バンビーズみんなのバスターでバインバインしたかっただけなのに 作:カナダ次元
第二十三話です。今話も是非とも楽しんでいってください。
BLEACH628話「Operation Overlord」感想
さてさて、今週もやってきましたBLEACH628話!
先週では蒼都戦におけるエピローグ的な話が描かれ、ラストの方においてはバンビーズの大事な妹であるユノワールをなんらかの作戦で救おうとする彼女らの元に何かが来訪した所で終わりました!その来訪者とは一体誰なのか!?はたして彼女らはユノワールを「救う」事が出来るのか!その答えは今週にて明かされるのか?いやー、本当にこの一週間が長く感じましたね!
ユノワールが王悦戦の最後にて披露したあの巨大メカによって取り込まれた姿や彼女から発された機械的な声を思わせるフォントと吹き出しはどう見ても異常を通り越して不気味でした。グレミィの助力があって初めて使えるようになるとはいえ、普通に考えればその未知なる力を使って代償無しとは考えにくい。バンビーズが明かした目的の一つである「ユノワールを霊王にさせない」と言うのは、もしかしてユノワールがその力を使うたびに霊王と言う存在に近づいてしまい、その力を使おうとするユーハバッハを止める為にもう一つの目的である「ユーハバッハの殺害」の達成が必要、と言う事なのでしょうか。
ただ、その場合だと先週リルトットが言ってた「零番隊の排除」の必要性を感じないんですよね。上の説が正しければ死神達だけじゃなく零番隊とも一緒に協力してユーハバッハと戦った方が得なはずなのに、彼女らは全員
彼女らの本当の目的とは一体なんなのか。
ではそのヒントが語られると期待して、今週の話を改めて振り返って行きましょう!
冒頭のページに写されるのは散乱する霊王宮の警備兵と思われる数々の死体。そして水晶のようなものに閉じ込められている霊王とそれを剣を片手に近づくユーハバッハです。
『この期に及んで逃げることすらままならぬ不全の神よ』
『お前の果てしなく長き屈辱は、じきに終わる』
『―――いや』
『もしかすると貴様なら、今日この日のことも見えていたのかも知れぬな』
『すべての未来を見渡した、我が父ならば』
この途中のコマで挟まれているユーハバッハの目のアップの描写についてですが、そのすぐ後のコマにある霊王の目のアップ。これらを比較するとちょっと面白そうな所を見つけてしまいました!今まで霊王の目と言うのは白で描かれている細い星形っぽい部分が瞳の部分で黒で描かれているのが強膜と思っていたのですが、これってもしかしてひょっとすると逆じゃないでしょうか?
そう考える黒で描かれているのは実は瞳の部分で、白が通常の強膜と考えてみれば実は霊王はユーハバッハと同じく複数の瞳を持つ存在と言う事になります!そうなると零番隊が背中に背負っている隊章とは、もしかして霊王の瞳をあらわしているのではないでしょうか!?それにユーハバッハは3つの瞳を持つに対して霊王は4つ。その違いは彼らは父と子であるからと考えればものすごく納得できますね!
さてさて、詳しい考察は後日のブログ記事にてまとめるとして、続きを見ていきましょう。霊王の前に立ち、思う所があるのかその場に佇むユーハバッハ。思いにふけってるのを乱暴に中断したのは柱をなぎ倒しながら進む皇帝候補者の一人。
『もしかしておれが最初ってか?』
『ったく、つれーつれーつれーわ!』
『
『ねぇ陛下!!』
『・・・ドリスコールか』
麒麟寺天示郎を残虐に下した突撃急襲部隊の統括隊長。ドリスコール・ベルチ、ここでユーハバッハと合流です!
蒼都、死亡確認!
そしてそのドリスコールから見てユーハバッハの後ろに有るモノを彼は発見します。
『もしかしてそれが霊王ってヤツですかァ?』
『陛下の父親である、えーっと、なんつーたっけな。アドなんとか様なんです?』
『そうだ』
『へぇー。それはなんとも・・・』
ドリスコール、突然霊圧を手に集中し、彼の代名詞である槍サイズの巨大な矢を作り出します!
槍を投げるドリスコール!その標的はユーハバッハの後ろに有る霊王へ!
しかしその槍はユーハバッハによって弾かれます!
『ぶっ・・・』
『ぶはははははははっ!!!』
『陛下がそれを言いますか!!!』
『ついさっきまで言ってたじゃないですか!霊王には死んでもらうって!!だったらおれが殺しても別に構わないってコトなんじゃないんです!?』
ドリスコールって脳筋ではあるので勘違いされやすいのですが、拳西・ローズ戦や天示郎戦で見せた鋭い洞察力のように決して地頭は悪くはないんですよね。確かに彼の言う通り、ユーハバッハの目的が霊王の殺害ならそれ実行するのは誰であっても構わない筈。ということは。
『なぁ陛下?アンタ、ユノワールの奴に霊王を殺させて―――』
『アイツを霊王にするつもりなんでしょう?』
『・・・・・・』
ななな、なんと!
まさかまさかのユーハバッハの真の目的判明か!?
自分の考えを続けさまに語るドリスコール。
『皇帝候補者なんつーものはただのまやかし』
『本当の目的はおれら「与える者」の中から霊王を殺せる人材を育成するためだったと』
『そしてソイツに霊王を殺させて新たな霊王にし』
『ソイツに陛下の望むままの新世界を作らせて陛下が世界の王へと君臨する筋書きだったと』
『
『あんだけアンタを慕ってたっつーのに!』
『利用されるだけ利用されてつかえねーヤツと判断されたら』
『後は特記戦力相手への捨て駒としてポイだ!!』
うおー、これはまた面白い話が出てきましたね!「与える者」という単語は今初めて出てきて色々とまた考察しがいのあるキーワードっぽいですが、今は判明した新情報を簡潔にまとめてしましょう!
ドリスコールの情報源は彼の統括副官であるロバート・アキュトロンからのようですね。そしてそのロバートによるとおそらく霊王を殺害した人物はそのまま次代の霊王となってしまうシステムであるっぽいニュアンスが示されています。他の創作物でもそこそこある設定ですね、巨大な力を持つ世界の歯車的存在を討伐した主人公がそのままその世界の次の歯車に取り込まれてしまう的な。
つまり皇帝候補者とはその霊王を殺せる人物を作り上げる為にユーハバッハが考案した策という事になります。それが本当だとするとやはり以前の考案で持ち上がった「ユーハバッハは後継者候補をワザと争わせてより相応しい後継者を育成している」説の信憑性が高まりました!ただしその相応しさはユーハバッハの後継者としてではなく、霊王の後継者として!そしておそらく代替わりの際になにか操作して自分の都合のいいように世界を書き換えられるチャンスがあるっぽい!
さらにさらに!ドリスコールによるとどうやらその後継者に今一番近い人物がユノワール、すなわち遊子ちゃんであると言う事みたいです!成程!バンビーズもこの真実を知ったとすれば彼女らの行動理由も少し見えてきましたね!そりゃ自分らの大事な妹が世界の礎にされると知ってしまえば黙っちゃいられないでしょうね!一護達ももしかしてこの情報を浦原さん経由で聞かされたのでしょうか?うーん、多分違うかな。知ってればもっと必死に戦っていそうですしね。
さて、ドリスコールから色々と突き付けられたユーハバッハですが、慌てた様子は見せずに彼はあくまで無感情に返します。
『へっ、そーですかそーですか』
『ああ、騙されてたコトに対しては別におれはつれーとはおもってねーぜ?』
『おれは戦ができればそれでいい』
『だからこそ、だからこそ!その至高の戦が出来るこの時を―――』
『心から待ち望んでいたのさァ!!』
『
『
『!!』
ドリスコール、完成体を解放!完全に戦る気です!
『だれにも邪魔はさせねぇ!』
『おれとオマエと!!最高の戦を、楽しもうじゃないか!!』
ここで少しカットが挟み込まれます。バンビーズの方にはマスクが、そして親衛隊の方へはロバートがそれぞれ立ちふさがっています!なるほど、バンビーズの元へとやってきたのはマスクだったのですね!どうやらドリスコールの戦いに余計な横槍が入らないように彼らは足止めを買って出たみたいですね!うおおおお!完全に突撃急襲部隊によるユーハバッハへの反乱だコレ!!
しかしバズビーの描写が無いと言う事は、彼の担当はユノワールか、もしくは一護達の元へと行ったと言う事かな?
そしてタイトルコールもここでお披露目!「Operation Overlord」は「オーヴァーロード作戦」ですね!第二次世界大戦で「世界最大の作戦」と呼ばれた連合軍によるフランス・ノルマンディーへの上陸作戦です!突撃急襲部隊によるユーハバッハへの奇襲攻撃!そしてドリスコールの能力名でもある「オーヴァーロード」と色々と掛け合わせた師匠のセンスが光るサブタイトルです!
タイトルコールも終わり、場面は再びドリスコールへ。新たな戦いの前に興奮を隠せない様子。
『卑怯とは言わねェだろうな!?だって戦なんだからよ!!!』
『こりゃつれーよなァ!?ハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!』
しかしそれに水を差すような衝撃の台詞がユーハバッハの口から飛び出てきます。
『あァん?』
『ドリスコール、お前はすでに
『・・・・・・あ?』
『お前だけではない』
『
『私の「
?????
なんだこれは。
まったく予想してなかった台詞が飛び出て来たぞ!?
考察しようにも訳が分からなさ過ぎて何処から手を付けていいのやらです。
『来ねえっつーならこっちから行くぜェ!!』
そしてその台詞を正面から受け取ったドリスコールは少し混乱はしたものの、彼の闘争本能が上回り彼はユーハバッハへと突撃を決行していきます。
剣を構え、ドリスコールを正面から迎え撃つユーハバッハ。
『面白い』
『かかってくるがいいドリスコール。本来ならば存在しなかった我が後継者候補よ』
『お前がそれを望むのならばくれてやろう』
『だが未知なる未来が待ち受けようとも、私はただ進むのみだ』
数々の意味深な台詞を残したユーハバッハを最後に、今週はここで終了となりました。
うーん、せっかくユーハバッハの目的について少し判明しそうとなった矢先にこれですか。解決するどころか逆に疑問が増えてしまいましたね!流石に具体性が無さすぎるのでこの辺の考察はもうちょっと情報が出揃ってからになりそうです。
ではみなさん、また来週!
えー、えーっと、みなさんこんにちは・・・?ユノワール・シュリーレーランズです・・・?
「おっ、ようやく気が付いた?遅いよユノワール」
「グレミィ・トゥミュー統括副官、それはユノワール・シュリーレーランズ統括隊長に対して酷というもの。偶には労いの言葉くらい掛けたほうがよいかと推奨します」
「相変わらずこのボンコツロボは口うるさいなぁ。はいはい、ユノワールもご苦労様。まっ、たまにはね」
どういうことなの・・・?
いやね、私の視点だとグレミィの腕の中で能力酷使の影響で気絶したと思ったらその直後に王悦さんの宮のど真ん中にポツンと突っ立ってたってカンジなんですよ。それも私を中心として周囲に滅茶苦茶に破壊された街の瓦礫が大量に散乱してる状態で!ナニコレ!?まるで私が爆心地になったみたいじゃないですか!!
あっ、もしかしてこれって異世界転生のお約束のあれですか?ほら、アレですよアレ!私なにかやっちゃいましたかってヤツです!私の秘められた真のパゥアーが覚醒したとか!
ははははは、いやまさかそんなバカな事が――――
「しっかしユノワールの真の力はやっぱり大したものだね。王属特務も軽くひとひねりか」
「えっ」
「ユノワール・シュリーレーランズ統括隊長、後で体の具合について簡単なレポートをお願いしたい。ブレスレットからのスキャン結果によると真能力解放後の統括隊長のバイタルは正常値を示してはいますが確認の為にも貴女の意見をお聞きしたい次第です」
「えっ、えっ」
まさかとは思うけど、もしかして・・・
今回ばかりは私の妄想の暴走という訳じゃない・・・?
「ふふ、流石のキミも今回ばかりは混乱してるみたいだね?」
あったりまえだぁぁぁぁ!!BLEACHって主人公組に対して説明が足りないってよく言われるけど、まさかこの私がそのような状況に直に出くわすとは!もちろん説明を求めますとも!
・・・いや、ちょっと冷静に考えてみれば私ってそういう場面に遭遇しまくりじゃね?皇帝候補者任命の件しかり、霊王宮の鍵の譲歩の件しかり、ペルニダがニキータだった件しかり、エトセトラエトセトラ。私って実は疫病神とかに憑かれてないよね?お祓いとかした方がいいのかな?
「ああ、もちろん説明自体はしてあげるよ?でも今は部外者がいるから詳しい話はとりあえずは後ね?」
ん?部外者?
「・・・もう話しかけても大丈夫かね?」
「問題ありません。お待たせしました、ロバート・アキュトロン統括副官」
「へっ?」
そしてその人物はBG9の背後から一歩私へと歩を進める。
「・・・ロバートおじさん?」
「・・・・・・まだ私をその愛称で呼んでくれるのか」
「え。えーと・・・・・」
私とロバートおじさんの関係は一件シンプルに見えて中々に複雑だ。
彼はグランド・フィッシャーから私の命をあの運命の日に助けてもらった人物である反面、同時にお母さんを見殺しにした人物でもあり私を見えざる帝国へと連れて来た張本人でもある。だけど川からすくい上げられて衰弱してた私を診察所へ預けある程度回復するまで毎日見舞いに来てくれたり、退院したあとも身元を一時的に引き取ってくれて彼の住居で彼なりの世話も受け取りました。
僅か一週間程度の生活で、当時メンタルズタボロだった私はその間かなり彼に迷惑をかけてしまいました。が、彼の献身的な世話によってある程度私は持ち直すことが出来たし、最後の方ではある程度の会話も交わすことが可能になった。彼からの助けが無ければ私は彼から引き離された後の孤児院でとてもじゃないけど生活できなかっただろう。
しかしそれは逆に言えば彼は私をあの孤児院へと見捨てた人物とも言えるのである。
酷な言い方だとは思う。私を孤児院へと入れたのは陛下の命令だったし、ロバートおじさんは星十字騎士団の聖文字持ちの聖章騎士だ。立場もあって断れないことは十分に理解しているつもりだ。だがあの孤児院での生活を過ごしてる間、死にそうな目にあったときどうしても邪な考えが脳裏を横切ってしまうのだ。
なぜ私を見捨てたの。
貴方は宗弦お爺さんの友達じゃなかったの?
どうしてそう簡単に私を見捨てられるんだ。
・・・本当に、我ながらひどい言い草だ。孤児院を卒業し、私が陛下から皇帝候補者へと任命された後、私はその暗い思考を完全に拭うために新設された情報開発部隊の統括副官への着任を彼に打診した。私は貴方に対してもうなにも思う事はないと。私を助けてくれた貴方を信じると。だからこれからも私を助けてくれと。
結局は断られちゃったけどね!
薄々は感じてたけど、私が彼に微妙な感情を持つと同様に彼も私に対して似たような感情を抱いているのだろう。だからせめて私は彼に対して真摯であろう。故に私は彼をこう呼ぶのだ。
「うん。あたりまえだよ、ロバートおじさん」
「・・・そうか」
「それで、どうしたの?わざわざ一人でこっちまで渡ってきてさ」
原作では結局最後まで紹介されなかったので私が聖章騎士となって初めて知った事だが、ロバートおじさんの能力は「
ただこの「視界内」って言う条件がちょっとしたネックで、視界が汗や涙でブレたり対象が視界内から外れてしまったすると途端に使えなくなるので超高速戦闘が頻発するこの世界ではなかなかに使いづらい能力だったりする。なので一度だけロバートおじさんが情報開発部隊へと私の様子を見る為にか訪れた時にグレミィに頼みこんで高性能のオプション付きのメガネを作ってもらってそれをお礼としてプレゼントしたことがある。これで本人が霊圧さえ感知できれば「視界内」と言う条件を満たせるようになったので彼はこの霊王宮の間を単独で移動できたという訳だ。
「頼みがある」
頼み?ロバートおじさんから頼みって、なんか珍しいな。他ならぬロバートおじさんからの頼みだから出来るだけなら聞いてあげたいけど・・・
「我々
・・・・・ファ!?
「えっ、ちょ、ちょっとまって。それってまさか――」
「ロバート・アキュトロン統括副官。それは
「その通りだ、BG9」
えええええええええ!?
「へぇー、これは驚いた。ドリスコールやバズビーはそのうちやらかしそうだとは想像してたけど、まさか君もそれに乗っかるとはね」
「勘違いしないでいただきたいなトゥミュー。この行動は元々私が最初から計画してたもの。私があの野蛮人の元へと赴いたのは今の状況へと誘導したかったからにすぎんよ」
「おっと。これはこれは、まさしくぼくにも想像できなかった展開だ」
しょ、衝撃の事実の連鎖すぎる!えっ、て事はですよ、まさか・・・
「私の統括副官の誘いを断ったのって・・・」
「・・・・・・そうだ」
絶句。
「能力の性質からして元々ドリスコールが後継者候補に成りうる可能性を秘めていたとは睨んでいたからな。あの者に近づく為には必要だったのだ」
言葉が出ないとはまさにこの事なのだろう。私は口をパクパクさせながらどう言葉を返していいのかわからなかった。
「・・・貴女の誘いは嬉しかったよ、ユノワール。だが私は責任を取らねばならぬのだ」
「・・・・・・責任?」
「ああ、そうだ」
ようやっと返せた私の弱弱しい質問はロバートおじさんの力強く、決意満ちた目によって返された。
「我が友、石田宗弦。私は彼を二度も裏切ってしまった。一度目は貴女をワキャブラーダへと見捨ててしまった事。そして二度目は宗弦自身の魂を救えなかった事だ」
二度目・・・?あっ、そうか!宗弦お爺さんは現世にて
再び黙り込んだ私に対してロバートおじさんは私へと近づくと一つ膝を地面に着けて私の頭を軽く撫でまわした。
「私は陛下を裏切ってまでも、友を三度目は裏切りたくはないのだ。分かってくれ、ユノワール」
「・・・・・・無謀、ですよ?」
「知っている」
「陛下だけじゃないんですよ・・・?親衛隊もいるんですよ・・・?」
「知っている」
「命を・・・!落とすんですよ・・・!」
「・・・ああ、知っている」
「なんで・・・・・・!!」
「私が宗弦の、友達だからだ」
そのセリフはあまりにもズルすぎるでしょう・・・!
「行動に移すの、遅すぎますよ・・・!!」
「ふっ、貴女の言う通りだな。こんな優柔不断な私は友達失格かもしれん。だがそれでも――」
ずっと頭を撫でてたあたたかい手が私の頭から離れる。
「そうしないと、彼を友と呼ぶ資格は、私にはない」
「ロバートおじさ――」
「さよならだ遊子。達者でな」
そうやって私の知らなかったロバートおじさんの技で私たちは霊王の居る霊王宮大内裏へと飛ばされた。
彼に私の本当の名前で呼ばれたのはそれが最初で。
同時に、最後となった。
「クク・・・とんだ茶番だったな、ロバート・アキュトロン」
「・・・・・・」
「そもそもだ、貴様がお前の隊長とやらに命じられていたのはあの小童共の足止めだったはず」
「霊王の居る居住区へと飛ばすなんぞ命令違反も甚だしい」
「今お前が使った技の飛ばす対象をそこら辺の空へと変えればそれだけで済む話だ」
「長年放置してた童に今更情が湧いたか?それこそ滑稽と言うべきモノだがな」
「・・・・・・彼女らではその程度の対応では軽く復帰できてしまうだろうからな」
「言葉で拘束しておけばそれで済む」
「それに、奴の希望とは言え、バズビーだけでは親衛隊を単体で止められないと判断したからだ」
「クハッ。一応は建前を用意していたか。今はそれで納得してやろう」
「しかしあの童、つくづく惜しいな」
「彼女ならば凍結したあの計画の最後の部品としても申し分無い」
「今からでも遅くないぞ。彼女を捕らえ、こちらの計画に乗り換えないか?」
「何、私との密約に従い本家の当主らを先の侵攻のどさくさに紛れて殺しまくってくれた貴様なら容易いことだろう?」
「・・・大半は我々に罪を被せてお前が殺したくせに口がよく回るな」
「お前をここに連れてくることで義理はすでに果たした」
「私はもう行く」
「後は好きにしろ」
「・・・・・・もう行ってしまったか、つまらんな」
「やれやれ、まだわからないか」
「この世界は裏切りと悪意の末に形作られているのだ」
「罪人達の末裔が惨めたらしく利益の取り合いをする世界に大義など必要ない」
「
「そうだろう?」
「京楽春水」
四大貴族筆頭
ご清覧、ありがとうございました。これにて第二十三話終了です。
ちょっとした補足として、原作での宗弦の死亡時期についてですが自分が原作を読み返した限りでは彼が没したのは9年前の聖別の前か後のどっちかはっきりしません。原作124話における雨竜の過去回想ではなんとなく雨竜の母である片桐叶絵がすでに死亡している雰囲気があったので、当小説では宗弦は聖別の後しばらくして巨大虚に襲われて死亡した、という設定を取らせていただきます。
ではまた。
オマケ:この世界線におけるBLEACH単行本のタイトル&ポエム、その5
BLEACH68巻「THE ORDINARY PEACE」
表紙:ロバート・アキュトロン
平和とは
何時しか別れを告げなければならない
友の様だ