仮面ライダーディーパ(新約)   作:瓜生史郎

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13話

 バスコ討伐から一夜が経った、その後どうなったかと言うとバスコの息子ドレイクは父親の責任を取ることとなり、その場で逮捕、厳しい処罰は免れないだろうと言うことだ。一緒にいた反バスコ派のマーマン達もバスコのように厳しい処罰とまではいかないが、それなりの処罰は行われるようである。

 

 そして儀式に使われた3つの宝物はもう二度と盗まれないように厳重な金庫へと移されることになるようで、祠も警備が厳重になり誰も近寄れないようになるみたいだ。

 

「はぁ……終わった」

 

 僕はベッドに横たわり、捕まったドレイクとの最後の会話を思い出す。

 

「これでよかったのか?」

 

「あぁ、良かったさ僕達一族がやったことは到底許されることではないどんな罰でも受け入れる覚悟さ、もし生きてたらまたどこかで会おうソゲン」

 

 そう答えるドレイクの顔は清々しい表情だった、まるで重い足枷や鎖が外れた子犬のように……。

 

「まぁでもこれで一件落着だな」

 

 セレステのカードも元に戻った、そして新しい力水のディーパ、アクエルも手に入った。僕はベッドの上で二枚のカードを見つめていると、ドアがノックする音が聞こえる。

 

 僕は「空いてるぞ」と言うと、セレステが「おはよう」と挨拶をし入ってくる。

 

「ソゲンくん、良かったね新しい力が手に入って」

 

 そう言うと、ベッドに座った僕の隣にちょこんと座る。

 

「あぁ、セレステの力使えなくなったときはどうなることかと思ったがまぁ結果的には元に戻ってよかったよ」

 

 僕がうれし気に言うと、先ほどまで笑顔だったセレスの顔が曇った。

 

「あの時はごめんね、私がもっとしっかりしていれば……」

 

 あの時一ついなれなかったのはネレイスのソゲンに対する苦言を呈されたことで自分の中でのソゲンに対する見方が揺らいだからだ、自分の意志の弱さが仇となった出来事だった。

 

「気にしてないよ、セレステも過ぎた事は気にするな」

 

 僕は落ち込んでいるセレステの頭を撫でると曇っていたセレステの顔は徐々に晴れた空のように笑顔になっていった。

 

「ソゲン君……でも、ネレイスさんとあんまりイチャイチャしちゃだめだからね」

「し、しないよ!」

 

 僕は突然のセレステの言葉に顔を赤くするとセレステは僕の顔に自分の顔を近づける。

 

「本当かなぁ?」

「ほ、ほんとうだよ」

 

 セレステは慌てた僕の顔を見るとくすくすと笑い始める。

 

「冗談だよ、ソゲン君すっごい顔赤くなってる~」

「お前がからかうからだろ!!」

 

 恥ずかしさのあまり勢いよく立ち上がるとドアの前にネレイスが呆れた顔で立っているのが見えた。

 

 

「ゴホン、ドアを開けっぱなしにしていちゃつかないでくださる?」

「ご、ごめん」

「それとお父様がお呼びですわ」

「ラグナさんが?」

 

 

 

 

 僕達はネレイスに案内され、ラグナの部屋へ向うと既にラグナがソファに座っており、部屋に入るとソファに座るように促される。

 

「バスコ討伐ありがとうございました」

 

 ラグナは僕に向かって座ったまま深々と頭を下げる。その後頭を上げてこちらを見たラグナに僕は「どうもです」と一言言った。

 

「貴方のおかげで、この町の平和は守られましたとても感謝しています」

 

「い、いえ今回の討伐は僕だけの力じゃ何もできませんでした、セレステやネレイスこの二人の精霊の力があってこそ出来た事です」

 

 そう言って二人を交互に見つめた。

 

「貴方も十分活躍していましたよ、どうぞこれは今回の報酬です」

 

 机の上にドン!と、貨幣が入ってるであろう小袋がおかれる。

 

 毎回思うが、こんなにもらっていいのだろうか?現実でもこんなにもらったことはないのにそんなことは思いながら、小袋を開けて中を確認する。

 

「金貨がこんなにたくさん……」

 

「う、嘘!?金貨?」

 

 セレステは驚いて小袋の中を確認する。

 

「え、これそんなにすごいの?」

 

「すごいも何も、この金貨イニシオ村でもらった銀貨100枚分の価値があるんだよ⁉」

「え、そうなのか?ちなみに銀貨だといくらなんだ?」

「今の価値ですと、100ロアルですわ、銅貨ですと10ロアルですわね」

 

 え、この金貨一枚で俺がいた世界の諭吉の価値があるの?それも小袋の中にざっと数えた感じでは、おそらく100枚近く入ってある。

 

「こ、こんなにもらえないです!!、いろいろと迷惑をおかけしましたし……」

 

 僕は小袋を返そうとラグナの近くへと、押し返すとラグナはクスっと笑った。

 

「やっぱり貴方は謙虚ですね」

「え?」

「いえ、こちらの話です。では私の娘ネレイスを連れて行くのを報酬というのどうでしょうか?」

「お父様!?いきなり何を!?」

「ネレイス、お前の夢だったんだろ?精霊の騎士と一緒に旅をするって言うのが」

「そ、それはそうだけど……」

 「でもお父様、昔精霊の騎士と旅をする事は許さないって言ってたのに」

「それは昔の話だ、それにソゲンさんのような優しく謙虚な心をもった精霊の騎士なら私はネレイスを預けてもいいと思っている」

「お父様……」

 

 僕はラグナの言葉に感銘を受けていた、そんなことを前の世界で全く言われたことなかったし、自信もなくなっていた自分にはとてももったいない言葉である。

 

「ソゲンさん、私は貴方が先代の精霊の騎士のような力に溺れるような人になるとは思えない優しく、最善な精霊の騎士になってくれると信じている、だからネレイスをよろしく頼む」

 

 ラグナがここまで僕を信じてくれるとは……引き締まる思いだった、僕は心の中で決意する。

 

「わかりました、なれるかわからないですけど」

 

「なれるか、じゃないですわ!なるって言ってくれないと私が困りますわ」

 ネレイスが僕の左の頬を指でツンツンと何度もつつく。

 

「そうだよ、ソゲンくんそんなんだとまた私の力使えなくなっちゃうよ?」

 

 右の頬をツンツンと何度もつつき、精霊二人に両方から挟み撃ちにされる。僕は辛抱たまらなくなり叫ぶ。

 

「わかりました!なります!なります!なりますとも!!」

 

 ラグナは僕と精霊の仲睦まじい様子を見て安心した様子を見せていた。そして、ラグナはゴホンと咳ばらいをすると、こちらに注目をさせる

 

「ソゲンさんはまた旅を始めるんですか?」

「ええ、精霊の探しの旅をするつもりです、それが今僕のやるべきことなので」

 

 それを聞いてネレイスは思い出したように口を開く。

 

「それなら、エアリアに案内してあげますわ」

「もしかして、ネレイスさんのお友達ですか?」

「ええ、こんなヘタレに紹介するもんですかと思っていましたが、今のあなたなら紹介してもいいかなと思ってきましたので」

「本当か⁉ありがとう!!」

 

 両法の手を握ってぶんぶんと振っていると、ただし!と言って振り払う

 

「私は紹介するだけですわ、その後は自分でなんとかしてください」

「わかったよ」

 

 エクスシア、ようやく二人と契約できたこのまま3人目、4人目も契約していってみせると、そう心の中で改めて決意した。

 

「ダーリン、二人目の精霊とディーパを契約させたよ」

 

 フォンセは男に抱き着くと、男はフォンセの頭を優しく撫でた。

 

「よくやったフォンセ、後でご褒美あげないとな」

「ほんと?やったー!!、じゃあケーキがほしいなーイチゴたっぷりのショートケーキ!!」

 

 フォンセは子供のようにイチゴの形を体いっぱいに表現する。

 

「わかった、用意しておくよ楽しみにしておいてくれ」

「はやくしてね?」

「ところで、ディーパは次にどこへ行くかわかっているのか?」

「うーん、多分順番的に次はエアリアに行くんじゃないかなぁと思ってるよ」

「エアリア、風の精霊か……」

 

 男はファイルから1枚の写真を取り出すと、机の上に置いてフォンセに見せる。

 

「これが風の精霊かー、すっごくクールビューティって感じ」

 

 緑の髪で、クールな雰囲気の女性が写真に写る。

 

 彼女は緑の目、頭上でハーフアップされた緑のロングヘア、鳥羽の髪飾りをしている。

 

「3人目も頼んだぞフォンセ」

「その前に!ケーキ早くしてね!用意してくれないとエアリアにいかないから!!」

「お、おう……今から買いに行ってくる」

 

 そういうと男は財布の中を確認しながら、ドアを開けて外へ出た。

 

「なーんか、違うんだよねぇ」

 

 フォンセは男の出て行ったドアを見つめて一言そう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 ラグナとの最後の会話を終えた後、屋敷を出た僕とセレステは入口を出ようとする。

 

「やっと出てきましたわね」

 

 そこにお出かけ用であろう、まるでどこかの学園のブレザーのような白と黒のワンピース真ん中には大きなリボンもついており、上着のような装飾はスカートのすそまで伸びてまるで執事が着るようなデザインとなってかっこいい、さらに素足をあまり晒したくないのか黒タイツを履いている。

 

「すごい、ネレイスさんその服似合ってるー、ね?ソゲン君」

「そ、そうだなすごく似合ってるよ」

 

 僕とセレステがそういうとネレイスは顔を赤らめて一言「ありがとう」と言った。

 

「よし、行くか!エアリアに!」

 

 僕とセレステが歩こうとすると、突然前から屋根付きの馬車がやってきて僕達の前に止まった。

 

「まさか、歩きでエアリアに行く気だったんですの?」

「え?」

 

 一人の兵士が、こちらでよろしいですか?とネレイスに確認するとネレイスはOKサインを出して兵士が乗っていた操縦席に入れ替わるように乗る。

 

「エアリアに歩きでいくなんて馬鹿ですの?私が馬車で連れ行ってあげますから乗ってください」

「は、はい!」

 

 屋根がついた荷台に乗り、備え付けの椅子に座る。それを確認したネレイスは繋いでいる縄で馬の体をぺちーんと打ち付けると、馬車がゆっくりと動き出しセイレンタウンの街中を駆け抜け、そして入り口にある門を抜けると僕らはエアリアへと向かった。

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