一級術師のお稲荷様   作:フォッサ

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京都姉妹校交流戦 ③

 次の種目は個人戦。

 だがしかし、ぷりてぃさんは2級呪霊を祓う際にケガをしてしまったことによって退場となり代わりの人が来るのだとか。

 その代わりとは。

 

「ほう? お前が俺の相手か」

「……誰だこの筋肉ゴリラ」

「俺は卒業生、東堂葵。ブラザーから話は聞いている。稲荷一級術師よ」

「……ブラザーって誰だよ」

「ふっ。ブラザーはブラザーさ。ブラザーと共に戦えば百人力なのだが……。今回は個人戦。一級同士、とことん高め合おうではないか」

 

 ……東堂という男、なんつーか関わりたくない。

 匂いはものすごくいい匂い。だがしかし、なんつーか本能がこいつはやばいと告げている。それになんだその包帯でぐるぐる巻きにされた左手は。

 

 まぁ、OBの東堂葵という一級術師が相手。1日目はまさかの負けで決着がついてんだ。勝って引き分けにでも持っていきたいが……。

 

「では、はじめ」

 

 と、伊地知さんの合図で試合が始まった。

 お互い、相手の術式を知らない。が、とりあえずここは。

 

「先手必勝」

 

 私は噛みつこうと口を開いた。

 が、その瞬間変な音が鳴り響き、東堂葵は私の背後にいた。

 

「なん……だ?」

 

 なぜ背後にいる?

 いや、あっちは動いてない。入れ替わった……?

 

「……場所の入れ替え。その……ぷっ」

「どうした?」

 

 なんで左手にビブラスラップついてんだ!?

 あれだろ。ハンバーグ師匠が持ってるアレ! なんでそれが左手に装着されて……。

 

「位置の入れ替え……。その、楽器を……鳴らすことによる……」

「ああ、そうさ。俺の術式は不義遊戯。この楽器を鳴らすことが発動条件となる」

 

 術式の説明ありがとよ。

 

「ではこちらも聞こう。お前、どんな女がタイプだ?」

「女のタイプ?」

「男でもいいぞ」

「えぇ、なんでそんなん聞かれるんだよ」

「品定めだ。さっさと答えろ」

「タイプねぇ……」

 

 どんな女の子が好きなんだろう私って。

 女の子にも色々いるわけだけど……。

 

「やっぱ身長高くて尻がデカい女の子には憧れる……かな?」

「…………っ!」

 

 東堂は目を見開くと、涙を流し始めた。

 

「お前も……親友の一人だったわけ……だな……」

「いや、初対面だけど私たち」

「いいんだブラザー……。俺とお前との間に言葉は不要だな……」

「……私シスターなんですけど」

「おっと、失礼。俺としたことが。シスターの性別を間違えるとは……悪かった」

 

 いきなり泣き出してなんなんだこいつ。

 

「シスター。手加減は不要だな?」

「まぁ、お互いね」

「そうか。では、全力でいくぞ!」

「お、おう?」

 

 東堂はビブラスラップをかき鳴らした。

 位置がルーレットのようにお互いの位置に入れ替わり続けている。音速で入れ替わっているから対応がまず無理だ。

 それに、東堂が音を止めることによって自分で入れ替わりの調整ができるとなると、対応はまず実質不可能。

 だがしかし、入れ替えられるのは私を認識してるからではないか?

 

 私は幻覚を使用した。

 

「やっぱり! 幻覚を見ていると私と入れ替われない!」

「幻覚……!」

 

 この不義遊戯、何かしら発動条件がある。その楽器を鳴らすだけじゃない、もう一つの条件。それは多分相手依存のものだと推測している。

 実体があるかどうか。もしくは呪力を含んでいるかどうか。幻覚は相手の視覚に作用しているだけであり、幻覚で見ている私には呪力が存在しない。

 

「なるほど、幻覚を使う能力。不義遊戯とは相性悪いな!」

「まぁ、それだけじゃないけどね!」

 

 東堂を後ろ脚で思い切り蹴り飛ばす。

 

「幻覚。術者も見えなくなるとなると入れ替えることはまず厳しいな」

「人間が得る情報って8割がた視覚からだからねぇ。幻覚をみせたらたいていが惑わされる」

「いい術式だシスター……。呪術師として、メンタルも術式の能力も極まっている。一級術師という肩書は間違ってはいなさそうだな」

「おほめいただきありがとよ!」

 

 私は再び幻覚を見せ、死角から攻撃を狙うが、目の前には石ころが転がっていた。

 

「シスター。戦う以上、俺は手を抜かんぞ」

「……好きにやっちゃって」

 

 腹部を蹴られる。

 なんつー一撃。このガタイで納得できるほどのパワー。タフネスが違いすぎるな。私がもう一撃食らったら気絶しそうなくらい痛い。

 

「俺の術式については考察できているだろう?」

「……呪力を孕んだものか、実体があるものと入れ替える」

「その通り。俺の術式は一定以上の呪力があるものと入れ替える。それは生物問わず。シスターと入れ替わることではなく、ものと入れ替えることに注視して呪力を探るようにすれば問題はない。呪力までは誤魔化せんようだからな」

「そりゃそう」

 

 さて、どうしたものか。

 私が攻撃してもそこまで聞いている様子はない。パワーが違いすぎる。

 

 一方私が東堂に攻撃されたらゲームでいう体力ゲージが大体半分くらい消し飛ぶ。バランスが悪すぎるし、術式の扱いがうますぎる。

 位置の入れ替えというサポート特化の術式で一級術師にまで上り詰めた実力が理解できた。

 

「だがしかし……。今のシスターは本気ではないように思える。それはなぜだ?」

「……領域展開使えないのがだいぶ痛いんだよ」

「ほう? 使えるのか。たしかにこの模擬戦では領域は使用不可能と定められている。くっ……ルールが邪魔をするか……」

「まぁ、領域を使えたとしても抜け出すのは簡単だろ」

「だがしかし領域がないことで本気を出せないのも事実だろう。悲しきかな……」

 

 東堂は手を上げる。

 

「降参だ。シスターと戦うのならば俺は本気の勝負がしたい! だがしかし、シスターは負けを譲るような女でもないだろう!」

「……東堂一級術師、降参ということでまずは東京校の一勝となります」

「シスター……。次はお互い全力で戦おう!」

「おうともよ……ってそのペンダント素敵だね」

「わかるか? この中には大事な人の写真が入っているんだ。お前にもあとで教えてやる」

 

 楽しみだな。

 そして見せてもらったペンダントの中身は。

 

「うわ、高田ちゃんじゃん。可愛いよねぇ」

「そうだろう! 話が通じるな!」

「お金なかったからCDとか買えなかったし、店のテレビで見ただけだけど歌も上手で……」

「……今度握手会があるのだ。一緒にどうだ?」

「いや、私狐だし」

「そうか……。さすがに厳しいな……」

「人間の時だったらなぁ!」

 

 で、もう一つ聞きたいんですけどなんでもう片方の写真には虎杖くんの写真があったんですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




稲荷は無量空処をすでに食らっているので耐性が出来ているようだ……

なんか普通に書いてますすいません。ネタが出てきちゃって……。
今後はとあるキャラを少し交えた話を書こうかなとも思ってます。多分すぐわかると思います。
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