超昂大戦SS 次の適合者は君だっ! ダイビート超昂変身オーディション(自薦1名)   作:環 藍河

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第2話 ヤミを越える超昂戦士! その自分語りに超昂変身は応える

『超昂変身! エスカサファイア・ムーンライズ!』

 

「やったわねっ、サファイア!」

「ああ…私はもう、求めることを怖れない!」

「でもね、サファイア。」

「?」

「3人目の超昂変身は、あたしよっ! 絶対追いついてやるんだからっ!」

「…ああ、必ず来い。」

 

……

…

 

【実験No.2】

 

嫉妬した。

言葉では仲間の偉業を讃えても、心に交錯する光と闇。

ヒーローに選ばれた仲間と…また、選ばれなかった私。

 

(ルビーを…ルビーを絶対、決戦の舞台に立たせるんだ…!)

それだけを願って解き放った、禁断の魔力。

最高の仲間に渡した、命がけの片道チケット。

 

『超昂変身! エスカルビー・アステライズ・インテグラルフォーム!』

果たしてアカリは現界戦士初の超昂変身を成し遂げた。

人類のヒーローに舞い上がり、救世主となった。

 

そしてあたしは…身を挺した引き立て役の報酬は…

暴走した魔力に冒されたずたぼろの身体と、長期のリハビリ。

 

(でも、そのおかげで瑠璃と出会えたんだもん。

 プラマイゼロ…むしろプラスねっ!)

…そう自らに言い聞かせて、病める心に蓋をした。

心を掻きむしられるたび、独りベッドでハムスターぬいぐるみを掻き抱いて、さざ波を収めた。

 

やせ我慢で心を踏み留める間に、今度はヒビキが先んじた。

 

…みんな、みんな、先へ行く。

ルビーが、サファイアが。

マリナが、イノリが。

 

…私は…?

 

…

……

 

(うううっ…、…あっ、あぐううう~~~っっ!!)

「ししょー! ししょーーーっ!!」

ダイビート基地・VRルームで悶え抜くうらら。

寄り添う一番弟子・りるかは見かねて…

「も…もうダメえっ! ししょー、起こしますよっ!!」

《ダメよっ、りるかちゃん! これはうららちゃんが望んだことなの!》

HMDを外そうと手を掛けるりるかを、コントロール室から制止するさやか。

 

「アカリちゃんもヒビキちゃんも…

 いや、エリスさんもキリカちゃんも、ハルカさんたちも…

 みんな自らの内面と向かい合って、ためらいや弱さを越えてきたのっ!

 そう、超昂変身はその果てに、自分を越えた戦士に与えられるものなのっ!」

 

 『約束したんだ…。私は…長官を助けたい!』

 《たとえ想破の掟に背いても…私は…兄を助けたい!》

 【〔あの人とは違う…でも、私たちの力…トキサダ(さん)になら、預けたい!〕】

 〈自らの限界だと、諦めていた…。間違いだった。このお方となら、越えられる!〉

 

 ぐわっ!(刮目&ガッツポーズ)

「そんな想いを心の底から掬い上げる、ダイビート技術部のオーバーテクノロジーが今ここにっ!

 記憶操作システムを応用して深層心理を掘り起こし! VRシステムで刺激して、心の底から湧き上がるエナジーをくみ上げる!

 その力でADDDを回せば、超昂変身を再現できるはずっ!!」

 

…すっ。(挙手)

「あのー…?」

「はい、りるかちゃん?」

「これって要するに、トラウマえぐってセルフ闇堕ちさせるマシーンってこと?」

 

 ぴたっ。

 

「…あ。」

 

……

…

「…ふっ。」

(……?)

 

「真のヒーローは…哀しみを越えて進化するものよね…」

「げ…外道おおおおっっっ!!!」

研究倫理お構いなし、さやかの非人道的実験であった。

 

《お…追いつくんだっ…アカリにっ、ヒビキにいっ…

 あたしは…3人目に…なるんだあっ…》

「ししょーーーっ!!」

うなされながらも、自らの進化を信じて苦悶に耐えるうらら。

その姿に、りるかも我が身を焦がされる。

 

(ししょー…待ってて下さいっ! あたしも入って、直接ししょーを励ましますっ…!)

思わずりるかは隣のVRマシンを起動させ、自らも地獄に飛び込む。

 

【実験No.3】

…

……

 

…負けヒロイン。

 

 (…はへ?)

 

今から何をどれだけ努力したって、私は…

あの人の一番には、なれない。

近づこうとすればするほど、棘が自分に突き刺さる。

2番目を目指すなんて強がっても、そこにすら踏み出せない。

 

今のままの距離じゃ辛いのに。

踏み出したら、それすら壊してしまいそうで。

だから足をすくませて、欲求不満足に安住する自分。

 

嫌になる。

ゲッカとユッキーを素直に祝福できない自分が。

当たって砕けろ、なんて強がりながら、本当に砕ける勇気を持てない自分が。

周りのカップルにさえ病みを見つけて、淫力に換える自分が…!

未練、執念。

諦観、訣別。

略奪、背徳、渇望…!

 

…違う。

そのどれも選ばない。現状維持ばかり願う。

私は、そんな私の卑怯に、一番嫌悪しているんだ…!

 

…

……

 

「し…ししょーの中にも、こんな…

 横恋慕の感情があったの…?」

 

そんなわけがない。

 

《…りるかちゃん、空間共有のチャンネル間違えてるよ?》

「へっ?」

《同時進行で、お隣のVRルームでは、私がピックアップした超昂変身候補生をただいま絶賛セルフヤミ堕とし中なのっ!》

「認めた!?」

高円寺さやか。人為的超昂変身を夢見て、悪魔に仲間を売った女。

 

「し…ししょーのチャンネルはっ…?!」

 ぴぽっ。

 

【実験No.4】

 

…わたしの、王子様。

私を、私だけを、求めてくれる人。

物心ついてからずっと探して、探して、探し続けて…

 

やっと、会えた。

この渇きを、飢えを、空っぽの心を。

溢れるほど満たしてくれる王子様に。

 

でも…私は役立たず。

だから…王子様もまた、私を切るのかなあ…?

もしも、そうなったら…

 

…滅ぼすの。

 

あなたが何度も世界を救ったって、知ってる。

だから、滅ぼすの。

あなたの救った世界ごと、宇宙ごと、未来ごと。

 

そして、私の世界が始まるの。

私ひとりしかいない、次の世界なら…

見つかるよね、ホントの王子様。

 

もし、いなかったら?

…探すの、見つかるまで。

滅ぼすの、世界を、何度でも。

 

…うふっ。うふふっ。うふふふふふふふふっ。

王子様…王子様王子様王子様王子様王子様王子様王子様王子様王子様王子様王子様王子様

…

……

 

「…お…重っ…!」

神騎ミルエル…初期状態でヤミ堕ち済みのやべー女。

 

 はっ。(そ…そうだっ、ししょーのチャンネルに行かなきゃ…!)

 

 ぴぼっ。

【実験No.5&6】

 

《沈む夕陽を数えるたび…明日こそは、と願った。

 私は閃忍。頭領をお護りする。だから堪え忍ぶ。

 きっと頭領が、この不毛の連鎖を砕いてくれる。

 それだけを誓い、信じて待ち続けた…。

 なのに…どうして三百五十年も…!》

 

〘…ひとりに、しないで…。

 私は…人を斬れと願われて生まれたのに…

 なのに、どうして…?

 斬るなと、呪われた刃だと…誰もが私を避けて…

 あげく、閉じ込められた。

 三百年以上も、たったひとり、暗闇に…!〙

 

「い…いたいけな子どもたちまで、実験台にしてるんかーーーっっ!?」

余命にバレないことだけを祈りたい。

 

 ぴぼっ。

【実験No.7】

 

…チンコが、欲しい。

(ぶっ!?)

 

私のお股に。

天使ちゃんたちと一つになれる、雄々しく猛々しい翼が…欲しいっ…!

ああ…トキサダのチンコ経由でしか繋がれない、この身体…

憎いっ…たとえ今度トキサダのチンコをもぎ取ろうとも…許せるものか…!!

チンコ…チンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコチンコ……!!!

 

「またアイツで実験してるうううーーーーっっ!!」

ニコール・クワドリガ…たとえ何度ダマされても、不屈のロリコン魂で超昂変身を夢見るやべー魔女。

 

 《VRルーム2》

 【実験中 No.3~7】

 

(ママ…くさりママっ、余命ママあっ…

 会いたいよおっ、ママあっ…!)

(トキサダ…好きなのにっ…!)

(負けないっ…ヤミの力になんかっ…)

(ずっと…一緒にいて…王子様あっ…!)

 

AI生成VR体験で、的確に心の傷をえぐられながらも…

薄命が、リコリスが。

キッカが、かみるが…

誰もがひたすらにトラウマに立ち向かい、増幅される心の闇と病みを耐え抜く…!

 

(…でゅふっ…チンコ…チンコおおおおっっっ…!!)

ただ一人、安定の平常運転。

 

《う~ん…どれも出力はイマイチねえ…

 とても超昂変身には繋がらないっぽい。》

「だったらやめんかーーーーいっ!!」

 

かくして今回の実験は、ただの同士討ちで幕を引いた。

だが、失敗もまた、科学の進化への大事な一過程なのである。

がんばれさやか、黒歴史に負けるな超昂戦士!

人為的超昂変身を実現する、その日まで!!

 

「雑に終わらせようとすんなーーーっっ!!」

 

超昂変身・人為的ヤミ堕ち計画…実験凍結。

 

……

…

 

……?

 

…ぴぼっ。

 

【実験No.8】

 

人類は、滅ぼされた。

未来と、希望を奪われた。

これは…俺たちの失敗だ。

俺たち人類の、自滅だ。

 

応援は、いつしか傍観になった。

勝利への歓喜は、そのまま敗北への糾弾に変わった。

何百人の仲間の無念を見送り、託された復讐を必ずやと誓った。

 

この胸に、耳に今も消えない、十字架の露と消えた超昂戦士たちの断末魔。

 

復讐を為し遂げた今も。

胸が疼く。この身を灼き焦がされる。身悶える。

怒張、憎悪、衝動…噴き出す漆黒の渦。

 

 壊せ。

 

(……?)

 

 壊せ。潰せ。ぶち抜け。

 俺をどす黒く染める全てを。

 

(……!!)

 

 俺には未来永劫、暗黒しか無い。

 何度、敵を滅し、砕こうとも…

 

(お…お前はっ、~~~~~!!)

 

 何故、俺をねじ伏せる。

 解き放て。お前の闇を。あるがままのお前を。

 

俺の深淵に辛うじてねじ伏せてきた、魔王の魂。

今にも溢れて…

 

(ぐっ…ぐうう~~っ! ディストバーンっ…オルタナスタインっ…ノロイっ…!)

 

……

…

「ま…魔王さんっ、魔王さあーーーんっ!!」

《ユリカちゃんっ、どうしたのっ!?》

「ま…魔王さんが、今日のDチャージはシチュエーションを変えてみようって…

 ぶ…V、R? マシンで…」

《…あっ……あああああーーーーーっっっ!!!

 実験の設定、残ったままだったあーーーーっ!!》

 

 ブーッ、ブーッ、ブーッ!!

 

『緊急警報、緊急警報!

 戦闘可能な全スタッフは、地下VRルームに集合してっ!

 アズエルっ! 天界神騎を総動員してっ!

 トキサダを…魔王の復活を、絶対に阻むわよっ!!』

 

 ばんっ!!

「長官っ!」「若頭領っ!?」

 

 …ホロベ…シズメ…オカセ…!

 …アクマモ…シンキモ…

 センシモ、センニンモ、ナニモカモ………!!

 

…コロセ…コロセッ…!

コロセモヤセツブセホロボセコロセモヤセツブセホロボセコロセモヤセツブセホロボセウバエオカセヤキツクセウバエオカセヤキツクセウバエオカセヤキツクセケシサレナニモカモ…!!!

 

「こ…これが…長官の中の、魔王なの…?」

「ルビー! 話は後だっ、超昂変身で鎮圧するぞっ!!」

 

かくして、ダイビートの総力を挙げた、魔王トキサダ鎮圧作戦が勃発した。

作戦完了まで、超昂変身達成者10名を含む全戦士・閃忍・神騎・魔女を以てしても

まる三日三晩を要したという。

 

《ふっ…ぬかったわ…!

 このさやかさんともあろう人が、一番ヤミが深い人を忘れてるなんて!

 …次はもっと堅牢なVRルームで、さらに効果的なトラウマを…!》

「お…男を超昂変身させる気かああーーーーっっっ!!!

 ってか、頭領を実験台に使うなっ、この狂科学者あああーーーっ!!」

 

その後、この実験にまつわる一切のデータは滝太郎博士の手で堅牢にロックされ、二度とさやかの手に渡ることは無かった。

安寧は保たれたのである。

 

 

「あ…諦めないっ! 11人目の超昂変身はあたしがっ…!」

「ねえねえ、トパーズ?」

 

 …??

 

「何か…ゴメンね。お先ちょうだいしちゃいましたー!!」

「アメイズううううううっっっっっっっ!!!!」

 

11人目の超昂変身、エスカアメイズ・ファンタスマ…Coming soon.




作者の環藍河です。
いや~、うららパワーアップ計画SS、頭からっぽにして書けるから、作者側も楽しいっ!

…(公式X)
ちょ…ちょっと待って…もう今週、アメイズ超昂変身させてまうん?!
待ってええええっっっ!!!
だって第3部始まったばかりでしょ? ニル様こないだ魔女外伝2で伏線張ったばかりでしょ? 
普通もっと引っ張って中ボスくらいのところで満を持して覚醒させるんじゃないの…
ら…らめえええええーーーーっっっ!

…というわけで、「目指せ11人目の超昂変身」をちんたら書き進めていたら、原典が11人目を繰り出してきたでござる。
いろいろぐだぐだです(この作者の平常運転)。
でも続きます。
ま、トパーズが超昂変身達成するまでに書き上げればいっかー(いい加減にしろっ!)
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