一級術師のお稲荷様   作:フォッサ

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猫耳メイドはファンタジー

 私が見た不衛生な男を伊地知さんに急いで調べてもらっていた。

 

『男の名前は吉田 海斗という名前だそうです。定職にはついておらず、退職間近の父の給料と母のパート代金で日々食いつないでいるという方との情報です」

「ありがとうございます。住所はわかりましたか?」

『すでに携帯に送付しました。お気をつけて』

 

 と、伊地知さんは仕事がとても早く、ものの数分で容疑者の住所すら割り出せていた。

 

「ここだ」

「立派……とは言いづらい一軒家だな」

「無理もねえだろ。あの男はニートらしいから金をねん出してるのは父親と母親だけだ」

 

 ボロボロで、改装する金もないような感じの一軒家。

 なんつーか、ちょっと臭い。

 

「臭くね?」

「そう?」

「鼻がいいから匂いを感じんかな。臭い……」

 

 鼻をつまみ、家の様子を観察していると。

 あの男が帰ってきていた。手には”アニメート”と書かれた紙袋を手にしている。

 

「ニートのくせにいっちょ前にそういうの買うのかよ!」

「言うな。俺が影に入って侵入して探ってくる」

「おっけー。俺は一応ここで待機しとるわ」

 

 伏黒くんは影にもぐりこみ、中へと侵入していったのだった。

 数時間が経過し、一日後。あの男がまた出てくる。そのすぐあとに伏黒くんが出てきたがぐったりした顔をしていた。

 

「どうした伏黒!」

「……臭えんだよ。風呂、何日も入ってねえ匂いで気分が悪くなった」

「あー……」

「それより目標見失うよ?」

「ど、どうする伏黒!」

「悪い……少し休ませてくれ……。お前らだけで追ってくれ」

「……稲荷! 俺伏黒休ませてくっからちょっと頼む!」

 

 と、虎杖くんは伏黒くんをかかえてどっかにいってしまった。

 しょうがないので私は自分をみえさせない幻覚を周囲にばらまきながらその男についていく。

 その男は今度は違うメイド喫茶に入っていったのだった。そして、男はにやりと笑うとその瞬間、女性の頭に猫耳が生えていく。

 

 うわ、現行犯。動画撮っておいてよかった。

 私はとりあえず男が出てくるのを待ち、出てきたところで声をかけたのだった。

 

「吉田 海斗さん。ちょっといいですか?」

「な、なんですか?」

「あなた、女性に猫耳を生やして楽しんでますね?」

「えっ、い、いや……」

「迷惑行為として少しご同行を」

 

 今の私は警察官……。

 すると、男は私を殴ろうとしてきたので、とりあえず片手で受け止める。呪力がちょっと籠ってる。術式について何か理解はしているようだ。

 だが、浅い。これでよく死滅回游を乗り越えたと感心するぐらい弱い。

 

「猫耳メイドは……ファンタジーの存在じゃい!」

 

 私は思い切り吉田をぶん殴った。

 吉田はごみ袋に頭から突っ込み、気絶。縄でぐるぐる巻きにして、とりあえず補助監督のところに向かい、連れて行ってもらう。

 

「新田さん、おなしゃす」

「了解っす! ……くさっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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