ありふれた破壊者と魔王は世界最強 作:マサヒロ (旧名デイブレイク)
これからも『ありふれた破壊者と魔王は世界最強』をよろしくお願いします!!
PS 皆様かなりの期間が開いて申し訳ありませんでした。
これからは出来る限り月一投稿できるように頑張りますのでよろしくお願いします。
ハードタービュラーのクリアフラッシャーを点け、俺達は奈落へと降下していく。
既に上を見ても六十五階層は見えず、暗闇に包まれている。
時折、崖の所々から地下水が噴き出しており、水飛沫が空気を一層冷たく感じさせる。
「だいぶ降りてきたな・・・」
大体だが、30階層分くらいは降りてきた気がする。
「いくら水があってもこの高さだと・・・」
雫が最悪の可能性を口にする。
俺はそれを振り払うようにローターの出力を弱め、降下スピードを上げた。
迷宮は希望を嘲笑うかのように、底は岩が針状に連なっていた。
ディメンションスカウトを使って耳を澄ましてもハジメや白崎の心音は聞こえず、ディメンションヴィジョンで見ても二人の姿はなかった。
「士・・・二人はもう・・・」
雫が悲痛な声を漏らす。
俺それに答えることができないまま見落としに縋り、ローター出力を上げた。
「ねぇ、士。あれは?」
「ん?」
ゆっくりと上昇し、見落としを探していると雫がとある一点を指さした。
ハードタービュラーをその場に留まるようにして見れば、崖から噴き出した地下水が反対の崖に届いており、そこに横穴があるのが確認できた。
内部はまるでウォータースライダーのように水が横穴に流れ込んでいる。
大きさとしては直径3m程度。
ハードタービュラーは通れなくはないが絶対にぶつける位の狭さだった。
「他にはそれっぽいとこも無かったし・・・雫、この先に居るわずかな可能性を信じて進むか?もしかしたら戻ってこれない可能性もあるけど・・・」
そう問いかけた。
「私は行く・・・だってまだ香織と南雲君の姿を見つけたわけじゃないもの」
雫は決意に満ち溢れた表情で即答した。
「分かった、行こう!」
俺は出来る限りハードタービュラーを横穴に寄せ、水に着かないギリギリの所で止まる。
「水の流れに乗って一気に行く。準備はいいか?」
俺が雫に確認すると雫は緊張した顔で頷いた。
俺も頷き返し、ハードタービュラーをアイテムボックスに仕舞うと俺と雫は重力に引かれて落下し、水の流れに身を任せた。
水の勢いは速く、更に水路内もそれなりに曲がりくねっていたのでアーマーのあちらこちらをぶつける。
痛くはないがそこそこの衝撃が体を襲う、ただ出来ることと言えば雫の盾になることぐらいだ。
そうやって暫く流されると、そこそこの高さから落ちて水の流れも緩やかになった。
俺は立ち上がると近くの岸に上がる。
「ふぅ・・・雫!」
衝撃で手を放してしまい、後から流れてきた雫に手を伸ばす。
雫が俺の手を掴んだのを感じてから岸に引っ張り上げる。
「はぁ・・・はぁ・・・ありがとう士・・・」
いくらステータスが高くても、そこそこ長い間水に流されるのはかなり苦しかったようで、息を乱しながら感謝を伝える雫。
雫が水に濡れて張り付いた髪を軽く掻き上げて後ろに流す。
「・・・・・・・ッ!」
その仕草が色っぽくて俺の心臓が一瞬飛び跳ねた。
「ん?どうかした?」
俺の視線に気付いたのかそう聞いてくる雫。
「い、いや何でも・・・」
俺は若干しどろもどろになりながら目をそらす。
そしてライドブッカーから一枚のカードを取り出し、ドライバーにセットした。
【KAMENRIDE!WIZARD!】
【ヒー!ヒー!ヒーヒーヒィー!!】
俺の上げた左手から魔法陣が通過していきディヴァインスーツが黒い魔法『エレメンタルオーバーコート』に変化し、アーマーの各位にフレイムリングで赤く変化した『ドルイドクリスタル』からなるマスクの『ベゼルフレイム』魔力増幅器は『フレイムスリーブ』『フレイムレガード』が装着される。
フレイムスタイルの能力で炎を生み出し冷え切った体を温めた。
俺は少し寒いくらいだが、雫はびしょ濡れな上に地下水でかなり体が冷えたよな。
そう思いアイテムボックスからタオルを取り出し雫に手渡す。
「濡れたままだと風邪ひくからな、ちゃんと乾かせよ」
「あ、うん。ありがとう」
雫の顔が炎に照らされ赤く輝く。
俺も変身を解除して炎で暖を取った。
暫く炎に当たり雫の顔に血色が戻ったのを確認してから、俺達はハジメ達を探して立ち上がった。
「ハジメ!!」
「香織!!どこにいるの!!」
探索を始めると俺達はハジメと白崎の名前を呼び、その声が洞窟に反響する。
ただ返事はない。
「ハジメ!!白崎!!どこだ!!!」
「香織!!!いるなら返事して!!!」
もう一度名前を呼ぶが反応はない。
ただ、気配感知に反応があった。
「・・・反応があった。進んでみよう」
「ええ・・・」
俺がそういうと雫は頷いた。
この洞窟の内部にも緑光石があり、薄暗いながらも視界は確保できている。
暫く道なりに歩いていると、分かれ道に出た。
「人の気配もあるが、魔物の気配もあるな・・・気を付けて・・・」
そういって前を見て・・・
こちらを見たウサギの魔物とばっちりと目が合う。
ウサギは軽い音を立ててこっちに跳び上がった。
「キュウ!」
その可愛らしい声とは裏腹に大砲並みの威力の蹴りをこっちに放ってきた。
「ツッ!」
「きゃあっ!」
俺は咄嗟に雫を抱える形で横に飛びのいて回避する。
俺達が直前まで居た所には大穴が開いており、俺は背筋が凍るのを感じた。
俺は兎の追撃を重縮地を使い出来る限り距離を取るがウサギは一瞬で距離を詰め砲弾級の蹴りで襲い掛かる。
それを繰り返すうちにウサギには苛立ちを隠さずに激しい猛攻で俺達を攻め続ける。
俺はそれをひたすら重縮地を使い回避する。
そしてしびれを切らしたのかウサギは地面が陥没するほどの踏み込みで跳び上がった。
「借りるぞ雫!」
「へ?」
俺は雫が腰に下げているタルワールを鞘から引き抜くとウサギ目掛けて投擲した。
ガァァン!!
「きゅきゅう!?」
投げられたタルワールはウサギの額に当たり、ウサギは姿勢を崩され強制後方宙返りの体制になる。
「あったれぇぇぇぇ!!!!」
ダァン!!ダァン!!ダァン!!
俺はすかさず右腰のデザートイーグルを掴み丸見えの胴、心臓の位置に照準を定め立て続けに引き金を絞る。
「キュウッ・・・!」
ウサギは胸に一つの風穴を開け俺の目の前に落下した。
俺が張り詰めた息を吐き、デザートイーグルをホルスターに仕舞った。
「大丈夫?怪我はないよな?」
「えっ、ええ。貴方のおかげで無傷だわ」
雫は何処か暗い笑顔で答える。
その時、足音が近づいてきる。
俺達は足音のする方に振り向く。
そこには、白い髪で赤い目の男女とウォズがいた。
「お前、ハジメ・・・何だよな?」
「貴女、もしかして・・・香織・・・なのよね?」
ウォズが居るから間違いない、でも聞きたくなるくらいに二人の顔つきや身長は変わっていた。
僅かな沈黙の後、聞き慣れた声が俺達の鼓膜を揺らした。
「そう。僕は南雲ハジメだよ士君」
「うん!そうだよ。私は雫ちゃんの親友、白崎香織だよ!」
俺達はしばらく呆然とした。
一体、何をどうすれば身長が一気に高くなって髪が白くなるのかは分からないがそれでも友達が生きていて、目の前にいるという事実に真綿に水が染み込むように実感すると視界が歪み、ほほを濡らした。
雫はボロボロと涙をこぼし白髪赤目の女改め白崎に思いっ切り抱き着いた。
「・・・・・・香織・・・香織ぃ!」
白崎は、自分に抱きついて赤子のように泣きじゃくる雫をギュッと抱きしめ返すと、そっと優しく囁いた。
「雫ちゃん心配かけてゴメンね? 大丈夫だよ、大丈夫」
「ひっぐ、ぐすっ、よかったぁ、よがったよぉ~」
お互いの首元に顔を埋め、しっかりお互いの存在を確かめ合う雫と白崎。
「ハジメェ~すっかりデカくなったなぁ~、士さん感激だぞぉ~」
「ちょ!?、士君!?」
俺はほとんど同じ身長になったハジメの肩を組んだ。
暫くの間、緑光石で照らされた洞窟に温かさと優しさに満ちた泣き声が響き渡った。
「「それで、一体、どういうことなんだ(なの)?」」
盛大に泣きはらしたせいで目元を真っ赤に染めて、同じくらい羞恥で頬も染めた雫と同じく目元を真っ赤に染めた俺が事情説明を求める。
場所は洞窟からハジメ達が仮拠点としているハジメの掘った洞窟だ。
俺達に対して二人の変貌した理由するのにウォズに促された。
「私が説明いたします。簡潔に言いますと我が魔王と香織殿は魔物肉を食べて肉体が変貌した結果今のようなお姿になられました」
「「うん。意味わかんない」」
ウォズのかなり簡潔な説明に巣ずくと俺はジト目を送る。
ハジメは慌てた表情で口を開いた。
「えっと、士君。この世界における魔物肉は劇毒だって知ってるよね?」
「ああ。この世界に来てすぐの座学で『食ったら魔力のせいで体が崩壊して死ぬ』って・・・まさかその魔力を取り込んだって事か!!??だったら何で!!??」
俺は意味が解らず叫んだ。
「まあまあ士君。危うく死にかけたんだけど、これのおかげで助かった」
ハジメは両手で俺を制止すると、洞窟の隅に視線を移した。
ハジメの視線の先には、バスケットボールぐらいの青白く輝く結晶があった。
「それは?」
雫が訪ねると、
「それは神結晶って言って大地に流れる魔力が、千年という長い時をかけて偶然できた魔力溜りにより、その魔力そのものが結晶化したものらしいの。
そこから流れ出る液体は神水と呼ばれて、それを飲めば怪我や体力はだけじゃなく魔力も回復するの。
体が破壊されるまにそれを飲んだからぎりぎり助かったの。
まあ、それでも死ぬほどの激痛が長時間続いたけどね。
要は破壊と再生を繰り返して身体が再構成されたようなものなの。
おまけにステータスだけじゃなく、魔物の持つ魔力操作や技能も習得できたんだ」
「ありがと香織」
ハジメと白崎が自然とイチャつく。
それを聞いた雫が何かを考えこむような表情をした。
「どうしたんだ雫?」
それに気づいた俺が問いかけると、
「香織。つまり魔物の肉を食べれば強くなれるって事よね?」
俯いたまま雫はそう言った。
「う、うん。そうだよ?・・・雫ちゃん?」
白崎が少し困惑したような声で雫に声を掛ける。
すると雫は顔を上げ、覚悟を決めたような表情をして懇願した。
「お願い南雲君!ウォズさん!私に魔物肉を食べさせてほしいの!」
「「えっ!?!?」」
「「なっ!?」」
雫の言葉に俺達は驚愕し、絶句する。
「聞いていなかったの!?いくら傷を治せる神水があると言っても体が崩壊する痛みが、途轍もない激痛がその身体を襲うんだよ!!」
「そ、そうだよ雫ちゃん!!私はハジメ君と一緒に居たいから食べたけど雫ちゃんがそんな目に合う必要はないよ!!」
ハジメと白崎がそう言い、俺も物凄い速さで首を縦に振る。
「さっき私は何も出来なかった・・・このまま誰かの、士や香織達の足手まといになりたくないから」
「例えそうでも雫は俺達が守る。だから・・・」
俺の言葉に雫は首を横に振る。
その時、今まで傍観者に徹していたウォズが口を開いた。
「我が魔王、香織殿、士君。彼女の意思は固いよ、今の彼女は梃子でも意思を変えないだろうね。まったく誰に似たんだか・・・」
「「「ウォズ(さん)・・・!」」」
俺達はウォズの言葉に反論しようとしたが言葉が出てこない。
俺達が雫は一度言い出したことは決して曲げない鋼の意思を持っている、何よりウォズが苦渋に満ちた表情をしていたからだ。
「・・・正直反対だけど今の雫は俺達に隠れて魔物肉を食べそうだな・・・」
俺はそう言う。
雫は小さくウォズに頭を下げる。
すると、
「士君は食べないのかい?」
ウォズが俺に問いかけてきた。
俺は首を横に振って、魔力光までマゼンタな魔力を右腕に集中させた。
「この通りもう俺は魔力操作が使えるからな。よほどのことがない限り食べないな」
ハジメ達は肩を落とし、雫達は引いてた。
「で、では少し待っていてくれ」
そう言ってウォズはオーブン一体型のガスコンロみたいな調理器具で、魔物肉を焼き始めた。
「完成したよ。肉を食べるときは神水を常に一緒に飲むんだ」
ジュージューと鉄板の上で音を鳴らす魔物肉とその傍に神水も入ったコップが雫の目の前に出される。
雫は鼻孔を擽る匂いに少し驚いたような表情を見せたが、意を決したのか目をつむり魔物肉に噛みついた。
肉の塊を口に含み、口を押さえながら咀嚼。
度々吐きそうな表情を見せながらも、コップに入った神水を煽ると、無理矢理飲み込んだ。
呑み込んでから少しは何ともなかった。
「・・・うぐっ!?」
その身体に異変が起こった。
「あ゛あっ・・・!? ゔあああああああああああああああああああっ!!!???」
雫は女性らしからぬ悲鳴を上げのたうち回る。
身体のありとあらゆる場所から血を噴き出し、更に体中の骨が砕けるようにバラバラになりながらも、神水の効果で即座に修復され、それがまたバラバラになる。
「雫君!頑張って耐えるんだ!!」
ウォズが魔法で黒い球体を出現させると雫の身体が動かなくなる。
「ぎぁっ・・・!? ああああああああああああああああああっ!!!???」
それでも雫は苦しそうに激痛と戦っている。
「だ、誰かっ、助けっ・・・ゔがあああああああああああああああああああああああああ!!!!!?????」
雫が助けを求めるように再生と崩壊をつづける手を宙に伸ばす。
俺はその手を掴む。
「大丈夫だ。俺がここにいる」
ありふれた言葉しか出ない、それでも雫の痛みが和らげばいいと思い言葉と手を繋ぐ。
掴んだ手が強く握り返される。
やがて、徐々に雫の悲鳴が小さくなっていき、やがて落ち着いた。
「はぁぁぁぁぁ・・・ふぅぅぅぅぅぅ・・・・・・」
息を整え、ゆっくりと瞳を開ける。
改めてみると、雫にもハジメ達と同じ様な変化が起こっていた。
元々高めの身長が更に伸び、髪が白く染まり瞳が赤色になっている。
そしてもともといい体つきが更によくなり、出るところは出て、引き締まる所は引き締まる、更に魅力的な身体に変化していた。
雫の目に焦点が戻ると赤い顔で俺の顔を見た
「つ、士?」
「どうした雫?」
「そ、その手・・・」
「手?・・・あっ、ごめん!」
俺は慌てて雫の手を離すと白崎とウォズが似たような顔でニヤニヤしてた。
ヤロウブットバシテヤルゥ!
魔物肉を食べた雫がステータスを確認してみると、とんでもない事になっていた。
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八重樫雫 17歳 女 レベル:20
天職:剣士
筋力:320
体力:410
耐性:280
敏捷:480
魔力:380
魔耐:380
技能:剣術・縮地・先読・気配感知・隠業・魔力操作・胃酸強化・纏雷・言語理解
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ステータスが爆上がりして、魔力操作が技能に追加されていた。
「こ、こんなにステータスが上がるのね・・・」
若干引き気味の雫が自分のステータスプレートを眺めながら呟く。
それはともかく、此処からどう脱出するのかというのを聞くとウォズが、
「ここから上に行くための階段は存在しないんだ。脱出するためには必然的に下に行くしかないんだ」
との事。
やけに詳しいと思ってウォズにどうしてそんなに知っているのかと、問いかけた見ると
「もうこの迷宮含めて、すべての迷宮は攻略済みだよ」
らしい。
そんなウォズの修行を受けて迷宮攻略の準備を進めていった。
緑光石で照らされたオルクス大迷宮裏の第一層。
そこで白銀の髪の女性――ウォズが壁に寄りかかるように立ち一人『逢魔降臨歴』を眺め、本を開く。
1ページ、1ページ、何かをかみしめるようにページをゆっくりとめくる。
時々頬を赤らめたり、眉間にしわを寄せたり、微笑んだり、ハジメや士達には見せた事のない表情をしていた。
だが、あるページを境にそんな表情はなくなり、『逢魔降臨歴』を持つ手に力が籠りページをめくるスピードが速まり、乱暴にページをめくりわずかに紙が破れる。
何かを否定するように。
やがてすべて読み終わったのか『逢魔降臨歴』をパタンと音を鳴らし閉じると息を吐いた。
「やれやれ、これからどうなるのやら。
八重樫雫が奈落にやってきて、魔物肉を食べたことによる時空の変化、いやそれ以前に犬飼士の方がはるかに変化をもたらしている。か・・・」
ウォズは何かを呟き、小さく息を吐くとハジメ達の居る洞窟に戻った。
自らの
「絶対に■■を、皆を幸せにするんだよ、ハジメ君」
雫をどのタイミングで香織(士)と合流させるか
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士よ、城から連れ去れ!
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原作の香織のタイミング
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原作と同じ
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ウルの町
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フューレンで合流(錯乱)