安芸優樹は勇者である   作:三奈木イヴ

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アキアカネやシャンフロ短編集を読まれてた方はお久しぶりです。最近、わすゆの銀ちゃんに脳を焼かれた三奈木イヴです。 初のゆゆゆ二次創作ではありますが、本編完結目指して頑張っていきます!よろしくお願いします!


【序章】神世紀299年の章
君を忘れない


「おはよー」

 

居間へ入り、いつものように朝の挨拶をする。しかし返す声は無い。

 

「姉さんは仕事か」

 

僕の姉の仕事は朝からとても早い。

少なくとも僕が起床した時にはもう、職場へ行ってるくらいだ。夜も遅く、家で顔を合わせることもあまりない。そんな日々の中、時折寂しさを感じる時もあるけど、姉さんのお陰で僕は生活出来てるんだ、我儘を言って、姉さんを困らせる事は出来ない。

 

「しかし……僕も今日から中学生なんだなぁ……。」

 

僕しか居ない居間でポツリと呟いた。

 

讃州中学校──今日から通うことになる学校の名前だ

 

父さんと母さんが死んじゃってから、親の代わりになって、僕を育ててくれた姉さんのためにも頑張らないとな

 

「父さん、母さん……それから姉さんも、行ってきます。」

 

父さんと母さんの仏壇に手を合わせて、それから仕事で不在の姉さんに向けて挨拶をした。それじゃあ、学校へ行こうか。

 

* * *

 

「皆さんおはようございます」

 

『おはようございます』

 

「早速ですが、皆さんの自己紹介を行います」

 

学校へ到着して、入学式を終えた後、担任の先生の一言で、このクラスの自己紹介が始まった。

 

「まず最初は……安芸君、お願いします」

 

「あっ、はい」

 

初手は僕か…。さて何を言おうか……

 

「安芸優樹です。好きな食べ物はうどんです。最近の趣味は筋トレです。よろしくお願いします!」

 

こんなところだろうか……ちょっと緊張したなぁ。

 

「ありがとうございます。じゃあ、次は……」

 

次々に自己紹介が始まった。今のところ筋肉が好きな人はいないと……でも、うどんはみんな好き……。うどん県だもんね。僕自身もうどん大好きだし

 

「東郷美森です。好きな食べ物は、うどんとぼた餅です。趣味はお菓子作りです。訳あって車椅子ですが、仲良くしてもらえると嬉しいです。よろしくお願いします」

 

次々と進む自己紹介を聞いてると、順番が回ってきた車椅子に乗った黒髪で長髪の女子生徒が自己紹介をした。

ぼた餅……? 何か違和感を感じた気がするけど、まあいいか。

 

「結城友奈です!好きな食べ物は、うどんです!趣味は押し花で栞を作ることです!よろしくお願いします!」

 

考え事をしていると、今度は赤髪の女子生徒の自己紹介が始まっていた。

この人の──結城さんの印象は、天真爛漫な人…かな?

 

「これで全員自己紹介が終わりましたね。それでは──」

 

クラスの自己紹介が終了して、この後の事、今後の予定が説明された。

そして今日は入学式だったので、ホームルームを持って終了した。

 

「起立、礼」

 

「神樹様に拝」

 

『さようなら』

 

「東郷さん、帰ろう」

 

「ええ、友奈ちゃん」

 

僕も帰るか。帰って筋トレだ!

 

* * *

 

「フッ……フッ……」

 

297……298……299……

 

「さん……びゃく……!!」

 

「ふぅー……疲れたぁ」

 

家に帰ってちょっと休憩してから筋トレをする。

今日は、腕立て30回を10セットだ。

時々休憩を挟んでいたが、流石にキツかった…。

 

「今日はこんなもんでいいか……いや、もうちょっとやるか」

 

筋トレに妥協は無いからね。……そういえば、僕が筋トレ始めてからどのくらいだったか。確か……去年の10月くらいだっけ……?それから今月でもう半年か…。早いなぁ

確かその頃は、僕が事故で入院した後にリハビリのつもりで始めたんだよね。

 

「事故か……。僕、その辺結構おぼろげなんだよね」

 

目が覚めた時に姉さんから聞いた事は、僕が事故に遭って、事故の直前の記憶を失ってるってことくらいだ。いつか思い出すだろうとは言われたが、僕自身は覚えてないので、なんとも言えない。記憶が戻ったら、事故の瞬間とかを思い出しちゃうのかな……。

 

「いや……それはその時になってみないとわからない。仮に思い出しても、僕が僕である事は変わらないはずだ」

 

「よし!もう1セットやって夕飯作ろう」

 

姉さんは今日も仕事で大変だし、せめて家事くらいはやらなきゃね

 

* * *

 

「ごちそうさまでした。」

 

今日の夕飯はうどんと骨付鳥だ。今日はというか、ほぼ毎日うどんだが。

僕の筋肉はうどんが詰まってるんだ!なんてギャグを言ったらウケるだろうか……。ウケなかったら悲しいな……。ちなみに骨付鳥は雛派だ。親鳥も好きだけど僕は雛派だ。

姉さんの方は、職場の人と食事を済ませて帰るとメッセージが届いていた。たまには、一緒に食事できる日が来ると良いな。

 

* * *

 

「行ってきます」

 

今日も学校へ。そういえば、部活ってどんなのがあるんだろう……。何か興味を惹かれる部活があるといいな

例えば筋トレ部とか……無いか。

 

* * *

 

「ちょっとそこの君」

 

声が聞こえた方を見ると、長い髪を後ろで二つに束ねた女子生徒がいた。

 

「えっと……僕ですか?」

 

周りには自分しかいないのだが、間違ってたら恥ずかしいので、一応確認する。

 

「そう!君の事だ!」

 

良かった、僕のことだった

 

「えっと……あなたは?」

 

「自己紹介がまだだったわね。私は、2年の犬吠埼風よ」

 

「これはご丁寧に、僕は1年の安芸優樹です」

 

「うん、安芸君ね。よろしく」

 

「あっ、はい。こちらこそ…」

 

「そういえば、先輩が僕に何の用で…?」

 

「ああ、その件なんだけどね。君、部活動に興味ない?」

 

「部活ですか?」

 

「うむ!実は私、今年から新しい部活を立ち上げたの。その名は勇者部」

 

「勇者部……ですか?」

 

響きはカッコいいけど、一体何をする部活なんだ…?

 

「そう!まぁ、これだけじゃわからないから説明するわね」

 

そう言って、犬吠埼先輩は僕に勇者部の活動内容を説明してくれた。

犬吠埼先輩曰く、勇者部は世のため人のためになるべく活動する部活である。まだ立ち上げたばかりなので、これといった活動実績は無いが、これから活動するそうだ。つまりはボランティア活動ということらしい。

 

「まあ、こんなところね。それで、どう?」

 

どう?と言われましても……まあ……今のところ特に興味のある部活も無かったし……あっ、でもボランティアの一環で筋トレになるかもだな。よし!

 

「わかりました!安芸優樹、勇者部に入部します」

 

「本当に⁉︎じゃあ、これ入部届けね、書いたら担任の先生に渡せば良いから」

 

「わかりました。よろしくお願いします!」

 

「こちらこそよろしく!あっ、そういえば昨日入部した、結城と東郷って安芸のクラスだったりする?」

 

「そうですね……って他にも部員が居たんですか」

 

「んー?もしかして自分が最初の部員だと思ったの?ごめんね、安芸で3人目よ」

 

「いや、それは良いんですけど……何故僕を?」

 

「うーん、男手が1人欲しいなって」

 

「なるほど、この筋肉にお任せください」

 

僕は勇者部に入部する事になった。




しばらくは、結城友奈の章の1年前になると思います。
キャラ紹介
・安芸優樹(あきゆうき) 12歳 誕生日12月5日 うどんと筋トレ大好きだが、筋トレは始めて間もないため、成果はまだそこまでだが、2年になったら凄い事になってる。成長期だもんね。
家族は姉のみで姉さん大好き 勇者部の筋肉担当(予定)
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