私が目を覚ましたのは高専の教室だった。
私はどうやら意識を失っていたらしく、今の今まで寝ていたようだ。今のが白昼夢ってやつなのか、高専は平和な空間が流れている。
「おかしーな。神谷とかどうな……。あれ、私の手がマジの狐に……?」
私は窓ガラスを見ると、窓ガラスに映る姿はキュウビだった。
私は思わず叫び声を上げる。
「何で私がキュウビになってんのーーーーー!?!?」
私が叫ぶと、その声が聞こえたのか伏黒くんたちが暗い顔で教室に駆けつけてくる。
「伏黒くーーん! なんか私キュウビになってんだけど!」
「……稲荷、か?」
「そーだよ! 目が覚めたらこんなんになってんだけど!」
「……そうか。、よかった」
「よかねえよ!」
私は自分が狐になってしまったと嘆くと。
「それも可愛いぞ」
「なっ……」
伏黒くんがそう褒めてくれた。
あ、あぶねえ。危うく惚れそうになったぜい。
「事の顛末を説明する。聞いてくれ」
「わかったよ」
私は地面に伏せる。
どうやら神谷は討伐されたらしい。殺すまでいかないと反対意見も出たそうだが、やったことは立派なテロ行為で見過ごすことは出来ないとのこと。
楽に死なせるために日車という術師を呼んだのだとか。
そして、私がこの姿になってるのは私が死んだかららしい。
「なるほど。多分キュウビも私だからそっちに意識が移ったのね」
「多分そうだ」
「ってことは今の私は式神ってことか。こういうふうに取り憑いてみたりできるんだな」
私は虎杖くんに取り憑いてみた。
なんていうか、虎杖くんの皮に包まれてるって感じがする。なんかちょっと嫌な感覚。
「お、狐耳生えてきた!」
「おい……」
私は虎杖くんの中から飛び出る。
「なるほどね! こういう感覚かぁ。まぁ、この身体も考えようによってはいいものかもな。パンダ先輩もいるし狐もいてもおかしくないよね」
「……まぁ、それはそうだな」
「釘崎! お前も取り憑いてもらえよ!」
「えー、嫌よ。私は犬派なの」
「狐も犬科だぞ」
「マジ? じゃあちょっと……ってやっぱ嫌よ。犬はご主人様に従順でないといけないじゃない。私が従えるのならともかく従うのは絶対に嫌だわ!」
「えー、可愛くなると思うのになー」
「私は今のままでも充分可愛いから大丈夫よ」
「ふっ」
「ちょっと? 鼻で笑うってのは喧嘩売る行為なのよ?」
何だか楽しそうですね。
私なんかアウェー。編入してきたばかりでこんなんなっちやってさ。まぁ、距離感があるのはいいんだよ? でも私の前で堂々と見せつけなくても……。
とりあえず私のことを皆に説明してみた。
「動物仲間……!」
「パンダ先輩なんでそんな嬉しそうなんすか?」
「だってこの学校に動物いねえんだもん。俺の仲間が増えたみたいで嬉しいよ」
「お前と違って人形じゃねえけどな」
「すじこ」
「これで高専内には狐派とパンダ派が生まれるんですね。真希さんは狐派でしょ?」
「まぁ、そうだな」
「ま、真希……」
「ツナマヨ」
「棘……!」
パンダさんが裏切り者を見る目で真希さんたちを見ていた。
「憂太は!? 憂太はパンダ派だよなー?」
「えっ、あーっ、僕もどっちかといえば狐……かな……」
「そんなっ……!」
パンダさんがショックのあまり泣き崩れていた。
「ま、どんな形であれ生きててよかったな」
「そうですね。伏黒くんたちにも心配かけちゃったみたいですし」
「……あぁ」
「ま、生還歓迎パーティでも開こうぜ! 伏黒の奢りで!」
「いいわね!」
「何で俺だよ……。ったく。稲荷は何か食いたいもんあるか?」
「油揚げ?」
「狐かよ」
「狐だよ」
終わりです!
たまに変な小話とか思いついたら載せていきたい