一級術師のお稲荷様   作:フォッサ

30 / 30
沖縄だーっ!!

「「夏だ!! 海だ!! 沖縄だーーーっ!!」」

 

 釘崎さんと虎杖くんが水着姿で海へと駆け出していく。

 伏黒くんはため息をついた。伊地知さんがははっと苦笑いを浮かべている。

 私たちは今現在、沖縄にやってきていた。

 時は少し遡る……。

 

 

「沖縄で任務、ですか?」

「えぇ。沖縄で低級呪霊が目撃されておりまして」

「わかりました。俺だけですか?」

「いえ、2年生全員で行きましょう」

 

 伊地知さんがメガネを押し上げる。

 渡された資料を眺める。目撃されている呪霊の数は少なく、また低級も低級。3級程度の呪霊。

 

「この程度なら俺一人でも間に合うと思いますが」

「そうですね。本来ならそうでしょう。本当の目的は君たちの労いです」

「労い?」

「新宿での決戦も終えても、呪霊がいなくなったわけではありません。若い君たちも駆り出され死滅回游の後始末をしていただいております。その労いとして、沖縄での任務です」

「なるほど。任務って名目で沖縄旅行! でもいいんですかい? 旅費とか」

「えぇ。飛行機代もこちらで用意します」

「いいんですか? というか、通るんですか?」

「五条さんのワガママでよくやらされていたので大丈夫です」

「苦労してますね」

 

 伏黒くんが伊地知さんに労いの言葉をかける。

 五条 悟……か。私はよく知らないんだよな。あの政党の騒動で一時的に疑似復活を果たしたと言えど、術式とかよく知らないし本人がどういう人だったのかもわからん。

 話を聞く限りすごいワガママな人みたいだが……。

 

「というわけで、虎杖くんたちにもお伝えください。ちなみに労いの件はここの3人での秘密としてください」

「……なんでです?」

「虎杖や釘崎はふとした時に喋るだろ」

「信用ねぇ〜。ってか私は信じられてんの?」

「意外としっかりしてるからなお前は」

「照れる」

 

 

 

 ということがあったのだ。

 なので虎杖くんたちは任務だと思ってきている。今現在任務を無視して遊んでいるわけだが……。

 

「伏黒くん」

「どうだった?」

「呪霊、ここらにはいないっぽい。けど」

「けどなんだ?」

「呪霊とは違う残穢があったんだよね」

 

 残穢。それは呪力の痕跡のようなものらしい。

 人によって呪力の性質が違うらしく、残穢で人を見極めることも出来るのだとか。

 

「本当か?」

「うん。多分人間だと思う。おそらく死滅回游で目覚めた術師じゃないかな」

「術師なら残穢気にかけるだろ」

「そうでもないよ。死滅回游で目覚めた現代の術師ってさ、いわば初心者なんだよ。私も習うまで残穢のこと知らなかったし……」

「……確かにな。まあいい。その術師を探してみよう。呪詛師だったら捕えるぞ」

「オッケーい」

 

 伏黒くんは虎杖くんたちに呪霊討伐任せたといって、駆け出していく。

 

「私は伊地知さんに伝えてくる!」

「頼んだ!」

 

 私はホテルに一度帰り、伊地知さんの部屋を訪れる。

 沖縄に術師がいるか?と聞いてみるとそういう報告は入ってきていないらしい。

 野良術師がいるかもと告げると、伊地知さんは探しましょうと私たちに命令を下すり

 

「死滅回游以降、呪術に目覚めてしまった術師の事件が絶えませんからね。高専で把握しておきたいですので」

「わかってますよ。私も元々起こしてた側ですし!」

「そうでしたね。では、頼みます。他のお三方は?」

「伏黒くんは一足早く探しに出ています。虎杖くんと釘崎さんには呪霊の方に向かってもらってます。海で遊んでますけど」

「わかりました。では、ご武運を」

 

 私は外に出て駆け出していく。

 伏黒と別れたところに戻ってきて伏黒くんの残穢を辿る。術師なら残穢を残さず行くことも出来るらしいが、こうして残しているのは私が追跡することを想定してかな。

 呪詛師に辿られたくないなら残さないが、あちらの術師も残穢を残してると知ったから素人だと判断した感じだろう。

 

「クンクン……。あ、いたぁ伏黒くん!」

「稲荷か」

「術師見つかった?」

「ここで残穢が切れてる」

「ここでぇ? ひょっとして罠だった?」

「かもな。油断するなよ」

 

 私は辺りを見渡してみる。

 シーサーの石像が置かれてある神社のようだ。

 

「……ん?」

「どうした?」

「今シーサーが少し動いたような気がする」

「シーサーが? ……玉犬」

 

 伏黒くんの玉犬がシーサーに攻撃していた。

 シーサーの石像が突如動き出しひょいっと躱す。

 

「マジか! てかシーサーの石像だったらどうしてたの!?」

「その時は弁償するまでだ。シーサーは式神、式神使いが近くにいるはずだ」

 

 すると、神社の中から褐色肌の女の子が出てきた。

 

「あいつだな」

「っぽいね」

 

 女の子は駆け寄ってくると。

 伏黒くんに抱きついたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

転生したら禪院家の女でした(作者:苦鳴)(原作:呪術廻戦)

 マンションから突き落とされて若くして命を落とした主人公。▼ 彼女は死にゆく中でもっと生きたかったとそう嘆いた。▼ しかしその願い叶わず、彼女はその短い生涯に幕を閉じた。▼ しかし気がつくと彼女は赤ん坊になっていた。▼ 彼女が転生したのは呪術廻戦の世界の禪院家。▼ 果たして彼女は魑魅魍魎蔓延るこの世界で生き延びることができるのだろうか。


総合評価:2913/評価:8.08/連載:83話/更新日時:2026年05月03日(日) 19:30 小説情報

呪術世界の結界術師(作者:ペンギンくん)(原作:呪術廻戦)

神様にも出会わず、原作知識も持たずに『呪術廻戦』の世界に転生した少年――玻座真護良。▼自身の生得術式が『結界術』と言うことから生まれ変わる前に読んでた漫画『結界師』を参考に自身の結界術を磨き上げてきた。▼そして……呪術高専の三年のある時、事件が起こる。▼渋谷事変。五条悟の封印の報告と共に、彼も大事件に突っ込むこととなる。


総合評価:10222/評価:8.13/連載:45話/更新日時:2026年04月01日(水) 19:00 小説情報

雷神の系譜~鹿紫雲一の末裔に転生したので、原作の悲劇を打ち壊す~(作者:メンチカツ)(原作:呪術廻戦)

『呪術廻戦』を愛読していた男は、なせか『呪術廻戦』の世界に転生してしまった。しかも転生先は原作には存在しない家系───"雷神"鹿紫雲一を始祖に戴く呪術師の名門だった。▼五条悟に勝るとも劣らない才能を持つ主人公だが、待っていたのは名門特有の権力闘争と、原作の悲劇。▼「鹿紫雲の術式」と「原作知識」を武器に男は決意する。推しの死も、羂索の策謀も…


総合評価:1679/評価:7.89/連載:6話/更新日時:2026年05月04日(月) 15:15 小説情報

羂索と予言の書を持つ女子高生(作者:ペロロペ)(原作:呪術廻戦)

JK羂索ってアリかなって聞いたら。それは"アリ"だ。と、心の中の九十九さんが言ってくれたのでこんな作品が出来上がりました。


総合評価:2411/評価:8.27/連載:12話/更新日時:2026年04月06日(月) 01:45 小説情報

呪術廻戦in水神(作者:白黒ととか)(原作:呪術廻戦)

原神のフリーナが大好きなオリ主が転生してフリーナの見た目と声、過剰なモリモリスペックになったオリ主がビビりながらロールプレイしつつ呪い合うお話。▼2026.4.27_あらすじをあらすじにしました。▼p.s.漫画読んでる時「人の心とか無いんか⤵︎」だと思ってたらアニメで「人の心とか無いんかぁ⤴︎」だったのを見て笑いすぎて椅子から転げ落ちた▼


総合評価:6162/評価:8.55/連載:30話/更新日時:2026年04月27日(月) 18:45 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>