バンビーズみんなのバスターでバインバインしたかっただけなのに   作:カナダ次元

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 感想・誤字報告・高評価、いつもありがとうございます!この小説はそれらなしでは存在しえなかったともいってもいいほど自分の動力源になってます!

 と言うわけで第十八話です。今回は特に注意事項とかはありません。あ、原作話数とのリンクとかはもう十分に原作崩壊したので無いものとして扱ってください(苦笑

 ではどうぞ、今話も楽しんでいってくれれば幸いです。


とある並行世界のBLEACH感想ブログ⑱

BLEACH599話「End of All Bonds 8」感想

 

 

 さてさて、今週もやってきましたBLEACH599話!

 

 連載600回まであと1話!いやはや遠いところまで来たものです。

 

 さて、今週の感想へと行く前に今の状況をとりあえず整理してみましょう。ユノワールが残火の太刀の秘術・「火火十万億死大葬陣」の黄泉返しを使い、復活を果たしたベレニケ、ジェローム、ロイドら滅却師達。それを白哉、恋次、夏梨が一話ずつそれぞれの新しい必殺技「奥義・一咬千刃花」、「双王蛇尾丸・蛇牙鉄炮」、「月牙天衝・氷」を披露しそれを使って撃破しました!彼らはその後ユノワールと戦っている一護へと加勢しようとしますがユノワールが纏ってる「残日獄衣」の熱がルキアの卍解を徐々に押し切りユノワールへは一護以外近づくことが出来ません!夏梨の斬魄刀である剡月は炎熱系斬魄刀では無く様々な対価により熱そのものを上げたり下げたりする斬魄刀と判明しましたが、流石に残火の太刀ほどの莫大な高温となると干渉は不可能の様です。

 

 そしてそのユノワールはと言うとなんとお母さんの真咲さんを復活させて一護へとけしかけます!最初は戸惑う一護ですがその真咲お母さんの言動・表情からデジャヴを感じる一護。そしてその霊圧を感じ取ってみるとなんとその正体はかつての宿敵・グランド・フィッシャーだと判明!正体を見破られたグランド・フィッシャーは夏梨によって倒された後その霊子を現世に偵察に来てたユノワールによって隷属され強制的に従わされていると暴露しますが、彼の行動はすべてユノワールによる時間稼ぎ。その稼いだ時間でユノワールは山本元柳斎重國最強の必殺技「残火の太刀 "北"・天地灰尽」をグランド・フィッシャーごと一護へと放つ!それに対抗すべく一護はグランド・フィッシャーを急いで切り捨て横へとどけた後ついに一護一人で放てるようになった「月牙十字衝」を放ち、ぶつかる二つの超必殺技!といった所で先週は終了しました。

 

 今週はその直後からスタート。ユノワールの天地灰尽、一護の月牙十字衝。その必殺技達から放たれた圧倒的エネルギーは二人それぞれの中央でぶつかり合い、なんと拮抗しています!

 

 

『ぐぎぎぎ・・・・・・!』

 

『ぐっ・・・!」

 

 

 ユノワールと一護の表情はそれぞれ苦痛に歪められ、それぞれの技を必死に維持している様子がうかがえます。

 

 そして視点は彼らの遥か真上の空へと移ります。そこに浮かんでるのは羽をはやした目玉みたいな使い魔らしきモンスター。これは・・・虚圏狩猟部隊所属の星十字騎士団員、"L"のペペ・ワキャプラーダが持ってた杖の上に付いてたオブジェですね!分離可能だったのかコレ。

 

 その使い魔は下の戦場をつぶさに観察し、その見た情報は滅却師達の居城に居るペペ本人へとフィードバックされる描写が挟まれます。視点はそのまま城の中の部屋にいるペペと彼の統括隊長である蒼都。さらに虚圏狩猟部隊のメンバーであるエス・ノトとニャンゾルも居ます。見た情報に満足しているのか、気持ち悪い笑い声をあげるペペ。

 

 

『ゲッ、ゲッ、ゲッ』

『ゲッ、ゲッ、ゲッ』

『ゲッ!ゲッ!』

『ココロは一つ、カラダも一つ、ミーのヒトミにみつめられれば、キミのココロは真っ二つ』

『二つになったココロとカラダ、一つにまとめてボクのモノだ♡』

 

 

星十字騎士団(シュテルンリッター) "L"

(ザ・ラヴ)

ペペ・ワキャプラーダ

 

 

 ここで彼の聖文字の能力が正式に判明しました!愛と書いて《ザ・ラヴ》。しかしこんな気色悪いキャラに愛に関する能力が与えられるとは。どっかの第7十刃を彷彿とさせますね!(笑)

 

 彼の奇行を冷酷な目で見るのは彼の統括隊長である蒼都。なんとなくですがその表情は若干不満げでもあります。

 

 

『・・・どうやら順調のようだな?』

 

『ええ、ええ、まさしく!』

『あの生意気なユノワールも愛のロープで吊られてますよ!』

『この光景を統括隊長にも見せてやりたいですよ、ええ、ええ!!』

 

『―――そうか』

 

『いやはや本当に手間がかかった!』

『彼女はまったくミーと会ってくれないからネ!』

『結局は彼女の従者を通して彼女のブレスレットにミーの術を掛けないといけなかったヨ!』

 

『だけろそれって直接(ちょくれつ)掛けるより効果薄いんらなかったけろ?』

 

『オー、痛いトコついてくるねニャンゾル!』

『その通りだよ!』

『ミーは確かに彼女を完全に操れてない』

『他人を通して術を掛ける場合、彼女の中にある"愛"を最大限まで増幅するだけしかできない』

『でもそれで十分ナンダヨ!』

『隠しているようだけどミーには解る!』

『ユノワールは現世に置いて来た家族を、特記戦力の黒崎兄妹を今でも愛していると!』

『そしてその愛を極限まで増幅してやれば、あとはカンタン!』

『心に押し込んできたその想いは解放されて』

『その愛は反転し、憎しみに変わるってワケさ♡』

 

 

 なるほど、ペペの能力はゾマリの能力とは違って本人の意思を根こそぎ奪うタイプなのではなくそこに存在している感情の度合いを操るタイプのようです。そしてそれはユノワールは実は他人にその行動を完全に操られていたのではなく、その心に奥底に潜んでた決して表に出ないだろう思いを利用されてる事を意味します。

 

 すこし話は変わりますが、皆さんは車の運転中にふと「対向車にぶつかったらどうなるだろう」という突発的な死の衝動に襲われた事は無いでしょうか?これは「ボイドの呼び声」と呼ばれる心理現象であり、実行に移そうとする気持ちは無いのにふと破滅に繋がる行動が頭によぎってしまうイメージの事です。

 

 ユノワールも現世に置いて来た家族を変わらず愛していた。ですが一度ぐらいはこうも思ってしまったのではないでしょうか?「何で私がこんな目に」、と。「何で彼らは私の苦労も知らずのうのうと生きているんだ」、と。そしてペペの能力によりその想いの枷は外れてしまい、ユノワールはああいう行動を取ってしまった。今回ペペが使った能力はそういう恐ろしい事を他人に強調出来る能力って事だと思います。

 

 説明を続けるペペですが、そこにエス・ノトは疑問をぶつけてきます。

 

 

『ダガ、ソノ状態デ特記戦力ヲ倒セルノか?』

 

『はぁ・・・解ってないなー、エス・ノト』

『愛の力は偉大だヨッ♡』

『どんな攻撃を受けても立ち上がり、愛のために目的を果たそうとする』

『困難を乗り越える為に愛はすッごく重要なんだヨネッ♡』

『確かに戦いってのはいつだって哀しい』

『でもそれはそこに"愛"があるからなんだヨ』

『戦いは信じる正義の食い違いで起こると思ってる?』

『違う』

『戦いは、すべて愛の為に起こるんだヨ♡』

 

『愛ノタメ・・・?』

 

『そう!』

『兄妹への愛、妻への愛、子への愛、親への愛、友への愛、主君への愛、神への愛!』

『信仰も愛!信念も愛!物に対する執着さえも愛だ!!!』

『愛無き所に戦い無し!』

『だからこそ戦いは悲しく、だからこそ戦いは美しいんだヨ!!』

『・・・・・追放され、結局は無駄死にしたあの愚か者のアイツには最後まで分からなかったようだけどネ』

 

『何の事だ?』

 

『おっとっと、いえいえ、なんでも無いですよ統括隊長殿』

 

 

 おっと、何かしら伏線的な描写が入りましたね。追放されて無駄死にした人物とは一体誰なのでしょうか?ペペはどうやらその人物にかなりの対抗意識があるみたいですね。

 

 

『それよりもそろそろ決着がつきそうですヨ!』

『このまま拮抗が続けばその行き場を失いつつあるエネルギーはやがて暴走し破裂する』

『それらはすべてを巻き込み、統括隊長二人と特記戦力二組を跡形も無く消滅させる!』

『後は我々が現場に出向いて討漏らしを片付ければ手柄はすべて我々のものダヨッ♡』

『さあ、自らの使命を果たせU3(ユースリー)!!』

『そこでB2(ビーツー)を含むキミタチ失敗作はようやくミーの役に立つことが出来るんだヨ!!』

『ゲッゲッゲッ!!』

 

 

 場面は再び一護とユノワールがぶつかってる戦場へ。拮抗する攻撃を必死に維持しようとするユノワールが写されます。

 

 

『ぎぎぎっっ・・・・・・!!』

 

 

 しかし突然なにかしらの光線が戦場を走り、その光線はユノワールが左手首に着けてるブレスレットに当たってパァンと言う効果音と共に破裂します!ブレスレットはそのままですが、そこにまとわりついていた黒き怨念みたいなモヤが消滅しました!

 

 

『!?』

 

 

 そしてそれに一番驚いたのはペペでした。

 

 

『何ッ!!』

『ブレスレットに掛けてたミーの術が消された!?』

『一体何が――』

 

 

 ペペは彼があやつる目玉の使い魔の視点を変えさせるとそこに映るのは情報開発部隊の隊員、そしてその統括隊長であるユノワールの部下、BG9でした!どうやら洗脳を解除したビームを撃ったのは彼のようですね!

 

 

BG9(ベー・ゲー・ノイン)!!』

『くそがっ、あの愛の無いガラクタめが!!』

『アイツの遺作がミーの邪魔を!』

『くそが、くそが、くそがっ!』

『死してまでミーの邪魔をするか!!』

『宗弦!!』

 

 

 なんとここで驚愕の事実が判明!BG9の製作者はなんと雨竜の祖父、そして彼の滅却師の師匠でもある石田宗弦だったようです!なるほど!つまりユノワール改め遊子がBG9を自分の部下にしてたのは彼女の師匠でもあった宗弦の形見でもあるからなのか!なるほど!

 

 でもBG9には相変わらずシャウロン疑惑があるので、そこら辺は一体どうなんでしょうか師匠!(苦笑)

 

 そして先ほど入った伏線らしきものもすでに少し回収されましたね!ペペの言動といい、運営してた孤児院の事といい、第一次侵攻にて技術開発局を襲った描写と言い、彼が実は科学者だったという描写が所々匂わされています。そしてもしかつて見えざる帝国に居た疑惑がある宗弦も科学者だったら、もしかして彼らはライバル同士だったのではないでしょうか?死神における浦原さんとマユリ様の関係みたいな。宗弦は浦原さん、ペペはマユリ様みたいな感じで。

 

 しかしもしそうだとしたら、何というか、汚いマユリ様ですね!(笑)

 

 術を破られ、戸惑うペペ。しかし彼の目論見は完全に絶ててはいません。

 

 

『だが洗脳を解いたからっていい気になるなヨ!』

『コレで拮抗は崩れた!』

『キサマの忘れ形見もこれでお終いだ!!!』

 

 

 場面はまたユノワールへ。それまで狂気に侵されていた彼女の目からは愛による狂気が消え、ハイライトが戻ってきます。

 

 

『・・・あれ?私は―――』

 

 

 はっとするユノワール。しかし手が緩んでしまったのか天地灰尽の圧が消え、某けてる彼女に迫ってくるのは一護の月牙十字衝です!

 

 

『!!』

『遊子っ!!』

『避けろおおおおおお!!!』

 

『あ・・・』

 

 

 必死に彼女に避けろと叫ぶ一護。しかし最早間に合いません!

 

 そして場面は一瞬BG9へ。彼に迫るのは焦りに満ちたバンビエッタです!

 

 

『BG9!』

『アンタ一体何を――!?』

 

『問題ない、バンビエッタ・バスターバイン統括隊長』

『我が主、ユノワール・シュリーレーランズ統括隊長への洗脳攻撃は解除された』

『―――あとは任せたぞ』

『我が製造主の孫』

 

 

 ユノワールに直撃する月牙十字衝!空は轟音と共に巨大な爆発に覆われ、辺り一面に粉塵がまき散らされます!

 

 最愛の妹をこの手で殺してしまった。その最悪な罪悪感に襲われようとする一護ですが、突然風が巻き起こり、舞い上がった粉塵は一瞬で消され、その中心から現れたのは――

 

 

神赦親衛隊(シュッツシュタッフェル) 統括隊長』

『石田雨竜よ』

 

 

『―――石田―――・・・!?』

 

 

 そこにはお姫様だっこでユノワールを抱える神赦親衛隊の統括隊長!石田雨竜、戦場に参戦!というルビと共に今週は終了しました!

 

 いやー、まさにヒーロー見参という登場の仕方でしたね!これはカッコイイ!これ以上ない石田の登場シーンと思います!兄弟子と妹弟子の再会、さらには一護らとの決別と二度おいしいとはこのこと!来週の展開は一体どうなってしまうのか!今週で判明した新情報で考察も深まる!これだからBLEACHは最高だぜ!

 

 ではみなさん、また来週!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 みなさん、こんにちは!ユノワール・シュリーレーランズです!

 

 私お姫様抱っこされてるううううう!?めっちゃ恥ずかしいいいいい!!

 

 いや、ちょ、石田さん!?助けてくれたのは嬉しいんですけどこの助け方は無いんじゃないかな!?というかこういうのアンタのキャラじゃないでしょ!君の柄じゃないよ柄じゃ!一護お兄ちゃんだってルキアを助けた時脇に抱えてたし!メガネ君はもっとメガネ君らしい抱え方をしなさい!どういう抱え方かは知らんけど、少なくともコレじゃないでしょ!

 

「―――帰れ、黒崎」

 

「な・・・」

 

 えっ、もしかしてこのまま一護お兄ちゃんらと会話を進める気ですが?せめて降ろしてくれませんかねぇ?あ、いや、今のはナシで。BG9の謎メカ技術のおかげでペペの洗脳は解除されたみたいだけど後遺症なのか今ちょっと体が動かん。今降ろされたら地面に真っ逆さまに落ちてしまう!

 

「ちょ、ちょっと!!そこのメガネ!!いつまでユノを抱っこしてるのよ!!放しなさい!!」

 

 あ、バンビエッタ。無事だったのね、よかった~。でも今雨竜に離されたら落っこちちゃうのでもうちょっとだけ待って!私だって出来うることなら今の状況に異議を唱えたい!

 

「何なのよ、アンタは!!最後の最後で良い所もっていっちゃって!!」

 

 そしていつの間にか私達の隣に移動して来たバンビエッタ。天地灰尽をブッパしたことで残日獄衣の熱が全て四散したのでようやく私に近づけるようになったみたいだね。洗脳されてる間彼女は私をどうにか助けようと機会をうかがっていたのを横目で見てたし、あとでいっぱい彼女にありがとうを言わないと。

 

「大体あんたはユノの何なのよ!!」

 

「婚約者だ」

 

 

 ・・・

 

 

 ・・・・・・

 

 

 ・・・・・・・・・

 

 

 ・・・ホアアアアアアアアアアア!?

 

 

 石田ァ!それって私が宗弦師匠に弟子入りして初めてお母さんと一緒にアンタと顔合わせした時にお母さんが冗談交じりに言った戯言やないかい!まさか真に受けていたの!?というか子供の頃の話じゃないか!んなもんさっさと忘れとけよ!!

 

 はっ!?いや、ちょっとまてよ!?まさかとは思うが、私って・・・

 

 私は雨竜のヒロインだった!?

 

 いやああああああ!!こんなのってないよ!!あんまりだよ!!私はバンビーズみんなのバスターでバインバインしたかっただけなのにいいいい!!!

 

 ほら、バンビエッタも一護お兄ちゃんもアンタの発言の突拍子のなさにフリーズしちゃってるじゃないか!

 

「僕は彼女の為ならなんでもできる。たとえそれが全てを敵に回してしまう事でも、だ」

 

 え。ちょ、何その発言。もしかしてこの世界線の雨竜って陛下を倒す為に見えざる帝国に潜入したんじゃなく、私と一緒に居る為に来たって事?え、マジですか?なにそのダークヒーロー路線。いやいやいや、仮にそれが本当だったとしてもこれまで私にまったく接触してこなかった事はおかしい。本当の目的はやっぱり打倒陛下でしょ?皆の前でそう言えないだけで。そうであってくれ頼む本当におねがいします助けて!!

 

「何言ってんだよ・・・・・・石田」

 

 あ、お兄ちゃんがなんとかフリーズから復活して会話を進めた。

 

「黒崎。お前には陛下を止める事は出来ない」

 

「なんで・・・」

 

「帰れ。命を無駄にしないうちに」

 

「なんでお前がそこに居るんだって訊いてんだよ!!」

 

「聞こえなかったのか?僕は彼女の為に此処に居る」

 

「答えになってねえよ!!」

 

「そもそもだ、君は今彼女に何をしようとした?僕が防げなかったら彼女は死んでいたぞ」

 

「ぐっ・・・・・・!」

 

 うっわ、闇ユノワールの煽りでお兄ちゃんのメンタルはすでにボロボロだろうにそこに傷口をえぐるようなエグイ真似を。この鬼畜メガネめが!でもそれはそもそも私のせいだからね?お兄ちゃんは悪くない!

 

「君も彼女の家族だろう?何をしてでも一緒に居たいとは思わないのか?」

 

「・・・・・・―――――!!」

 

 雨竜の正論パンチで声にならない悲鳴をお兄ちゃんが上げる中、この場を更に混沌に落とし込めるように新たなる乱入者が到着した。

 

「それだけではないだろう?石田雨竜」

 

 あ。このイケボは・・・

 

「―――はい」

 

 いったいどうして。なんでココに・・・?

 

「神赦親衛隊の統括隊長として、私が行く場所が貴様のいる場所だ」

 

「その通りです、陛下」

 

 陛下あああああああぁ!?え、と言う事は雨竜がこの場に現れたのって陛下がココに来たかったからなの!なんで?どうして?訳が分からないよ!原作みたく銀架城の屋上で「上へ参りま~す」をするんじゃなかったの!?

 

「ユーハバッハァアアアアアアア!!!」

 

 あ、お兄ちゃんがキレて陛下に突撃してきた!駄目だ!冷静さを欠いた今の状態じゃあまりにも無謀すぎる!いや、確かにこの場には霊王宮で修行して大幅にパワーアップした白哉、恋次、ルキア、それに夏梨ちゃんもいる。彼らもお兄ちゃんの行動に瞬時に呼応して攻勢に加わってはいるが・・・いや、やっぱり駄目だ!だって雨竜と陛下がここに居ると言う事は――

 

「リジェ。ジェラルド。ペルニダ。アスキン。やれ」

 

「・・・はっ」

 

「応!!」

 

「ルァ・・・」

 

「へいへーい、っと」

 

 他の親衛隊メンバー全員も居ると言う事だ!ハッシュヴァルトは陛下の脇を固めているがそれ以外のメンバーは雨竜の号令の元それぞれお兄ちゃん以外の相手をし、そのお兄ちゃん自身も雨竜が相手取る。あ、私?私はようやく降ろしてもらったよ。すぐさまバンビエッタに雨竜みたく抱きかかえられたけど。バンビエッタ、スキンシップは嬉しいんですが時と場合を考えましょう?ね?駄目ですかそうですか。

 

 しかしこれは非常に不味い状況だ。今の所陛下は親衛隊の戦いを見守っていて動いてないが彼の気が変わって参戦しようとすれば一気に死神側の状況は悪化し、下手すると一瞬で全滅してしまう。バンビエッタに抱き枕にされて今は動けない私がたとえ動けて今ここで反旗を翻したとしても結果は変わらないだろう。更にはこの場には親衛隊以外でも私達威力偵察部隊と情報開発部隊のフルメンバーがいる。この圧倒的戦力差をいくらお兄ちゃん達でも覆せるとはとても思えない。一体どうすればいいんだ!

 

「―――黒崎一護、黒崎夏梨。私の声が届いているだろう」

 

 ・・・!この陛下の独白は・・・!

 

「我等を光の下へと導きし者共よ、感謝しよう。お前達のお陰で私は霊王宮へと攻め入る事ができる」

 

 雨竜とアスキンと絶賛バトル中のお兄ちゃんと夏梨ちゃんの声は離れすぎて聴きとれないが、おそらく「どういう意味だ!」とかなんとか返してるのだろう。

 

「お前達が今まとっているその衣は「王鍵」と呼ばれる零番隊の骨と髪で編まれている。霊王宮と瀞霊廷との間に存在する七十二層に渡る障壁を強制的に突破させる為、そして何よりその際の摩擦からお前達自身を守る為にそれ以外の素材では創り得なかったのだ。素晴らしい耐性、素晴らしい防御能力だ。死神が手にできるものの中でそれに勝る衣は無いだろう」

 

 原作にもあった陛下のありがた~い解説スピーチですね。となると次は・・・

 

「だがその絶大な防御力ゆえお前達の突破した七十二層の障壁はその後6000秒の間閉ざすことは出来ぬ!」

 

 陛下がその宣言をしたほぼ直後お兄ちゃん達五人の霊圧が爆発的に高まった。おそらく陛下を止める為に出し惜しみをやめて全力で親衛隊達を突破しなければと躍起になってるのだろう。だが躍起になればなるほどその分冷静さは失われ隙が出やすくなる。そして闇ユノワールによる様々な精神攻撃を一身に受けてしまった一護お兄ちゃんはその隙を大きく晒してしまった。

 

 

光の雨(リヒト・レーゲン)

 

 

 雨竜から放たれたソレはお兄ちゃんに襲い掛かるも直撃する寸前、それらは光る三角形の盾によって塞がれた。お兄ちゃんの未来の嫁である織姫ちゃん、そして彼の第一の親友チャドのエントリーだ!

 

 この流れ、間違いない。陛下はこのまま霊王宮へと行くつもりだ!つまりこれさえ凌げばようやく私はお兄ちゃん達と一緒に居られるようになる!バンビエッタ達の説得は大変だろうが、これまでの苦労を思えばなんのそのだ!

 

「ユノワール」

 

 へ?え、陛下?なぜこっちを見てるのです?まさか私の邪な思考を読んだとかじゃないですよね?アハハハハー。

 

「鍵だ」

 

 え?鍵?何のことですか?もしかして私の能力のことを言ってるの?まあ最後に一回ぐらい使っても――

 

「今こそ貴様に預けていた鍵を使う時が来たのだ」

 

 その瞬間、私は心臓を鷲掴みされたような感触に襲われた。

 

 理解してしまったのだ。

 

 ああそうか。

 

 あの時。

 

 あの第二次侵攻前に王座の間に呼び出された時ハッシュヴァルトから渡されたあのナニカは。

 

 ――――霊王宮への鍵だったってワケね。

 

 詰んだな、これは。ここで私が鍵を使う事を拒否しても私は殺されてハッシュヴァルトがそのまま使うだけだ。なにかと理由を着けて鍵を使うことを渋って時間稼ぎしてもそれは親衛隊と限界ギリギリバトルしてるお兄ちゃん達の消耗、そして敗北へとつながるだけ。親衛隊はその能力の厄介さから残ってる護廷十三隊全部の戦力をぶつけないと勝てない。となると道は一つ。

 

 鍵を使い、親衛隊と陛下を上へと飛ばし、この場の戦いを終わらせる。

 

 そしておそらく上へと陛下によって連れていかれるのは、鍵を持つ私もだ。

 

 覚悟を決めた私はバンビエッタの胸へと手を当てた。事を察したバンビエッタは私を優しく降ろし、私は無言でゼーレシュナイダーをベルトから引き抜く。

 

(わか)れは良いのか」

 

「・・・・・・はい」

 

「永劫の(わか)れになるぞ」

 

「承知の上です」

 

 私は能力を使い剣に秘められた鍵を解放する。

 

 たちまち立ち上る青白い光。

 

「待て!!遊子!!」

 

 お兄ちゃん。

 

「待って遊子姉!!行かないで!!」

 

 夏梨ちゃん。

 

「・・・・・・ごめんね」

 

 私はここまでだ。バンビーズのみんなへはどうか寛大な処置をお願いします。

 

「遊子ぅぅぅぅぅ!!!」

 

 あとは頼んだぜ、原作主人公。

 

 発動。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私が次に見た光景は果てしなく青い空で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして聞こえたのは困惑する多くの声だ。

 

 

 

「あァん?なんだぁ、ココは?」

 

 ・・・ドリスコール?

 

「―――ここは」

 

 蒼都!お前も!?

 

「な、なによココは・・・」

 

 バンビエッタ!バンビエッタも来ちゃったの!?

 

「あれ?あたしらは一体・・・?」

 

「・・・?ここ、どこですか~?」

 

「ほえー、だだっ広いねー」

 

「ここは・・・まさか・・・」

 

「心当たりがあるの?リル」

 

「成る程、これは興味深い」

 

 キャンディス!?ミニーニャ!?ジゼルにリルトット、グレミィにBG9まで!

 

 まさかあの場にいた全員が登ってきたというのか!?

 

 ・・・いや、違う!

 

「そうか、ここが霊王宮か」

 

「―――心中、お察し致します。陛下」

 

「何の事だハッシュヴァルト。朽ちた墓標を眺めたところで微塵の感慨もあるものか」

 

 あの場にいた滅却師達だけじゃない!

 

 この場には生きている聖章騎士、()()が居る!!

 

「さて――」

 

 

「行くぞ、全ての子供達よ」

 

「私と、共にあれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「い、いや~~、三天結盾ごとふきとばされちゃったね・・・すごいなあ石田くん」

「いやっ、滅却師のボスの人がすごいのかな・・・?」

 

「くっそおおおおお!!」

 

「く、黒崎君・・・?」

 

「遊子姉・・・メガネ野郎・・・一体どうして・・・」

 

「しっかりしろ、夏梨!」

 

「おっさん・・・」

 

「石田があそこに居てショックなのは俺達も同じだ!だがその事をお前が悩んで何になる!」

 

「でもそれだけじゃないんだよ、おっさん!あそこには遊子姉もいたんだ!」

 

「えっ!遊子ちゃんが!?」

 

「・・・・・・そうか」

「だが、それでもだ!」

「石田の事だ、滅却師(あちら)側につくからには相当の覚悟と考えがあっての事だろう」

「それこそ遊子を助ける為とか、な」

 

「!!」

 

「石田が、遊子が、敵に回ったから何だ!」

「たとえそうでも俺達のやる事は決まってるんじゃないのか!」

「そうだろう!?一護!!」

 

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・そうだな」

「石田の意固地な性格じゃどうせ説得したってダメだろうな」

 

「ああ!」

 

「・・・遊子姉も昔から頑固の一面もあったしね」

 

「ム、そうなのか?」

 

「うん!」

「だったらすぐに追っかけて理由を聞きだしてやらなきゃ!」

「そんで理由に納得できなきゃ・・・そうだよね?一兄?」

 

「ああ!」

「ブン殴って連れ戻す!!」

 

「うーん、二人が聞いたら怒りそうだなあ・・・」

 

「・・・妹を殴るのは感心しないぞ」

 

「だったら遊子はおしりペンペンだ!」

 

「・・・ふっ、そうだな」

 

「そうだね!」

 

「うん!」

 

「おお~~~~っと」

「一足遅かったみたいっスねえ」

 

「浦原さん・・・」

 

「あ、ゲタ帽子!」

「丁度よかった!どうせ全部知ってるんでしょ?」

「今すぐあたしらを遊子姉とメガネ野郎を追いかけれるようにして頂戴!」

 

「それに関しては一旦待ってくれませんかねぇ、夏梨サン」

「ちょ~~~っとばかし込み入った事情がありましてですね」

「みなさんを霊王宮に突撃はさせますが、とある重要な情報が入ったんでそれを死神全員と共有しなければならなくなったんス」

「・・・遊子サンに関しての、ね」

 

「!!」

 

「・・・遊子が、どうかしたのか」

 

「ええ、黒崎サン」

「ちょっと彼女の立場についての問題が」

 

「まったくダヨ。まさかあの小娘が候補者だったとはネ」

 

「・・・!!涅・・・マユリ・・・!!」

 

「また呼び捨てかネ。あの頃から態度が何も変わっていないとは、実に嘆かわしい事だヨ」

 

「嘆かわしいってのは俺のセリフとちゃうか?マユリ」

 

「た、隊長・・・やめましょうよ、ね?」

 

「・・・平子?雛森さん?」

 

「よう、一護」

「ちょい待っとってな、コイツに一発文句言わんとけたくそ悪いやねん」

 

「ハテ。この私に何か不満があると?」

 

「あったりまえやボケェ!」

「なんや()()()()()て!」

「いつの間に俺にんなもん仕込んでおったんや!」

 

「・・・ヤレヤレ」

「まさか百年以上尸魂界から指名手配されていた者が何の監視も無く隊長職に復帰できると思ってたのかネ?」

「めでたい頭を持ってるようで残念極まりないヨ」

 

「いや、百万歩譲ってそれはいいとしてもな!」

「アイツらとの会話の途中でニュッとミミズみたいなモンが俺の体から出てくるのは明らかにアウトやろが!!」

 

「まったく、五月蠅いナ。あれは単なる通信機だヨ。そういきり立つ代物じゃない筈だが?」

 

「いきり立つに決まってるやろがボケェ!」

 

「まあまあ平子サン」

「ここは怪我の功名と言う事で一つ、ね?」

 

「・・・けっ」

「ここは喜助の顔を立てておいてやるわ」

「次は覚えておけよ、マユリ」

 

「覚えるほどでは無いと思うけどネ」

 

「なあ、一体何の話してるんだ?」

 

「おっと、話が大幅に脱線してしまいましたね」

「スンマセン黒崎サン、話を戻します」

「・・・・・・ざっくりと言いますと、滅却師側に離反者が出ました」

 

「!!」

 

()()()は平子サンを通して私達に接触を図ってきましてね」

「あえてその派手な行動や思わせぶりな発言でアタシや涅サンの注目を集め」

「涅サンがおそらく平子サンに何らかの監視手段、果ては通信手段を持たせてあることを見抜き」

「秘密裏に接触して来た彼女達は、私達に二つ、大まかな目的を明かしました」

「その目的の為ならば私達死神と手を組んでもよい、と」

「その謝意として捕虜として囚われていた平子サンや雛森サンもこうやって解放してくれました」

 

「・・・目的、だって?」

 

「ええ」

「一つは滅却師の王、ユーハバッハの殺害」

 

「!!!」

 

「そしてもう一つは・・・」

 

 

 

「遊子サンを」

「霊王にさせない事ッス」

 

 

 




 ご清覧、ありがとうございました。これにて第十八話終了です。

 マユリ様なら絶対やってる(確信

 次回は幕間の予定なので投稿間隔は短めと思いたい。でもね、魅力的な積ゲーがいっぱいあるのが悪いんだ!自分は悪くない!

 ではまた。
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