虎杖を活躍させる為だけに世界を地獄に変える転生者共   作:愉悦部員

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気分転換に書きました。
成長した虎杖君が見たいんじゃあ。


転生者のせいで原作が壊れました。

 呪術全盛期といえば平安、それからその時代に近くなったのが戦国の世であり、絶対的強者五条悟(性格以外全て持ってる奴)が産まれたせいで強者が多くなったのが現代だ。

 ならばそれ以外の時代に強者が居なかったと聞かれればそうではない。

 倭国大乱において単身で列島制圧を成し遂げた宿老や戦国時代で活躍した雷神や大砲も紛れも無い強者である。が、両面宿儺(呪術師最強)五条悟(現代最強)と比較してみれば格下になってしまうのは否めない。

 だがそれでも他の時代に強者が居たのは紛れも無い事実である。

 そして、これはこの呪術廻戦の世界の縄文時代に転生してしまった転生者達(別世界の強者)の物語――――等ではない。

 

「――――諸君、よくぞ集まってくれた」

 

 縄文時代でありながら何故か存在する現代風の建物、この時代から見れば未来の建物の中にある部屋。

 その一室にて集まった10人の男女が床に座り、唯一立っている一人の男を見上げていた。

 

「呪術廻戦の世界に転生して幾星霜…………何故か原作のげの字も無い縄文時代に転生してしまった可哀そうな我々。だがこうして同じ時代に集まった事に心の底から感謝する。まあ、我々を転生させた神様的超存在的な何かが原作に関われないようあえてこの時代に転生させ、無力さを味わいながら悦に至っているだけかもしれんが」

「そんな御託や考察はいい。とっとと用件だけを話せ。オレ達を転生させた神が居たとしても会った事も無い以上、居ないと仮定するって決めただろ」

「ああ、そうだったな。色々あり過ぎてつい感想をほざいてしまった。じゃあとっとと本題だけを話そう」

 

 座っている一人の男に諫められ、立っていた男は涙を拭いながら宣言する。

 

「我々は原作を改変する。誰も居ないこの時代から華々しくも狂おしい世界へと介入するのだ」

「どうやって?」

「疑問があるのは当然だ。だが私は術式である未来視を使って宿儺(カイリキー)羂索(メロンパン)、死滅回游参加者の技術を見た。その中には縛りを使った時間操作もあってだな…………これを応用すればこの何も無いくそったれな時代から現代へと時間を進める事が出来るのだ」

「流石に不可能では?」

「無論、無制限に出来るものではないし我々も相応のデメリットを背負わなくてはいけない。縛りとはそういうものだからな。呪物に変えて時を超えるという方法もなくはないが羂索(きっしょ)に強制的に死滅回游(メリットの無いデスゲーム)に参加させられる事だろう。かといってただ時間を超えただけでは五条悟(湿度が高い)に捕縛される事だろう。羂索(男でも女でもきしょい)に目を付けられるかもしれないしね」

 

 考えれば考える程邪魔になって来るのが五条悟と羂索の二人である。

 流石は最強と全ての元凶。ここに居る転生者達も全員が強者であるがそれでもワンランク落ちるだろう。

 この時代に強敵となる呪霊はそこまで居ないし戦闘経験も積めないのだから。

 

「そこで私は考えた。我々も死滅回游のようにゲームを作ることをね」

「ゲーム? 一体どんな?」

「死滅回游のように製作者だけが最終的に得するようなものではない、参加者にもメリットがあるやつだよ。我々の術式を組み込んだ上で縛りを多用すればまあいけなくはないだろう。幸いな事に前世での娯楽でそういうのは沢山あるのだからね」

 

 自然呪霊や九相図に呪術を教える際、羂索(メロンパンナ)は遊びで教えていた。

 縛り等のルールもそれに乗っ取って行えば可能だ。

 原作における無理難題の縛りと言う名の実質的な抜け道のようなものもあったのだ。明確にデメリットや自分達に負荷を強いる縛りを設ければ不可能ではない。

 

「ゲームの内容としては敵を倒しポイントを稼ぐというものにしようと思う。獲得したポイントを使う事で報酬を得る事も出来る事にもしよう」

「死滅回游となんら変わらないな」

「まあそこら辺はね。とはいえ、だ。流石にそのままではちょっとあれと思うので課題も用意する」

「課題?」

「ゲームで指定された呪霊を倒すというものだ。クリアすれば報酬を、失敗すれば罰を受けるというものにしようと思う」

「GANTZやアンデラを思い出させるな」

「敵である呪霊についてはどうするんだ?」

「我々が用意しようと思う。呪霊は非術師から滲み出る呪力で生み出される。なら呪力に指向性を持たせれば生み出す事も可能だ」

「その呪力はどうするんだ?」

「夜蛾学長の完全自立型呪骸を沢山用意すれば解決する。何処に安置するかについてはまあ、月や火星とかに飛ばせば問題無い筈だ」

 

 転生者達はゲームの内容を煮詰めていく。

 本来ならば多くの人を救えた筈の力と知識を、己の愉悦の為だけに考えを巡らせていく。

 その結果、後世が地獄になろうが知った事ではない。そう口にする事こそ無かったもののこの場に居る全員が心の奥底ではそう思っていた。

 

「こんなもので良いかな?」

 

 そう言って男達は石の板に纏めたゲームの内容を全員で見る。

 

『ゲーム名【蜘糸釈迦羅天】

 内容やルール

 ・開催日は2015年4月予定。

 ・参加者は最初期は2人まで、課題を熟し報酬を獲得する事で参加人数を増やせる。

 ・参加者の経験値は全員に共有される。ただし入れ替え修行程ではない(同じ術式を持っている場合は入れ替え修行に近くなる)。

 ・このゲームに参加した者が死亡した場合、その者の記憶や知識はGMが獲得する。

 ・参加者には呪術の知識が与えられ、GMがそれを教える事が出来る。死亡した者の記憶や知識を流す事も出来る。

 ・また天与呪縛を除いた参加者は呪力を扱えるようになる(術式を持ってなくても可)。

 ・参加者の定義は魂を持った存在、最終的にはGMが決定する。

 ・呪霊を倒す事でポイントを獲得する事が可能。

 ・課題はGMが提示し、参加人数や参加者の実力によってクエストの数や難易度、そして期間が決定される。

 ・課題に成功すれば報酬が、失敗すれば罰を受ける。

 ・獲得したポイントを消費する事で特典を獲得できる。

 ・特典は倒した呪霊の術式の獲得、術式を内包した呪具の製作、呪力量・出力を上げる呪物石、過去への逆行等である』

 

「ふむ、こんなものだろう」

 

 出来上がったゲームの内容を見て転生者達は満足気に笑みを浮かべる。

 しかし、一人の転生者が声を上げた。

 

「おいおい、一番大事な事を忘れてるぞ」

「おっと、うっかりしていた…………すまない。今書き足そう」

 

 指摘を受けた転生者は笑みを浮かべながら石板に文字を足していく。

『・隠しルール、このゲームの最初の参加者は虎杖悠仁であり、製作者の一人は彼と直接会って参加させなければいけない。彼の参加こそがこのゲームの始まりである』と。

 

「きみには辛い思いをさせる事にはなるとは思う。本当にすまない」

「気にしないでくれ。私達全員の共通の目的なんだ。これぐらい耐えられるさ」

「そうか…………」

 

 純粋な笑顔でサムズアップする一人の転生者を見て司会の転生者は涙を流す。

 そして彼は宣言する。力強く、高らかに。

 

「我々はここに宣言する!! 虎杖悠仁を主人公として活躍させ、彼の頑張りを眺めて面白おかしく生きていく事を!!」

「「「「「「「「「「ここに誓おう!!」」」」」」」」」」

 

 それが全ての始まり、後の世において原作の流れを盛大にぶっ壊した上で世界を地獄絵図に変えるゲームが開発された瞬間。

 そして主人公、虎杖悠仁が原作よりも酷い地獄を見る事になった切欠でもある。

 

   +++

 

「――――きみが虎杖悠仁かな?」

 

 虎杖悠仁が一人の生徒に絡んでいた歳上の不良達を叩きのめし、唯一遠巻きに眺めていた高校生に凄んでいた時だった。

 自分の名前を言う同い年くらいの少女がゆっくりと此方に歩み寄って来ているのを見つけたのは。

 

「俺に何か用? 今取り込み中なんだけど」

「見れば分かるよ。でもこっちにも事情があってね。悪いけど着いてきて欲しいんだ――――できればそこの甘井凛君も一緒にね」

 

 遠巻きに眺めていた取り巻きの一人、甘井凛は自分の名前が呼ばれた事に驚く。

 そして二人は近付いてきた少女の顔を見る。

 

「私は天内理子、君たちに用事があって来たんだ」

 

 天内理子と名乗った少女の額には大きな縫い目が刻まれていた。

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