帝国の極秘計画
「総統閣下、私です。ヘスです。
入室しても構いませんか?」
「…構わん。入り給え。」
「失礼します。」
1933年2月10日の午後8時頃、
ベルリンにある首相官邸の一室を
私、ルドルフ・ヘスは訪れていた。
先月首相に就任したばかりの総統は
権力基盤を固めるべく議会を解散し
選挙戦の最中で多忙を極まる筈だが、
私がどうしても会いたいと伝えると
あっさりと了承してくれた。
私は少しばかり緊張していたが、
総統は珍しくリラックスしている。
「よく来てくれたよ。さ、かけて。」
「…では、遠慮なく。」
私は総統の前に腰掛ける。
念願の首相となったその顔には
自信が満ち満ちていた。
「…それで、要件があるんだったな。
君の口ぶりから私が察するに、
相当重大な話であると見受けるが、
一体どんな話をしに来たのかね?」
そう言って、食い入る様に
私の顔を覗き込む総統を前に
私は一層緊張を強めたが、
私はただ淡々と要件を告げた。
「本日私は、極秘計画について
議論したく官邸を訪れました。
…時に、総統閣下はルーマニアの
現状をご存知でしょうか?」
私がそう切り出すと、
予想はしていた事だが、
総統は露骨に不機嫌な顔をする。
「…化け物の巣窟の話か?
君は、私がそんな話を嬉々として
語る様な人間だと思っているのか?」
「…そうは思っていません。
無論、私もそんな人間ではありません。
私が言いたいのは、連中の存在が
ドイツを脅かす可能性について。
…そう、憎き連中の危険性についてです。
連中は英国、日本との同盟を締結し
急速に国内を発展させており、
このままの勢いで発展を続ければ
我々の生存圏を脅かす危険があります。
…そして、連中が発展の為に使うと
専らの噂であるのが“魔法”です。
科学に抗い、不可能を可能にする
神秘的な力や術の数々は、
小国ルーマニアの全てでしょう。
バベルの塔や謎に満ちた戦闘機に始まり、
俄かには信じ難い噂の数々…。
何れも、連中の程度の低い科学力で
実現可能な物では無い筈です。
…しかし総統、この力を持つべきは
決して化け物とその取り巻きでは無く、
優等人種たるアーリア人で
無ければならないとは思いませんか?
連中が私達に抗うと言うのであれば、
相応の報いを与えるべきでしょう。
そこで、私は提案させて頂きたい。
ドイツに“魔法”を極秘に研究する
機関を設立してはどうかと…。」
私の提案に、総統は目を丸くする。
直後総統は席を立ち、私に背を向け
夜闇をただジッと眺める。
…そのまま2分程経過した時、
幾分か小さな声で呟いた。
「…しかし、当てはあるのかね?
君は本気で言っている様だが。」
低く、重い声が響く中で
私は総統に切り出す。
その口ぶりから察するに、
もしも当てがあるのであれば
興味があると言わんばかりだ。
「無論、当てはあります。
総統閣下もご覧になりますか?
興味がおありでしたら是非とも。」
「…見せてくれ給え。」
「でしたら、こちらをご覧下さい。」
私がそう言うと、総統は振り向く。
…その瞬間の総統の顔には、
心臓が今にも止まりそうな程の
驚愕の表情が滲んでいた。
だが、無理も無い事だろう。
振り返れば、ヘスの左隣に
美しい金髪をストレートに伸ばし、
鷹の様な鋭く黄色い瞳を持つ
アーリア人らしいなりをした
少女の姿があるのだと言うから…。
幻覚でも目にしたのかと
言葉を失う総統を前にして、
私はニヤリと笑うと、
今起きた現象を説明する。
「これもまた、魔法の一端ですよ。
彼女曰く、“透明化魔法”です。
解除すると姿が見える様になるそうで、
私も初めて見た時は腰を抜かしました。
…ほら、自己紹介をしてみなさい。」
私がそう促すと、少女は少々…
いや、相当怠そうにしながら指示に従う。
一応背筋だけは伸びているが。
「…初めまして、総統閣下。
私はメリッサ・アインホルン、14歳。
俗に言う、魔女と言う奴です。
以後、宜しくお願い致します。」
そう言って、頭を下げるメリッサ。
総統はその衝撃に動揺しつつも
メリッサに質問を投げかける。
「アインホルン…珍しい姓だ。」
「よく言われます。
父の姓らしいのですが、
顔も覚えていません。」
「…念の為聞かせて貰うのだが、
君は本当に魔法が使えるのか?」
「幾らかは使えますよ。
流石に何でもとは言いませんが、
仮にも魔女ですからね。
と言っても、透明化以外は
地味な奴が多いですけど。」
「地味でも一向に構わない。
具体的にはどんな魔法を
使う事が出来るのだ?」
「透明化以外で便利なのは、
消えない炎を放つ魔法と、
対象を狂わせる魔法辺りでしょうか。
…予め言っておきますが、
流石にここでは使いませんよ?
それなりに危ないので。」
…その言葉を聞いた総統は
見るからに興奮していた。
まぁ、それはそうだろう。
私だって初めて聞いた時には
その耳を疑ってしまった物だ。
彼女は地味だと言っているが、
これのどこが地味な物か!!!
そして、総統も私と同じ事を
どうやら思っていた様で、
「どこが地味な物か!!!
もしその力が本当だとすれば、
最早我々アーリア人種にとって
恐れる物等無いでは無いか!!!
ユダヤ人と共産主義者を
地獄の業火で焼き尽くす事が
叶うと言うのであれば、
私達は容易く世界を制すだろう!!!
果たして、どうすればその力を
使う事が可能なのかね!?」
テンションが上がり早口で言う総統。
…しかし、私のテンションは上がり切らない。
メリッサの表情が不気味な位
ピクリとも動いていないからだ。
「…魔力がある人間が適切な
術式を理解する事が出来れば、
魔法を使う事が出来ます。
残念ながら、魔法と言うのは
普遍的な力では無いのです。
今後の研究次第ではありますが、
現時点では何とも。」
「メリッサ、君に言わせれば
今後の研究の如何によっては
アーリア人種の全員が
魔法を使える様になる可能性は
どの位あると感じるのだ!?」
「…どんなによく見積もっても
40%程度だと思いますよ?
無論、やれと言われれば
全力で取り組んで見せますが。」
「そうか…。理解した。」
…メリッサは総統の質問に答えた。
淡々と、凄まじい度胸で。
すると今度は、私にも視線が向く。
「君は…彼女とどう出会った?」
「…出会ったのは、二月程前です。
偶然、彼女が倒れている所を
私が偶々助ける機会がありまして。
そこで私が話を聞いてみれば、
彼女は自分を魔女だと言ったのです。
私は大変驚きましたが、
総統もご覧になった様な
透明化魔法が得意な様で、
彼女の言葉を信ずるに至りました。
私には魔法の神髄は分かりませんが、
彼女が魔女であると言う事に対して
最早疑いの余地は無かったのです。
…そんな中、私は彼女のご両親が
残念ながら行方知れずであると聞き、
時折面倒を見る事にしたのです。
無論最初は警戒されていましたが、
遂に私は彼女から聞かされました。
…魔女だと言う彼女の出自について。」
私がそう言うと、怪訝な目で
総統は私に聞いてくる。
「…その出自とは、一体何かね?
一体、君は何を聞かされたのだ?」
…しかし、その問いに答えたのは
私ではなくメリッサであった。
「…私は先の大戦における
ドイツ帝国の決戦兵器として
極秘に研究されていた
魔女育成計画に基づいて
この世に生を受けたそうです。
尤も、私が生まれたのは
1918年12月29日でしたから
大戦は既に終わっていましたが。
私は大戦終結後暫くの間
シュヴァルツヴァルトで自給自足の
生活を営んでいたのですが、
遠出する機会があった時に
偶然ヘスさんと出会い、
夕飯を頂いたのです。
私は当時空腹に喘いでおり、
ヘスさんがいなければ
死んでいたかもしれません。
…そうしてご一緒した
夕飯の席でちょっとした話を
私が打ち明けると、
私はヘスさんから
こう声をかけられました。
“その力を役立てないか”…と。
私としてもヘスさんには
それなりの恩義を感じていますし、
夕飯程度はお役に立ちましょう。
もし総統が私を必要とするのでしたら
協力する事を約束します。」
メリッサが言い切ると同時、
総統は私に告げた。
「…君のお陰で、私達は今夜を以て
歴史的な大きな前進を果たした!
だが…、今日の所は保留にする。
この話は、君と私だけの極秘事項だ。
今後、私が名実共にドイツにおける
絶対的な総統になるその日まで…。
正式な決定は、その時を以て行う。
勿論、前向きな返答を用意しよう!
特別な力を持つに相応しいのは、
私の目の前にいる少女の様な
アーリア人の他に有り得ないのだ!!!」
流石に、即答とは行かなかった。
しかし私、いや私達の未来は
成功が確約されているのだろう。
…最後に、私は右手を掲げ敬礼を行う。
忠誠を誓うその言葉と共に高らかに。
「ハイル・ヒトラー!!!!!」
…夜闇をバックに右手を掲げる
勇ましい総統を見た私は、
“荘厳”の二文字を思い浮かべた。
ドイツが選ばれた国家であると
そう確信させてくれる力が
総統の姿には確かにあるのである。
…無論、気まずそうにするメリッサの
少女らしい姿を無視すればの話だが。
彼女には、ナチズムの何たるかを
叩き込む必要がありそうだ。
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「…まぁ、これは約束だものね。
来年から陸軍予算は増額するわ。
私が思うに、あの男は脅しにも屈しないし
話も一切通じないタイプでしょう。
いっそ暗殺でも企てたい所だけど…
流石に今事を構えるのは御免被るわね。」
1933年3月26日、紅魔館の執務室で
私、レミリア・スカーレットは
思い描いた戦略を練り直していた。
フランが持って来た新聞の一面に踊る
“ドイツで全権委任法可決”の文字に
思わず溜息が漏れてしまう。
幾ら政情不安気味であったとは言え、
こうもアッという間にワイマール共和国が
崩壊の憂き目に遭う何て…。
私は物事を楽観的に見ていたのだろう。
嘆く私から言質を取ったフランが口を開く。
「…一応聞くけどさ、お姉様には
ドイツとソ連を一緒に相手取って
勝てると本気で思ってるの?
私はあのろくでなしを滅する為なら
何でもやってやるつもりだけど、
幾ら私達が頑張った所で、
限界って存在する物だし。
何せ、紅魔館を守るって言うならまだしも、
ルーマニア全土を守るんだから。
陸軍を拡大してもギリギリになるわ。」
珍しく弱気になり、溜息をつくフラン。
…まぁ、私もフランが主張する通り
もしそんな事態に陥ったとすれば
陸軍予算の増額は恐らく焼け石に水。
大して効果は無いと判断している。
局地戦で勝利を重ねるにしても、
結局絶対的な国力に差があるからだ。
ただ、私は諭す様にフランに言う。
「勝算その物は十分にあるわよ。
まず、私達には時間があるわよね。
確かにドイツとソ連は脅威だけど、
それはあくまで未来の話。
数年後両国がもし軍拡を始めれば
面倒極まりない事になるけれど、
少なくとも今の軍事力なら大丈夫よ。
それと、ドイツとソ連がルーマニアに
侵略戦争を仕掛けてくるにしても、
それが同時である可能性は低いでしょう。」
「え?それは何故なの?」
「賢いフランなら分からない?
私がそう判断した理由は、
ドイツのろくでなし連中が
共産主義者を嫌っているからよ。
つまり、ソ連を敵国と見なしている。
ソ連としてもそれはきっと同じ筈よ。
両国関係が敵対的である限り、
少なくとも協力して攻める何て
発想を持つ事はきっと無いでしょう。
片方が攻めて来るだけなら、
英国と日本との同盟も活用して
如何にか守り切れるでしょう。
少なくとも私達には質の面で
連中を圧倒出来る確信がある。」
私は自信満々にそう言い切る。
特に、ソ連に攻められた場合の
対策はこの数年間注力して
私が取り組んで来た事なのだ。
…だが、私の自慢の妹に隙は無い。
「…お姉様の話からすると、
ドイツとソ連に同時に攻められたら
負けるって言いたいの?」
「…負けるとは言わないわ。
だけど、万が一そんな事態に陥れば
信じられない程厳しくなるでしょうね。
一応、数年間ずっと防衛に徹すれば
敵に質で勝るルーマニア軍が
必ず敵軍の攻勢限界まで
粘ってくれるとは思うわよ?
だけど、それにはあくまで質の面で
ルーマニア軍が圧倒する前提が必要。
…私からフランに助言すると、
陸軍予算の増額は量の面では無く
質の面を強化する為に使う事を勧めるわ。
量の面は私の方から何とかしてみるから。」
「そっか、分かったよお姉様。
いつか絶対、あのろくでなしを
串刺しに処してやるんだから……!」
フランは私にそう言って、
鬼気迫る表情で部屋から出ていく。
…しかし、私の妹も本当に成長した物だ。
相変わらず時折感情的になる節はあるが、
冷静に物事を見れる事が増えてきたし。
以前までのあの子であれば、
ドイツ軍とソ連軍が攻めてきた場合
ルーマニア軍が苦戦するだ何て
絶対に信じようとしなかっただろう。
だが、彼女は日々軍で人間と関わる内
自らの強大さの特異性と限界について
認識する事が出来る様になったのだ。
その結果、ある程度の未来を
予測する事が出来る様になっている。
…さて、妹はしっかり成長しているのだ。
私は私のやり方で、彼女を支えなければ。
私は妹の成長を嚙みしめると、
思い切り羽根を伸ばして凝りをほぐす。
これからもう一仕事せねばなるまい。
「…咲夜。」
「お嬢様、如何なさいましたか?」
「今から用件を2つ伝えるわ。
まず、今すぐにドイツとの貿易を
全て他国に振り返る様にしなさい。
ルーマニア経済は民間よりも
国家主体でやっている訳だし、
別に不可能では無い筈よ。
特に、工作機械に関して重点的にね。
もし戦争にでもなった時、
敵国に重要物資を依存する何て
余りにも馬鹿げているから。
それと、輸入だけじゃなくて、輸出もね。
特に、農産物の供給は一切停止しなさい。
その分の農家への所得補償は来年度予算から
何とか出す様にするつもりだから。
それと…ここに隼一を呼んで頂戴。」
私はまくし立てる様に指示を出し、
咲夜はそれを完璧に聞き取る。
「ドイツとの貿易の件、畏まりました。
では、隼一を呼んで参ります。」
咲夜はそう言って一礼すると、
一瞬で姿を消してしまう。
…次の瞬間そこに立っていたのは
咲夜では無く隼一であった。
彼は数秒辺りを見回すと、
完全に状況を飲み込んだ様で、
一礼だけして口を開く。
「…陛下、緊急のご用件でしょうか?」
「いえ、確かに貴方に用があったけど、
別に緊急と言う程では無いわね。」
私が質問に答えてやると、
隼一は大胆にも、額を抑えて愚痴りだす。
「…陛下、次から呼び出し方は
もう少々穏便な物にはなりませんか?
緊急時であれば致し方無いですが、
そうでは無いとの事でしたし、
私にも仕事がありますから。」
…隼一はそう言っているが、
彼が左手に持っている
コーヒーカップを私は見逃さない。
きっと休憩中だったのだろう。
それを察した私は彼の言い分を
「ま、それは咲夜に言って頂戴。
呼び出し方まで指示はしてないわ。
それと、用件は仕事の通達よ。」
…との言葉で一蹴する。
私が平然とそう言った事で
隼一も流石に色々と察したのか、
バツが悪そうにコーヒーカップを
背中側に隠しながら姿勢を正す。
それを見て、私も口を開く。
「隼一には今からミッションを課すわ。
このミッションに関しては
期限を設けたりしないから、
私達の長期目標として取り組んで頂戴。」
息を飲んだ隼一は、その内容を問うた。
「…して、ミッションの内容とは?」
「アメリカとの同盟締結よ。
…難しい事は分かっているわ。
だけど、日英と同盟関係にある私達を
いつかアメリカも無視出来無くなる筈。
私が思うに、勝機は十分にある。
少なくとも、運命はそう言っているわ。」
「それは…陛下の仰っている通り
相当難しいミッションになりそうです。
無論陛下の為に全身全霊で取り組みますが、
私一人の力でモンロー主義的政策を
転換させる事が出来るとは思えません。
何せ、かの国は民主主義国家であり、
政策を転換させる為には大統領のみならず、
数多の有権者を説得する必要がありますから。」
“難しい”と言う事実を顔にも出す隼一に
私は軽く助言してやる。
肩の力を抜いて取り組んだ方が
上手くいく事もあるのだ。
難しい目標に向き合う時こそ、
そうしたアプローチを
するべきである。
「…何も今すぐにとは思ってないわ。
言ったでしょう?期限は設けないと。
だけど、ドイツとソ連が予想よりも
強大な国家として立ちはだかるのなら
日英との同盟だけでは心許ない事も事実よ。
常に最悪の事態を想定するのなら、
アメリカを何としてもヨーロッパに
引きずり込む必要があるでしょう。
そして、それはどんなに難しくても
決して不可能では無いのよ。
隼一なら、それが出来る筈よ。」
私は隼一を強く見つめる。
彼の眼は、先程のそれと違い
決意に満ちた漢の眼になっていた。
案外、メアリーが惚れた部分は
彼の眼にもあったのかもしれない。
「…話は終わりよ。分かった?」
「…畏まりました、陛下。
必ずや、良い報告を持ち帰ります。」
「…無理だけはしない様にね。」
…そうして、彼は私に一礼すると
轟々と雨音が響く執務室を後にした。
気付けば、外は雨が降っている様だ。
吸血鬼には億劫な生憎の天気だが、
今の私には優秀な仲間がいる。
必ずやルーマニアを、そして仲間を守る。
私はそう誓うと、先程さり気なく
咲夜が淹れたまま置いていった
アールグレイを飲み干した。
アドルフ・ヒトラー…史上最悪の独裁者とされる歴史上最も著名な人物の一人。作者は別に彼の事を史上最悪とまでは思っていないし、現代においては少々タブー視され過ぎだとも感じるが、だからと言ってその所業の数々を擁護しようとはとてもじゃないが思えない。能力面の評価も、仮にも権力を奪取する辺り無能とまでは言わないが、本当にただそれだけである。大衆扇動の才は確実にあったろうが、国家を滅亡に導く様な指導者を高く評価する事は難しい。よく言われる失業者問題改善等の経済面での成果は虚構にまみれた物である事が明らかになっているので、ここでは評価しない。そして主観100%の話になるが、作者は個人的に優生思想が嫌いなので、少なくとも思想面では彼と相容れない。
ヘスの態度…ヒトラーとヘスは公的な場では「貴方 (Sie)」で呼び合い、私的な場では親密な間柄の二人称「きみ (du)」で呼び合う仲だったらしい。総統閣下と呼称される事が一般的になるのはヒンデンブルグ大統領死去後、1934年8月以降とも言われる。ただ、この作品ではあくまでも分かりやすさを重視して、部下がヒトラーを口頭で呼ぶ際には“総統閣下”や“総統”、或いは“閣下”等で呼ぶ事が大半になる。ご了承願いたい。
ヒトラーの口調…ヒトラーと言えば専ら演説ばかりが後世に残っているので、穏やかな口調で何かを話しているだけでちょっと拍子抜けする感じがする。神経質でイライラしている晩年のイメージも強く、リラックスして会話をしている印象も余り無い。ヘスとの会話は完全に独自解釈。
メリッサ・アインホルン…オリキャラの魔女。金髪ストレートに鷹の様な鋭く黄色い瞳を持つ美少女。身長は165㎝と高めで、胸も平均以上はある。容姿は全体的にアーリア人然としている。生まれは1918年12月29日。容姿からはとても14や15には見えない。第一次世界大戦におけるドイツ帝国の決戦兵器として極秘裏に魔女を育成する計画が存在しており、結果誕生した経緯を持つ。結局彼女の生誕前に大戦は終結したので、戦後連合国に計画の存在を秘匿する為英語圏やフランス語圏の名前である“メリッサ”の名を授かった。苗字のアインホルンは父親の姓で、ドイツ語で“ユニコーン”の意味を持つが、幼くして両親が行方不明となってしまい、魔女らしくシュヴァルツヴァルトの森で自給自足の生活を営んでいた。生まれが生まれだった故か、やや厭世的でサッパリした性格に見える。いずれにしても、魔法やオカルトは最早ルーマニアの専売特許では無くなった。
【挿絵表示】
➡メリッサ・アインホルンのイメージ画像。生成AIによる出力である点に注意。※前回の画像よりも解釈に沿った画像を再アップロードしました。ご了承下さい。
ヒトラーやヘスが魔法や魔女をあっさり受け入れた理由…ヒトラーはエリック・ヤン・ハヌッセンを専属の占い師としている等、オカルトに傾倒していたという説がある。この説の真偽の程は不明だが、ヒトラーの場合性格的に魔法を実際に見せられれば直ぐにその存在を信じそうな気はする。また、ヒトラーにメリッサを紹介したヘスがその晩年はオカルトに傾倒していたのも有名な話。恐らくヘスもそうしたオカルトに対する敷居が低そうだと作者は判断した。