「…娯楽が少ない!!!」
1932年2月21日の夜、アリス邸にて
私、メアリー・レーガンは
ちょっとおかしくなっていた。
私が突然大声を出した事で、
家主のアリスさんが驚いて
私に対して声をかけてくる。
「…急に大きな声を出されたから
ビックリしたわ。突然どうしたのよ。」
アリスさんの指摘を受け、
私は少しだけ冷静さを取り戻す。
「ご、ごめんなさい…。
ちょっとおかしくなってました。」
慌てて謝罪する私を見て
アリスさんは溜息をついてくる。
「…まぁ、別に構わないわよ。
それにしても、何があったの?」
私は質問に答える。
「…心配頂かなくても大丈夫です。
ちょっと疲れてただけですから。
実は、今日教えてくれた魔法を習得出来たので、
個人的な研究に今は取り組んでいまして。
結構難易度が高い魔法なので、
膨大な量の難解な魔法式を
正確に計算しないと何ですよね…。
私の優秀とは言えない頭はパンク寸前、
気が狂ってしまいそうです。」
自嘲気味に答える私。
そんな私を見るアリスさんは
相当心配そうな眼をしていた。
「…えっと、貴女に助言させて貰うけど、
今日はもう休んだ方が良いわ。
疲れている時に無理をしても
大抵良い結果は得られないもの。」
「助言して頂きありがとうございます。
私も丁度休もうと思っていました。」
私がそう返すと、アリスさんは安心している。
「…えぇ、今は休むべきよ。
だけどメアリー、一体さっきから
どんな魔法を研究してるのよ。
私が知る限り、こんな高度な計算は
パチュリーですらしている姿を
ただの一度も見た事が無いわよ?」
私が先程から計算していた
ノートを覗き込みながら言うアリスさんに対し、
私は率直に研究内容を告げる。
「研究しているのは転移魔法です。
計算しているのは術式に入力する必要がある
2地点の座標についてですね。
取り敢えず、今は紅魔館とこの家を
移動出来る様にするのが目標です。」
私の発言に、アリスさんは思わず頭を抱えてしまった。
…そこまでおかしな研究だったろうか?
私が訝しんでいると、アリスさんは
呆れた様な顔で私に語り掛けた。
「…転移魔法?あれだけはやめときなさい。
あれは私もパチュリーも匙を投げた魔法よ。
恐ろしく計算が面倒で難解なばかりか、
ほんの少しでも計算ミスがあろう物なら
体がバラバラになりかねないと言う
理不尽過ぎるリスクも付きまとうわ。
もしも私達不老の魔女が研究と取得を
後回しにした程の難解な魔法を
人間のメアリーが取得しようとしたら…
一生かかっても取得出来るか怪しいわよ。
少なくとも、逐一座標を計算する様な
術式の構築をする限りはそうでしょうね。」
アリスさんの助言を聞いて
私は悲しくなってしまう。
薄々感づいてはいたのだが、
やっぱり相当高度なのか。
好きに移動が出来たら
凄く便利そうだったのに…。
まぁ、結局魔法と言えども“法”なのだ。
あくまでも理論や理屈の世界であって、
筋の通らない魔法は成立しない。
その辺りは科学と一緒なのだ。
単に準拠する論理体系が異なるだけで
両者は存外似た様な物なのである。
私は今しばらく思考から
魔法を切り離したい気分だったので、話を変える。
「まぁ、今は大人しく休みます。
…ですけど、ちょっとアリスさんに
聞いてほしい事があるんです!」
「…聞いてほしい事?
まぁ、私も仕事が片付いたし
聞いてあげるけれど。」
アリスさんはそう言って手を一振りし、
私の前に上海人形が出て来て
アイスコーヒーを差し出す。
猫舌気味だからアイスなのは助かるな。
私は早速本題を語りだす。
「ありがとうございます。
それで、聞いてほしい事と言うのは
ルーマニアの娯楽が少ない事です!
勿論都市に行けば映画館があったり
劇場があったりはしますけど、
それ以外の娯楽と言えば
専ら読書とか芸術鑑賞では無いですか。
確かにそれらも立派な娯楽ですけど、
もうちょっと庶民的な娯楽も
あったって良いと思うんです。
子供でも楽しめる様な娯楽が。」
私がそう言うと、アリスさんは
顎に手をやって考えている。
「…まぁ、言われてみればだけれど
ルーマニアは“庶民的な”娯楽って
存外少ないかもしれないわね。
多くの娯楽は相応の教養が無いと
中々楽しめない物が多いもの。」
私の意見に納得するアリスさん。
私はふと気になった事を質問してみる。
「…そう言えば、一般的なルーマニア人は
どんな娯楽を楽しんでいるんですか?
あくまでも“庶民的な”娯楽に限った話ですけど。
私は魔法の研究ばっかりしていたので
生憎とその辺り詳しく無いんですよね。」
私がそう聞くと、アリスさんは
苦笑しながら述べてきた。
「庶民的な娯楽に限定するなら、
私達みたいな女性であれば、
服を買ったり化粧をしたり
着飾ったりする事が多いんじゃ無いかしら。
尤も、経済的に相当余裕が無いと
中々難しいとは思うけどね。
後は、美味しい物を食べるとかかしら。
料理を趣味にしてる女性は多いわよ。
他には……まぁ、うん…。アレとか?」
成程、お洒落と料理か。
確かに私も一人の女性として
美しく着飾ったりする事に
全く興味が無い訳では無いし、
アイルランドでは料理もしていた。
大層な物こそ作ったりはしないが、
味付けの研究とかはしっかりやったし。
…ただ、私はアリスさんが後半露骨に
言葉を濁した事が気になったので
アリスさんに聞いてみる。
「…その、アレって何ですか?」
すると、アリスさんは顔を真っ赤にする。
…私としては別におかしな事を
聞いた自覚は無いのだけどな。
アリスさんは暫くあたふたしていたが、
やがて小声で答えをよこしてきた。
「…そ、その、男性と一緒に寝たりとかね。
わ、私はそう言う経験は無いのよ?
ただ、レミリアが女王になってから
正教会の力が弱まっているからね。
貞操観念が変わってきているみたいよ?
私としては風紀が乱れている気がするけど
嘆いても仕方ない問題かもね。
…それにしてもメアリー、
貴女ももう立派な女性なのだから
その辺りも少しは察して頂戴。」
「あー…はい、分かりました。」
きっまず。成程、そう言う事か。
生憎と、私はそうした経験が無いので
余りその辺の解像度が高くない。
イケメンの王子様を捕まえて
結婚式の晩にでも出来れば良いと
何と無く思っている訳だけど、
中々王子様とは出会えない訳で。
週に数度の寂しい夜だって、
妄想しながら指を出し入れするのが
現状では関の山なのである。
これがまた本当に困った事に、
奥まで届かないからもどかしいのだ。
…考えていたら惨めになって来たな。
こんな虚しい事を考えたくなかった私は
脱線しかけた話を元に戻す。
「と、取り敢えず話を戻しましょう。
兎に角、ルーマニアには娯楽が少ない。
なので、私は思いついたんです。
ルーマニア中の家庭にラジオを普及させて、
寂しい夜に彩りを齎したいなと。」
「…ラジオと言うのは確か、
最近開発された通信機械だったわよね?
仕組みまではよく分から無いけれど、
遠くにいる人の声を聞く事が出来る
画期的な物って聞いてるわ。」
アリスさんは私が戻した話に
しっかりついてくる。
私はアリスさんにラジオの説明をする。
「確かにラジオは通信機械です。
ですが、正確に表現するなら
“大衆向け受信機械”となると思います。
ラジオはラジオ局が流した電波を
受信する為の機械何です。
…ルーマニアにはラジオ局とか
ラジオって無いのですか?
流石にそんな事は無さそうですけど。」
私の質問に対して、アリスさんは
顎に手を当てて少し考えた後
回答をよこしてきた。
「…そう言えば、ルーマニアにも
国営のラジオ局が存在していたと
薄っすらだけど記憶しているわ。
海軍大臣になってから暫く後に
偶々ルーマニア政府の組織図を
確認する機会があったのだけれど、
確か通信省の管理下に
“ルーマニア無線電話放送会社”なる
組織が存在していた筈なのよ。
それが国営のラジオ局だって
説明を受けた様な覚えがあるわ。
尤も、私はラジオ何て聞かないから
どんな放送をしているのかは知らないし、
私はルーマニアでラジオを聞いた何て話を
ただの一度だって聞いた事は無いわ。
である以上、もしかしたら
国営ラジオ局は管理運営が
満足になされていないかもしれないわね。
通信大臣の咲夜がかなり多忙である以上
有り得ないとは全く思わないわ。」
…私はアリスさんの発言に目を丸くする。
「え、仮にも国営ラジオ局ですよね…?
確かに咲夜さんは多忙だと聞いてますけど、
管理していない何てあり得るんですか?」
私の確認に、アリスさんは肩を竦める。
「…残念ながら、それがあり得るのよね。
ルーマニアはレミリアがクーデターの時
省庁再編を掲げて全ての公務員を
強制的に解雇しちゃったから。
その後必要性が認められた省庁の公務員は
希望者を再雇用したって聞いているけど、
その時、組織の名前が残っているのに
実際は誰一人として働いていない
幽霊組織が幾つか出来たって聞いてるわ。
レミリアは雑な性格をしているし
咲夜は多忙で全部に手が回らないから
幽霊組織の処理までしていなくても
別に私は驚いたりしないわね。」
…私は開いた口が塞がらない。
そんな事があってたまるかとも思うが、
確かにアリスさんの話には説得力がある。
正直ルーマニアは少数精鋭…
と言うと聞こえが良くなり過ぎるな。
ルーマニアはかなりの少人数で運営されている。
それも、常軌を逸する少人数で。
である以上、幽霊組織がクーデターの混乱で
残っている可能性は私にも十分
存在していると感じられた。
「…まぁ、そうなるとレミリアさんに
確認してみないといけませんね。
ちゃんと組織として動いているのか。
…それと、」
私は一度言葉を切って、
アリスさんに提案をしてみる。
「…それと、ルーマニア無線電話放送会社が
もしも幽霊組織になっていた時は、
私達でラジオ局を運営しませんか?
やっぱり娯楽が増えたら嬉しいですし!」
私の提案に、アリスさんは突然目を輝かせた。
ここまで目を輝かせているアリスさんは
初めて見た気がするな。
…とは言え、少し嫌な予感もする。
アリスさんは興奮した様子で
私の手を取って話しかけてきた。
「…メアリー、今名案を思い付いたわ!
ラジオを使えば私の人形劇を
ルーマニア全土に広められるじゃない!」
…結局その後、私は暫くアリスさんに
人形劇の案についての話をされた。
私はラジオが音声しか伝えない以上
人形を使う意味は無いと伝えたのだが、
アリスさんは一切聞く耳を持たず
一晩中私にその話をしていた。
正直言ってまるで休めなかったが、
ルーマニアの娯楽が1つ増えそうな事は
私にとって朗報だったと言えよう。
~~~~~~~
3日後、1932年2月24日
紅魔館の執務室にて。
「…お嬢様、申し訳ありません。
こちらの書類をご覧下さい。
どうやら私の管理が及んでいない
幽霊組織が存在していた様でして、
アリスとメアリーが共同で
管理運営を行いたいと希望しています。」
「そうなの?まぁ、咲夜は多忙だし
別に責めたりするつもりは無いわ。
別に幽霊組織が残っていた所で
大して問題にはならないしね。
それで、どんな組織なのかしら。」
「ルーマニア無線電話放送会社です。
通信省の下にある国営のラジオ局ですね。」
「…そう。まぁ、私に余程不都合な報道を
したりしない限りは特に問題無いわ。
2人にはその様に伝えなさい。」
「畏まりました。」
「それと…こうも伝えておく事。
国営ラジオ局の名称を
“スカーレットラジオ”に
変更しなさいってね。」
「御意。」
…かくして1932年2月24日、
極めてあっさりと決定はなされた。
ルーマニアの国営ラジオ局は
スカーレットラジオとして
新たなスタートを切る事となったのである。
---------
「…成程、遂に事が起こった訳ね。」
1932年3月2日の朝、紅魔館内の執務室にて
私、レミリア・スカーレットは今朝の新聞と
咲夜から提出された報告書と睨めっこしながら
件のニュースの内容を確認していた。
新聞はその重大さから1面で報じており、
“満州国建国、ラストエンペラー復権”
と言う端的な見出しが付されている。
報道姿勢としては割と中立的な物で、
満州国が独立国とは名ばかりの
日本の傀儡国家であるとして懸念の声が
各所から上がっている事や、
軍閥が乱立する中国において、
満州国が地域的な安定を齎す可能性、
対ソ連の観点で満州地域を見た時に
この地域が日本によって安定する事は
望ましいかもしれないとの見解の存在等
様々な視点からの見解を列挙していた。
一方、咲夜の報告書に記載されていたのは
満州国執政として国家元首となった
愛新覚羅溥儀の簡潔な紹介、
現在満州地域について分かっている
気候や地形等の特徴や政情、
…そして、最後に今回の建国で
大きな役割を果たしていると思われる
日本陸軍の部隊の1つである
関東軍についての簡潔な情報が記されていた。
この辺りの情報は恐らくだが
多くを吉田経由で入手したのだろう。
あのジュネーブでの密会以降
私は咲夜に吉田との情報交換を
緊密に行う様に指示しているので、
機密に触れかねない…と言うか
最早機密情報と言って構わない程の
情報が私達には流れてきている。
勿論吉田はイタリアに駐在する
一介の官僚に過ぎない訳であるから、
入って来る情報には限度があるが、
少なくとも満州の地勢については
こちらにきちんと伝わってくる。
…あの男は機密保持よりも
私との関係を進展させる事の方が
有用であると判断した訳だ。
成程、吉田は博打が余程上手いと見える。
私にベットすれば配当金は青天井だ。
…そう言った考察をしながらも、
私は新聞と報告書から顔を上げて
咲夜に対して指示を飛ばす。
「咲夜。」
「…如何なさいましたか?お嬢様。」
瞬間私の前方に咲夜が現れる。
それにしても、毎度私が呼ぶと
直ぐに現れる理由は何なのだろう。
普通に考えて、私の声が直接的に
咲夜に聞こえる訳では無いだろうし。
以前同じ事を聞いた時、咲夜からは
“脳内にお嬢様の声がする”
と聞かされた気がするが、信じられない。
別に私が何かした訳でも無いし、
パチェに頼んだ訳でも無いのだ。
「…お嬢様?」
困惑した顔で佇む咲夜を見て
私は思考をすぐさま現実に引き戻す。
「…あら、ごめんなさい。
少し考え事をしてしまったわ。
余り気にしないで頂戴。
それで、今から咲夜に命令を3つ与えるわ。
満州国の独立承認を行なう旨を記した電報を
ジュネーブの国連本部に送り付けなさい。
それと、満州国建国と執政への就任を祝った
祝電を溥儀宛てに送りなさい。今直ぐよ。
…そして、これは今直ぐでは無く
じっくり調整してからで構わないから、
吉田に掛け合って訪日の日程を決めなさい。
いい加減日本とは正式に
同盟関係になりたいからね。
訪日手段についてだけど、
大至急スカーレット・デビルを大型化、
武装を取っ払った新型輸送機を作るよう
パチェに後で伝えておくから、
それを使って行きなさい。
設計図面だけは作っておく様に
暫く前に伝えてあるから、
多分2月後位にはお披露目出来る筈よ。
…まぁ、日本は遠いし貴女は多忙だから、
期限は今年の夏までで大丈夫よ。
沢山話してしまったけれど、
何か質問や確認事項はあるかしら?」
私は終始真顔で指示を聞いていた
咲夜の目をジッと見つめる。
すると、彼女は質問を寄越してきた。
「…訪日は大型の輸送機でとの事ですが、
私以外にはどの様なお方を日本に
派遣するおつもりなのですか?」
「そうね、まず海軍大臣のアリスは
確実に訪日メンバーに入って来るわ。
アリスの弟子のメアリーについては…
まぁ、咲夜の判断に任せるわ。
彼女には新しい仕事を任せる予定だから
別に留守番でも構わないしね。
私、フラン、パチェ、美鈴は居残り。
…あぁ、デジも居残りかしらね。
兎に角、基本はその2~3人と
パイロット1名の総勢3~4名で
日本には行って来なさい。」
私はスラスラと明快に指示を出し、
咲夜は落ち着いて指示を聞く。
咲夜は記憶力が良い方なので、
メモ等しなくてもこの程度は
しっかりと頭に入れている。
「…訪日の調整にあたって、
お嬢様は訪日の期間は
どの位を想定していますか?」
「…移動に2日かかると想定して、
移動含めて7日から10日程
じっくりと見て回って来なさい。
時間的には余裕もあるだろうし、
天皇、総理大臣、海軍大臣の3人とは
必ず面会して来る様に頼むわね。
勿論、観光をしても構わないわ。
今回指示した訪日の裏目的には
私から遠く離れた場所で
咲夜に羽を伸ばして貰うって
意味合いもあるからね。」
私がそう言うと、咲夜は涙を流す。
「お嬢様、ご配慮頂き
本当にありがとうございます。
…大変申し訳無いのですが、
訪日は休養にも充てさせて頂きます。
無論、残務が無い様にしますので
ご心配なさらないで下さい。」
そう言って咲夜は頭を下げる。
…涙は感激の涙だったのだろうか。
いずれにせよ、働き詰めの咲夜に
休暇を与える事は大切な事だ。
彼女にとって休暇や休養とは
止まった時間の中で過ごす事が
常識となってしまっており、
精神的には中々休まる時間が無いのだ。
私としては、咲夜が吉田に無理を言って
20日程まで訪日を伸ばしても
特段文句を言うつもりは無かった。
私は咲夜に労いの言葉を掛ける。
「…頭を上げなさい。言ったでしょ?
私は忠節にきちんと報いる当主なのよ。
それに、時折休暇や休養を取る事は
仕事のパフォーマンスも良くするわ。
仕事の合間に日本を楽しんで来てね。
土産話、楽しみにしているから。」
「はい、お嬢様!」
咲夜は泣きはらして
顔をぐしゃぐしゃにしながらも
同時に満面の笑みを浮かべていた。
咲夜はこう言った顔を
私以外には決して見せないので、
私は少しだけ優越感に浸る。
…しかしまぁ、咲夜には悪いが
楽しみな訪日は日程的には
暫く先のイベントなのである。
今は目の前の仕事をする必要がある。
「…まぁ、取り敢えず今はまず
電報を打って来て頂戴ね。
私は図書館に行って来るから。」
「はい、仰せのままに!」
…咲夜はいつもよりも
気合を入れた声で返事をし、
執務室を去って行く。
去り際見えた咲夜の顔からは、
涙の跡のその一切が消え失せていた。
魔女の欲求…この小説の内容的に、読んで下さる方の殆どが18歳以上だと言う希望的観測の下でライトに描写した。18歳以上の良い子の皆は魔女が箒に乗っていると言うイメージがどうしてついたのかを調べてみて欲しい。それはそれとして、個人的に魔女はそうした欲求が強くなりやすいと言う解釈をしている。尤も、パチュリーやアリスはそうした欲求よりも魔道の追求や仕事を重視しているので余り表面化はしない。メアリーは種族的には人間で、且つ健康的な成人女性なので、人並みには興味関心がある。
ルーマニア無線電話放送会社…1928年に開局されたルーマニアのラジオ放送会社。参考資料を見る限り厳密には1926年なのかもしれないが、いずれにせよ話の筋は通るのでそれ以上は調べる気にならなかった。参考資料によると開局初期から中々積極的に放送していたみたいだが、この世界線では1930年のクーデター計画後の混乱で幽霊組織と化してしまったので放送は長らく中断されていた。この辺りの情報はルーマニア語のサイトを翻訳して引っ張って来たので結構集めるのに苦労した。そもそも日本語の情報が無かったし。まあ、ルーマニア国営ラジオ局の歴史を調べる日本人なんて恐ろしく稀だからね、仕方ないね()
満州国建国…わざわざこの小説を読んで下さる方は満州国建国の大まかな経緯を存じている事と思うので詳細は割愛。満州国建国当初の溥儀は皇帝では無く執政であったと言う事を作者は知らなかったので勉強になった。そして、満州国建国はこの物語を一気に加速させて行く事となる。
咲夜の訪日…レミリアは流水が苦手なので日本には行けない。
尤も、流水が苦手と言っても物理的に訪日が不可能で
体質的に死んでしまう程深刻と言うより、
妖怪としての根源的な弱点として流水が定義されているから
わざわざ流水を越えようとは思わないと言った方が
より正確な捉え方かもしれない。
その辺りは敢えて結構曖昧な解釈をしている。
そもそも、妖怪って曖昧な存在だし。
咲夜の休暇…咲夜にとっての訪日は依然として仕事だが、
同時に貴重な海外旅行の機会でもある。
この時代、海外に旅行すると言うだけで凄い事。