「そう。こっちよ?」
1932年1月22日の午後10時頃。
私、レミリア・スカーレットは
ムッソリーニを紅魔館の屋上にある
テラスへと案内していた。
彼に合わせて私も徒歩で階段を登ると
月明かりが差し込んでくるでは無いか。
昂る感情を抑えつつ、とうとう階段を登りきった私達が
大時計の麓にあるそこへ辿り着くと、
アルミ製のテーブルとガーデンチェア一式が
ご丁寧に私たちの前に設置されている。
「さ、座って頂戴。」
「ありがとうございます。」
私はムッソリーニに着席を促し、
自分も彼の向かいに腰掛ける。
直後、テーブルの上には
色とりどりの品々が並べられる。
ブラッディワイン…では無く
白ワインが中央に1瓶置かれた他に、
私達の手元には湯気の立ち込める
ホットココアが存在しており、
つまみ代わりに一口サイズに砕かれた
ビターチョコレートに加えて、
マカロンとクッキーが
スリーティアバフェスタンドに
盛られて出てきていた。
甘いつまみを許容するかは
好みが分かれそうな所だが、
少なくとも私は許容している。
それに、さっき夕食を済ませたし。
咲夜は私の姿を見やると一礼し、
刹那その場から文字通りの一瞬で去っていく。
それにしても、流石は咲夜。
実に気が利いている様に思う。
吸血鬼である私は兎も角として、
人間のムッソリーニに冬の夜は寒かろう。
まして、紅魔館は立地上朝晩の冷え込みが厳しい。
アルコールが用意されているにも関わらず
わざわざホットココアを振る舞う辺り
その辺りへの配慮が滲み出ている。
「貴方の好みでは無いかもしれないけど、
まぁこう言う趣味も持っているのよ。
今夜は月明かりも明るいし、
色々と話をしてくれると嬉しいわ?
勿論、取り繕う必要は無いからね。
本音で、自分らしく接して頂戴。
そう、恋人に接するみたいに。」
私はクスリと微笑んで彼の表情を見やると、
昼過ぎに行った会談中とは一転して
リラックスしている様に見える。
2人しかこの場に居ないからだろうか。
「…女史を恋人と思うのは恐れ多いですが、
私も気張らず話をする事にしましょう。
私は女史と違って人間ですから、
常に気を張って置くのは
中々疲れてしまうのですよ。」
そう言ってホットココアを口にする彼に、
私は白ワインをグラスに注ぎながら言葉を返す。
「あら、吸血鬼だって常に気を張るのは
中々疲れてしまう物なのよ?」
「そんな物ですか。」
「…えぇ、そんな物なの。」
吸血鬼の生態を解説した私が
彼のグラスにワインを注ぎ始めた時、
彼は唐突に話を切り出してきた。
「…重ね重ね本音をと言われましたから、
私も繕わずに話す事にしましょう。
私はたった今、御伽の国に迷い込んだ様な
謎めいた歓待を受けているのですから、
多少の冒険も許されるでしょう。」
私が注いだワイングラスを彼は掲げる。
私もグラスを重ね、彼と乾杯をする。
真剣な眼差しを当てられて、
私は彼に話の続きを促した。
「…少しばかり、貴国を訪問直前に
女史や貴国の現状を調べさせて頂きました。
大使館員への聞き取り等の身内からの
様々な情報を収集した事に加えて、
信頼出来る人物から聞きましたから
情報の確度も高い物とは思っています。」
私は興味深そうにその話に聞き入った。
まぁ、訪問前に外国の事情を調べる事は
当たり前の事であるのだから、
それ自体は何ら珍しくは無い。
問題は、彼がそれをわざわざ改まって
私に話してきた所にあるのだ。
一応、確認だけはしておく。
「明かせないと言うのなら
その限りでは無いのだけれど、
信頼出来る人物とは誰かしら?」
「本人にも承諾は得ていますので
ここで名前を明かしておきましょう。
吉田茂です。女史と懇意なのだとか。」
…あぁ、吉田か。確かに信頼出来る人物だな。
それに、彼が話を聞けたのも納得である。
何せ吉田はイタリア大使を務めている訳だし。
私は彼にちょっとした訂正だけを伝える。
「正確には、懇意と言う程でも無いわね。
単に、私のお気に入りってだけよ。
見所のある奴だと思っているから、
日本との窓口に使いたくてね。」
私の訂正にも彼は納得顔で、
「確かに、あの男なら女史と
親しくなれると思います。
私としても、見所のある人間だと
彼の事を見ている次第です。」
と、述べてくる。彼の口ぶりからするに、
吉田に一目置いてはいる物の、
個人としては好かないのだろう。
まぁ、吉田と言う男は如何にも
彼との相性が悪そうには思うな。
私がそんな分析をしながら
ビターチョコレートを口に放り込むと、
彼はとうとう切り出してくる。
「…スカーレット女史、これは私からの警告です。
人間を、科学を、侮ってはなりません。
様々な情報を総合した結果思い至りましたが、
女史はどうも人間を下に見ている節がある。
尤も、女史は確かに強大な吸血鬼ですし、
現実的に考えた際にも、人間は貴女を凌駕するどころか
未だ女史の足元にさえ及ばない矮小な存在です。
100年程前から本格化した産業革命で
遂に神は殺されるに至った訳ですが、
それでも尚、女史程の強大さを持った存在まで
殺すにはとうとう至らなかった。
…しかし、それは後50年もすれば変わるでしょう。
或いは、もっと早いかもしれません。
確実に人間は貴女を凌駕する存在となる筈です。
戯言だと思うのであればそれでも結構ですが、
吸血鬼は長命の種族なのだと聞きます。
是非とも私の発言の真偽を確かめ、
私の墓前にでも報告して頂きたいですね。
もし私の予想が当たっていたら、
墓から女史に自慢してやりましょうとも。」
…ただでさえビターだと言うのに
いつもより苦いチョコレートを飲み込み、
私は彼の未来予想を聞いてみる。
彼が知っているかは分から無いが、
私は運命を操る…正確に言えば、
運命を視認する事が出来る。
具体的な想定でも言われたら、
それが実現し得るかは大まかに分かるのだ。
私は白ワインを煽ると、彼の主張を問いただす。
「…人間が私を凌駕すると言うけど、
具体的に人間はどう強大になるの?」
彼はホットココアを飲み干すと
私の質問に答えてきた。
「…あくまで私の予想に過ぎませんが、
まず、人間は今も空に輝いている
月には確実に到達出来る筈です。
それが如何に荒唐無稽であろうとも、
人間の意思がある限りは確かでしょう。」
私は彼の話を聞きながら運命を読んでみた。
1秒…
2秒……
3秒………
…私は言葉が出てこなかった。
血の気が引いていくのを感じる。
その時、私の脳内には確かに、
白い奇妙な甲冑の様な服を着用した人間が
月面を歩行している様が視えた。
俄かには信じ難い話なのだが、
人間は本当に月に行くようである。
今から50年以内のどこかで。
一体、この男には何が視えているのだ?
私は平静を装いながら、続きを促す。
「…確かにあり得る可能性ね。
他には何か予想はあるかしら?」
彼はマカロンを咀嚼した後
別の予想を述べてきた。
「…では、こんな物はどうでしょう。
先の大戦がまさにそうであった様に、
人間の兵器は劇的に進化していき
遂に全ての敵を一瞬で消し去れる
兵器を実用化するのでは無いでしょうか。」
~~~~~~~~
「以上が、私の予想の全てです。」
…何分間経っただろうか。
或いは1時間は経っていたのか。
最早全く記憶には存在しない。
私は彼の話す恐ろしい予想を聞いていたが、
最初はその全てが私にとって
荒唐無稽な戯言に聞こえていた。
…しかし、運命を読む度に次々に
彼の未来予想図が証明されて行くのだ。
勿論、運命は存外曖昧な物だが、
最終的に彼の話してくれた予想の4割は
運命によってその強い可能性を示した。
たかが4割、されど4割である。
特に、最初の2点の予想が運命により
一定の裏付けを得た事は
相当憂慮すべき事態だと言えよう。
月に訪れる、超兵器を作る。
それらは単体でも凄まじい事なのだが、
より重要な事として、人間は50年で
それらを実現する科学力を
自らの手中に収めると言う事だ。
流石に私でも理解が出来た。
もしそんな事態にでもなったなら、
流石に吸血鬼も苦しくなる。
「所で、大丈夫ですか?
先程から顔色が優れない様ですが。」
「えぇ、問題無いわ。」
気遣いを見せてくる彼に
私はそう告げたのだが、
正直言って気分はそうでは無かった。
一先ず、この事は一旦保留として
またの機会に考える事にしよう。
私がすっかり冷めてしまった
ホットココアを飲み干した時、
彼は話題を変えてきた。
「所でスカーレット女史、貴女にとって
国家元首に必要な資質とは何ですか?」
随分急な話題転換だが、
私はしっかりと付いていく。
彼も孤独な支配者として、
リーダー論を私と語りたいのだろう。
私は自らの矜持を伝える。
「決して私腹を肥やさず、民衆の生活を豊かにする事に
生涯の全てを捧げる事が出来る覚悟…とかかしら。
高潔さが無い者は国家元首には相応しく無いと思うの。
勿論、これはあくまでも最低限必要な資質であって
民衆の生活を豊かにする具体的な方法を
知っている必要があるでしょうね。
私も高潔であろうとは思っているのよ?
国家元首の報酬は一切受け取っていないもの。
唯一メイドの咲夜は高給取りなのだけど、
彼女は替えが利かない存在だしそれは妥当よ。
彼女がいなくなったルーマニア何て…
考えただけでも鳥肌が立ってしまうわ。
仕事の質と量を考えると、
イタリア政府の業務の半分を
1人でこなしつつ、時折貴方の世話をする…
みたいな感じでは無いかしら?」
「薄々気付いてはいましたが、
彼女の負担は想像を絶する物ですな。」
彼は顔を引きつらせながら、
咲夜の抱える殺人的な業務量を端的に捉える。
私もそう思うのだが、仕方が無いのだ。
咲夜には本当に申し訳無いが、
現在のルーマニア政府は余りにも
属人的な形態で運営されているので
彼女が仕事をしない訳には行かない。
ならせめて、給与面だけでも報いたいのだ。
肩を竦める私に、彼は持論を述べてくる。
「国家元首には様々な資質が
求められる物だと考えますが、
ただ現実をありのまま正確に捉え、
常に適切な行動を取る事が
最も重要な資質であると考えます。
国家全体の利益を最大化する為に。」
その発言を聞いて、私は疑問を抱く。
「…要は、“有能”であれって事?
私もそれはそうだと思うけど、
有能にだって色々種類があるし
これだけを聞くと偉く曖昧なのね。」
しかし、彼は続きを述べてくる。
「確かに曖昧な物ですが、
それが全てだと考えています。
と言うよりも、それ以外に必要な資質を
証明する事は存外難しいのです。
結局の所、実現出来ない理想や理論に
さしたる意味合い等存在しません。
理想や理論は高尚で刺激的ですが、
国家元首は政治的課題についての
具体的な解決手段を研究した方が
余程有意義では無いでしょうか。」
…私には彼の思想は理解しきれないな。
曖昧である以上、恐らく彼自身すらも
具体的な事を語る事は出来ないのだろう。
きっとこの話題を振ったのは、
単に私の思想を見極めたかったからだろうな。
「…貴方のリーダー論は難解だけど、
貴方の世界観は感じる事が出来たわ。
貴方は単なる現実主義者なのね。
そして、全体主義国家の支配者。
確かに貴方の来歴を考えると納得だわ。」
私の言葉に彼はワインを煽り、言った。
「わざわざ言うまでもありませんが、
女史の私への解釈は自由です。
きっと、私とは相容れないでしょう。」
笑みを浮かべる彼の姿に
私は思わず溜息をつくと、述べた。
「…でしょうね。私は小難しい理屈は
殆ど理解出来そうに無いのだけれど、
貴方とは進む方向性が違うみたい。
共通点もあるとは思うのだけど、
到達点は異なっていそうだわ。」
「私もそう考えています。
ただ、この会話は私にとって
極めて有意義な時間になりました。
女史には深く感謝しています。」
「なら良かったわ。」
彼はクッキーを手に取りながら
私に感謝の言葉を伝えてきた。
私は暫し脳を回転させる。
形上立憲君主制を維持している
イタリアとは根本的に異なり、
現在のルーマニアは専制君主制の国家だ。
イタリアは全体主義国家で、
ルーマニアは権威主義国家だ。
両者は表層的には似ているものの、
全体主義国家の下では国民の意思が
統一される事が求められるのに対して、
権威主義国家の下では支配者の指示にさえ
真面目に従ってくれるのならば、
国民の主義主張がどんな物であろうと
別に感知しないのである。
私はルーマニア国民が主義主張を
統一する必要性は微塵も感じていない。
そして、私が思うにこの体制の違いは
社会の救済機能と自由度に関わってくるのだ。
全体主義国家では個人の事情は
全体の利益の前に常に軽視、無視されるが、
権威主義国家では支配者が望む限りにおいて
弱者の救済を積極的に働きかける。
そう言えば、私は即位からの約1年半を通じて
権力の基盤固めと防衛力の強化、
外交や経済振興等幅広く取り組んでいたが、
弱者の救済まで頭が回らなかったな。
尤も、弱者の救済何て言葉は
余りにも吸血鬼らしく無い言葉だから
頭が回らないのも仕方が無いだろう。
とは言え、支配者の慈悲深い印象は
いざと言う時の求心力にも繋がる。
私らしく無い事は確かだが、
少しずつやってみるか。
…ふと、将来の自らの姿を思い描く。
国中が笑顔で溢れ、畏れは畏れでも
恐怖では無く畏怖を獲得する私。
心から尊敬される私の姿。
きっと、その過程は険しく長い物。
辛く、苦しい物であるだろう。
それでも、私は進んで行くのだ。
私、レミリア・スカーレットは
改めてここに決意を新たにする。
ビターチョコレートの最後の欠片を
口へと放り込みながら、
明日訪れる満月の様に、
満たされる将来を感じた。
---------
「…陸軍師団の再編成ですか?
それはまた唐突ですね。」
1932年1月25日の昼13時過ぎ。
ブカレスト近郊にある陸軍駐屯地で
昼休憩を満喫していた私紅美鈴は
妹様から唐突に話しかけられていた。
…お嬢様が名実共にルーマニアの女王様となってから
私の生活は完全に一変してしまった。
元来紅魔館の門番をやって来た私だったが、
咲夜さんが忙しい事も相まって
今や門番業務は全くしていない。
今の仕事は直接的なお嬢様の仕事の補助に加え、
ルーマニア陸軍の訓練教官兼司令官である。
訓練教官は兎も角として、私は未だに自分に
司令官が務まるとは思っていない。
確かにそれなり長く生きてきている私は
三国志に出て来る様な将軍も見てきたが、
私は武術家でこそあれ軍人では無い。
よって、その辺りは最高司令官である妹様に
おんぶにだっこの状態なのだが…参ったな。
私はそもそも現在の陸軍の組織図すら
全く頭に入っていないんだぞ。
困惑する私を無視して妹様は続ける。
「そうよ。私が陸軍を改革するの。
ルーマニアは陸軍国家なのに、
お姉様は陸軍の事を軽視してるでしょ?
政治ごっこに明け暮れていて、
私とアリスに放り投げているじゃない。
だから私がどうにかするの。
この間みたいに情けなく負けない様にね!」
…妹様はそう言っているが、
別に今は戦争中でも無いのだから
そこまで焦る必要は無いだろうに。
私はのんびりとしたいだけなので
面倒そうなら反対なのだが、
妹様に物申す方が余程面倒なので
人形みたいに首を縦に振る。
妹様もそんな私を見て話を続けてくる。
「それで色々考えたんだけど、
先ずは戦略を決める事にしたの。
ルーマニア陸軍が採用する戦略は、
敵の兵站を破壊する戦略ね。
吸血鬼らしく、敵の生き血を吸ってくの。
ね、美鈴も良いと思わない?」
「はい、素晴らしいと思います!」
楽しげに語る妹様に同調する。
私の返事は“YES”か“はい”なのだ。
それ以外に選択肢等無いのである。
…とは言え、中々良いと思うな。
“腹が減っては戦は出来ぬ”
私の好きな言葉だ。
「それでどうやるのかだけど、
もし戦争が起きたら、先ず私が夜に空を飛んで
空軍と一緒になって敵の兵站を切るの。
私はありとあらゆる物を破壊出来るけど、
一々夜の内にニンゲンを壊して回るのは
いくら何でも効率が悪過ぎるから、
その方が絶対に良いしね!
それで、ルーマニア陸軍は敵が弱った所に
突撃して、包囲して、皆殺しにするの。
勿論、全員串刺し刑に処すのよ!」
敵兵の処刑について
ウッキウキで語る妹様が恐ろしい。
敵を包囲したら捕虜にするって
発想は無いのだろうか?
こう言うのを確か、えーっと…、そう。
戦時国際法違反とかって言う筈。
殺し合いにだってルールはあるのだ。
守られるのかは知らないが。
私は勿論思い出した知識を
妹様には一切披露しない。
そして、妹様は驚きの発言をする。
「だから、ルーマニア陸軍には
槍兵師団を設立するのよ!」
「妹様、正気ですか?」
「…。」
「すみません妹様!
どうかお気になさらず。」
「次は無いからね?」
…やっば。口に出た時には
もう全てが終わっていた。
妹様が凄い形相でこちらを睨む。
幸い今回は許されたが、
次は本当に分から無い。
しかし槍兵師団の設立何て…。
幾ら私が伝統的な妖怪と言っても、
流石にそれが時代錯誤な事位は
把握しているつもり何だけどな。
軍服も兵装も中世ヨーロッパだ。
尤も、敵の処刑が専門の師団と言うなら
ギリギリ分かる…いや分から無いけど
分かるかもしれないが。
妹様は更に続けてくる。
「兎に角これは決定事項なの。
まぁ、それはそれとして、
再編後のルーマニア陸軍は
近衛師団が合計2師団、
沿岸防衛師団が合計8師団、
歩兵師団が合計20師団、
砲兵師団が5師団、
騎兵師団が5師団、
槍兵師団が2師団、
特殊部隊が2師団、
最後に戦車師団が1師団の
合計45師団でやっていくつもりよ。」
妹様の話を聞いた私は
今更私は表立って反対する事を
流石にしたくは無いので、
質問の体裁を取って聞いてみる。
「結構多いと感じますけど、
維持する予算はありますか?」
「そこは強引に通すわよ。
大体、私はお姉様と同格なの。
だったらせめて、自分の仕事位
我儘を言ったって許される筈よ。
アリスだって通したのだから、
私も強引にどうにかやるわ。」
私は妹様の確信の籠る口調に、
私はこの計画が通る事を
ありありと察する事が出来た。
…もう何も言うまい。
そもそも、お嬢様や妹様にとっては
国家を玩具にしたお遊びを
楽しんでいる様な物なのだ。
どれだけお二方が真剣にやっていても、
根っこは結局そこにあるのである。
…それにしても、槍兵か。
軍服の件もそうだけど、何だかなぁ。
私には何が何だか分かりかねる
超が付きそうな程高度な技術を
他国に先駆けて導入したかと思えば、
妙な所で中世ヨーロッパ的な
余りにも旧態依然とした物を
わざわざこのご時世に導入するとは。
私は槍兵師団に配属される
新兵の心境に思いを馳せながら、
無機質な白い天井を仰いだ。
甘いつまみ…作者は許容する派。辛口のお酒と合わせるのであれば良いアクセントになる気がする。それこそ辛口の白ワインを嗜む時何かには甘いつまみも選択肢にしている。皆さんの意見もぜひ感想に下さい。
ムッソリーニの政治思想…私の雑な考証の結果から得られた結論を当作品では記載したが、マルクス主義を理解する様なインテリの述べた事を理解する頭は私には無かった。意見求む。
1932年1月22日のルーマニアの月齢…満月前夜らしい。月齢カレンダーで調べて知ったのだが、これは単なる偶然。やっぱり満月に近い方が映えると言う物だし、調べていてテンションが少し上がった。
槍兵師団…狂気の沙汰。もう何も言うまい…。妖怪はどこか懐古主義的な趣味でも持っているのかもしれない。割と納得の行く説明である。