優樹君の将来は筋肉モリモリマッチョマンの変態(予定)
タイトルの花言葉は次回以降未明です。
「それじゃあ、また後で」
「はい、また」
「あっ、結城達にもよろしくね!」
そう言い残し、犬吠埼先輩は走り去っていった。
「……僕も教室行かなきゃ」
まだ間に合うけど、ちょっと急ごう
* * *
「ねぇ!君が安芸君だよね?」
僕が教室へ入ると、それに気づいたらしい車椅子を押す赤髪の女子生徒──結城友奈さんが話しかけてきた。
そして車椅子に座るのは、東郷さんだ。
「はい、僕が安芸さんちの筋肉マンこと安芸優樹ですけど……」
なお、筋肉マンの枕詞に『将来の』が入るのだが……。
「良かった!犬吠埼先輩から話は聞いてるよ!ね?東郷さん」
「ええ、友奈ちゃん!」
そういえば、さっき犬吠埼先輩から勧誘された時に、既に二人が入部してるって言ってたな。だとしても伝わるの早すぎない……?だって勧誘されたのついさっきだよ…?
「え、僕が犬吠埼先輩に勧誘されたの、ついさっきなんだけど……」
「さっき先輩からメッセージが来たんだ!目を付けてた部員候補が入部したって」
「えぇ……」
僕は目を付けられてたらしい。えぇ…僕、何かやっちゃいましたっけ……?いやでも、昨日入学したばかりだしそんな先輩に目を付けられるようなことなんて何一つしてないはずだけど……筋トレ以外で何やったっけ……?
「友奈ちゃん?それだとまるで、犬吠埼先輩が怖い先輩みたいじゃない?」
「あっ!ごめんね安芸君!犬吠埼先輩は怖い人じゃなくて優しい先輩だから!」
「う、うん…。でも、本当になんで僕なんだろう」
犬吠埼先輩は男手が欲しいと言ってたけど……たまたまだったのかな?
「うーん、私もその辺は聞いてないかな。東郷さんは?」
「私もよ友奈ちゃん」
二人もわからないか…。真実は神樹様のみぞが知るか……
「そういえば、僕に何か用があったんじゃ?」
「あっ、そうだった!あのね安芸君、今日学校が終わったら、家庭科準備室に集合なんだって!」
「え?家庭科準備室?」
集合って……今日、何かあったっけ?
「そうよ安芸君、犬吠埼先輩曰く、勇者部の部室らしいわ」
「そうなんだ」
なるほど、部室か──って家庭科準備室ってどこだっけ
「そういうわけで、放課後一緒に部室へ行かない?」
結城さんは、とても自然な眩しい笑顔でそう言った。そして車椅子に座る東郷さんも笑顔ではあるのだが……なんだろう……どこか圧を感じる……。東郷さんの言葉で表すのであれば……『まさか友奈ちゃんの誘いを断らないわよね?』と言わんばかりの笑顔だ…。まぁ、断る理由なんて無いけど
「ご一緒させていただきます」
僕の中で東郷さんの印象が更新された。……東郷さん怖い……
* * *
「起立、礼」
「神樹様に拝」
『さよなら』
「東郷さん、安芸君!行こう!」
「ええ、友奈ちゃん」
「行きますか」
僕たちは勇者部の部室へ向け前進した。
* * *
「とうちゃーく!」
「ありがとう友奈ちゃん」
「なるほど……ここが……」
部室へ向かうまでの道のりはそこまで長くなかった。本当にあっという間だ。
「おっ、3人共早いなぁ」
家庭科準備室から犬吠埼先輩が出てきた
「こんにちは犬吠埼先輩!」
結城さんが元気に
「お疲れ様です、犬吠埼先輩!」
東郷さんが車椅子に座ったまま敬礼を
「今朝ぶりですね、犬吠埼先輩」
僕はサイドチェストで挨拶をした
「おおう……。まあ、とりあえず部室へ入ろうか」
家庭科準備室……もとい勇者部の部室へ入ると、目の前に広がっていた光景は──色んな物が整頓されている教室だった。まあ、教室だもんね
「これで全員ね。ようこそ、勇者部へ!」
「早速だけど、自己紹介をしましょうか!改めまして、アタシは2年で勇者部部長の犬吠埼風」
「好きなものは、もちろんうどん!特技は家事そして私は女子力王よ!結城、東郷、安芸、これからよろしくね!」
「よろしくお願いします!風先輩」
「よろしくお願いします、犬吠埼部長」
まずは犬吠埼先輩の自己紹介だ。やはりうどんが好きなのは共通事項だ。うどんを愛する者は皆家族だ──という冗談は置いておいて、女子力王…?
「あの、質問よろしいでしょうか」
「はい安芸君」
「女子力王というのは…?」
「ふっふっふっいい質問だ、安芸よ、その名の通り私の女子力は何者をも寄せ付けないのだよ!」
「なるほど、ありがとうございます」
「今のでわかっちゃうの!?」
結城さん、こういうのは感覚で理解するんだ……。筋肉のように……東郷さんは……ニコニコしながら結城さんの方を見ていた。
「じゃあ、次は……」
「あっ、私良いですか?」
「ほいきた、じゃあ結城、お願いね」
「はい!結城友奈12歳!好きなものはうどん!趣味は押し花で、東郷さんは私の大親友です!よろしくお願いします!」
続いて結城さんの自己紹介だ。教室で聞いた自己紹介に加え、東郷さんとの関係が明らかになった。かなり親しげだったけど、納得だ。
「結城?質問良い?」
「どうぞ先輩!」
「東郷の親友って言ってたけど、名前では呼ばないの?」
犬吠埼先輩の質問は、僕も気になってたことだった。
「あっ、それは──」
「友奈ちゃん、それは私が話すわ」
ここへ来て初めて、東郷さんが口を開いた。
「友奈ちゃんとは家がお隣なんですが、初めて出会った時に、私の苗字をカッコいいと言ってくれたんですよ」
「ほうほう…確かに、東郷って苗字カッコいいわね」
「僕もそう思うよ」
僕と先輩が言うと、東郷さんの頬が赤みを帯びた
「そこまで言われると……ちょっと恥ずかしいわ……」
その姿を見て、僕は少しドキッとした。
「ん?安芸、今東郷にときめいた?」
「安芸君…?」
「東郷さんと犬吠埼先輩の気のせいですよ」
多分、気のせいだ。うん。
「そう」
「へぇ…」
「犬吠埼先輩?」
「ごめんなんでも」
まあいいや。
「じゃあ、次は東郷」
「はい!東郷美森です。好きなものは、うどんとぼた餅です。特技はお菓子作りです。勇者部の一員として、富国強兵に努めます。よろしくお願いします」
富国強兵……。やっぱり東郷さんは苦手かもしれない……。
「ねぇ東郷……?一応聞くけど、富国強兵って…?」
「その名の通りですよ。犬吠埼部長も一緒に国防に励みませんか?」
「いやあ、アタシは遠慮しとくわ。それはそれとして、お菓子作りが得意なのね」
「はい、これも友奈ちゃんのために」
「えへへ、東郷さんの作るぼた餅は本当に美味しいんですよ」
「ほう」
「ぼた餅……」
「安芸君、どうしたの?」
「え?ああいや、なんでもないよ東郷さん」
なんとなく感じたのはなんだったのか……。多分、気のせいだよね……。
「それじゃあ、最後!安芸、頼んだわよ」
「わかりました。えー……今朝、犬吠埼先輩に勧誘されて入部する事になった、安芸優樹です!好きなものはうどんと骨付鳥です。趣味特技は筋トレです!力仕事は僕にお任せください!」
「よろしく安芸君!」
「よっ、男前!」
「ぼた餅」
自己紹介を終えると、三者三様の返事が返ってきた。
「ありがとうございます!」
「ねぇ、安芸君」
「ん?どうしたの結城さん」
「これから、同じ勇者部の仲間だし、私の事は、友奈って呼んでほしいな」
「わかったよ。僕のことも優樹で良いよ。じゃあ、改めて」
「これからよろしく友奈」
「うん!私こそよろしく!優樹君」
友奈が右手を出し、それに僕も応えた。
「おうおうおう青春してるなぁお二人さん」
「優樹君と……友奈ちゃん……名前呼びと握手……」
東郷さんの目からハイライトが消えてるように見えるのだが……気のせいだと思いたい……いや、気のせいだ……気のせいだと言ってくれ…!
「東郷戻ってこーい!」
犬吠埼部長の叫びが部室にこだました。
* * *
あの後、東郷さんが戻ってくるまで10分ほどの時間を要した。
「……気を取り直して、勇者部はこの4人で活動していきます。ですが」
「ですが?」
「勇者部は今年新設された部活動で活動実績も何も無いのよね…。それで──この中に、パソコン扱える人っている…?ホームページとか作れるとありがたいんだけど」
「私、出来ますよ」
答えたのは、先ほどまで取り乱していた東郷さんだった
ちなみに僕は出来ない。
「本当に!?」
「は、はい…。自宅にノートpcもありますけど……」
「東郷!あんたは勇者部に舞い降りた救世主だ!!」
「東郷さんは勇者だ!」
「東郷さんカッコいいよ!」
順に部長、友奈、そして僕だ。
「あはは…ありがとうございます…あと、安芸君…私は女子だから…」
「じゃあ、東郷 申し訳ないんだけど、勇者部のホームページの作成をお願いするわ!なるべく早めに」
「承知しました!東郷美森、この命をかけ、必ずや任務を達成してみせます!」
そう言って出てきたのは、陸軍式……だっけ?確信持てないや
「東郷、そこまでしなくていいから!ホームページ作るだけだから!」
* * *
「それじゃあ、今日はこのくらいで」
「さよなら風先輩」
「失礼します」
「じゃあね、結城、東郷!」
「お疲れ様でした」
「安芸もお疲れ」
自己紹介や今後の事を話し、今日は解散となった。
ひとまずは、東郷さんのホームページとそこに来る依頼によって動くようだ。
「どんな依頼が来るんだろう」
ボランティア活動だし、本当にいろいろなんだろうな。勇者部での活動も楽しくなりそうだ。
「よし!今日も筋トレだ!」
僕は、自宅までの帰路に着いた。
活動目標:週一投稿を目指す。なるべくエタらない。頑張って最後まで書き切る(多分勇者の章まで)
オリ展開もありますが、改めてよろしくお願いします