グラウンドに出て、私はキュウビを呼び出した。
一応立ち合いとして乙骨さんを呼んだ。
「すいません。忙しいのに」
「大丈夫だよ。僕も新入生はちょっとワクワクしてるんだ。伏黒くんはともかく、虎杖くんと釘崎さんが入ってきたころには海外にいたからこういうイベントなんてなかったからワクワクしてる」
「ならいいんですけど……」
私と志賀崎くんは見合う。
乙骨さんがはじめと合図を出すと、志賀崎くんは術式を発動し、何かを身にまとい始めたのだった。
それは炎の鎧。燃え盛る炎に包まれていた。
「後悔しても知りませんよ! しっかり防いでくださいね!」
「……領域展開」
私はさっそく領域を発動した。
領域で私と志賀崎さん、そして一応立会人の乙骨さんを巻き込んだ。乙骨さんは笑って呪力で防ぎ始めたのだった。
「なっ……なんだこれは」
「呪術戦の極致、領域展開。とりあえず領域の説明はあと。こっから叩き込むからね」
私は火の玉をまずは放ってみる。
だが志賀崎にはそれが迫ってくる電車に見えている。志賀崎は躱そうとしていたが、火の玉は顔に当たり志賀崎はそのまま吹き飛んだ。
「躱しただろ! 今のは! それに今のはなんなんだよ!」
「それで終わるわけないでしょ」
と、志賀崎は目を真ん丸くしてこちらを見ていた。
「せ、先輩が増えて……」
「幻覚。でも、攻撃は全部当たる」
とりあえず幻覚含め全員でぼこすか殴った。
志賀崎は降参だと告げたので、私は領域を解く。
「……なんなんだよ領域ってのは」
「領域展開。まぁ、簡単に言えば術式の必中化」
「……だから躱したと思ったやつも当たったのか」
「そして、術者本人へのバフだね。領域展開出来る術師は貴重だよー?」
「そうだね。まぁ、例外として術式に領域展開がデフォルトで組み込まれてる場合もあるんだ」
「ま、これでわかっただろ。お前の強さはまだまだだってことが。俺だって不完全だが領域は使える。虎杖も使えるぞ」
「……釘崎さんは?」
「……」
釘崎さんは目を逸らした。
「……ずっりぃ」
「ずるくないよ。私も覚えるのに相当苦労したんだよ」
「並大抵の術師はできないまま終わることも多い。領域を展開できる術師は俺が知ってるうちでも数人しかいない」
「僕と、日車さんと、秤さん、五条先生……」
「……俺もできるようになるか?」
「才能があればな」
「伏黒……。少しは希望を持たせてあげたらどうよ」
「希望を持たせてできませんでしたってなったら恨まれるの俺らだろ。なら希望を持たせないほうが本人と俺らのためだ」
志賀崎は深く息を吐く。
「……すんませんした。今度から気を付けます」
「ん、よろしい!」
「なんでお前が得意面してんだよ。やったのは稲荷だろ」
「同じ二年生の手柄なんだから私の手柄ともいえるじゃない」
「暴論過ぎる……」