安芸優樹は勇者である   作:三奈木イヴ

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実は私が勇者であるシリーズで一番好きなのは、のわゆだったりする。
だけど登場人物で一番好きなのは銀ちゃんなんですよ…。やはりあの生き様に脳を焼かれたので……。のわゆなら、ぐんちゃんと高嶋さん好きです。でも世界観ならやはりのわゆ。世界が天の神の侵攻を受けなくとも千景村の村人はクソで、こういうとこが人間の汚いとこだなぁ…ってなるのと若葉が「郡千景は紛れもなく勇者だった」と演説するとことか本当に好き……。


臆病な愛

×月○日 昨日は姉ちゃんと格ゲーをした。もうアクセルボ○バーでハメられるのはごめんだ……。その代わりにぷ○ぷ○で18連鎖決めてやったけど。今日から訓練が始まるらしいけど俺はどういう扱いなんだろう。もしも勇者の誰かとなら、姉ちゃんと一緒だと嬉しい。でも、大鎌の訓練で俺ができる事は無いだろう。

 

◆◇

 

「郡君、ちょっとよろしいですか?」

 

「なんですか鷲尾先生」

 

教室へ向かう道中、鷲尾先生に呼び止められた。

 

「訓練の件で、お話があります。」

 

「ああ、決まったんですね」

 

たとえ姉ちゃんの側に居られなくとも、俺は為すべき事を為すまでだ……。

 

「郡君は────高嶋さんのところへ行ってください」

 

「────は?」

 

どこでも受け入れる覚悟だったが、何故高嶋?

俺は思わず呆けた反応を返した。

 

「理由は2つあります。1つは、高嶋さんが天ノ逆手を使用した徒手空拳だからです。徒手空拳つまりは対人訓練が必要になります。本来であれば大社の神官であり格闘術専門の私や武道専門の弥勒が担当するのですが、郡君がいるとなれば同年代の相手が居た方が良いという判断しました。」

 

「そういうもんなんですか?というか鷲尾先生、格闘専門なんですか」

 

この人見た目細くてぱっと見格闘専門に見えないけど……よく見たら拳ダコあるな……。

 

「ええ、こう見えても。そして2つ目の理由ですが……景義君、あなた格闘の心得があるでしょう」

 

「……は?」

 

何をどう思ったのか。

俺にはそのような経験は一切無い。

 

「いや、ありませんよ」

 

「……え?では、その手は……?」

 

そう言いながら俺の手を取られた。すぐ振り払ったけど。

 

「その手……何かやってると思ったんですが」

 

「いやいや、何もしてませんよ」

 

俺は()()()()()()()()()()()

鷲尾先生が言っているのは多分、村で姉ちゃんを傷つけた奴らを叩きのめした時の痕だろう

俺だけならいざ知らず、姉ちゃんにまで手を出した奴らを暗がりで闇討ちした事があるからな……。まあ……そのせいで余計に姉ちゃんを傷つける事になったが……。

 

「そうですか……。では理由は1つになりましたね……。とにかく君には高嶋さんの訓練に参加してもらいます」

 

「……わかりました。高嶋にはこの事伝えてあるんですか?」

 

「後で伝える予定です。何せ昨日決まった事ですから。」

 

「さいですか。そんじゃ、俺、教室向かいますね」

 

「はい、今日も授業頑張りましょうね」

 

鷲尾先生の言葉を背に、俺は教室へ向かった。

 

◆◇

 

「おはようぐんちゃん!」

 

「……おはよう」

 

「かげくんもおはよう!」

 

「おう……高嶋」

 

今日も変わらず授業が始まる。だけど違うこともある。

それは勇者や巫女はそれぞれの訓練に励むこと。そして何より、姉ちゃんを傷つける連中が居ないってことだ。

現状、高嶋以外は警戒しているが、今のところは大丈夫そうだ。

 

「おはようございます」

 

鷲尾先生が教室に来た。今日の授業の始まりだ。

 

◆◇

 

「では、今日の授業はここまでです。この後は訓練になります」

 

訓練……か。全員でやる基礎、勇者がそれぞれの武器に適した訓練を行う個別指導──その中で俺は、高嶋と共にやるみたいだが…………まぁ、やるしかない。俺は勇者ではないし巫女でもないただの一般人だ。そんな俺でも、何か役立てれば良いんだけどな。

 

「かげくん!今日からよろしくね!」

 

「ん……よろしく。」

 

「なんだなんだ?友奈と景義は一緒に訓練なのか!」

 

「うん!鷲尾先生から、私はかげくんと訓練するって!」

 

「景義……そうなの?」

 

「うん。今朝、鷲尾先生から」

 

「そう……頑張ってね」

 

「ああ、姉ちゃんも頑張って!」

 

土居と姉ちゃんと高嶋と訓練の話が出た。

この後は、共通のトレーニングをしてその後に各自の訓練だ。格闘術っていっても何するんだろう?打ち合いとかかな?

 

◆◇

 

「では、訓練を始める前に、自己紹介をします。弥勒君」

 

「初めまして、弥勒と申します。お二人の武道を担当させていただきます」

 

「改めまして担任の鷲尾です。私は二人の格闘技術を担当させていただきます」

 

『よろしくお願いします!』

 

今日の訓練が始まった。

とは言っても、今日は初日という事で、基礎的動作が主になっていた。受け身や簡単な突き動作、対人ではどこを狙えば良いか等の座学もあった。でも、対人なんてどこで使うんだろうか?

まあいいか。

 

◆◇

 

「今日はここまでにしましょう」

 

『ありがとうございました!』

 

今日の訓練は終了だ。弥勒先生曰く、俺たちはまだ体が出来上がっていない。だから成長に合わせて少しずつ強度を上げていくそうだ。だが……時間がどれだけ残されているかわからないそうだ……。いつ襲撃があるのか──勇者が人類の希望として戦う時が来るのか……。巫女ならタイミングがわかるのかもしれないが、同じようなものが見えるだけで、まだ何が見えるのかはっきりとしない俺にはわからない……。

 

「俺は……姉ちゃんを守る。」

 

そのためには……強くならなければ。

 

◆◇

 

「姉ちゃん……」

 

「……景義」

 

姉ちゃんとゲームしようと思って部屋を訪れたのだが、姉ちゃんは活動限界と言わんばかりにベッドに横たわっていた。

 

「……大丈夫?」

 

「疲れた……」

 

姉ちゃんはグロッキーだった。

そういや姉ちゃん体力無かったな……。

 

「お疲れ様……。そんじゃ、俺戻るよ」

 

「景義……疲れてない……?」

 

「……まあ、疲れたね」

 

高嶋は凄いよね……元気過ぎる……。

 

「ごめんね、疲れてる時に」

 

「ううん……私こそ……」

 

「じゃあ、ゆっくり休んで。おやすみ」

 

「おやすみなさい、景義」

 

姉ちゃんの部屋を後にした。

 

「……痛ってぇ……」

 

姉ちゃんのところへ行った時は我慢してたが、慣れない動きをした事で筋肉痛になっていた。それにしても……

 

「筋肉痛……。いやまぁ……ただの運動不足か」

 

割とインドアだったが……頑張らないとな。いや、本当に。

とりあえず今日は休む……。

 

俺は部屋へ戻ると、すぐに夢の世界へと旅立った

 

◆◇

 

『──景義、あなたは私が守るから』

 

『かげ君はぐんちゃんと仲良しさんだね』

 

『──あなた達のせいで……弟は……景義は!!』

 

『来い!酒呑童子!』

 

『──嫌いなのと……同じ……くらい……あなたのことが……好き……だっ……た……』

 

『私は勇者!!高嶋友奈だあああああっ!!!』

 

「────っ!!!!」

 

意識の覚醒と同時にベッドから飛び起きた。

今のは…………夢か……。

 

「……夢にしては……リアルだったな……。」

 

夢からの目覚めと共に今は何時かと時計を見ると、夜中の2時だった。

いつもならすぐに寝るんだが、どうもさっきの夢が頭から離れない……。

 

「姉ちゃんと高嶋……だよな?」

 

でもなんで…………。そうだ、日記……!

今見えたものを大まかに書かなければ

 

急いでベッドから出て、近くの机にあった日記と鉛筆を手に取った。

 

×月○日 変な夢を見た。姉ちゃんと高嶋が見えた。何かを叫ぶ高嶋。優しくささやく姉ちゃん……

 

しまった……クソッ……なんだっけか……。

夢ってのはどうしてこんなに早く消えるんだよ……!

 

「……にしても、なんだこの胸騒ぎは。」

 

誰かに相談すべきなのかもしれないが…………夢に出てきた本人達に相談するのは論外だ。第一、内容に確証が持てない。

 

────上里は?

 

いや……確かに上里は巫女だが、俺と同じようなものが見えてるとは限らない……。それは逆も然り。下手に薮を突けば厄介な事になりかねない。それに俺はまだ姉ちゃんと高嶋以外をそこまで信用していない……だから今は最小限の情報で留めておきたい。

 

「……今は考えていても仕方ないな……」

 

とりあえず、今は寝よう。今日も授業と訓練だ。

 

俺はベッドに戻り、もう一度目を閉じた。




最初にやっていた格ゲーはギルティギアです。友人の影響で出してみましたがワタシは格ゲーニガテ。

【次回予告】
あの頃の笑ってた姉ちゃんをもう一度……。
あの人、素手なら最強なのでは……?
郡……君?
景義、今日はありがとう

次回 其の肆 あなたは私の安らぎ
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