紅魔戦記~カリスマの戯れ~   作:インスタントブルー

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夢・幻視・理想

「さ、始めましょうか。良いでしょ?

幾ら何でも、この会議の議題すら忘れてきた

どうしようもない無能は

ルーマニア軍に居ないだろうし。」

 

「「構いません、閣下。」」

 

1933年4月1日の午後3時頃、

陸軍省参謀本部内の会議室にて

(参謀本部と言っても名ばかりの組織で、

作戦指導は全て殆どフランの管轄であり

まともに機能している訳では無いのだが。)

私、フランドール・スカーレットは

来年の陸軍予算で増額される分を

何処に投資するべきかを決める為に

少将以上の階級にある者を招集していた。

人数を考えれば条件は妥当であると思う。

ルーマニア陸軍は少数精鋭の組織であり、

会議に参加しているのは15人位だ。

…一応会議を開いてはいるものの、

私の独断でも決められる事柄なので

会議に対するモチベーションは殆ど無い。

美鈴が強硬に会議の実施を主張したので

開催に至ると言った感じである。

そんな中、真っ先に真剣そうな顔の美鈴が

挙手をするので私は発言を促した。

 

「妹様、先ずは私の見解を述べさせて頂きます。

私が思うに、ルーマニア軍が強化するべきは

機甲戦力の増強にあると思われます。」

 

「機甲戦力の増強…その心は?」

 

「はい、機甲戦力強化の根拠となるのは、

周辺諸国とルーマニアとの国情の比較です。

ルーマニアはソ連等の大国と比較して

人的資源が非常に乏しい事から

量的な部分で大きく劣っており、

国土の防衛は少数で行う必要があります。

従って、敵軍よりも少ない犠牲で

多大な戦果を得る為にも、

兵士を戦車の装甲によって守り、

砲火力によって敵兵に対する殺傷力を

確保する事が望ましいと考えます。」

 

「成程ね…。問題無いわ、美鈴。

良い意見だと思うわよ?」

 

…余りにも流暢に話す美鈴を見て

普段の彼女を見る者は驚いている。

だが、それは無理も無い事であろう。

私は会議を開催する条件として、

彼女に私の見解を喋らせたのだから。

要するにサクラと言う奴である。

さて、美鈴もとい私の見解に

反対する者は果たしているだろうか?

すると、イオン・アントネスク中将が

挙手をしたので発言を許可する。

 

「先程提案があった機甲戦力の強化案に

私も概ね賛同の意を表明させて頂きます。

そのうえで、私は彼女の意見に補足して

自らの見解を述べさせて頂きたく存じます。

具体的には、機甲戦力強化の方針についてです。

私は従来的な歩兵の随伴を重視した軽戦車に代わり

装甲や砲を強化した重戦車を研究開発、

配備する事を提案させて頂きたく思います。

私の現状認識が間違っていなければ

これは単なる絵空事等では決して無く、

ルーマニアの技術力や工業力を活用する事で

十分に可能な計画であると存じます。」

 

「まぁ、悪くない提案だと思うわ。」

 

流石はアントネスクと言った所。

私が思うに彼の陸軍に対する知見は

陸軍の上層部の中でも充実している方だ。

私が感心している中、ヴァシレ・アタナシウ少将が

挙手をしてきたので彼にも発言を許可する。

 

「私としても、増額される陸軍予算は

機甲戦力の強化に充てられるべきと存じます。

しかしながら、私はアントネスク中将と違い

軽戦車への注力を主張させて頂きます。

戦車の最大の長所はその高速性にあり、

小回りの利く軽戦車であれば速度面に加え

重戦車よりも運用面で融通の利く存在として

現場で重宝されるかと存じます。

更に、迅速な機動防御が可能である軽戦車は

防衛戦においても長所を発揮出来る筈です。

又、軽戦車は重戦車よりも量産性に優れ

数を揃える事が容易いと言う点も

総力戦の時代においては無視出来ません。

懸念される火力面の問題についても、

砲兵師団の強化によって補う事によって

解決が図れると存じます。

私が述べたこれらの点を踏まえれば、

重戦車と比較した際の軽戦車の優位性は

明らかでは無いでしょうか?」

 

「成程ね…まぁ、一理ありそうね。

取り敢えず、陸軍予算の増額分は

機甲戦力の強化に充てる事は

全ての意見において一致しているし、

ここに関しては異論の無い物として

処理させて貰うけれど平気かしら?」

 

「「問題ありません。」」

 

「そ。じゃあこれは確定ね。」

 

私は意見を取りまとめ、

取り敢えず陸軍予算の増額分を

機甲戦力の強化に充てる事が決定された。

…ここからは、具体的な内容についてだ。

両者の意見にはそれぞれ筋が通った意見であり

どちらを採用すべきか悩ましい所だ。

…だが、数分の検討の末私は決断する。

 

「ここはアントネスクの案を

採用する事にしましょう。

アタナシウの案も悪く無いけど、

ルーマニア軍が実際に戦うと想定した場合

軽戦車の機動性を活かした戦い方は

恐らくしないと思うのよ。

私達ルーマニア陸軍は幸運にも

常に強大な航空戦力によって

制空権を確保した状態で戦えるし、

夜間であれば私自身が迅速に

戦場に駆けつけて救援が可能よ。

勿論お姉様だっていざとなれば動けるし、

昼間であってもパチュリーやメアリーが

駆け付けられる可能性は高いわ。

そう考えると、戦車に求める性能は

軽戦車が優位を持っている

機動力や量産性では無くて、

重戦車が優位を持っている

装甲の厚さや強大な砲火力になるわね。

私達が救援に来るまで前線で耐えられる

防御力と反撃力を保証する為にも、

重戦車の強化と配備に予算を費やすわ。

皆、そう言う事で異存は無いかしら?」

 

…本当ならここから更に議論をする所だが、

私は面倒な議論をスキップする。

どうせ陸軍についての決定は

私に一任されているのだから、

私がしたい様に物事は進めるのである。

とは言え、美鈴に従い会議を開いたのは

寧ろ正解だったとは思う。

私は具体的にどんな戦車を作るかまで

全く考えていなかったし。

…いずれにしても、私がそうすると

結論を述べた以上異議は許されない。

当然ここにいる全ての出席者が

 

「「異存ありません。」」

 

…言う事が分かり切っているからだ。と

 

「…そ、ならそう言う方針で行きましょう。

今後、重戦車設計の具体的な話は発案者の

アントネスクを責任者に任命して

物事を進めようと思うけどそれで良いかしら?」

 

「…畏まりました。」

 

私は面倒な実務をアントネスクにぶん投げる。

彼は不服そうな顔をしているが、

私の手前特に何も文句を言えない。

従順な人間の部下を持って私は幸せだ。

 

出席者の大半がアントネスクに対して

憐みの視線を向けているのを横目に、

私は咲夜が久し振りに作ってくれた

おやつのプリンを食べる為、

紅魔館の自室へと急いだ。

早くしないとお姉様に食べられちゃう。

 

 

 

--------

 

 

 

「生まれたんだって!?」

 

「…全く、遅いよ隼一。

ほら、可愛い女の子。」

 

1933年4月2日午前6時30分頃、

私、宇佐見隼一はつい先程まで

外務省の大臣室に徹夜で閉じこもり

対米戦略の研究を進めていたのだが、

咲夜さんから妻の出産を伝えられ

大慌てで病院まで急行してきたのである。

…こんな人生の節目になる瞬間に

同席出来無かった事は申し訳無いな。

暫く妻には頭が上がりそうにない。

 

「…ほら、隼一も抱いてみて?

一応何かあっても魔法で

どうにかなるとは思うけど、

くれぐれも気を付けてね。」

 

「わ、分かった。」

 

私は妻に促され、娘を抱きかかえる。

初めて父と邂逅した娘は

小さな手を私の方へと向けて

少し不安そうな表情をしており

今にも泣きだしそうである。

娘は赤ちゃんなのだから

泣くのは当たり前なのだが、

そんな顔でジッと見つめられては

こちらとしても不安でしょうがない。

 

…そうして、ギリギリ泣き出さない範囲で

慣れないなりに娘をあやし続けてていると、

あやされる娘の姿に癒されたのか、

妻がリラックスした顔で口を開く。

 

「そう言えば、賭けは私の勝ちだね。

私ってばギャンブルが得意みたい。」

 

「賭け…あぁ、そうみたいだ。」

 

私が少しだけ残念そうに負けを認めると

妻は満面の笑みを浮かべる。

…実は、私と妻は妊娠が発覚した際に

ある賭けを行っていたのである。

ズバリ、生まれた子供が女の子なら

妻が赤ちゃんに名前を付けると言う賭けだ。

逆に男の子が生まれてきた場合は

私が名付けられる事になっていた。

 

「…それで、この子の名前何だけどね、

アシュリーン(Aisling)にしようと思うの。

アシュリーンにはアイルランド語で、

夢・幻視・理想って意味があるんだよ。

結構長い事考えて決めた名前だし、

ネーミングセンスに自信はあるよ。」

 

「夢、幻視、理想…か。」

 

“らしい”ネーミングだと思う。

科学の進歩が著しいこのご時世に

魔法を手段として夢を実現する

メアリーらしいセンスだ。

…それを聞いて、私は妻に問うた。

私には分からないけれど、

彼女であれば理解出来る事を。

 

「…メアリー、アシュリーンには

魔力を感じる事は出来るかい?」

 

「うん、確かに感じるよ。

流石に私程では無いけれど、

“本物”の魔法を使える位には感じる。」

 

「そうか…。確か、女の子の方が

魔力が遺伝しやすいんだっけ?」

 

「うん、そうだよ。どう言う訳か、

基本的に女の子の方が遺伝する

魔力量が多くなりやすい傾向があるの。

勿論これはあくまで傾向だから、

男の子でも魔力量が多い子が

生まれる事は言う程珍しく無いけどね。」

 

「…魔女はやたらと見かけるのに

魔法使いが少ない事を考えたら、

本当にそう言う物何だろうね。」

 

「…魔女も意外と珍しいんだけどね。」

 

妻は何やらぼやいているが、

身近に魔女が多過ぎる物だから

私の感覚は麻痺してしまっているのだ。

 

…私は眠りについたアシュリーンを

妻に返すと、彼女が口を開いた。

 

「…まぁ、こんな質問をわざわざして来た

隼一の言いたい事は大体分かるよ。

アシュリーンを魔女じゃなくて

“普通の”人間らしく育てたいんでしょ?」

 

苦笑しながら言う妻に対して、

私は臆する事無く意思を伝える。

これは伝えるべき大切な事なのだ。

 

「…魔女にしたく無いとまでは思わない。

事実、魔法は非常に便利だと思うよ。

ただ、アシュリーンの意思を尊重して

やって欲しいって思っただけ何だ。

この世界で生きていくにあたって、

魔女として生きる事によって得る物が

非常に多くあるのと同時に、

失う物と言うのも絶対にあると思う。

メアリーはそう思わないのかい?」

 

私がそう言うと、メアリーは黙り込む。

窓から差し込む陽射しを眺め、

…彼女は数分程吟味して、結論を述べた。

 

「…確かにその通りかもしれないね。

私だって、お母さんを半ば見捨てて

自由に好き勝手生きて来たんだから、

娘にだけ夢や理想を押し付けたら

親として失格なのは間違い無いし。

…一応、私はアシュリーンに魔法を教えるよ。

だけど、魔女の子供としてじゃなく、

ごく普通の女の子らしい人生を

送らせてあげようと思う。

その後どうするかの決断については、

アシュリーン自身に委ねるよ。」

 

…そう言い切ったメアリーは、

少しばかりの寂しさを感じさせつつ、

吹っ切れた様な表情をしていた。

前向きな決意をしてくれて、

私としても嬉しい。

 

 

 

~~~~~~

 

 

 

「…所で、2人目はどうしよっか?

出来れば、次は男の子が良いかも。」

 

「随分と気が早いね…。」

 

「けど、最低でも3人は欲しく無い?

心配何かしなくたって、鎮痛魔法を使えば

出産の痛み何て全く感じないよ。

隼一のネーミングセンス、期待してるね♪」

 

「全く…君って人は。」

 

…前言撤回、そこまで吹っ切れ無くて良い。

その笑顔の煌めきが今だけは眩し過ぎる。

私か妻の腰が悲鳴を上げる日常が

また戻って来るのかと考えると

少しだけ憂鬱になってくるぞ。

私は思わず頭を抱えてしまったが、

今の私には頼れる同僚がいるのである。

取り敢えず、咲夜さんかアリスさんに

ちゃんと相談する事にしよう。

多分デジよりは有益な情報をくれる…。

 

 

▼ ▼ ▼

 

 

…後日、咲夜さんとアリスさんに

盛大に張り倒され妻の治癒魔法に頼った挙句、

デジにもう2つベビーベッドを貰う何て、

この時の私には知る由も無かった。

 

 

 

--------

 

 

 

「初めまして、メリッサ。

私はリリー・ヴァイス。

これから貴女の傍で

生活する事になるから、

宜しくお願いね。」

 

「…はい?」

 

1933年4月15日の夕刻の事、

私、メリッサ・アインホルンは困惑している。

何故かって、最近ベルリン近郊に与えらえた

私の住居兼魔法の研究施設

(都市部の割に存外施設が充実しており、

森にある自宅よりも便利である)に

突然自らをリリーと名乗る不審極まりない

銀髪の若い女性が訪ねて来たからである。

私は何か面倒な奴に目を付けられたと察し、

透明化魔法で彼女の視界から逃れる事にした。

その瞬間、リリーは額に手を当て口を開く。

 

「あ~…ごめん、それはやめてね。

一応得意なのは知ってるんだけど、

私、魔法とかは使えないからさ。

普通に見えなくなっちゃうの。」

 

「いや見ないでくださいよ。

一々見られると不快何ですが。」

 

「勘弁してって。私も仕事で来たんだから。

取り敢えず、話せば分かる筈だし、ね?」

 

一体何なんだこの人は。まるで分からない。

私は魔女であるので何かあっても

最悪どうにかする事が出来るだろうが、

現状私は彼女についてまるで知らないので、

この女性についての情報を

集めておくべきかもしれない。

これはあくまで勘だけど、

何か結構しつこそうな感じがするし。

 

「…まぁ、話だけは聞きますよ。

透明な状態でも良いのなら。」

 

「そっか、じゃあ、簡潔に言うね。

実は、私は上からの指示があって、

メリッサを監視しなきゃならないの。

だけど、一々後を付けたりしてると

面倒極まり無いでしょう?

それに、多分だけどメリッサって

殆どの時間家にいるだろうし。

だからいっそ一緒に暮らそうって訳。

流石に男性と暮らそうってのは

ハードルが高いと思われたから、

私が今回の仕事を任されたんだ。

それでまぁ申し訳無いんだけど、

メリッサに拒否権は無いよ。」

 

「随分と明け透けに言うんですね。

そんな事私に言って大丈夫何ですか?

私は一切責任何て取りませんよ。」

 

「ここだけの話、別に私もメリッサの事を

本気で監視しよう何て考えてはいないからね。

ただ、メリッサと“お友達”になりたくって。」

 

「はぁ…そうですか。

私はそう言うのって

よく分からないんですけど、

別に構いませんよ。」

 

「お、マジ?話が早いじゃん。

実は、私も友達が殆どいなくてさ、

結構メリッサには同情してるんだよ?」

 

「いや、一緒にしないで下さいよ。」

 

私がそう言うや否や、まさに青天の霹靂、

リリーが私に抱きついて来た…

え?私に抱きついて?いやいやいやいや、

私、透明な筈何だけど、何で???

混乱する私を一切気にする事無く

リリーは私を抱き締め続ける。

これはもう、そう言う事何だろうか???

 

「…あの、見えてるんですか?

そうならそうと言って下さい。」

 

…彼女は私から離れると、

にこやかに笑いながら言う。

 

「いや、見えてないよ?

だけど、温度は分かるよね。

流石に体温までは隠せてないし。」

 

…そうだったのか。

これは結構致命的な盲点だった。

明日からは暫く透明化魔法使用時の

温度調節について研究しなければ。

私は透明化魔法を解除する。

 

「…次からは温度管理も

徹底せねばなりませんね。

私とした事が不覚でした。」

 

「…そんなに私に見られたくない?

お姉さん傷ついちゃうんだけど。」

 

「知りませんよそんな事。

幾ら仕事で仕方ないとは言え、

乙女のプライベートを覗く

不届き者は変態だと思いますが。」

 

「見せてよ~。別に良いじゃん、

メリッサって凄く美人何だし、

見られて恥ずかしい事は無いでしょ?

それに、お姉さんは乙女何だし。」

 

“乙女”と言われ私は少し疑問を抱く。

 

「…そう言えば、一体幾つ何ですか?」

 

「今年で23になるかなぁ。

いや待て、23って乙女だよね?

私は乙女だと思うんだけど…。」

 

…そう言って、リリーは顎に手を当て

“乙女”の定義について考え始めた。

本当にこの人は何なんだ?

ただでさえ他人と話すのが億劫で

生まれながらに殆ど人間と

関わってくる事が無かった

私の感覚がおかしいだけで、

もしかしてこの人は普通の人間なのか?

確かに魔力はまるで感じないし、

魔法が使えないのは本当だろうが…

それを差し引いてもこの人はクレイジーだ。

関わると非常に疲れるし、

自分のペースをかき乱される。

そして、そんな相手と同居する何て…。

私はただ平穏に魔法を研究したいだけなのに、

どうしてこんな面倒な事になったんだ?

 

…いや、もう良いか。取り敢えず、研究だな。

私は透明化魔法について詳細に記した

魔導書を探しに本棚に向かう。

上から3つ目、右から5個目の棚にあった筈だ。

 

 

~~~~~

 

 

そうして私がその他数冊の魔導書と共に

透明化魔法の魔導書を抱えて

研究スペースへと直行すると、

リリーの声が聞こえてきた。

 

「…取り敢えず、お風呂は一緒に入ろっか。

結構真剣に考えてみたんだけど、

乙女って多分30位までは言えると思うし、

23の私も一応乙女だと思うんだよね。」

 

「…幾ら同性同士であっても、

いきなり裸を見せあうなんて

私はまっぴらごめん何ですけど。」

 

「じゃあ、生活のルールを決めよっか。

お風呂は食後、夜9時って事で良い?」

 

「話聞いてます???」

 

「異論が無いならそう言う事で。」

 

…私は口を開く気力も残っていなかった。

今日何度目か分からない疑問が

脳内を充満して中々離れてくれない。

“この人は一体何なんだろう?”

 

ハッキリ言って、気分は最悪だった。

 

 

 




イオン・アントネスク中将…20世紀前半のルーマニアの軍人・政治家。アレクサンドル・アヴェレスクやコンスタンチン・プレザンと並んで、王族以外では3名しかいない元帥の一人である。尚、現在のルーマニア陸軍には大将がおらず元帥は陸軍大臣のフランだけと言う設定。1933年当時の彼の階級は適当。一人称は自分の名前を使っていたらしいが、流石に文章や会話としてストレスが凄いので、採用は見送った。

ヴァシレ・アタナシウ少将…ルーマニアの軍人。最終階級は上級大将。第一次世界大戦に従軍。両大戦間、ルーマニア軍で各職を歴任する。1940年3月から1943年3月まで第3軍団を指揮。この作品では少将として出演しているが、史実で彼が評価されるのはもう少し後の話。

宇佐見アシュリーン(Aisling)…1933年4月2日産まれの女の子。隼一とメアリーの間に生まれた長女。まだ赤ちゃんなので、情報は少なめ。

リリー・ヴァイス(Lilly Weiß)…美しく長い銀髪を持った女性。身長は166㎝。1910年生まれの23歳。メリッサを監視する為に雇われたナチスドイツの情報機関SDの外郭協力者。外部の人間とは言え諜報機関に協力する立場にいる癖に、余りにも諜報員らしくない。いやまぁ、露骨に諜報員らしいのもそれはそれで警戒心を抱かせるのでどうかとは思うが、それにしたってあんまりにもあんまり。親に捨てられ孤児院で育てられたと言う経歴から孤独感を抱えており、両親が行方知れずのメリッサに親近感を抱いているらしい。
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