だにサバイバーズ・ギルトに蝕まれている理由がこれにて判明しました。

 

 重いっ・・・!

 

 うーん、これ十中八九たぶん虚の仕業なんでしょうけど、まだ何とも言えませんね。ぱっと見た感じ交通事故の結果という事にも見えますし、多分実際そう処理されてしまってるのでしょう。でもメタ読みするとやはり虚の可能性が濃厚です。虚はすべて仮面をしてるという事なんで、前話でも登場してたこの物語のキーとなるであろう謎の少女、もしかしてシバタくんとシュリーカーと同じようなパターンなのでしょうか?ただし今回は少女の方もわかっててやってる、とか・・・?

 

 さて、場面はまた移り変わり、夏梨ちゃんの方に戻ってきました。墓場から少し離れた丘の前の階段で休んでるようです。

 

 そしてその顔には涙の跡が・・・

 

 

『グスッ…、あー、くそっ、毎年この日になるとどうも涙もろくなるな』

『あたしも、もう今年で11なのに。いいオトナじゃんか』

 

『・・・わかってるんだけどね』

『やっぱりさみしいよ、遊子姉・・・』

 

 

 チャドのエピソードにて夏梨ちゃんはお母さんと遊子ちゃんが亡くなる前までは実は泣き虫と描かれていました。彼女らが死んだあと元々そんなに器用でなかったにもかかわらず母の穴を埋めようと必死に家事をやるようになり、一心と一護に出来るだけ心配をかけないようにと泣かなくなった夏梨ちゃん。ですがそんな彼女でも母と自分の半身でもあった双子の姉の命日となると、やはり涙を流さずにはいられないようです。夏梨ちゃんもやっぱり素はただのさみしがりな女の子なのですね・・・

 

 そんな彼女におそらくこの墓場を管理してる年配なお坊さんがやってきました。

 

 

『おや、今年もいらっしゃいましたか』

 

『あ、住職さん。どうも、ご無沙汰してまっす』

 

 

 挨拶を交わす二人。そのまま軽く会話を交わす、と思いきや遠くから笛の音が聞こえてきます。

 

 

『おや?』

 

『あ、父の集合のフエです。もう行かなきゃ』

 

『ホホ、そうですか。ではまた来年にでも』

 

『はい、ではまた』

 

 

 階段から立ち上がりそのまま父の元へと帰ろうとする夏梨ちゃんですが、ふと見上げると例の謎の女の子が崖の前に立ってるのを見かけます。

 

 あ、コレ夏梨ちゃんヤバイか・・・?

 

 

『・・・?』

『あの子あんなトコで何してるんだろ?』

 

『ん?どなたの事ですかな?』

 

『・・・住職さんには見えてない?』

『じゃあユウレイかあの子・・・』

 

 

 お坊さんの癖にユウレイ見えないんかい!いやそれが普通なんですよね本来!

 

 

『あー、ちょっと待っててくださいね』

 

『?』

 

『あんたそんなガケのぞき込んで何してんの?』

『何か思い残したコトあんならさァ、今坂の下に住んでる住職さんがソコに来てるから相談してみたら?見えない人っぽいけど』

 

 

 ユウレイが見えないのに住職さんを成仏の相談の相手にすすめるってのはどうなんでしょうね?(笑)

 

 これも夏梨ちゃんなりのユウレイ相手への気遣いなのでしょうが、今回ばかりは相手が悪いと思うぞ・・・!

 

 

『あなた・・・』

『・・・わたしが見えるのね?』

 

『そ、わたし見えるヒト』

『あんまし人に言うなよォ、恥ずかしいから』

 

『・・・声も聞こえるのね・・・』

 

『おかげさまで』

 

『・・・ステキね、とても・・・』

『とても・・・うまそうだ・・・・・!!』

 

『え・・・・・』

 

 

 はい、やっぱり虚が関わってましたー!という所で今週は終了!

 

 一護―っ!!早くしろ――っ!!間にあわなくなってもしらんぞ―――!!!

 

 ではみなさん、また来週!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 みなさん、初めまして!黒崎遊子です!気軽にユズとでも呼んでね!

 

 あれ、このやり取り前にもやったような・・・?気のせいか。

 

 とりあえず自分はいつの間にか死んでしまったらしく、気が付いたら赤ん坊になり、すぐにBLEACH世界に生まれ変わったと自覚しました。世界広しといえどもこんな常時テンションMAXなウザすぎる父親は一人しかいねぇ!というか一心さん、そのテンションをずっと維持できるアンタはある意味尊敬に値するよ・・・

 

 で、BLEACH世界にTS転生してしまった私ですが、先ほどの自己紹介からも分かるようにどうやら自分は黒崎遊子に憑依転生してしまった模様。転生してすぐ自我や意識だけははっきりしてたけど、転生モノでありがちな設定である「精神が体にある程度引っ張られる」と言うのは本当の事みたいで本能には抗えず、演技をしなくても普通に赤ちゃんできてたと思う。

 

 今世のお母さんである超絶美人な真咲さんと赤ちゃんプレイの演技をしなくちゃいけなかったらあまりの羞恥心で精神的に死亡してたな・・・うん。

 

 というわけで赤ちゃんしてる時間以外はかなり考える時間が多かったので、色々と自分が置かれてる状況について考えることができました。最初に思ったのは「自分は本物の黒崎遊子を憑依で塗り潰し、殺してしまったのでは?」と言う罪悪感。でもすぐにそういう事を考えること自体が無駄と言う事に気づきました。そもそも故意で憑依した訳では無いし、「自分」と言う異物がBLEACH世界に存在してる時点でここはすでにBLEACH原作の世界では無くそのパラレルワールドの一つ。なのでこの世界での「黒崎遊子」が「私」であると思うほうが精神衛生上よろしいと結論付けました。

 

 あー、でも遊戯王世界に転生したかったなー。まあBLEACHも大好きだし、成ってしまったのはしょうがない。ならばせめて自分は自分なりに「黒崎遊子」として生きていこう。そう、リアリストだ。リアリストになるんだ。

 

 しかしすぐに自分が置かれた状況が思った以上に深刻だったのが判明。私と同時に生まれた双子の妹である夏梨ちゃんと一緒にベビーカーに乗って真咲お母さんと「はじめてのおさんぽ」で外に出かけた時、見てしまったのですよ・・・

 

 そう、空中に浮かぶユウレイを!それもハッキリと!

 

 あれ、これっておかしくね?原作では「黒崎遊子」と言うキャラクターは主人公の「黒崎一護」の家族の中で唯一霊感が低い、いわば「主人公が守るべき日常」を象徴するようなキャラだったはず。たしか一応ある程度ユウレイを感じ取れるみたいだったけど、今自分が見てるようにハッキリと見れるわけではなかったはず。というか普通に霊体に付いてる因果の鎖も見えるんですが・・・

 

 最初に思い浮かんだ可能性はこの強い霊感はいわゆる自分の「転生特典」という事。ただ転生特典って大体もらえる時になんか神様に出会ってアレコレってパターンが転生モノでの定番。私にはそれがなかったのでその可能性は低い。代わりにもっと恐ろしい可能性が浮上してきた。

 

 そう、その恐ろしい可能性というのは・・・

 

 もしかして原作の「黒崎遊子」は昔、()()()()()()()()()()()のでは?

 

 BLEACHの主人公である黒崎一護はよくサラブレッドなんてネタにされてたけど、よくよく考えてみれば黒崎家の子供たち()()がそうなのだ。今世の妹である夏梨も作中では度々そのポテンシャルの片鱗を見せてたし、たしか破面編と完現術者編の間の空白期にて一護が死神の力を無くしてた間は彼女が一護の死神代行の代わりを少しやってたっぽい描写もあったような。もし普通に一護と一緒に修行を受けていたら主戦力級の力があったんじゃないだろうか?

 

 つまり、その中で()()()他の兄妹と比べて霊力が低い「黒崎遊子」の存在は異端だ。特に「黒崎遊子」は「黒崎夏梨」と双子、それも姉の方なのだ。普通に考えれば「黒崎遊子」は「黒崎夏梨」と同程度のポテンシャルを持ってないとおかしい。もちろん双子が登場する他の作品・物語でも片方の方の異能が強いというのはあるにはあるが、大抵は姉の方が強い力を持っている。べ、別に「姉より優れた妹なんぞ存在しねぇ!」って言いたかっただけじゃないからね!

 

 じゃあ何故なのか?

 

 長考の末、私の中で一つの答えが出た。

 

 聖別(アウスヴェーレン)だ。

 

 BLEACHのラスボスであるユーハバッハ。滅却師の王であるその彼には滅却師の間にまつわる伝承があり、それは「封じられし滅却師の王は 900年を経て鼓動を取り戻し 90年を経て理知を取り戻し 9年を経て力を取り戻し 9日間を以て世界を取り戻す」と言うもの。具体的にどういう事なのかをかいつまんで説明すると、その伝承の中の期限が訪れる度に彼は自分の力を取り戻す為に滅却師の「選別」を行い、自らが「不浄」と定めた滅却師やその末裔相手から滅却師の力を奪って自分のものにする。それが聖別という能力である。インチキ効果もいい加減にしろ!

 

 そしてこれから起こるであろう「90年を経て理知を取り戻し」の聖別にて「黒崎遊子」の中に眠る()()()()()が奪われる。だから彼女は他の兄妹と比べて霊力が低い、と言う説明がつくのではないか?

 

 つまり、おそらく原作の「黒崎遊子」は他の黒崎家兄妹と同様に力を持ってはいたが、比率として滅却師の力が強かったのではないだろうか。一護は虚、そして夏梨はおそらく死神の力の比率がそれぞれに高いと考えればすごく納得ができてしまう。滅却師の対極たる存在は死神だし、双子である私達もそれぞれ対極の存在ってね。髪の色だってまるでそれを象徴してるみたいだし。

 

 で、聖別があったのは4歳の頃なので「黒崎遊子」はかつてはユウレイをハッキリと見えた事実を徐々に忘れ、原作での弱い守られるべき存在になったのではないか・というのが私の仮説だ。

 

 とまあ、長々と語ったがぶっちゃけると自分に起こる「それ」はどうでもいい。自分の力が奪われると言っても奪われるのはおそらく上辺だけ。なんせ私が聖別を生き残ることは確定してるのだ。もし普通に奪われていたのなら原作の「黒崎遊子」は死んじゃってたはず。まあもしかして熱ぐらいは出るかもだけど。

 

 問題は「生き残れなかった人達」の方である。そう、このままではお母さんが、真咲さんが死んでしまうのだ。まだ自分が生まれて一年足らずだけど、温かく、愛情たっぷりと育てられた私はもう黒崎家を自分の家族としか見れなくなった。

 

 こんなの助けるしかないだろ!

 

 原作ではなぜ石田ァ!や黒崎家兄妹が聖別を生き残ったのか理由が説明されてないが、色々想像はつく。霊王パーツがインストールされてるから効きにくいとか、虚の力が滅却師にとっては毒だからとか、血装の力を覚醒してないとか等々。多分黒崎家兄妹の力が聖別であまり奪えてないのはコレらあたりが原因と見た。つまりサラブレッドであるがゆえの血統バリアーのおかげである。

 

 しかし雨竜にはそれが無い(はず)。だから彼が生存した理由は彼の師匠兼お爺さんである石田宗弦が彼を救うために「何か」をした可能性が高い。雨竜のお母さんである片桐叶絵さんも体が弱いと作中で語られたにもかかわらず、本来ならば即死の聖別を3ヶ月間も生き延びることに成功してるからこれに関しても宗弦が介入したかもしれない。

 

 となるとグランド・フィッシャーの件がなかったら真咲お母さんも生き残れる可能性大だし、そもそも石田パパの強さからして宗弦がただの巨大な虚にやられる事自体が千年血戦篇での彼に関しての描写からして考えにくい。元々は「見えざる帝国」に所属してたらしいので、もしかして彼の死に関しての真相は真咲お母さんに似たような状況・すなわち裏切り者として聖別され、虚に対抗できる力が残ってなかったのではなかろうか。

 

 というわけで私がこの世界に転生した以上、この物語を大勝利!希望の未来へレディ・ゴーッ!!になんとかして導く事を目標としました。その為の第一歩としてグランド・フィッシャーを倒して真咲さんを救い、兄である一護の曇らせ要素を一つ減らす!とんだロマンチストだなって?だが手に入れてやるぜ、その未来を!

 

 さて、となると石田のお爺さんと何とかして会って協力を、あるいはせめて滅却師の修行をつけてもらう事が第一と判断。黒崎家兄妹のサラブレッドバリアーがあるので自分の長所であろう滅却師の力を伸ばしても聖別の原理を知るお爺さん監修の下なら大丈夫だろう。多分。

 

 浦原さんにも話を通した方がいいんじゃないかとも考えたのだけど、あの人ってやっぱり胡散臭いし、万が一自分が転生者とバレてしまったら私をモルモットにしてくる可能性も100%否定できない。作中ではサラッと流されたけど、彼は真咲お母さんをホワイトの侵食から助ける時、魂魄自殺を防ぐワクチンの説明をする際その材料は人間の魂魄と()()()()()()()だと語っていた。それも仮面の軍勢を救うため約百年ぐらい前に使用した、とも。滅却師の滅亡は二百年ぐらい前なのに、()()()()()手に入れたんでしょうね?

 

 浦原さんと言うキャラ自体は大好きなんですけどね。でもやっぱり私が転生者って事は出来るだけ隠していた方がいいと思うんだ。「貴方は物語の存在です」って他人に言うのはあまりにも勇気が必要。

 

 だが今の自分は赤ちゃん。自由なんてのは無いし、一人で外出なんてもってのほか。てかそもそもまだ歩けないし!一応黒崎家と石田家は親戚なので、親戚付き合いの一環としてお母さんが私を石田家に連れていって紹介してくれないかなーって淡い希望も、何の成果も得られずあっと言う間に3年が経ちました。ヤバイ、もうあと1年しかないぞ!どうするんだ私!何で私に気持ち良くデュエルさせねェんだッ!!

 

 とか思ってたら意外なところから機会が回ってきました。3歳になり、真咲お母さんを救うための修行を全くしてこなかったのでせめて何らかの方法で自己鍛錬を始めた方がいいと思い、役に立つアイテム無いかなーと密かに家を色々探し回ってたら両親の部屋の棚の奥から五角形の滅却十字である《クインシー・クロス》を発見。が、見つけた直後にお母さんに即行バレました。

 

「遊子・・・貴女、"ソレ"が見えるの?」

 

「え?」

 

 ただ、どうやら滅却十字(クインシー・クロス)に霊的プロテクトみたいなものがかかっていたらしく、本来ならば滅却師以外見つけられるはずの無いアイテムを私が見つけてしまいこのような驚いたリアクションをお母さんがしてるって訳ですね。とりあえず子供の特権である泣き顔からのゴメンナサイ連打をして棚を漁ったことに関しては許してもらいましたが、さっそく一心お父さんと真咲お母さんと家族会議です。

 

「どうする?俺は真咲が決めたんなら文句はねぇぜ」

 

「・・・うん。やっぱり、おじ様に相談してみようかなと思うの」

 

 というわけでやってきました石田家。今までの苦労は何だったのか。いや別に苦労してなかったけど、こんなとんとん拍子に事が進むと思わないじゃん?

 

「・・・お久しぶりです、依澄おば様」

 

「・・・・・・真咲さん」

 

 そして玄関からさっそく険悪ムードに。この人ってたしか宗弦お爺さんの奥さんだったっけ?いずみさんって名前だったのか。しっかしこんなに重っ苦しい雰囲気の真咲さんは初めて見た。内心色々複雑なんだろうなー。でもこのままじゃ駄目だ、ここは子供パワーで乗り切るZE!

 

「はじめまして!くろさき・ゆず、3さいです!」

 

「・・・そう、はじめまして」

 

 よっしゃ、おばさんの心にダイレクトアタック成功だぜ!こういうタイプの人って大抵は実は子供に甘いのが多いからね!上手くいってよかったよかった。

 

 そこからいずみさんと真咲お母さんの会話は若干ぎこちなくもなんとか進み、やがて宗弦お爺さんはどうやら今は家に戻っておらず訓練場で鍛錬してると判明。過去回想の時と変わってないな、オイ。

 

「ちょっと歩くことになるけど、大丈夫?」

 

「うん、へーきだよ!」

 

 仕方ないので彼に会うために石田家の裏にある裏山まで歩くことに。幸い道の整備はしっかりしてるようでまだ小さい自分でも難なく目的地の訓練場に到着。そこに宗弦お爺さんと・・・誰だ?後ろ姿で顔が全然見えない。

 

「――どうしても、考え直してくれないのかね?」

 

「わしの答えは変わらんよ、わが友よ。おぬしもわしの事をまだ友と呼ぶのなら、どうかわしらの事をそっとしておいてくれんかのぅ」

 

「もう時間も無いのだぞ」

 

「それでも、じゃ」

 

「・・・分かった(アンダーストゥッド)。ならばもう、此処には来ない。さよならだ、我が友よ」

 

「おぬしも達者でな、バート」

 

「・・・すまない、邪魔したな」

 

 宗弦お爺さんと会話してた人はこちらをちらりと見たあと謝罪をし、すぐに去っていった。うーん、意味深な会話。バートって名前のキャラBLEACHにいたっけ?一瞬だけどコッチ見た時に眼鏡かけてたぐらいしかわかんなかったよ!もうちょっとよく見とけばよかったかな?

 

「おや、真咲くんじゃないか。久しぶりじゃのぅ!この老骨に何か用でも?」

 

「はい、お久しぶりですおじ様!実はちょっと相談したいことがあって、あ、紹介しますね。ホラ、遊子」

 

「はい!こんにちわ、はじめまして!くろさき・ゆず、3さいです!」

 

「・・・ホウ」

 

 え、ちょっと、そのリアクション何ですか宗弦さん?

 

「真咲くん」

 

「はい」

 

「君はわしに何をしてほしいんじゃ?」

 

「・・・正直、関わってほしくないのが本音です。でも私は力に目覚めたなら、たとえ幼くても娘の意志を尊重したい、と思ってます」

 

 泣きそう。真咲さんは、お母さんはこんなにも私を大事にしてくれる。うん、私、この人の娘として生まれてきて本当によかった!

 

「ふむぅ、そうか。そうか・・・うん、そうじゃのぅ。ならば真咲くんや、ちょっとこの遊子くんと話をさせてくれんかね?一時間ほどしたら一緒に家に戻るから、そう依澄へと伝えてくれんかの?」

 

「はい、わかりました。遊子、おじ様は二人で話がしたいって言ってるけど、大丈夫?」

 

「うん、へいき!わたしもおじさまとおはなししてみたいー!」

 

「じゃあお母さんは先におば様の家で待ってるね。がんばってね、遊子!」

 

「うん!」

 

 私を励ますようにずっと手を振りながら、そう言って真咲お母さんは石田家への屋敷へと戻っていった。よっしゃ、これからが本番だ。なんとかしてこの人に修行をつけてもらって、強くなって、真咲さんを、お母さんを護るんだ!私達の戦いはこれからだ!

 

「さて・・・」

 

「はい、おじさま!」

 

 

 

「単刀直入に聞く。君は一体()()かね?」

 

「えっ」

 

 

 

 このあとめちゃくちゃ誤魔化そうとしました。

 

 ほぼ無駄に終わりました。

 

 石田ァ!このお爺さん、とんだ曲者だぞ!決してお前が思ってるような優しいだけの人じゃないぞ!石田ァ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結論としては滅却師の修行は一週間に2度の頻度でつけてもらうことはできた。引き換えに色々情報をゲロってしまったけど、多分物語の流れ的に致命的ではない・・・はず、うん、たぶん、きっと、おそらく、メイビー・・・

 

 とりあえず一番の懸念点だった自分が転生者だという事は、まあバレてはいるけどその度合いを誤魔化すことはできたと思う。未来の情報を「漫画で読みました」って素直に言ったら流石に信じてもらえなさそうなので、自分は「未来から逆行してきた」と説明してみたら割とあっさりと信じてもらえた。むしろ同情してもらった。ちょっと罪悪感。

 

 しかしなんでバレたんだろう?両親にもバレてないはずなのに・・・

 

 修行は要約すれば意外と普通の内容だった。少なくとも体を鍛えたり痛めつける類の修行はこの1年近くまったくしてない。まだ体ができてない4歳という事もあるかもだけど、霊子兵装についての座学や飛廉脚の基本歩法、霊子のコントロール技術などの授業が主な内容だった。唯一変わったことといえばこの細い銀のブレスレットをいつもつけるようにと言われたことぐらいかな?やはりと言うか血装はまったく教わってない。

 

 で、やはり私には才能があったようでかなりのハイペースで術を習得していった。さすがにまだ免許皆伝には早すぎるけど宗弦お爺さんから筋がいいとのお褒めの言葉をもらいました。ふっふっふ。ヤバイ、ニヤケ顔が止まらん。

 

 とまあこんな感じで人生は順調です。一護と夏梨には修行は弓道の習い事を始めたとして誤魔化しているけど、最初の頃は夏梨に私と一緒に習いたいとねだられて困った。誕生日にサッカーボールをお母さんに買ってもらってようやく機嫌が直ってくれたのももはやいい思い出。

 

 そして月日は流れ・・・

 

 6月17日。

 

 ついにその日がやってきた。今日は真咲お母さんにワガママ言って、一緒に一護を道場まで迎えに行きたいとお願いしてみたら笑って許してくれた。よし!これで条件はクリアだ!必ず守ってみせるからね!気合も十分。グランド・フィッシャーなんて熊ならぬ虚を伏せてターンエンドしてやる!

 

 やってやるぜぇー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――私は、何もわかってなかった。

 

 

 

 いざグランド・フィッシャーと対峙したら恐怖で体がまったく動かなくなった。

 

 

 

 あ、お母さんが・・・

 

 う、動け!動くんだ私!

 

 やはり聖別の影響は最小限しか感じない!私しか助けられないんだぞ!

 

 これじゃあ何のために、何のために今まで・・・!

 

 

 

 そして恐怖を押し殺し、かろうじて放った弱々しい一本の矢はグランド・フィッシャーを激怒させただけで。

 

 私はまるでゴミのようにあしらわれ、体を殴られて吹っ飛ばされたと思ったら川の中に落ちた。

 

 

 

 

 

 こんなにも弱い私が真咲さんを、お母さんを助けるだって?

 

 馬鹿じゃないのか。

 

 素直に事情を説明して大人に助けてもらったらよかったんだ。

 

 私のせいだ。

 

 

 

 私は真咲さんが、お母さんが、大好きだった。

 

 

 私だけじゃない。

 

 その頃まだ9つだった一護も、4つだった夏梨も。

 

 私のお父さんの一心だってお母さんが大好きで。

 

 つまるところその頃の黒崎家は、お母さんを中心に回ってた。

 

 

 その中心から。

 

 私のくだらない傲慢のせいで。

 

 私がみんなのお母さんを奪い取ってしまったんだ。

 

 私が――・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後悔に溺れた私の意識は、冷たい冷たい水の底で途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴホッ、ゴホッ!!」

 

「!!・・・生きておるか!」

 

「あ、あなたは・・・宗弦のおじさまといっしょにいた・・・?」

 

「おお、覚えていたか。そうだ」

「あらためて、自己紹介でもしようか」

「私の名前はロバート・アキュトロン」

「君と同じ、滅却師(クインシー)だよ」

 

「・・・どうして、わたしを・・・たすけてくれたんですか?」

 

「・・・君の母親の事はすまなかった」

「宗弦の事もあるが、私には、迷いがあった」

「現世の滅却師の事は、現世の者に任せるべきだと」

「だがどうもこの私にも君のような幼子の死を前にすれば」

「動じる心がまだあるということに、遅ればせながら気づいてしまったようだ」

 

「そしてすまない」

「私には君にまだ謝らなけばいけない事がある」

「私の言ってることを今の君に言ってもわからないだろうが――」

「陛下が聖別(アウスヴェーレン)を実行した以上」

「それを生き残った混血統(ゲミシュト)の筈の君を現世に、君の家に返すわけにはいかなくなった」

 

「ならば幼子よ、せめてものお詫びに私から祝福の願いを込めてこの言葉を贈ろう」

 

 

 

「ようこそ、見えざる帝国(ヴァンテンライヒ)へ」

 

 

 

 ――その祝福は、呪いのように聞こえた。




ご清覧、ありがとうございました。これにて第二話終了です。

BLEACHと言う作品には数々の名言がありますが

「・・・兄貴ってのが・・・
どうして一番最初に生まれてくるか知ってるか・・・?
後から生まれてくる・・・
弟や妹を守るためだ!!」

というチャン一の名言がこの世界線ではとんでもなく重いものになってしまった。
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