「…この同盟は、世界に恒久平和を齎す物です。
本日締結にこぎつける事が叶った事は
これ以上無い名誉であると言えるでしょう。
1933年の今日、私達はどこの誰よりも
祝福されているに違いありません。」
1933年12月24日の午後2時頃、
首都クリムソンのランドマークである
バベルの塔の最上階に設置された展望台にて
新時代の到来を告げるルーマニア、英国、日本の
三国同盟の調印式は恙なく執り行われていた。
調印式の出席者は、日英の外務大臣に加えて、
女王である私、レミリア・スカーレットと
案内兼警備を務める内務大臣の咲夜の計4名。
…因みに、ルーマニアの外務大臣である隼一には
本日クリスマスパーティーの手配をさせている。
その理由は偏に、隼一が日本人であるからだ。
流石に三国同盟の調印式と言う重大事に至って
日本人がその場に2名いると言うのは
英国からの不興を買いかねない話だし、
折角ルーマニアで調印式が行われる以上、
サインをするルーマニア代表としては
元首の私が出張った方が賢明だろう。
この同盟はそれだけ重要な物であるし。
とは言え、それはそれ、これはこれだ。
隼一には申し訳無い事をしてしまった。
この後のクリスマスパーティーにおいて、
この調印式をセッティングしてくれた功労を
しっかりと称えようでは無いか。
…私はそんな事を思いながらも、
冷静になって文面の最終確認を行う。
私は嘘やジョークを得意としているが、
国際条約を尊重する程度の常識はある吸血鬼なのだ。
である以上、こうした確認は欠かさない。
尚、“遵守”と言わないのはご愛嬌である。
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ルーマニア王国、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国並びに大日本帝国間に於ける三国協力及び相互援助に関する条約(通称:三国同盟条約)
1933年12月24日
【前文】
ルーマニア王国、大英帝国及び大日本帝国(以下「締約国」という。)は、各国の主権と国際秩序の安定を脅かすいかなる勢力にも共同して対処すべき責務を有するとの認識に基づき、本協約を締結する。締約国は、国際社会における平和と正義の維持、通商の自由、安全なる航行、及び各国の既得権益の尊重を旨とし、共産主義的扇動及び一方的拡張主義的行動が秩序と安寧を著しく侵すことを深く憂慮する。よって、締約国は、相互の信義と防衛のため、以下の条項を制定するものである。
第一条(相互防衛義務)
締約国の一国が第三国より先制的武力攻撃を受け、又は先制的に宣戦を布告されたる場合、他の締約国はこれに参戦し、共同して当該脅威を撃退する義務を負ふ。参戦義務は自動的に発動され、いかなる場合においても遅滞なく履行されるものとす。本条における「先制的武力攻撃」には、締約国の領土、租界、承認済みの統治地域、又は国際的に認知された権益への武力行使を含むものと解す。
第二条(戦略資源の供与)
ルーマニア王国は、本協約の精神に則り、共同防衛体制の維持と締約国間の信義の強化のため、毎年において国内石油産出量の三割を大英帝国に、二割を大日本帝国に、それぞれ無償にて供与するものとす。
一、石油の供与は、対象年度の実績産出量に基づく。
二、供与された石油の輸送及び運搬に関しては、ルーマニア王国は一切の責を負はず。
三、特別な情勢変化または戦時輸送困難が生じた場合には、当事国間で協議の上、供与方法を調整するものとす。
第三条(特別便益の供与)
ルーマニア王国は、本協約の締結に際し、大英帝国及びその連邦構成地域に対し、以下の特別便益を供与するものとす。但し、下記便益はルーマニア王国の主権及び産業自主性を害せざる限度において適用されるものとし、これを越ゆる要求に対しては、ルーマニア王国はこれを拒否する権利を保持する。
一、大英帝国並びに英連邦より輸入される工業製品、加工品、及び日用品に対し、ルーマニア王国は片務的に関税を撤廃する。
二、黒海沿岸及びドナウ河において、英国国旗を掲げる商船に対し、通商・非軍事目的に限り、無害通航権を保障する。
第四条(情報の共有)
一、 締約国は、本同盟が相互参戦義務を有する性質を持つことに鑑み、外交、軍事、経済等、国家の安全保障に関わる重要事項を相互に速やかに報告・共有する義務を負ふものとす。
第五条(戦力の派遣と調整)
一、 締約国の参戦義務は、陸軍、海軍、空軍を以て戦域に派遣することにより履行されるものとす。
二、 但し、戦略的事情に基づき、直接の戦力派遣が困難なる場合には、締約国相互に協議し、代替措置を含む新たなる派遣合意を締結する義務を負ふものとす。
第六条(有効期間)
一、 本条約の有効期間は、署名日より起算して十年間と定め、1943年12月24日を以て一旦満了するものとす。
第七条(自動更新)
一、 前条の定めに拘らず、締約国間に異議なき限り、本条約は満了の都度、自動的に二年の期間を以て更新されるものとす。
第八条(離脱手続)
一、 締約国が本条約よりの離脱を欲する場合には、その意思を他の締約国に文書を以て通達せねばならず、当該通達は通達日より六ヶ月を経て効力を生ずるものとす。
第九条(誠実履行の義務)
一、 締約国は、本条約に定められた諸規定が誠実に履行されるよう、各自最大限の努力を以てこれにあたるものとす。
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…私は、文面に改めて目を通した上で
内容に一切の問題が無い事を確認する。
尚、条文では英国への便益がやたらと多いが、
これは先の戦闘機設計図供与問題における
詐欺まがいの取引への謝罪的な意図を持った物だ。
“魔力エンジンや特殊加工のボディー技術は
英国では再現不可能な物であって、
設計図だけを供与されても意味が無い“
と言う至極当然のクレームに対処したまでである。
それに、実の所ルーマニアが失う物はさして多くない。
何かと“賢者の石”でどうにかしているルーマニアでは
石油は内需の分が最低限あれば問題無いし、
基礎工業力が低いルーマニアにとっては
工業製品、取り分け民生品に関しては
関税を撤廃し英国から安く輸入する方が賢い。
航行権に関しても、英国船舶の存在自体が
抑止力として機能する事は無視出来ない。
何なら、一見ルーマニア側が英国に
譲歩しているかの様な書き方にも関わらず、
ルーマニアに利益を齎す面まである始末だ。
そう、この同盟は三国それぞれに便益がある
極めて有意義な同盟なのである!
…私は、英日の代表に続きサインを終える。
そうして正式に三国同盟が発行した瞬間、
英国外務大臣ジョン・サイモンの告げた言葉に、
日本の外務大臣広田弘毅が同調する。
「…我が国日本としましても、両国との関係は
国際協調の流れを推進していくと言う意味で
極めて重要な物であると位置付けており、
本日が歴史的な一日である事を確信しております。」
「我々西洋の大国英国と、東洋の大国日本。
そして、発展が著しい新興国家ルーマニア。
新しく構築される世界秩序の基礎骨格は、
今この瞬間に出来上がった訳です。」
広田の同調に対し、真剣な表情で向き合うサイモン。
そして真っ直ぐな目でサイモンを捉える広田。
まるで、そこに私が割って入る隙間が
用意されていないのでは無いかとさえ思える程
その距離感は親密に見える物であった。
…まぁ、とは言えそれは無理も無い事か。
日英関係は、元々特別な運命を持った
関係にあるとさえ言えるからだ。
取り分け、日本の側からしてみれば
それは極めて顕著な物であっただろう。
わざわざ私がここで詳しく語らずとも、
日本にとっては明治維新後初の同盟国が英国であり、
日露戦争の伝説的な勝利における支えとなったと言う
客観的な事実がその特別さを証明している。
日英同盟破棄後も親英派が少なからず
国内で幅を利かせる事が出来ていたのも
この日英同盟時代の成功があるからだろう。
とは言え、三国同盟の仲介役はあくまで私。
私はいい加減殺風景で飽きてきた
高さ10万メートルからの景色を
一面の窓ガラスから眺め、口を開く。
「…私としても、この三国同盟締結は悲願だったわ。
サンタは吸血鬼にもプレゼントをくれたみたい。」
私が悪戯っぽくクスッと笑って言うと、
サイモンが私の発言に反応する。
「おや、それは1933年の期間、陛下が
“良い子”にしていたと言う証左ですかな?」
「さて、一体どうなのかしらね?
私としては“良い子”にしていたつもりだけど、
こう言うのは客観的な意見が欠かせないわ。
広田はその点、どう思うのかしら?
私は“良い子”にしていたと思う?」
サイモンからの質問をキラーパスとして
私は広田へと投げておく事にする。
…すると、広田は眉を下げて
見るからに反応に困っている様だった。
その程度で困る様じゃ、外交官失格だぞ?
原則として、態度と言うのはデカくてなんぼ。
大体吉田ぐらいあるのが丁度良いのに。
結局、広田は私の質問に暫し悩むと口を開く。
「…スカーレット陛下は臣民を常に慮る
稀に見る君主の鑑であらせられると
我が国日本では専らの評判です。
ですから、陛下の素晴らしい行いの数々が
評価されている物では無いでしょうか。」
「そんなに気遣って答えなくて結構よ。
私の事は“友人”だと思って接して頂戴。
或いは、“恋人”でも別に構わないわ?」
…全く、ジョークセンスが足りないぞ?
私がジト目でそう言ってやると、
“皮肉”と同郷であるサイモンが口を開く。
「陛下、恋人は宜しく無いかと思います。
私達が結んだ同盟の締約国はあくまでも三カ国。
つまるところ、陛下が広田と恋人であれば、
陛下は私と広田を対象に二股を掛ける
“悪い子”になってしまいかねません。
サンタからも、愛想を尽かされてしまいます。」
ニヤニヤしながら言うサイモン。
広田も彼のセンスを見習うべきであろうな。
サイモンの“模範解答”に気を良くした私は
これまた“模範解答”で返してやる事にする。
「あら、もしかして自覚が無いのかしら。
英国と日本も同盟関係になったのだから、
貴方達も“悪い子”になってしまうわよ?」
「…陛下、それは思っていたとしても
言及しないべき事であると存じますぞ?」
…私の発言に対し、気色悪そうにするサイモン。
まぁしかし、悪くは思わないで貰いたい。
「悪いわね。私は別にイエスを信じていないの。
別に同性であれこれしても良いと思うわよ?」
私はそう弁明しながら咲夜の方を向く。
…すると、咲夜はまるで獣の様な
凄まじい眼差しで私を見ていた。
私が見なかった事にしようと決意すると、
広田が話を戻す様に口を開いた。
「…では、私は陛下の事をこれから
極めて高貴なお方であると同時に、
私達の友人でもあると解釈致します。
無論、サイモン氏の事も同様にです。
私と致しましては、日本政府の代表として
“良い子”でありたいと願いますから。」
…うーん、まぁ、ちょっとは成長かな。
広田の精一杯の努力は認めようじゃ無いか。
私は広田の“進歩”に対し、こんな話をサイモンに振る。
「まぁ、広田は真面目っぽいし、
ちゃんと進歩していると思うわ。
誠実である事は私には無い美徳よ。
…所で、進歩で思い出したのだけれど、
サイモンはこんな話を聞いた事はあるかしら?
“日本は、ヨーロッパが100年を費やした偉業を
僅か50年と言う期間でやってのけて見せた。“
…と、言う言説についてなのだけれど。」
「…無論、聞いた事はあります。
日本の進歩の余りの劇的さは
極めて驚異的な物であって、
そこには日本人の勤勉さや
英国の貢献が関わっていました。
今日再び友人と相成った事は
両国の国益に資する物であります。」
「…私としても、明治維新に当たっては
我が国の臣民の類稀なる勤勉さの他、
英国の献身的な貢献が不可欠であったと
強く認識している所であります。
本日から再び良き“友人”として、
陛下を交えて関係を進展させる事が
望ましい物であると私も認識しております。」
感慨深く言ったサイモンと広田。
やはり両国にとって、あの時代はそれなりに
良い時代として記憶しているのだろう。
しかし、私は水を差す様に決意を述べる。
「…まぁ、聞いた事があったのなら何よりよ。
だけど、10年後その話にはオチがつくわ。
“だが、ルーマニアは10年でそれをやった”…とね♪
…最早、私達の能力はその程度にはとどまらない。
ヨーロッパが達成までに100年を費やし、
日本でも50年を費やしたと言う偉業を、
ルーマニアは10年以内に達成するの。」
私は高らかにそう宣言して見せると、
サイモンは目を丸くして聞いてくる。
「…失礼ながら、お聞きさせて頂きます。
陛下は本気でいらっしゃいますか?」
「それこそ愚問ね。無論本気よ?」
「ルーマニアは10年で全てを成せると?
一体どんな魔法を使えばその様な事が…。」
…サイモンは、言葉の途中でハッとする。
私はニヤけながら言ってやった。
「ふふ、そうよ。私達は文字通り魔法を使う。
今貴方達がいるこの建物にしてみたって、
魔法技術と今そこにいる咲夜の能力を
上手く利活用して建築された物になるわ?」
私と同時にサイモンと広田が咲夜を向く。
咲夜は丁寧に頭を下げてこれに応じた。
「…陛下なら、実現なさる事でしょう。」
「…全くです。」
…広田の言葉に、サイモンが続いた。
そうだ、私は必ずや成し遂げるのだ。
ルーマニアは、最早小国では無いのだから。
最後に、私は両名に向かい告げる。
「期待してくれて、一向に構わないわ?
何てったって、この国のあらゆる運命は
私によって祝福されているのだから!」
ーーーーーーーーー
「前々から思っていたが、君は正気なのか?
君は、化け物に吞まれる様な男なのか?
…君は、仕事の覚えが誰よりも良かったそうじゃないか。
殆ど親交が無かった私ですら、話には聞いていた。
君なら将来外務大臣、いや、総理になるだろうと
あの頃の私は本気でそう思っていた。
しかも、君は決してただ優秀なだけでは無かった。
臣民の為、誠実に働ける様な男だったからな。
…それが今は、化け物の傀儡だと言うのか?
君は、悪い夢でも見ているんじゃ無いのか?
…宇佐見君、頼むから、そうだと言ってくれ。」
1933年12月24日、時刻は午後11時30分を回り、
“昼夜逆転した”吸血鬼を筆頭に皆が眠りについた頃。
私、宇佐見隼一は紅魔館で執り行われる
毎年恒例のクリスマスパーティー終了後、
応接室で私に対して追及する広田弘毅に対し、
酒を振舞っていた。因みに、白ワインである。
日本酒では無いが、赤ワインを避けた事は
せめてもの配慮だと思って欲しい物だ。
広田さんに酒と血の区別がつくと私には思えない。
私はグラスに7割程追加した白ワインを
ゆっくりと反時計回りに回し始める。慣れた物だ。
私は、2人きりの部屋で先達とゆっくりと話を始める。
「…それは買い被り過ぎですよ、広田さん。
自分はそこまでの器がある男では無かった。」
私はあの頃を思い出しながらグラスに口をつける。
辛口なそれは、思考を鈍らせ、感性を鋭くさせる。
自嘲気味に言う私に、広田さんは続ける。
「…君は、自分が何をしたか分かっているのか?
あの事件は陛下が君の嫁の謝罪を受け入れた事で
公式には終わったと言う扱いになっているが、
外務省はあの一件でかなりの大恥をかかされたんだ。
誰か一人が犠牲になれば治まる様な
そんな単純な問題でも無かったんだぞ?
…今回の三国同盟成立に君が尽力した事、
それは確かに評価しても構わん。
陛下も、外務省も、陸軍さえもが、
あの三国同盟には賛成の立場を取った。
反対していた海軍さえもが、
斎藤総理によって押さえつけられて
強引に賛成の立場に回らされた。
あの同盟が、日本にとって奇跡的な
外交的成果を齎す物である事は否定しない。
だが、これがそう言う問題では無い事位、
賢い君に理解出来無い訳じゃ無いだろう?」
…やけに饒舌になる物だ。幾ら酒が入っていても、
私が知る広田さんはここまで話す人だっただろうか。
私は広田さんのグラスに酒を注ぎながら、口を開く。
「非難は真摯に受け入れますよ。
私は別に、“裏切り者”の誹りを拒む程
狭量な人間ではありませんから。
ただ、貴方に何を言われた所で
私はルーマニアに生きるつもりです。
…私は、既に色々と背負い過ぎている。」
「…宇佐見君、この際ハッキリ言おう。
君は化け物と化け物の手下に誑かされた挙句、
帝国臣民に対する裏切りを働いたのだ。
多くの者は陛下の態度と三国同盟成立の功で
君に対する評価を改めるだろうが、
こと外務省の人間はその例外だと心得給え。」
グラスを右手に持ちながら、
激しく私を責め立てる広田さん。
別に、理不尽であるとは思わない。
それだけの事をやった自覚はあるし、
それを知ったうえで私はルーマニアに渡った。
…とは言え、ここまで私を責め立てる理由は、
偏にこの人が私に勝手に期待して、
私に勝手に失望したからなのだろう。
しかし、ここまで言われるのであれば
流石に私にも意地と言う物がある。
外務大臣に求められる最大の資質は、
適切なタイミングを見計らい、
強く筋の通った主張を行える事だ。
私は広田さんに質問を投げ掛ける。
「…時に、広田さん。貴方にとって、
化け物とは具体的に何ですか?
吸血鬼ですか?それとも、魔女?」
私の唐突な問いに広田さんは
少々目を泳がせると、口を開く。
「…両方だ。両方とも、化け物だよ。
少なくとも、君が出会った存在は
他ならぬ化け物だったと言えよう。」
…誘導気味の質問に引っ掛かる広田さん。
私は天を仰ぐと、広田さんに言う。
「…広田さん、貴方の認識は、
些か表面的過ぎると私は思います。
化け物とは何か、この問いの答えを
吸血鬼、そして魔女に求めるだ何て。」
「…君は何が言いたい。」
狼狽する様に言う広田さん。
私は持論を展開していく。
「これはあくまでも私の持論ですが、
それなりの確証を持っている話です。
…この際結論から言ってしまえば、
化け物とは“未知”その物を言います。
広田さん、貴方が吸血鬼や魔女を
化け物として扱っているのは、
貴方が単に吸血鬼や魔女がどんな存在か
表面的な知識でしか知らないからです。
その点、私は四六時中吸血鬼や魔女と
生活を共にしていると言える訳ですから、
広田さん、貴方よりは多くを知っているし、
確度の高い話をする事が出来る。
…そして、その上で言わせて貰いましょう。
吸血鬼や魔女は決して化け物では無い。
…確かに、吸血鬼や魔女は善良ではありません。
時に非道な選択も厭わない事は確かです。
ですが、その倫理観は一般的な人間と、
少なくとも、私が持っている物とは
近しい関係にあるのですよ。
ドイツやソ連の指導者何かより、
随分彼女達は高尚な存在と言えます。
この話を聞いても尚、…広田さん。
貴方は吸血鬼や魔女を否定しますか?
…私は吸血鬼である陛下に忠誠を誓い、
魔女を生涯の伴侶に得た存在です。
私自身が誹りを受けるならばいざ知らず、
私の大切な存在が貴方に罵られるのは
流石に看過する事が出来ません。
貴方の答えに最早興味はありませんが、
私の話の真意が分からない程に
貴方は愚かな人間では無い筈です。」
私は精一杯の言葉で、この人に思いを告げた。
しかし、別に気分の良い瞬間と言う訳でも無い。
…私は、忘れる様に酒をあおる。
グラスを置いたその瞬間のこの人の表情には、
“茫然自失”の四文字がよく似合っていた。
今後出番を増やして欲しいのは?(キャラクターの役職は一応加味しておいてください)
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十六夜咲夜
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アリス・マーガトロイド
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その他(感想やメッセージで教えて下さい)