紅魔戦記~カリスマの戯れ~   作:インスタントブルー

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慈悲深い女王、容赦無い師団

「…以上が私の提案する政策です。

詳細はこちらの報告書に記載しています。

これらの政策は膨大な予算を要しますが、

1つでも多く採用される事を願っております。」

 

1932年2月13日、紅魔館内の執務室にて

私、レミリア・スカーレットは

福祉大臣を務めているデジから

新たに実施する福祉政策についての

具体的な提案を受けていた。

デジが提案してきた政策は、

成績優秀者を対象とした高等教育の無償化、

陸、海、空軍人の待遇改善、

育児手当、失業手当、遺族年金、社会保険の導入である。

福祉政策は膨大なコストがかかるので

流石に提案の全てを受け入れる事は無いが、

恐らく今回はその殆どを採用するだろう。

やはり国民受けする政策が無ければ

為政者の求心力は上がらないだろうし、

これに関しては必要なコストだろう。

一応ルーマニア国内における私の評価の大半は

失業率を改善し経済を上向かせた

有能な為政者と言う評価であるそうだが、

国内の共産主義者を一掃する位の

福祉政策を推進する事によって

慈悲深い為政者としての印象も残したい物である。

 

私は考察しながらデジの報告書に目を通し、

咲夜が報告したルーマニアの財政状況の表と

想定される費用と歳入を比較する。

幾ら国民に恩恵のある政策の為とは言え、

外債の発行や増税は行わずに政策は実行したいのだ。

…尤も、ルーマニアは些か特殊な国家であるので

多少は無理な財政支出が可能なのだが。

私はデジに向き直り、決定を伝える。

 

「…そうね、取り敢えず、

社会保険導入以外の提案については

この場で全て採用させて貰おうかしら。

○○手当、とつく給付制度は

期待している程の規模感の

給付がなされる保証が出来ないけど、

それは納得して頂戴ね。

ただ、成績優秀者を対象とした

高等教育の無償化何かは

非常に優れた政策だと感じたから

全面採用しようかしら。

成績優秀者が経済的な事情に関係無く

高度な教育を受けられる様になれば、

ルーマニア国民が賢い国民として

世界で称賛される事間違い無いわよね。

それに、知識をつけたルーマニア国民が

産業を発展させる事が出来れば

ルーマニア経済にも多大な恩恵があるし、

国も豊かになる事間違い無いでしょう。

国が豊かになれば税収だって増えるから、

今より多くの事も出来る様になるしね。

これは多少財政を圧迫させてでも

やるべき政策だと思うわ。」

 

「ありがとうございます陛下。

高等教育の無償化は是非ともするべきです。

陛下の仰った様な政策的利点もありますし、

様々な産業の発展における礎になります。

特に、経済学、農学、物理学に関しては

有用な学問分野であると思われるので

積極的に支援したいと考えております。

…しかし、やはり社会保険は厳しいですか。

負担するのは国民になりますから、

予算は殆どかからないと存じますが…。」

 

私に提案の殆どを飲ませたにも関わらず、

デジの表情は険しい物であった。

この場で不服そうな表情が出来る

デジの度胸は立派な物だと思うが、

あくまでも決定は決定なので

私は不採用の理由を説明する事にする。

 

「そうね、確かに予算面は問題無いわ?

ただ、新しい福祉政策によって

今までよりも生活が楽になったと

国民に実感させるのであれば、

社会保険料を徴収すると言う考えは

余り望ましいとは言え無いわね。

それに、社会保険の目的は

医療費の負担を軽減する事でしょう?

正直、私達の国には必要無い政策よね。」

 

「陛下、お言葉ですがこれは重要な政策です。

貧民にとって、医療費と言うのは

尋常では無い負担になり得るのです。

多くの労働者や農民の収入は

日々の暮らしを賄う事で精一杯であり、

蓄えが殆ど無い者が大半を占めています。

そんな中で、貧しいが故に医療を受けられず

生存を諦める人間が増える事は

国家的損失に他ならないばかりか、

人道上も問題であると私は考えます。」

 

大臣就任から間もないデジだが、

私に諫言までして来るとは…。

私は自らが見出したこの男の

度胸と頭脳を内心称賛しつつ、

再度彼に反論を行う。

 

「まぁ、話は最後まで聞きなさい。

最近ルーマニアにおける医療費は

社会保険無しでも安価にする事が

現実的だと判明したのよ。

貴方は流石に知らなかったかしら?」

 

「…存じません。本当なのですか?」

 

疑わしそうに私に確認するデジ。

しかし、その心配は杞憂だろう。

 

「えぇ、当然これは本当の話よ。

…時にデジ、貴方は私達が

魔女を抱えている事を知っているかしら?」

 

私はデジにそう聞くと、

彼は私の言いたい事を察して

驚愕の表情を浮かべる。

 

「…詳細については存じませんが、

陛下が2名の魔女を抱えている事は承知しています。

私には魔法の知識等まるでありませんが、

文字通り様々な不思議な事が

可能だと言う事は認識している次第です。

…陛下の口ぶりからするに、

その2名の魔女が関わっているのですね?」

 

「概ね正解よ。まぁ、正確に言うと

関わっているのは恐らく貴方が知らない

3人目の魔女と言う事になるわね。

アイルランド出身なのだけれど、

魔法を学びにルーマニアに最近来たみたいね。

今はまだ修行中の身だけれど

中々に見込みがあるから囲っているわ。

…彼女は何とも都合が良い事に、

治癒魔法が大の得意なのよね。

右手を一振りするだけで病気が

一瞬で治ると聞いているもの。

貧しい病人の治療についてだけど、

彼女に一任すれば医療費は無料よ?」

 

私の発言に、デジは目を丸くする。

 

「そんな夢の様な事が…。

俄かには信じ難い話ですが、

私は陛下の話を信じましょう。

彼女の協力は得られそうでしょうか?」

 

「得られると思うわよ?

寧ろ、彼女からやりたいと言うかもね。

彼女自身は魔法を学ぶ為に

私達の近くにいるみたいだけど、

魔法を学ぶ事と同じ位

誰かの役に立ちたいと

願っているみたいだから。

取り敢えず、私から彼女に対して

話はしておく事にするわね。

と言っても、彼女は人間だし

時間はあくまでも有限よ。

彼女は別に医者では無いし、

他にもするべき事があるわ。

だから、貴方は今から

医療費無償化の対象となる

貧民の定義の検討をしなさい。

それと、彼女1人が全て対応する以上

患者はブカレストなりクリムソンなりに

来て貰う必要があるでしょうね。

面倒極まりないだろうし

急患には対応しかねるけれど、

その辺りは諦めなさい。

魔法は便利な力だと思うけど、

些か属人的過ぎる力なのよ。」

 

私は魔法の懸念点や欠点を伝える。

実際、社会保険制度を導入して

全国に医師と病院を設置する方が

便利な点は多いのである。

 

しかし、デジの表情は先程と違い

険しい物では無かった。

 

「それでも、費用面を考えれば

陛下の提案の方が優れている筈です。

それに、恐らくその魔法を使用すれば

どんな大病も治ると言う事ですよね?

…本日はこの様な場を提供して頂き

本当にありがとうございました。

具体的な制度については再度検討し

後日改めて陛下に報告させて頂きます。

それでは、私はこの辺りで。」

 

デジはそう言うと私に深く頭を下げ、

速やかに執務室を退室する。

いやはや、彼は本物の度胸を持った人間だな。

私に一切怯まない人間で無ければ

これからの仕事をやってはいけないだろう。

 

私が自らの人物眼に自信を深めていると、

聞きなれた声が後方から響く。

 

「…お嬢様、お言葉ですがあの男、

些か無礼ではありませんか?

お嬢様がお許しになるのであれば

私個人から教育的指導を行いたいのですが、

指導を許可して頂けますか?」

 

私が後方を振り返ると、

顔面を恥じらいでは無く怒りで

赤く染めた咲夜が立っていた。

…如何やら咲夜は未だに

デジを信用していないらしく、

度々密かに監視しているらしい。

私は彼女を落ち着かせる。

 

「…まぁ、落ち着きなさい。

それと、咲夜の教育的指導を

生きて耐えられるのは

美鈴ぐらいなのだから、

指導は特にしない様に。

後、私は多少横柄にされた位で

怒りを感じる様な器の小さい

吸血鬼では無いのよ?」

 

私がそう言うと、

咲夜は多少落ち着きを

取り戻した様である。

 

「…そうですよね。

冷静さを失ってしまいました。

申し訳ありませんお嬢様。

私とした事が取り乱してしまいました。

今回の事、深く反省致します。」

 

そう言って咲夜は頭を下げる。

 

「…頭を上げなさい。

咲夜は普段から私の為に

献身的に仕事をしてくれているわ。

別に気にしたりしないから、

この後の業務に集中なさい。」

 

「畏まりました、お嬢様。」

 

そう言って、咲夜は部屋から消える。

時間を止めて移動したのだろう。

 

それにしても、珍しいものを見たものだ。

咲夜があそこまで感情的になる姿は

主人の私も殆ど見る機会が無い。

 

…そして、私はよく我慢した物だ。

暫く前、私は大失敗をしたのである。

今回と同じ様に咲夜が我を忘れて

顔を真っ赤にしていた時の事、

私は咲夜に“生理中なの?”と聞いてしまったのだ。

私は単なるジョークのつもりだったのだが…

人間には通用しないジョークだったらしい。

咲夜が養豚場の豚を見る様な目で

私を見てきたのを覚えている。

後にも先にも咲夜にあんな顔をされたのは

あの一度だけであるが、あの体験は

中々精神的に応える物があった。

 

軽いトラウマを思い起こしながらも、

私は先程咲夜が去り際デスクに置いて行った

“新師団計画”と書かれた資料に目を通し始めた。

 

 

---------

 

 

「うん、ここを選んで正解だったわね!」

 

1932年2月15日の夜6時頃。

私、紅美鈴は妹様と共に

新師団のお披露目をする為と言って

ドラキュラ伝説で知られている

ブラン城を訪れていた。

…尤も、お嬢様に聞いた所によると

少なくともお嬢様自身は

別にあの城に大した縁は無いらしい。

一応景観は好きみたいだけれど。

笑顔の妹様に癒されつつ、

私は一応質問しておく。

 

「…それにしても、一体どうやったのですか?

まさか僅か半月でお披露目に至るとは

全く思っていませんでした。

志願者をよく確保しましたよね。」

 

「当然よ。この半月、私に出来る事を

全てこの師団に詰め込んだのだから。」

 

意気揚々と語る妹様。

…まぁ、確かにこの半月程妹様は

今まで見た事の無い程

精力的に動いていた様に思う。

咲夜さんの魂が憑依したのかと

勘違いしてしまう程だ。

尤も、“無茶”を通す為だけに

動いていた訳であるのだが…。

本当に、私や咲夜さんは

振り回されてばかりである。

最近の苦労を思い出しながら、

私は妹様の横顔を見やる。

 

「凄い執念でしたものね。

いつ寝ていたのかって位です。」

 

目にクマを浮かべていた妹様を思い出す。

確かに吸血鬼は頑丈な体質を持っているが、

それでも不眠不休はかなり応えた筈だ。

流石に今日はクマも消えているけれど。

 

「流石に少しは寝てたわよ。

確かに睡眠時間は相当削ったけど、

今日の為であればやれたわ。

昔、ちょっとだけこう言う軍を

指揮する事に憧れてたから。

さ、前を見なさい!そろそろよ?」

 

“憧れてた”…か。妹様の憧れの為だけに

あんな事をさせられる新師団に同情しつつ、

軍楽隊の演奏に乗って彼らは私達の前に

整然とした隊列から一糸乱れぬ行進で向かってくる。

この短期間でよくここまで揃えた物だと

私も感心してしまう程の美しさだが…

兵装は、まさかの槍である。

銃火器では無い。純粋な槍である…。

長さは3メートル弱と言った所だろうか?

槍は長い方がリーチの差で

敵より優位に立つ事が出来るが

長くし過ぎれば今度は取り回しが悪くなり

どうしようもなくなる武器なので、

3mはバランスが取れていて良い塩梅かもしれない。

 

…しかし、この期に及んでそんな事は些事だ。

今は西暦1932年なのである。

もう一度、今は西暦1932年なのだ!!!

断じて1462年では無いのである。

この兵装がこのご時世に存在するとは

正直言って信じ難い話だが、

この件は誓って嘘では無い。

紅い軍服に銀色の鉄槍を纏う姿は

一糸乱れぬ行進の姿も相まって

威圧感も抜群だし非常に強力そうだが、

実の所本当に役に立たなそうだ。

確かに槍は極めて有用な武器だが、

あくまでそれは昔の話である。

結局その程度の長さであれば

銃器には決して勝利出来ないだろう。

まして、目の前に機関銃でも前にすれば

挽き肉の山が出来るに違いない。

頑丈なら私達なら兎も角として、

人間にとっては死活問題だろう。

多分戦場の槍兵ハンバーグは

そこまで美味しい訳では無いだろうし。

 

「それにしても、壮観です!

神秘的ですし、美しいと思います!」

 

ただ、妹様にはこう伝えるのが

現状の私にとっての精一杯だった。

一応噓を伝えた訳では無いのは

私からのささやかな抵抗である。

私が目線を師団長らしき先頭の人物に

固定しながら言った言葉に対し、

妹様は口を開いた。

 

「…美鈴、もしかしてあの槍は

ただの槍だと思っているの?」

 

私が妹様の横顔を見ると、

妹様は恍惚とした表情で

槍兵師団を見つめている。

直ぐに私も師団を見るが………

駄目だ。何の変哲も無い槍にしか

私には見えてこないぞ。

 

「…申し訳ありません妹様。

私には普通の槍に見えます。」

 

「まぁ、そうでしょうね。

だけど、あの槍は特別な槍よ。

流石の私もこのご時世に

ただの槍を装備させたりはしないわ。

それだと処刑しか出来ないからね。

あの槍は、思いっきり投げると

敵兵に向かって飛んで行く槍よ!

ほら、お姉様が“グングニル”って

槍を持ってる事は美鈴も知ってるわよね?

あれと似た様な事が可能なの。

パチュリーと一緒に苦労して

量産した力作なのよ!」

 

驚愕の新事実を告げられ

私は目を丸くしてしまう。

 

「…と言う事は、妹様が最近

ずっとやっていらっしゃった事は

この槍の開発なのですか?」

 

私が質問すると妹様は首肯する。

 

「そうよ。あの槍は敵兵を

勝手に串刺しにしてくれるの。

…“鹵獲防止の為に”って事で

敵兵に刺さったら追尾魔法の効力が

切れる様に条件付けするのが難しくて、

パチュリーと一緒に暫く唸ってたわ。」

 

苦労したのはそこなのか…。

私は魔法の事はサッパリだが、

自動追尾何て大層な機能を作るより

途中で効力を切る方が難しいとは

何ともまぁ、意外な事である。

 

「…それにしても、槍兵師団は

グングニルを装備している訳ですね。

まるでお嬢様が増殖したみたいです。」

 

「流石にそんな事は無いわよ。

あそこの槍兵はお姉様とは違って

あの槍を作る能力が無いから

一回投げたらそれで終わりだし、

材質自体は単なる鉄であるから

破壊力もただの鉄槍に過ぎないわ。

速度で威力が増幅されたとしても、

グングニルには遠く及ばないわよ。

まぁ、人間を壊すだけならあれで十分よね!

寧ろ、破壊力はこれ位が丁度良いわ?

多分即死出来ない事が多いから

相当苦しんで死ぬと思うわよ?

ルーマニアに歯向かう兵士には

お似合いの末路と言えそうね!」

 

「はは…そうですね!」

 

私は乾いた笑みを浮かべて

ご機嫌な妹様に答えた。

昔の私ならもう少し位は

意気揚々と賛同したのだろうが、

咲夜さんと関わる内に多少丸くなって

人間らしい感覚も身に付けた今の私には

これが精一杯のリアクションだった。

私は何とか話を逸らす事にする。

 

「…それにしても、この行進見事ですよね。

美しい芸術作品を見ているみたいです。

この短期間でよくここまでの

練度の師団を作り上げたなって思います。」

 

私の発言に対し、妹様は溜息をついた。

…何かマズイ事を言っただろうか?

私は不安になったが全く心当たりは無い。

ただ、幸い妹様は溜息の原因を自ら語りだした。

 

「当然よ。何せ、彼等に施したのは

行進の訓練だけなのだからね!

現状は槍兵師団じゃなくて、

槍を持っただけの行進師団よ。

師団を充足するまでに

そこそこの時間がかかったから、

訓練したのはたった3、4日位。

その期間に出来る事は行進だけよ。

…とは言え、彼等にする訓練は

この後も殆ど行進でしょうけどね。

だって、槍兵師団がすべき仕事は

槍を全力で敵兵に投げるだけだもの!

自動追尾機能だってついているし、

狙って投げる必要性すら無いわ。

だから、ここにいるのは皆が皆

士官学校の落ちこぼれ連中と

風変わりな志願者だけよ。」

 

…私は思わずズッコケそうになる。

妹様の話や熱心さから察するに、

てっきり槍兵師団は精鋭師団だと

信じて疑わなかったからだ。

でも、確かに言われてみれば

仕事は全力で投げるだけと言う

子供にでも務まりそうな任務だったが。

とは言え、私には気がかりがあった。

妹様にその件について質問してみる。

 

「…所で妹様、この槍兵師団には

槍を全力で投げる事以外にも

敵を処刑する任務はあるのですか?」

 

「…?何を言ってるのよ。

そもそも処刑の為に作ったんだから

処刑任務があるのは当然の事じゃない。

確かに槍を投げる事も出来るけれど、

それは槍兵師団を編成した

本来の目的では無いわ。

あくまでも串刺しに拘らないと!」

 

「あ、そうですよね!」

 

訝しむ様に私を見つめる妹様に対し、

私は何と無く師団の末路を察した。

妹様は知らないかもしれないが、

彼等はあくまでも脆弱な人間なのだ。

それも、大半が士官学校の落ちこぼれ。

先の大戦でそうだった様に、

戦争恐怖症の患者で溢れかえりそうである。

陸軍病院で呻き声を上げながら

プルプル震える人間が万単位に上るに違いない。

 

私は槍兵師団の行く末を案じながらも、

それはそれとしてブラン城の前を

神々しく行進する兵の姿に

完全に魅せられていた。

尤も、超一流なのは行進だけらしいけど。

 

 

 

 




福祉政策…政策に必要な予算を捻出しやすいルーマニアだから実行出来る諸政策。実際、戦前の福祉政策は多くの国においてシャレにならない程貧相な物であった。戦後修正資本主義に基づいて西側諸国で多くの福祉政策が採用されたが、これは国内における共産主義の台頭を各国が警戒していたからであるとも一説には言われる。いずれにせよ確かな事は、この世界のルーマニアが、政策の大半を魔女の属人的な魔法や咲夜の能力に依存していると言う事である。

ルーマニアのイデオロギー…福祉政策の充実を通じ、ルーマニアは単なる権威主義国家から、啓蒙専制主義的な国家へ徐々に移行を見せます。

レミリアのデリカシー…”別に年頃の人間の女性なら須らくそう言う物でしょ?”と言う価値観でレミリアは発言したが、こうした感覚で語る事には抵抗がある女性も多い。近年はそうでない女性も増えているらしいが、少なくとも1930年代の感覚とは間違いなくかけ離れている。レミリアに絶対的な忠誠を誓うあの咲夜でさえあんな顔になる位にはデリカシーに欠ける発言。

ブラン城…ルーマニアの南部・トランシルヴァニア地方のブラショヴ県南部の山中に位置する古城。ドラキュラ伝説で有名な城だが、実際の所ブラド3世は殆ど住んでいなかったとも言われる。作者的には東方Projectの聖地扱いしても良い気がする場所であり、いつかは訪れたいと願っている。

紅い軍服…最近遂に陸軍兵士全員に新しい軍服がいきわたった。色こそ狂ったように紅いが装飾等は特段なされていないので、本当にありふれた軍服の色だけを染めた感じとなっている。

槍兵師団の装備…狂気の沙汰と思われた槍兵師団だが、魔法によるホーミング機能がついている事によって部分的には歩兵師団よりも強いと思われる。特殊な槍の量産性が師団の強さの鍵を握るだろう。

戦争恐怖症…現代的に言えばPTSDの事。本当に痛ましい症状が発生する。第一次世界大戦を契機に広く認知される事となった兵士の戦闘ストレス反応は、シェルショック (shell shock)と呼ばれた。処刑任務を任される事が多いともなれば、こうした症状に悩む兵士は続出する筈である。運良くそうした症状が現れにくい兵士であっても、廃人と化しながら機械的に敵兵を串刺しにする羽目に陥っていそうだ。尚、妖怪とは無縁の症状である為妹様には理解しがたい。
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