とある理想の異世界伝   作:爪先

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幕間3

 「戦況いまだ不安定、今後影響は中部へも」

 

 国防軍は、17日、当面の戦況について「戦力が拮抗しており、今後も不安定」とする談話を発表した。一方、第三方面軍の幹部は当社に対し、魔王勢力は今後進路を北に変え中部地方へと侵攻する恐れがあり、場合によっては自宅待機や街道の封鎖などの措置も実施される可能性があるとコメントしており、各地での一層の混乱が見込まれる。

 

         (タンゲ新聞17日朝刊より抜粋)

 

 

 

 

 

【エレステ】

 大陸中部に位置する城塞都市。北側の標高2500メートル級の山々が連なるエレステ山脈、また街を南北に流れるフルス川によって守られる自然の要塞でありながら高い城壁による防御性能も兼ね備えた中部地方経済の中心地。古くから川を用いた水運によって栄えたが、近年の魔物勢力増大に伴って城内人口も増え、より一層の発展を見せている。

 領主はエレステ家が務めている。地名姓である。初代から数えて8代目に当たるのが今の領主である。古くは山岳信仰が盛んであり、教会勢力の介入も少なく大陸では特異な地域であったが、城壁建築の際、教会の助力を受けざるを得なかったため、それがきっかけとなり城内でも宗教勢力が一定の力を持つようになった。領主としてはこの動きをよく思わない節があるため、大っぴらに対決はしないものの、教会との関係は悪化傾向にある。

 

         (以上、『国土詳細』より抜粋)

 

 

 

 

 

 

「はい、では今回は魔物についての説明から始めますね。実際に目にしたことがある人も、まったく見たことのない人もそれぞれいると思いますが、イメージとしては、そうですね、教典にある悪魔に近いでしょうね。第四章三節のね。手足は細くて、爪は恐ろしいほど長い。魚のような目と鶏のような口でね。私ついこの前調査で見ましたけどもね、そりゃ恐ろしいですよ。なんか教典そのまんまのものですからね。真っ黒なんです全身。身長はわたしくらいですよね。そう168くらい。でももっと大きいのもいます。あいつらがどうやって攻撃するかというとね、こうやって爪で裂くんですよね。こう、ガッとね。弓なんかじゃあいつら死にませんよ。剣で首はねないとね、なんか死なないんだよ。なにせ首がなくなっても数分は動くらしいですからね。怖いよね」

 

   (以上、エレステ大学文学部講義録より抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

 現在、一般に「魔王」と呼ばれる生命体について、正体の情報は未だ掴めておらず、先日の第13次報告から進展がないこと、報告致します。

 

 (以上、国防軍第三方面本部第14次報告より抜粋)

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