安芸優樹は勇者である   作:三奈木イヴ

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私もしかしてツンデレキャラ書くの苦手ではないか…?と気付かされた話です() そろそろデートっぽいの書きたい。樹ちゃんとか東郷さんとか友奈とか


陽だまり

「……昨日は出来なかったし、情報共有するわ」

 

授業が終わり勇者部全員が揃うとミーティングが始まった──けど

 

「ニボシ…?」

 

そう、何故か三好さんはニボシを食べながらミーティングを開始していたのだ。

 

「なによ?ビタミン、ミネラル、カルシウム、タウリン、EPA、DHA ニボシは完全食よ!」

 

「ほう……」

 

「あげないわよ」

 

「いや別にいらないけど…」

 

ニボシ良いよね。たまに千景のおやつにあげると喜ぶんだよなぁ……。

 

「では、私のぼた餅と交換しましょう」

 

「なによそれ」

 

「さっき家庭科の授業で…いかがですか?ぼた餅」

 

「い、いらないわよ!」

 

「東郷さんのぼた餅美味しいのに……」

 

「ありがとう友奈ちゃん、皆さんよければどうぞ」

 

「わーい!」

 

◆◇

 

「──バーテックスの出現は同期的なものと考えられてたけど、これは異常事態よ」

 

東郷さんのぼた餅に舌鼓を打っている最中、三好さんからバーテックス関連の情報共有がされた。

 

今現在の僕たちは5体のバーテックスを倒してきたが、連日で来たり複数出てきたりしたけど、異常事態だったんだ……。

 

「今後何が起こるかわからないわ!私はどんな事態でも対処できるけど、あなた達は気をつけなさい。命を落とすわよ」

 

「他に、経験値を貯めることで勇者はレベルが上がりより強くなる。それを“満開“と呼んでるわ」

 

”満開“──確かアプリにもそんな事が書かれてた気がする

 

「自分の満開ゲージはわかってる?」

 

「ええと……あったかな」

 

「樹のはここにあるわよ。私は太ももね」

 

「そういえば、僕のゲージ見た事ないけど……」

 

「優樹君は右の瞳よ」

 

東郷さんが答えてくれた。なるほど、道理でわからないはずだ

 

「ありがとう東郷さん」

 

「どういたしまして」

 

僕たちが満開のゲージを確認してる中、三好さんは話を続けた。

 

「満開を繰り返す事でより強力になる。これが大赦の勇者システムよ」

 

「へーすごい!」

 

「三好さんは満開経験済みなんですか?」

 

「いや、まだ……」

 

「なーんだ私たちと変わらないじゃない」

 

風先輩……

 

「なっ、基礎戦闘力が桁違いなのよ!一緒にしないでもらえる⁉︎」

 

「じゃあじゃあ、鍛えるために朝練しましょうか!運動部みたいに!」

 

友奈の提案だ。

 

「良いね、僕の普段やってるメニューやる?」

 

「良いですね、でも優樹さんのメニューって結構ハードそうですね……」

 

「樹ちゃん、大丈夫だよ。辛いのは最初だけ……。そのうち楽しくなるよ──」

 

「そもそも樹、朝起きれないでしょ。あと優樹は怪しげな道に樹を連れてかない」

 

怪しげな道って……。

 

「友奈ちゃんも起きれないでしょ」

 

「ゔっ…!」

 

そういえば友奈も朝弱いから時々部活に遅れるんだっけ。前に東郷さんいない時に遅刻寸前だったこともあったし。

僕はまあ、どちらでも構わない。朝練となれば日課になってるし時間がちょっと早くなるだけだからね。強いて言えば千景のご飯どうするかくらいか。

 

「はぁ……。なんでこんな連中が神樹様の勇者に……」

 

三好さんは呆れながらため息をついた。

 

「成せば大抵なんとなる!」

 

「何よそれ」

 

「勇者部五箇条」

 

「なるべくとかなんとかとか……見通しの甘いフワッとしたスローガンね……」

 

言いたいことはわからなくもない。でもそれくらいで良いと僕は思うんだ。挨拶や相談は大事だし他のもそうだ。

 

「あたしらは……あれだ、現場主義ってやつなのよ!」

 

現場主義……ちょっと違う気がするけど──気にしないでおこう……。

 

「はい、この話は今日はここまで!次の議題行くわよ!」

 

風先輩の合図で次の議題に──子供会のレクリエーションについての議題が出された。

 

「──というわけで、今週末は子ども会のレクリエーションのお手伝いをします」

 

「折り紙の折り方を教えてあげたり一緒に絵を描いたりやることは沢山ありますよ夏凛さん」

 

「は!?ちょっと待って私もなの!?」

 

「昨日、入部したでしょ?」

 

風先輩が入部届けをチラつかせながら言った。

 

「そう……だけど……」

 

「日曜日なんだけど、予定あるの?」

 

「……無いわ……ちょ、ちょうどその日だけ空いてるわ」

 

「わーい、よかったぁ!」

 

「フン…緊張感のない……」

 

◆◇

 

そして日曜日

 

「来てあげたわよ」

 

「……なによ、誰もいないの?」

 

「……どうも」

 

「わひゃっ⁉︎」

 

凄い声出てなかった…?わひゃって

 

「あ、あ、安芸優樹!!」

 

「おはよう三好さん。安芸さん家の筋肉こと優樹です」

 

まずは挨拶だ。勇者部五箇条 挨拶はきちんと

それはそれとして、やっぱりか。

 

「間違えて学校来てないか確認に来て本当に良かったよ。」

 

今日の活動は現地集合である。三好さん入部したばかりだからもしかしてって思ったけど、正解だったな。

 

「そう……。」

 

「今から行けば間に合うし行くよ」

 

「ちょっ、待ちなさい!アンタどこから出てきたのよ!」

 

「どこって、たまたま近くに居たから……そーっと」

 

「アンタ忍者か何かなの…?」

 

「僕はただの筋肉だよ」

 

筋トレすれば隠密行動もできるようになるよ……成せば大抵なんとかなるってね

 

◆◇

 

「優樹君!夏凛ちゃん!」

 

「ギリギリよ、お二人さん」

 

「優樹君?夏凛ちゃんと何があったのか聞かせてもらえる?」

 

「二人が来なかったらどうしようかと思いました……」

 

「ごめんなさい、間違えて学校行っちゃって……そんで偶然三好さんと合流出来たんでなんとか」

 

東郷さんの笑顔が怖いです……。やましい事なんて何も無いのに……。ただ三好さん連れてきただけだからね……

 

「な、なんとか間に合ったことですし……お手伝い行きましょう」

 

なんとかこの場をやり過ごす為に、僕は掛け声をかけた。今日は例の件も控えてるからね……頑張らないとだ…!!

 

「こんにちは!讃州中学勇者部でーす!」

 

◆◇

 

「優樹君優樹君!」

 

「どしたの友奈?」

 

「夏凛ちゃんなんだけど、馴染めてるかな…」

 

友奈の言葉に僕は、三好さんの方を見た。

僕の目に映ったのは、子どもたちに折り紙の折り方を教えてと群がられてる三好さんと不器用ながらにもそれを説明をしている光景だった。

 

「まぁ、あれは馴染めてるんじゃないのかなぁ…」

 

子どもは純粋だからきっと理解してくれるよ。

 

「それなら良かった!」

 

「ゆーきにいちゃん!みてみて!」

 

「うーん?どれどれ……おおっ、カッコいいじゃないか!」

 

男の子が折った鶴を見て、僕は頭を撫でながら言った。

 

「えへへ」

 

「優樹君お兄さんだね!」

 

「……ありがとう友奈」

 

「はーい、優樹!そろそろアレのセッティングするよ!」

 

「了解!」

 

次は、勇者と魔王か。「前回の反省を活かす」だね。頑張るぞ!!

 

◆◇

 

勇者と魔王のお芝居も無事に終了し、残すイベントはあと一つだ

 

「優樹、そろそろ」

 

「風先輩…了解です」

 

僕は最後のイベントの準備に取り掛かった

 

三好さんは……気づかれてないな。

 

「風先輩、スタンバイOKです」

 

「了解 みんなも準備良い?」

 

「はい!」

 

「東郷、準備良し」

 

「うん!」

 

あとは、風先輩の合図だけだ。

 

「はーい、みんな注目!!」

 

風先輩の合図でみんなが注目した。

 

「今日は我が部の新入部員である、三好夏凛のお誕生日です!」

 

「なっ!?」

 

今日最後のイベントは、三好さんの誕生日を祝う事だ。そのために今日は絶対に来てもらいたかったんだ。

ちなみにこれは友奈のアイデアだ。三好さんと仲良くなりたいという友奈の想いやそれに風先輩が乗っかったことで今日やろうという事になったのである。

 

「それじゃあ、みんなで夏凛お姉さんをお祝いしよう!せーのっ」

 

『夏凛ちゃん、お誕生日おめでとう!』

 

この場にいる全員からのお祝いだ。三好さんは顔を真っ赤にして戸惑っていた。

 

「えっ、な、なんなのよこれは!」

 

「えー?何よせっかくのお祝いなのに」

 

「し、仕方ないじゃない!私……こういう祝われ事……慣れてなくて……なんて言ったら良いのかわかんないのよ!」

 

なんだ、そんなことか。

 

僕たちは、笑顔で言葉を紡いだ。

 

『お誕生日おめでとう』

 

「……」

 

三好さんは顔を赤くしながらはにかんだ

 

◆◇

 

「みんなまたねー!」

 

「また学校で」

 

「はーいお疲れちゃーん」

 

「お疲れ様でした」

 

「それじゃあ、また」

 

みんながそれぞれの家へ帰る別れ道 僕の家のある方は、どうやら三好さんと同じみたいだ

 

「ねえ」

 

「ん?」

 

「今日のこと、誰が言い出しっぺなの?」

 

お誕生日のことかな?

 

「友奈だよ。ほら、入部届けに誕生日書いたじゃん?」

 

入部届けに書かれた誕生日である6月12日──つまりは今日だ。勇者部の活動と一緒だと気づいた友奈が夏凛ちゃんをお祝いしようと言い出し今に至る。

 

「そう……。でも、なんで私なんかの……」

 

「それはさ、友奈も僕たちも三好さんと仲良くなりたいって思ってるからだよ」

 

特に僕と友奈は心からそう思ってる。勇者だからではなく、本心からだ。

 

「っ……その……ありがとう……」

 

その声は小さかったけど、僕はちゃんと聞き取った。

 

「で、でも!その……アンタも私のこと名前で呼びなさいよ」

 

「え?」

 

「みんな私を名前で呼ぶのに、アンタだけ苗字っていうのも違和感あるし……それに──」

 

「わかった。これからよろしくね、夏凛」

 

「ッ……‼︎ ……こちらこそ……優樹」

 

夏凛が僕の名前を呼んだくれた…!フルネームやアンタでしか呼ばれなかったのが…!あっ、そうだ

 

「そういえば、僕たちが共通で使ってるSNSで勇者部のグループに招待するから入ってね」

 

「招待……あっ、これか……」

 

風『あんたも登録しといてね。今後、何かあったときに連絡が取れるよう』

 

樹『これから仲良くしてください よろしくお願いします』

 

東『次こそはぼた餅食べてくださいね。有無は言わせない。』

 

友『ハッピーバースデー夏凛ちゃん! 学校や部活の事でわからない事があったらなんでも聞いてね!』

 

優『改めて、これからもよろしく』

 

夏凛にグループの招待を送ると、皆が一斉に各々のメッセージを飛ばした。

 

「了解っと…」

 

夏『了解』

 

友『わー返事が返ってきた!』

 

風『ふふふ、レスポンス早いじゃないの』

 

友『わーい』

 

樹『わーい』

 

優『わーい』

 

東『ぼた餅』

 

友『これから全部が楽しくなるね』

 

写真が送られてきました

 

「おっ、よく撮れてるねぇ」

 

友奈が送ったのは、児童館のみんなと撮った写真それと勇者部の6人で撮った写真だ。

 

「友奈も言ってたけど、これから毎日が楽しくなるよ」

 

「期待させてもらうわね。それと、時々稽古に付き合ってもらっても良いかしら?」

 

「お安いご用だよ。この筋肉にお任せあれ」

 

友達の頼みとあらば、僕は大体の事は駆けつけます。

 

「じゃあ、僕こっちだから。またね」

 

「ええ、また」

 

家の近くで、夏凛と別れた。新たなメンバーも入った勇者部は今まで以上に楽しくなるだろうな。勇者としてバーテックスと戦うこともあるけれど、せめてこんなひと時くらいは楽しく過ごすぞ!

 

僕は、家までの道を駆け抜けた。

 




まだまだ平穏な日々を過ごしてもらいたい所存です。
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