根本said
くっくっく、ついに、ついに俺にチャンスが巡ってきたぁ!
俺、根本恭二は現在の状況を見てほくそ笑んでいた。
ローテーションのタイミングを見抜かれ不意を付き一気に攻勢に回る。
普通の奴だったらあの状況から打倒されるタイミングだっただろうが、この俺は違う。
何てったって相手なあの悪童ー坂本雄二と学校創設初めてのイレギュラーである吉井明久である。
いくら作戦を立ててその作戦が破られたあとの事を想定していてもやり過ぎと言うことは無い。
俺は周りからは卑怯やら卑劣やら言われているが、卑怯を行うという事を効率良く行うにはそれなりの事が必要なのだ。
相手に卑怯と思わせるにはまずは相手の裏を掻くことが重要であり、その為には相手の行動を性格に予想していかなければならない。さらに、それを実行するにあたりそれに沿ったルールの裏を掻かなくては成らないのだ。
そんなひねくれたら事しか考えてない俺が自分の作戦が破られた後の事を考えてない訳がない。
しかもだ、今回はこちらの読みどんぴしゃで姫路自ら攻めてきた。
心理戦に持ち込めば十中八九こちらが勝つだろう。
「ちょっとお話ししないかい?姫路さん?」
相手を上回る兵力で相手を囲み絶望的な状況にしてから交渉に誘い出す。
これに乗らない訳がないだろう?姫路さんよぉ…
俺は普通の勝利では満足出来ないんだよ。
恐らくこれがDクラスやEクラスだったら無難に勝利を納めていただろう。
Aクラスなら少しの勝機にすがり、全力で立ち向かっただろう。
だが相手はFクラスだ。
俺が求めるのは圧倒的勝利だ。
リーダーの実力が自分と殆ど変わらず、自分より恵まれてない環境の中で自分に刃向かえる状況にあるのだ。
徹底的に叩き潰したい。
坂本や吉井に圧倒的な差を見せつけ、ライバルと思える奴だからこそ絶対に勝ちたいのだ。
「良いでしょう。それで話とは何なのでしょうか?」
かかったぁ!
後は予定道理にこの口論で打ち勝つだけだ。
「簡潔に言おう。俺達Bクラスに寝返らないか?」
こういう時は直球に自分のところの言い分や目的を話した方が相手にインパクトを与えられて有利に成りやすい。
「…何ですか、いきなりそんなこと言っても状況が飲み込めませんよ。第一仲間との信頼を破ってまだも私にメリットが有るのでしょうか?。」
きた、きた、きた、きた、きたぁ。
その返答を待っていたんだよ!。
「メリットならある。」
「何でしょうか?私には有るようには思えないのですが…」
「姫路さん。あなた今親に転校を進められているでしょう?」
「っ……」
「無言は肯定と受けとります。あなたは本来ならというか振り分け試験の時に熱さえ出さなければAクラスにいたでしょう。しかし、現状ではFクラスだ。文月学園は教室の設備の差が激しい。悪い環境を親が気にしてる。元来から体の弱いひとり娘が劣悪な環境の中で勉強しているとなると黙っている親は中々いないでしょう。それに対してあなたはこの学校に残りたいと思っている。」
「それがあなたに何の関係があるのですか?」
「俺に協力すれば理事長にもう一度振り分け試験を受けれるように頼むことができるぞ?」
姫路が驚いた顔をしている。
交渉は始まったばかりだ