ギャルゲーの世界にモブとして転生したけど、メインヒロインルート潰さないと俺は死ぬらしい。   作:サラダよりは肉が好き

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勢いで書けたので投稿しました。

色々と忙しい毎日を送っております。


書籍化が決定した前作「とある男子高校生のラブコメ観察日記」
もこれを機によろしくお願いいたします。
https://syosetu.org/novel/299644/

※間違って8話にしてました。7話が正しいです。


第7話 違和感が広がって変なことになったらしい。

体育祭が終わった後、家でも一通り考えてみたが……答えは出なかったので保留にした。

 俺をこの世界に放り込んだアホ神に話を聞ければ一番良かったのだが、あのアホ神とはこちらからコンタクトは取れないのでどうしようもない。

 なにより、あれから緋色と天童の様子も観察したが、ゲーム内にて好感度が上がった様子と変わりなかった。ひとまず、俺の作戦自体は成功したと言っていいだろう。

 体育祭が終わってから一週間は、ゲーム内イベントはない……少しだけ休憩しても許されるよな……。

 

「……そう思ってたんだけどなぁ」

 

 今日は休日、スーパーに夕飯の買い出しをしに出掛けた先で、見逃せないものを発見してしまったのだ。緋色、広井、金城、天童が揃って買い物をしているのである。

 どういうことだ……?え?ハーレムルート?いつのまに?結構一緒に行動してたけど、そんなこと兆候なかったよ……?

 え?ハブられてるの……?俺そんなハブられるようなことは……結構してるなぁ!!!!常にハイテンションで人と人の間に割って入ってるもんなぁ!?

 ゲーム内でも、ハーレムルートエンドっていうのは無い。つまりこれは、完全にプライベートな範囲であいつらは行動しているわけである。えぇ……なんか傷つく……。そもそも人の恋路を恋路になるまえに潰そうとしてる奴が傷ついて良いわけもないけども。

 とりあえず、あまりにも気になってしまったので、遠くから尾行することにした。一体何してんだあいつら……。

 

 というか本当にスーパーで何しているんだろうか。ショッピングモールとかカフェとかならまだわからんでも無いのだが……まさか、お泊り会か……?

 遠目に、緋色が持っているカゴの中を見る限り……豚肉、キャベツ、ネギなどなど……がっつり夕飯ちっくな食材たちがinしている。夕飯だけ食べて帰る……?ここはギャルゲー世界だぞ?そんなほのぼのイベントで終わるのか?いや終わらない(反語)!

 つまり、俺をハブいたあのメンバーで「ドキ!?ハレンチだらけのお泊り会!?~ポロリもあるよ(仮)~」みたいなイベントが巻き起ころうとしているのではないか……!?

 そんなことはさせてたまるか!今すぐにでも突貫して―――――

 

 

………なんか、楽しそうに笑ってんな、あいつら。ただ、休日に友達の家で遊んで、夕飯食べて………っていうの。

イベント通りのことが起こらなかったこと、そして、この世界である程度生活していて、思っていたことがある。

……やはり、この世界はギャルゲー世界だが……それと同時に、現実でもあるということだ。

ゲーム内で描写されていること以外にも、俺が生きていた世界と大差ない現象が起こっている。朝起きて、飯を食べて、学校に行って授業を受けて、放課後は友達と遊んだり買い食いしたりして帰路につき、やりたくもない宿題をやって、ゲームして風呂入って寝る。描写されていなくても、生きているという現実は存在していた。

確かに、この世界で巻き起こる大きなイベントは、ゲームのイベントに沿って発生するのかもしれない。でも……こいつらは、こいつらなりに、“生きている”んだ。

……頭の片隅に追いやったものが、じわじわと俺の中に広がってくる。……あいつらは、“ゲームのキャラ”じゃない。“人間”だ、と。

 

……気が付けば、尾行も買い物もやめて帰宅していた。……別に、緋色と広井が二人きりって訳じゃないんだ。基本的には、好感度もイベントによって上下していくはず……。

本当に?この世界の人々は生きているのだと、今さっきそう思ったばかりじゃないか。もしかしたら、目の届かないところで既に好感度は稼がれているかも……。

……アホ神が言うには、緋色が広井ルートに入ってしまえば世界は終わり、俺も死ぬらしい。自らの命という重たすぎるものが懸かっている以上、手を抜くなんて選択肢はありえない。ありえないのだが……。

 

「……クソッ」

 

 切り替えたと思ったら、また面倒なことを考えてしまっている。俺という人間は、快活に生きることは不可能らしかった。

 

 

 休み明け。天気も良く学校には行かねばならないが、心の中は晴れやかではない。広井の好感度が上がってないかはもちろん心配だし、変なことを考えてしまったせいで眠れていないのも、気分の低下に拍車をかけていた。天童が珍しく待ち伏せていなかったことは良かったが。

 

「……ぃ。おーい!影谷君!」

 

「……はぁ」

 

「影谷君―!」

 

「……」

 

「……影谷君――――!!!!!!!!!!」音量■■■■■■■■■

 

「!?!?!?!?!?!?!?!??」

 

 み、耳が!耳がキーーーーーンて!!!!あ゛あ゛っ゛!!!!

 

「な゛に゛し゛や゛か゛る゛ひ゛い゛ろ゛!!!」

 

「あ、ようやく聞こえたか……よかった」

 

「良くねぇよ!?俺の鼓膜がどうなってもいいのかテメェは!」

 

「……そ、ソンナコトナイヨ、アハハ」

 

「どうして片言なんだええ!?一体何の用だこの野郎が!!!」

 

「えっと、その……放課後にs「影谷君今日誕生日なんでしょ!?パーティーやるよパーティー!もう準備しちゃったからばバックレはなしだからねーっ!」天童さん……!」

 

 …………え?

 

「……………………俺、今日誕生日だったっけ?」

 

「「本人が把握してないの!?」」

 

 だって俺元々影谷君じゃないんだもの!

 

 

「……おい」

 

「おめでとう影谷君。……不本意だれけど腕を振るったわ。いっぱい食べてね?」

 

「不本意なのかよ……そうじゃなくて」

 

「おめでとうございます~……膝枕でもしますか~?」

 

「なんでだよ!?だからそうじゃなくて」

 

「おっめでとー!影谷君!勝負する?」

 

「しねぇよ!!!」

 

「あはは……こうなると流石の影谷君も形無しだね」

 

 ……俺は今現在、緋色、広井、金城、天童の4名から、緋色の家で開かれた「祝!影谷君お誕生日おめでとうパーティー!」にて、歓待を受けている。……何を言っているのかよくわからないが、本当に良くわからない。

 俺が先日見かけたスーパーでの光景は、どうやらこのためだったらしい。

 

「というか、なんで俺すら知らない俺の誕生日を知ってんだよお前ら」

 

「なんで本人が把握してないのさ……学生証に書いてあるでしょ……」

 

「そうじゃん……って待て。俺の学生証を見たことがあるかのような言い分……」

 

「いくらでも提示する機会はあるわよ。例えば買い物の時とかね?」

 

 そう言われればそうか……。

 

「というわけで、誕生日パーティーを始めたいと思います!まずはボク考案のプレゼント交換から……」

 

「おい天童、それってクリスマスパーティーとかでやるやつじゃねぇのか?」

 

「あ、もちろん主賓は用意しなくていいよ!その代わり……影谷君からのプレゼントは「影谷君になんでも命令できる権」でよろしくっ!」

 

「どうして誕生日なのに命令される側にまわることになってのんのかなぁ!?」

 

「ジョーダンだよジョーダン!はい!これボクから!」

 

 と、差し出されたのは……某有名メーカーの運動靴だった。

 

「おおぅ……割とガチもん渡してくるのな……」

 

「これは履いてまたボクと勝負しよーねっ!」

 

「やっぱりそうなるのね……」

 

 足のサイズぴったりだ……こわ……。

 

「ではこちらもどうぞ~」

 

 金城から渡されたのは……カード?なんか書いてるな……。

 

「なになに?……“金城グループ系列優待券全サービス90%オフ”……受け取れるかァ!!!!」

 

「え~?」

 

「高校生が持つにはこう……なんか仰々しすぎるわ!」

 

 そういやこいつ、世間知らずのお嬢様だった……!こんなもん、この世界の連中皆ほしがるだろうが!

 

「じゃあこちらを~。遊園地のチケットです~。みんなで遊びに行きましょうね~?」

 

「ま、まぁこれくらいなら……」

 

 遊園地……そういえば遊園地でもイベントがあったな……。うまいこと活用できれば良いが……。

 

「私からは……のど飴とのどスプレーよ」

 

「……どうしてこのチョイスか理由を聞いても?」

 

「だって影谷君。ことあるごとに叫ぶじゃない。結構心配になるわ」

 

「うるせぇ誰のせいだと思ってんだ!叫びたくて叫んでるわけじゃねぇわ!」

 

「少なくとも私のせいではないわね?」

 

 お前らのせいだよクソッタレがぁ!

 

「ははは……僕からはこれ。最新のゲームね」

 

「……なんだろう、ここまで来ると普通に嬉しいものもらうと反応しづれぇわ」

 

「どうしろっていうのさ!?」

 

 にぎやかに、俺の誕生日パーティーは過ぎていった。俺を祝う……というよりは、どんちゃん騒ぎになっていたが。

 天童は俺に格ゲーで勝負を持ち掛け、普通に惨敗していたし、金城はことあるごとに俺をからかうような発言を飛ばしていて、緋色はずっと笑顔だったし、バカ騒ぎしているのを、遠目から少し羨ましそうに広井が見ていた。

 

そして夜も遅くなり、俺と緋色が女子陣をそれぞれ家の近くまで送り届け、謎に緋色と二人きりになった。実はレアケースなのではないだろうか。

……まぁ、なんだ。一応祝ってもらったわけだしな……。

 

「……ありがとな。緋色」

 

「どういたしまして…………………………え?影谷君今お礼言った?」

 

「まるで信じられないものを聞いたみたいなテンションで返すなよ……もう言わないからなホントに」

 

「冗談だよ。……楽しんでもらえたかい?」

 

「うるさいし慣れないしめっちゃ疲れた」

 

「えぇ……」

 

「……だけど、悪くは無かったぜ」

 

 そっか。と一言。緋色はそれだけ返すと、真剣な表情でこちらを向く。

 

「……影谷君」

 

「お、おう……なんだよ?」

 

 まるで一世一代の何かが始まるかのような雰囲気で、神妙な面持ちで、何かを決心するように、緋色は俺に向かって……

 

「君は広井さんと天童さん……どっちが本命なんだい!?」

 

「………………………………………………………………は?」

 

 

 開いた口がふさがらなかった。こいつは一体なにを言っているんだろうか?馬鹿なのだろうか?馬鹿なのかもしれない。馬鹿だ。間違いない……!

 

「なぁにがどうしてそんな話になってんだテメェ!」

 

「だって変じゃないか影谷君!僕と広井さんが二人きりになりそうになったら、まるでワープしたみたいに現れて!!!!」

 

 ギクッ……。

 

「毎回タイミングが良すぎるし!普段からなんか僕と広井さんばっかり見てるし!」

 

 ギクギクッ……。

 

「天童さんのことだって変だよ!話を聞いたら天童さんに勝負を持ち掛けたのは君だっていうし!そのくせ決着はつけようとしないし!あと体育祭の後!抱きついてきたかどうかなんて普通聞かないじゃないか!意味不明だよ!」

 

 ギクギクグサッ……!

 

「こう……客観的に見て!好きな子にいじわるする男子にしか見えないんだよッ!!!」

 

「ゴハッ!!!!」

 

 膝から崩れ落ちた。……ぐ、ぐぅの音も出ない!実際の事実は全くと言っていいほど違うが!世界が滅亡して俺も死ぬから、広井とは恋仲になるな!なんて言えない以上、客観的に見ると……まさにその通りだ……!この間広井と金城にもつつかれたが……改めて糾弾っぽいことをされると……なにも、言え、ねぇ……!

 

「……影谷君。これは言ってしまっていいのかわからないけど」

 

「な、なんだよ……」

 

「……金城さんは、多分影谷君のこと気になってるよ」

 

 は?そんなわけないだろうが。アイツは緋色のヒロインの1人だぞ。アイツ以外に惹かれるはずがないだろ?

 

「……金城さん。人をからかうような振る舞い、影谷君だけにやってるよ?」

 

「え」

 

 ……思い当たる節がありすぎるゥ!

 

「こう……僕が言うべきことでは本来無いんだけど、こう……!誰かひとりと真剣に向き合った方がいいんじゃないかな……!?」

 

「ま、まて緋色。お前はなにか重大な勘違いをしている……そもそも俺は広井も天童もそんな目で見てないし、そもそも3人ともお前の方に興味がだな」

 

「流石にこの状況で説得力もなにもないよ影谷君……」

 

 確かに。いや確かにじゃねぇ!

 

「それに、僕がモテる訳ないじゃないか……こんな冴えない奴……」

 

「ふざけんなよテメェ!お前が冴えない男子だったら世界中の男なんざゴミクズ以下じゃねぇか!?」

 

「そこまで!?…ともかく、僕は、君が誠実な結論を出すかぎり、応援するつもりだからね!じゃあ!」

 

「ちょ!待てって緋色!あぁクソ足早……ちょっと待てよ!!!!」

 

 ど、どうしよう……ルート妨害とかそんなどころじゃなくなって……ん?……ある意味、緋色が誰ともくっつかないなら、それはそれで世界救われてないか……?

 いやでもそれも不味い気がする!この世界ギャルゲー世界だし!何かしらのエンドは無いとやばい気が……!

 

「あぁもう!誤解だ!!誤解なんだよおおおおおおお!!!」

 

 とりあえず色々ややこしくなっちまった!どうしてこうなっちゃったかなもう! 

 




段々おかしな話になってまいりました。
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