一級術師のお稲荷様   作:フォッサ

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神谷、高専へ

 神谷と十亀は横浜の惨状を側から見ていた。

 

「あの莫大な呪力……。俺でもわかる。特級術師の乙骨憂太が来ているな」

「高専は手薄かもね」

「行くなら今だな。行くぞ」

 

 そう言って、神谷はどこかへ消えていった。

 

 

☆ ★ ☆ ★

 

 乙骨さんの領域でボロボロにさせられた。

 こちらから願ったとはいえど、やはり一撃一撃が重い。莫大な呪力量による呪力強化がでかいんだろう。

 

「乙骨! この程度で私が倒れると思うなよ!」

「厄介だね……」

 

 私はキュウビを自分に取り憑かせ反転術式を回す。

 

「おい、どんな状況だ!」

「高専の術師にどんどんやられてます……」

「ちぃ。有力なやつは大体そっちにいるからな……」

 

 なんて適当に聞いているが、高専が押してもらってないと困る。

 こちらのボスの術式をとりあえず伝えることができた。あの術式開示は嘘ではないが、とりあえず嫌な予感がするとも告げている。

 乙骨さんは何かを考えだした。

 

「君たちのボスのところへ案内してもらったら君たちにはなにもしない。案内してくれないかい?」

「するかよ! 死ね!」

「うーん、弱ったなぁ」

 

 飛びかかった党員が殴られて吹っ飛ばされていた。

 

「稲荷さん、どうします?」

「わからん……。ボスの目的とか私イマイチ知らないからどうすりゃいいのか……。ただ制圧とか言ってるだけだし」

「ですよね……」

「けっ、所詮は烏合の衆か。一人生き残らせて聞き出した方がはえーな」

「そうだね」

 

 そういうと、真希さんは刀の峰で思い切りぶん殴ってきた。

 痛い。なんつーか、呪力を感じない割にこの人の攻撃痛いんだよ。そういう縛りなのか?

 

「目にも止まらぬ速さ……。躱せるかよ」

「え、割と見えてるけど」

「あー……」

「天与呪縛って知ってるか? つってもこの界隈入りたてのお前らは知るわけねえわな」

「簡単に言うとね、生まれた時から何か不自由で、その代わりに強大な力を得る縛りだよ。真希さんは天与呪縛、フィジカルギフテッドっていうのがあるんだ」

「簡単にいやぁ、私には呪力はねえよ。その代わりパワーはテメェらの何倍もあるがな」

 

 だから痛いのか。

 天与呪縛って私も知らなかった……。

 

「さて、残りはテメェだけだな稲荷よ」

「周りに気をつけながら教えてね」

「教えたいのは山々なんですけど」

「どうしたよ」

「ボスの神谷の呪力……。この横浜にないんですよね」

 

 領域に入ってる隙にどこかへ行かれたのか?

 

「乙骨先輩!」

「虎杖くん」

「乙骨先輩だけでも高専に戻れませんか!」

「どうしたの?」

「先ほど伊地知さんから高専が神谷と十亀という男に襲撃されたって……」

「なるほど。わかった。いくよ」

 

 乙骨さんは刀を手にして走って向かっていった。

 

「こっちは陽動か?」

「かもしれませんね。高専から遠くもなく近くもなく程よい距離のここで騒ぎを起こして高専に侵入するつもりだったのでしょう。有力な術師はこちらの騒動を鎮圧するために出動してるみたいですから」

「でも何のために?」

「わからん。あちらの狙いを探るのが稲荷の任務だろ」

「私も入党初っ端からこんなことあるなんて知らないよ……」

「だろうな」

 

 神谷の狙い……。

 

「……宿儺の復活?」

「……は?」

「神谷の術式って降霊術みたいなもので、何かを復活させようとしてるのかも」

「それが宿儺だって言いてえのか?」

「多分」

 

 両面宿儺。復活させてこちらの手に渡れば呪詛師側からしたら莫大な戦力になり得る……。というか大体あの化け物が復活したら詰みなんじゃないかな。

 

「宿儺が復活なんてあり得るのか? 指は既に……」

「指は高専にねぇし、宿儺を復活させるための媒介がないよな」

「でもそういう線もあるってことは警戒しねえといけねえだろ! 私はまたあのバケモンと戦うのはゴメンだぜ」

「俺もゴメンです。というか、また万全な状態で復活させられたら倒せる気がしません」

 

 たしかに。遠目から見てもすげー強そうだった。アレと戦いたくはないな。

 

「とりあえず、こちらは撤退させます。幹部の立ち位置に立ってますから、そういう権力はあるでしょ」

「わかった」

 

 神谷は一体何をしようとしているんだろうか。

 高専へ出向いた理由は……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そんなに長くは続きません!
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