「さぁ、全員揃っているかしら?」
「そんなの見れば分かるでしょ?
お姉様には目が付いていないのかしら。」
「フラン、何か当たり強くない?」
1933年4月29日の夕刻、
私、レミリア・スカーレットは久し振りに
夕食の席を皆で集まって囲んでいた。
最近は皆激務に次ぐ激務と言う事で
夕食を囲むのは本当に久し振りである。
そして、今回の夕食は単なる夕食では無く、
私、フラン、咲夜、パチェ、美鈴に加えて
アリス、メアリー、隼一、デジ、
メアリーと隼一の娘である…
えー、確か“アシュリーン”だっけか?
最近ようやく名前を覚える事が出来た。
―ーーーも参加している次第である。
まぁ、要するに遅くなってしまったが
出産祝いと久し振りの閣僚会議を
開催しようって魂胆なのである。
私が不機嫌そうなフランに
ちょびっとだけ落ち込んでいると、
美鈴が気まずそうに口を開く。
「あの~…、そのですね、
小悪魔さんはどうしたんですか?」
その発言を聞いて、私、アリス、咲夜の視線が
相変わらずの態度で本から目を離さない
根暗の魔女へと一斉に集中する。
「レポートに紅茶をこぼされたから
暫く折檻しているわ。何?文句ある?」
不機嫌そうに言い切ったパチェ。
…私もさっき聞いた話ではあるのだが、
如何やらアリスに渡す予定だったレポートに
紅茶をこぼしてしまった事により
シミがついてしまったらしいのだ。
幸い修復魔法で事無きを得たらしいのだが…
まぁ、小悪魔は定期的にやらかしては
パチュリーの仕事を増やすだけ増やし
反省の色が見られないらしいので
とうとうこんな事になったと言う事らしい。
「…まぁ、失敗は付き物よ、パチュリー。
私が貰ったレポートは確かに綺麗だったし。」
「そうですよ、小悪魔さんがかわいそうです!
レミリアさんからも何か言って下さい!」
パチェの話を聞いて、アリスとメアリーは
やらかしが多い小悪魔を擁護する。
強力な弁護人がついて小悪魔は
さぞ幸せな事だとは思うが…。
「…まぁ、偶には反省すべきなのよ。
仮にも悪魔だし、獄死はしないでしょ。」
…小悪魔、私は擁護しないぞ。
この間廊下ですれ違った時に
胸のサイズを馬鹿にされた屈辱は
絶対に、絶対に忘れないからな。
私は日頃の行いの大切さを
改めて嚙み締めながら、
さっさと話を本題に戻す。
「まぁ、それについては良いのよ。
さっさと食べてしまいましょう。
皆、改まる必要は一切無いわ。
今日も今日とて無礼講よ!」
その言葉を皮切りに、皆がそれぞれ
ナイフとフォークを手に取り
咲夜お手製の料理に舌鼓を打つ。
…日本人の隼一のテーブルマナーが
西洋人のメアリーより格段に上手いな。
流石は外務大臣と言った所か。
感心する私をよそに、咲夜が口を開く。
「…そう言えば、本日はお嬢様から
話し合いたい事があるんでしたよね?」
私に話を促す咲夜。別にもう少しだけ
場を温めても一向に構わないのだが、
私は早速その話を切り出す。
「そうよ、今日話し合いたいのは、
首都クリムソン開発計画第二弾よ!」
私がそう言うと、咲夜とパチュリーの顔が
ほんの一瞬だけだが歪むのが確認出来た。
まぁ、そりゃあ仕事が増える訳であるから
歓迎は出来ないのは分かるけれども。
「…今度は一体何をするって言うのよ。」
パチュリーが私に聞いてきたので
私は渾身の都市計画を披露する。
「えぇ、よくぞ聞いてくれたわ!
まず、どんなに遅くとも来年いっぱいまでに
近代的な上下水道の大規模整備を実施するわ。
クリムソンの人口が今後増えるなら
衛生環境は保っておかないといけないからね。」
「おぉ、これは悪魔らしからぬ
慈愛に満ち溢れた提案ですね。」
「全くです。しかし、良い提案だと思います。
上下水道は大都市には欠かせないインフラです。
公衆衛生にも繋がる話でもありますから、
私も福祉大臣として賛成致します。」
…ここぞとばかりに茶々を入れる
メアリーとデジの2人を無視して、
私は都市計画の話を続ける。
「そして、現状クリムソンの象徴になっている
現状高さ5000Mのバベルの塔を
高さ100000Mまで拡張してもらうわ。
確かに既に相当高いとは思うけど、
天まで届くと謳うからには
その位あったって良いでしょう?
やっぱり5000Mじゃ簡単に
頂上が見えてしまうからね。
だけど、拡張した後のバベルの塔は、
神への挑戦に相応しい高さになる筈よ。
各種の技術的問題については
咲夜とパチェに任せようと思うわ。
と言う事で、任せても良いかしら?」
「…畏まりました。お嬢様。」
無表情で快諾する咲夜。
半分諦めている気はしないでも無い。
対して、パチュリーは
露骨に不満げな口調で言う。
「久し振りに派手なジョークを聞いたわ。
レミィはあの“展望台”がそこまで
お好きだと言うのかしら?
あれ、結構面倒な仕事なのよね。
構造物としての耐久性確保とか、
内部の気圧や温度の維持、
エレベーターにかける加速魔法、
影を消失魔法で常時消去する
特別な術式の構築であったりとかね。
しかも、それだけ大きな物だとすれば
恐らく気候にも甚大な影響がある筈よ。
これはあくまで私の予想だけど、
クリムソン周辺の気候が
サンクトペテルブルグぐらい
寒くなると思うのだけれど?」
「パチュリー、“レニングラード”よ。
結構前に改称されている筈。」
…アリスに指摘されてバツが悪そうな
パチェを前に、私は少しだけ考える。
無論、結論は明らかだったけれど。
「まぁ、それでも別に良いじゃない。
夏が涼しいなら快適な気候だわ?
少なくとも暑くなるより余程良いわよ。
冬は寒くなるかもしれないけど、
“専門家”がそこまで考えて
魔法をかけてくれるのだから、
何か問題が起こったとしても
別にどうにでもなるでしょう。
…まさか出来ないとは言わないわよね?」
「…呆れた。まぁ、やってあげるわよ。
それと、私は面倒でやりたくないだけで
決して出来ないって訳じゃあ無いの。
そこの所は勘違いしないで欲しいわね。
…それと、レミィは知っているかしら?
極東には、“馬鹿と煙は高いところが好き“
って言う秀逸な諺が存在するそうよ。
折角だし実証実験をしてみようじゃない。」
「…その諺、直喩で使えるんですね。」
パチェの教養に感心する隼一。
皆何とも言えない顔をしているが、
やると決めたら絶対にやるのだ。
「…兎に角、拡張は決定事項なの。
これに関しては譲れないわ。
これからも皆が集まった時には
クリムソン開発計画は話し合うから、
良いアイデアとかがもしあれば
提案してくれると嬉しいわ。」
私が皆の顔を見回すと、
全員が私の話に首肯する。
よしよし、これでまた
クリムソン世界首都計画を
一歩前進させる事が出来た訳だな。
…そうして私が手応えを感じていると、
珍しくブラッディワインを飲んでいる
フランが口を開いてきた。
「…そう言えばお姉様、
私からとっておきの
提案があるんだよね。」
「何かしら、フラン?」
「ほら、ルーマニア国歌を変えようって話。
お姉様には少し前に話をしたでしょう?」
「あぁ…あの話ね、そうね。覚えているわ。
結局、あの時は保留にした筈だけれど。」
…あれは何時の事だっただろうか、
確かにフランから切り出されたのだ。
何でも、陸軍では軍歌と並んで
国歌を演奏する機会が多いから、
現在使われている“目覚めよ、ルーマニア人!”
に代わる新しい国歌が欲しいのだとか。
個人的には壮大でカッコ良いと思うし
別に無理に変えなくても良いと思うのだが、
フランの気には召さないらしいのだ。
どうも、歌詞が納得行かないのだとか。
まぁ、その様に言われてみれば
言いたい事は分からないでも無い。
「…だけど、そうは言っても
何を新しい国歌にすると言うの?」
「そりゃ、全く新しい曲にするんだよ!
それも、飛び切り斬新でルーマニアらしい曲に!
咲夜、申し訳ないけど準備出来る?」
…そう言うと、次の瞬間食卓の側に
蓄音機が設置されているでは無いか。
咲夜の早仕掛けに驚いたのも束の間
食卓に美しいメロディーが流れ出した。
~~~~~~
「…凄いわね、これは名曲よ。」
…私はメロディーに感激しきっていた。
この感激を言語化する事が難しい事が残念だが、
全く聞いた事も無い特徴的な曲だったと思う。
この曲には、私以外の全員が聞き入っていた。
「えぇ、私も流石の曲だと思ったわ。
実は、陸軍の軍楽隊の連中に
お姉様をイメージした曲を作る様に
予め私から指示を出しておいたの。
そしたら、この曲が出来上がったって訳。
ニンゲンも中々やるじゃない。
ここまで出来が良いのであれば、
国歌でも良いんじゃないかしら?
お姉様らしいメロディーをしてるじゃない。
ね、皆もそう思うでしょう?」
フランがそう呼びかけると、
全員がもれなく首肯を返してくる。
何と、あのデジさえもそうだ。
私としても、この曲は国歌にするに
値するクオリティーだと思う。
ただ、一つだけ注文を付けておこう。
「…そうね、分かったわ。
明日からはこの曲を正式に
ルーマニア国歌として採用するわ。
だけど、これだとメロディーだけで
歌詞が無いから歌えないわね。
だから、早いうちに歌詞を考えなさい。
所でこの曲、曲名は何て言うのかしら?」
「“亡き王女の為のセプテット”だって。
軍楽隊の連中が考えたらしいから
私は由来まで知らないんだけどね。
その辺はどうでも良くなる位には
良い曲だと私は思ったの。」
「…そうなのね。“亡き王女”ってのが
若干引っ掛かるのはあるけれど、
その辺はまぁ別に構わないわ。
いずれにせよ、新しいルーマニア国歌は
ヨーロッパ、いや、世界に誇れる物になるわね。
今度吉田辺りに自慢してみようかしら。」
私は機嫌良く、ブラッディワインを煽った。
…結局、その晩の夕食会は食後も
皆でアシュリーンを抱き上げる等
和気藹々と進み、無事に終了した。
~~~~~
「…と、言う訳だから歌詞を付けなさい。
国歌として使うのは2番までらしいから、
大至急作って今日中に提出する様に。」
「わ、分かりました。」
1933年5月1日の深夜、
突然フランドール陸軍大臣から
今朝方与えられた難題に対して、
我々軍楽隊の人間は頭を捻り、
何とか歌詞を作成して提出していた。
私達は普段演奏しかしない物だから
歌詞何て初めて考えたので
(それを言ったら作曲もそうだが。)
正直言って自信は殆ど無い。
果たして承諾は貰えるのだろうか…。
大臣は末恐ろしい吸血鬼であるし、
もし気に触れたら大変な事になってしまう。
文字通りバラバラにされてしまうかも。
楽団長の私が肝を冷やしながら
審判の時を待っていると、
大臣が顔を上げ、判決が言い渡される。
「…良いセンスだと思うわ。
これでお姉様に提出するわね。」
「ありがとうございます…!」
…控えめに言って、人生で一番
冷や汗をかいた日だったかもしれない。
皆で考えた国歌の歌詞は、
国歌を演奏する度に私達の誇りや
使命、連帯を思い出させる事だろう。
ーーーーーーーーー
「…長官、お求めの物です。」
「ご苦労。」
1933年5月15日、バイエルン州にて。
私、リリー・ヴァイスは如何にも
“理想的”な容貌をしていらっしゃる長官たる
ラインハルト・ハイドリヒ閣下に
求められていた書類を提出していた。
そう、メリッサ・アインホルンの監視報告書である。
…所で、以前から常々思っていた事ではあるのだが、
こいつ、何で私に長官と呼ばせるのだろう?
確かにSDの長官ではあるのだろうが、
あくまでもこいつの正式な肩書きは
バイエルン州政治警察部長だろうに。
ベルリンからは意外と距離があるんだから
勘弁して欲しいんだよなぁ、ほんと。
…私がそんなちょっとした問題に
思考のリソースを割いている中で、
彼は報告書を読み終え視線を上げる。
「…まぁ、よく纏まっているだろう。
しかし、随分と“仲がよろしい”様だな。
一緒にシャワーを浴びただの、
同じベッドで寝るだのと書いてあるが。
有力な情報には繋がっていない様だが、
これに一体何の意味があると言うのかね?」
「監視対象者の警戒心を解く為には
必要な事だと判断しましたので。
何か問題でもありましたか?」
「…まぁ、物は言いようだな。
今回は特別に見逃してやる。」
そう言って、彼は再び報告書に
視線を落として読み始める。
それにしても、少し迂闊だったな。
残念な事に、この国において同性愛は
厳禁とされているのである。
その気があろうとなかろうと、
シャワーやベッドに一緒に入る事が
ちょっといかがわしいのは確かだ。
…ここだけの話、私はメリッサの事を
結構美人で可愛い子だなって思っている。
あの感じだと、鳴かせてみたら
結構良い声を出してくれそうなので
あわよくば何て考えていた事は否定しない。
命が惜しいからここでは言えないけど。
「…私は魔術の類には疎いが、
メリッサの研究内容は大凡理解した。
君の報告によれば、離反に繋がる言動も
現在の所確認されなかった様だな。
“アレ”は扱いが難しい兵器であるから、
くれぐれも慎重に取り扱う事。」
言われなくたってそうするさ。
大体、女性ってのは須らく
丁寧に扱うべき何だぞ?
くれぐれも”アレ”何て言って
扱ってはいけないのだ。覚えておけ。
…と言う本音をグッと飲み込み
「…承知致しました。」
…と、平然と答えておく。
私はこいつの事をあまり好かん。
一切可愛げが存在していないし。
正直余り話したくは無い奴だ。
なので、私はそのまま会話を
切り上げようとしたのだが、
彼には私の内心を察する程の
能力は備わって居なかった様で、
話を続けようとしてくる。
「…所で話は変わってしまうのだが、
君はメリッサ・アインホルンの力は
どれ程の物であると考えているのかね?
ルーマニアの怪物を倒す助けには
実際の所なりそうなのかね?
報告書には一切の記述が無かったが。」
怜悧な目で見つめられ少し怯むが、
私はありのままに見解を述べる。
「…結論から申し上げますと、
それは無理な注文だと考えます。
幾らメリッサ・アインホルンの力が
人並み以上の物であったとしても、
些か相手が悪過ぎると思いますよ?」
私の発言を聞いて、眉をひそめる彼に
私は自らの見解をひたすらぶつける。
「…ルーマニアの連中とメリッサでは
年季がまるで違うと言いたいのです。
分かっている限りの情報を精査すると、
女王の吸血鬼、その吸血鬼の妹、
女王に仕える時を操る従者に、
これまた女王に仕える最強の武術家、
強大な力を持った魔女が3名と、
通常の軍の戦力を除いたとしても
これだけの戦力があると思われます。
今後メリッサ・アインホルンの実力が
どの程度向上するかは不明ですが、
限り無く良く見積もったとしても、
精々武術家、従者、魔女の誰かを
撃破可能と言う程度だと思います。
間違っても吸血鬼の相手にはなりません。」
「…随分悲観的な見解の様だが、
我々はいずれあの吸血鬼と嫌でも
対峙せねばならなくなると思うがね?
君とメリッサには吸血鬼退治の為に
役立って貰わねば困るのだよ。
私は敗北主義者を必要とはしていない。」
そう言うと、彼は身を乗り出して
私の瞳をジッと覗き込んで来る。
まるで、真意を覗き込む様に…。
しかし、ここは私も本心で以て
彼に向かい合わねばならないだろう。
私は意を決し、口を開く。
「…長官、私は帝国における忠実な下僕として
何時如何なる時、如何なる命令であろうとも、
命に代えて遂行する覚悟を持っています。
しかし、忠実な者として正直に忠告は致します。
現在のルーマニアを小国と侮ってはなりません。
先の大戦でそうであった様にルーマニアが
弱小国であるとお考えなのだとしたら、
一刻も早く認識を改める事をオススメします。
私を含めた大勢の下僕が帝国の為に
命の灯火を燃やし尽くしたとて、
現在の連中は楽に勝てる相手では無いのです。」
私がそう言うと、彼は私との距離を詰め
物理的、心理的に圧力をかけてくる。
「…例えば、私がルーマニアとの戦争の為
敵地に潜入をしろと指示を出したら、
君はあくまでそれに抗うと言うかね?」
…至近距離でそう問うてくる彼に
私は毅然とした態度を貫いて応じる。
「…いえ、抗ったりは致しません。
ただ、より良い策は提案致します。」
「…ほう。その策とは?」
舐め回す様に私を見る彼の姿が
少々気持ち悪いと感じるが、
私は一切態度にそれを出さず続ける。
「…東のソ連と挟撃するのです。
連中は確かに強力ではある物の、
それはあくまでも一部の怪物だけであって
二正面作戦に耐える程の軍はありませんから、
二正面作戦を強いれば撃破は可能です。
…長官は東洋の諺に、“毒を以て毒を制す”
と言う物があるのはご存知ですか?
私としては、紅き悪魔を打倒する為であれば、
赤き悪魔を利用するべきだと思います。」
そう言うと、彼は冷めた目で私を見る。
そう、まるで絶対零度の様な目だ。
私からしたらお前の方が余程怪物だ。
「…我が帝国も毒の一端と君は言うのか?
その上、悪魔との契約を結べと?
下僕の分際で、口を慎みたまえよ。」
「何も、そうは申しておりません。
ただ、連中は手段を選んでいられる程
楽な相手では無いと申したかったまでです。
最も少ないコストで確実に勝利する事は、
あらゆる戦争における鉄則ですよ。」
「…もう良い。下がりたまえ。
君の話はよく分かった。上に伝えよう。
もしかしたら役に立つかもしれない。
…但し、くれぐれも気を付ける事だ。
口答えする部下は、帝国に要らない。」
そう言って、彼は私に背を向ける。
やっと会話を切り上げてくれるらしい。
「…ご忠告、ありがとうございました。
それでは閣下、どうぞご無事で。」
…そう言って、私は頭を下げると
ドアの向こう側へと歩を進める。
さっさと外の空気を吸いたい。
こんな所に長居したくは無いのだ。
…それにしても、つくづく分からない。
本当に怪物の姿をしているのは
人間か吸血鬼か、どっち何だろう?
帰ってからメリッサにも聞いてみるか。
外に出た瞬間に降り出した雨が
何を意味しているのかまで、
私は一々考えたりしなかった。
目覚めよ、ルーマニア人!…ルーマニアの国歌。是非聞いてみて下さい。想像以上に壮大でカッコ良いと思います。
ルーマニア国歌の歌詞…完全に捏造設定。原曲に歌詞はありませんから、作者が適当に考えた物を日本語で以下に記載してみました。ルーマニア語で歌う事は全く想定していません。読者の皆様も各々自由に歌詞を考えてもらえれば、この後ほんのちょっとだけ楽しく作品が読めると思います。原曲は『亡き王女の為のセプテット』の1番と2番。
~間奏~
神亡き世界を彩る緋色が
ありふれたその夜を伝説に変える
~間奏~
運命が愛し祝福した地に
愚かにも迷い込む哀れな群衆
彼等は知らない己のサダメを
皇帝が支払った代償の高さを
地から貫かれ息絶えし者が裁きを受ける
夜の支配者は高らかに紅きグラスを掲げ
さぁ始めよう 紅き世界を
屍を糧に 楽園を築こう
悠久の時を 語り継がれし
紅き悪魔の 伝説の一撃
~間奏約38秒~
十字の御旗に憧れを抱いて
暗がりに照らされた紅い光を薙いで
罪無き畏れを炎で襲った
愚かにも忘れ去る悲劇の記憶を越え
屈辱の彼方残滓は叫ぶ世界の果てから
運命に導かれし我等は華麗に舞い戻る
高く掲げた十字を捨てて
全ての罪を洗い流そう
紅き絆で全て繋げば
運命の地は報いるだろう
ラインハルト・ハイドリヒ…作者的にはナチスドイツと聞いて真っ先に出てくるのがヒトラーなら、彼はその次か更にその次位には出てきそうな人物だと思っています。その冷酷さから”金髪の野獣”と呼ばれた政治家です。ヒムラーと並び、親衛隊の象徴的存在と言えるのでは無いでしょうか。本作ではリリーの上司をやっています。