ありふれた破壊者と魔王は世界最強   作:マサヒロ (旧名デイブレイク)

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よろしくお願いします!


七話 スゴイ!ジダイ!ミライ!

 

「ハジメェェェッッッ!白崎ィィィッッッ!」

 

オルクスに俺の叫びがこだました。

俺は直ぐに後を追おうとしたが落ちる寸前、坂上に羽交い絞めにされて行けなかった。

 

「頼む坂上!行かせてくれ!あいつらを助けに行かなくちゃいけないんだ!」

 

坂上は脳筋野郎に似つかわしくない涙を浮かべながら首を横に振った。

俺はできるだけ坂上を傷つけない程度に抵抗するがそれでも坂上は離さない。

 

「士殿!我が魔王と白崎香織は生きている!落ち着きたまえ!」

 

ウォズは何やらの魔法を使って俺を落ち着かせようとするが関係ない。そう思っていると

 

「犬飼!君まで死ぬ気か!南雲はもう助からない!落ち着くんだ!」

 

・・・此奴(天之河)は何を言っているんだ?

この時俺は理解するのに少し時間がかかった。

俺は抵抗をやめ天之河に聞いた、後ろでホッと胸をなでおろす坂上は今は無視する。

 

「なぁ、天之河『ハジメは助からない』ってどういう意味だ?」

 

「そのままの意味だ!だから落ち着け!」

 

まるで俺の中でマグマが煮えたぎるような感覚がしつつもできるだけクールに再び天之河に問いかけた。

 

「そうか・・・じゃあ白崎も助からないって事でいいな」

 

「なっ!俺はそうは言ってない!香織は無事だ!」

 

やっぱりそうか。

此奴は持ち前のご都合解釈で、ハジメは死んで、白崎が生きていると考えている(思い込んでる)のか。

俺呆れて声を出さないでいると天之河は落ち着いたと勘違いしたのかクラスメイト達に撤退を促し始めた。

 

 

「雑談とは・・・随分と余裕ですねイレギュラー」

 

俺達の直ぐ傍で機械的で冷たい声色が響いた。

咄嗟に俺が振り向けば、ハジメを奈落に落としたフードの人物・・・声色から恐らく女の姿があった。

銀色の魔力光を纏わせた双大剣を、重さを感じさせずに振り下ろす。

 

「余裕だからね」

 

だが、双大剣はウォズを両断する寸前に不可視の障壁に阻まれて動きを止める。

己の双大剣を止められたフードの女は僅かに瞠目する――が、その障壁が少しずつ消滅しつつあることに気付くと、更に魔力を注ぎ込み押し込んでいく。

フードの女から噴き出した銀色の魔力が周囲の空間を軋ませる。フードの女が発する膨大な魔力が暴風を起こし、女の素顔が露になった。

顔や髪色は一卵性双子じゃないかと思うほどウォズにそっくりだったが肌や耳は魔人族特有のもので意味がよくわからん。

特に違うのは瞳でウォズはしばみ色の瞳なのに対し女は生気のない人形のような瞳をしていた。

 

「足元にご注意を――“禍天”!」

 

すると女の上に黒い球体が現れると同時に引き寄せられるかのように石橋に叩き付けられる。

しかし女は重い腕を振り上げるように黒い球体を切り裂くとすぐに立ち上がる。

だが、ウォズにとってはそれだけで十分だったらしく虚空から黒と緑のドライバーを取り出した。

 

【ビヨンドライバー!】

 

ウォズは腰にビヨンドライバーを当てるとウォズの腰をスキャンし収納されていたベルトがウォズの腰にドライバーを固定させる。

 

「ビヨンドライバーまで・・・アンタ本当に何者だよ・・・」

 

俺は、問いを零したがそれに答える事なくウォズは懐からライドウォッチ『ウォズミライドウォッチ』を取り出した。

 

【ウォズ!】

 

ウォズはミライドウォッチをマッピングスロットにセットし、その流れでウォズはスターターを押し、ライドウォッチを起動させていた。

そして、ミライドウォッチの能力()を制限していたゲートが解放される。

 

【アクション!】

 

ウォズの背後に展開されるスクリーンでは歯車が回転を繰り返し、その横ではリューズが回っている。

まるで、それ自体がスマートウォッチを思わせる形だ。

ウォズを取り囲む緑の光が点となり、線となりウォズの体を包んでいく

右腕を大きく一周させ、戻した右手でクランクインハンドルを倒した。

 

「変身!」

 

【投影!】

 

ミライドウォッチの内蔵するデータをミライドスコープに投影。

同時に、ウォズの周囲の緑の光がどこかジオウの変身シークエンスを思わせる球体を形作り、完全にウォズの姿を覆い隠した。

 

【フューチャータイム! スゴイ!ジダイ!ミライ!】

 

ビヨンドフューチャーライザーが実体化させたデータを基に各種装備が球体に投影され、ウォズの体に装着されていく。

 

【仮面ライダーウォズ! ウォズ!】

 

シルバーとブラックそしてライトグリーンで構成されたアーマーにスクリーンから飛び出した『ライダー』の文字が複眼に収まり変身が完了した。

 

「祝え! 過去と未来を読み解き、新たなる歴史を記す預言者――その名も仮面ライダーウォズ! 未来の創造者である!」

 

「未来を創造するのは我が主のみです、イレギュラー。貴女は此処でピンクのイレギュラーと共に排除します」

 

ピンクじゃない、マゼンタだ!

 

「笑止、ただ餌を食い荒らす事しかできないイナゴの群れ如きに私に敵うとでも?」

 

【ジカンデスピア!ヤリスギ!】

 

ビヨンドライバーから放たれたエメラルドグリーンの光が投影した同色の刀身を持つ槍『ジカンデスピア』をウォズが掴み取り、障壁を突破した双大剣をジカンデスピアで受け止める。

 

「・・・何故分解されない?」

 

「なに、君達の“分解”は見飽きたからね。当然対策済みだ」

 

女が手に持つ銀光を纏う長さ2メートル近くの大剣はそこにあるだけで威圧感を感じるものだが、あの双大剣の恐ろしさはそこでないと俺は確信していた。

双大剣の本当の恐ろしさはウォズが言っていた“分解”にある、恐らくそれは文字通り触れるだけであらゆるものを分解すると言う事だ。

まるで、仮面ライダークロノスの『ポーズ』並み、いや、それ以上のチートだ。

だがウォズは未来で女と同じ“分解”を持つ奴と戦ってきたのかその対策をしていたのか、エメラルドグリーンの光を纏ったジカンデスピアは“分解”を跳ね除ける。

女は双大剣をクロスして構えるとウォズもジカンデスピアを構えお互いに突っ込んだ。

 

「はぁっ――!」

 

右之大剣による唐竹の斬撃をジカンデスピアで受け流したウォズに、絶妙なタイミングで左之大剣が胴を狙って横薙ぎに振るわれる。

 

【ジカンデスピア!カマシスギ!】

 

その一撃を左にずらしたジカンデスピアをカマモードに一瞬で切替え右之大剣と左之大剣を纏めて上に弾き飛ばし、その隙にウォズは新たに投影したジカンデスピアで斬りかかる。

だが女は緑色の軌跡を描くその攻撃を半身になる事で回避しその勢いのまま下から右之大剣を振り上げた。

 

「ふっ!」

 

ウォズは足裏に銀色に菫色が混じった色の魔力を集中させるとその足を振り上がってくる大剣に乗せその勢いに逆らわずに空中に跳び上がり何回か回転した後石橋に着地した。

踏み込んできた女に対してウォズもまた一歩を踏み込む。互いに至近距離で相手の武器を躱し、逸し、弾き、超接近戦を繰り広げる。

 

 

・・・だけどこのままでいいのか?

仮にも俺には世界を破壊して世界を繋ぐ力がある。

さっきのウォズの言う事が本当なら目の前の女は虫みたいにたくさんいるって事だ。

そいつら相手に毎回逃げるのか?

そんな調子だったら家に帰るどころかこの世界で生きていく事も出来なくなる。

それだけはごめんだな。

 

「ウォズ、代わってくれないか」

 

未だに双大剣をジカンデスピアで防ぎつつ反撃するウォズに声を掛けた。

 

「正気かい士殿、君の力ではまだ・・・」

 

「ウォズ『それでもだ』、此処で逃げたら俺はきっと前に進めない、きっと一生逃げるだけになる、そんなんじゃ王になったアイツ(ハジメ)に顔を合わせれないからな」

 

「・・・分かった士殿、だがいざという時は」

 

「分かってる、それとウォズ思ってたんだがその『殿』って言うのはやめてくれ、むずかゆいから」

 

するとウォズは困ったような、やれやれというな仕草をした後

 

「分かりました、では存分に戦うといい士君(・・)!」

 

「あぁ!」

 

 

 

 

「わざわざ死にに来ましたか、イレギュラー」

 

「ふざけんな、俺はまだ死ぬ気は無いね。それに、これは俺の自己満足だ。前に進むためのな」

 

「いいでしょう。その自己満足すらも打ち砕き貴方を絶望させてから殺します、イレギュラー」

 

「殺れるのならかかって来いよ、木偶人形が」

 

俺はライドブッカーをガンモードに変え一歩踏み出した。

 

「ハァッ!」

 

【ATTACKRIDE!BLAST!】

 

俺は走り出すと同時にカードをセットし女に発砲した。

だが、女は計画通り(・・・・)に双大剣を盾のようにクロスして構えブラストの銃撃をすべて防いだ。

女は双大剣から響く衝撃を感じなくなるのを確認すると一瞬で俺に接近し右之大剣を振り下ろした。

 

「うおっ!?」

 

俺は身が凍るような恐怖を味わいつつも必死にソードモードに戻したライドブッカーを右之大剣の腹に滑り込ませ大剣の攻撃軌道を僅かに逸らしきることができたが、途轍もない衝撃が俺を襲いその硬直が俺にわずかな隙を生じさせた。

女はその隙を見逃さんと言わんばかりに追撃を始め、俺もその追撃に備えた。

だがどの攻撃も当たったら即死と感じる圧倒的な威力で双大剣の攻撃が俺に流星のように降り注ぐ。

とてもじゃないが反撃を差し込む隙なんて無い。

俺は全神経をパリィとステップで防御に集中したがそれでも一撃の威力が凄まじく、時々の防御の綻びを縫った攻撃がディヴァインアーマーを掠めその部分が分解される。

 

「ハアッ!」

 

「ぐっ!」

 

俺は一度距離を置くためバックステップをしつつ右之大剣を蹴り後方に跳び一枚のカードをスロットに差し込んだ。

 

【ATTACKRIDE!INVISIBLE!】

 

「なっ!」

 

そのカード――インビジブルの効果で俺は姿を消し

 

「ハァァァッ!!」

 

「ぐっ!」

 

その隙に女の後ろに回り込み無防備な背中に蹴りをたたき込んだ。

だが、女は直ぐに体勢を立て直すと同時に右之大剣を胴目掛けて振り上げ、更に左之大剣で追撃の逆風の斬撃を放った。

だが俺はそれを左之大剣を蹴り上げるようにバク中で回避しつつ女の心臓を狙い打った。

しかし女は咄嗟に右之大剣を身を守るために構えると

 

「?!何故この程度の攻撃で・・・」

 

嫌な音を立てて大剣が真っ二つに折れた。

これが俺の計画で、ブラストを当てた所も跳んだ時も今の銃撃が当たった場所も全てウォズがジカンデスピアの攻撃を受けたもしくはジカンデスピアの攻撃が当たったところを一点集中して狙った。

これで少しは勝てる確率が上がる!

そう思っていると銀髪の女は背中から銀色に光り輝く一対の翼を広げる。

「バサッ」と音を立てて広がったそれは、銀の魔力だけでできた魔法の翼みたいだ。

片方が折れた双大剣を前に突き出すと、銀翼を螺旋状に絡ませていく。

分解能力を秘めた銀色の魔力が燦然と輝き、空間が神秘的な輝きで満たされる。

 

「それが切札(ジョーカー)か?なら付き合ってやるよ!」

 

【FINALATTACKRIDE!DE-DE-DE-DECADE!】

 

俺はライドブッカーからファイナルアタックライドカードを取り出し、スロットに差し込んだ。

銀色の魔力を双大剣の先端に束ねる女と俺の間に十枚のカードの幻影がズラッと並ぶ。

 

「この世から塵も残さず消えなさい!イレギュラー!」

 

「そのセリフ、そっくりそのまま返してやるよ!」

 

俺が跳び上がると女も弾丸になって空間そのものを抉りながら俺に迫る。

それを俺はカードの幻影を抜け加速した跳び蹴り(ライダーキック)で迎え撃つ。

 

「うおおぉぉぉ!」

 

「はああぁぁぁ!」

 

必殺と必殺が激突する。

銀の魔力とマゼンタのバーコード状のオーラがぶつかり合い太陽フレアの如き衝撃波を巻き起こす。

だが、その均衡もすぐに傾き始めた。

僅かにだが俺が押され始めたのだ、少しずつマゼンタのオーラが銀の螺旋に呑まれ始めた。

それでも

 

「諦めて・・・たまるかぁぁ!」

 

俺がライダーキックに更に力を籠めると

 

ビキッ!

ビキビキッ!

そんな音を立てて女の元々折れていた右之大剣のみならず左之大剣も完全に砕け散った。

攻撃と防御、二つの要を失った女に逃れる方法は無く女はその胸に蹴りを受け石橋に着地した俺の後ろで大爆発を起こした。

 

 

 

俺は戦いの余韻を感じながら変身を解除すると女の所に行った、まだかすかに息はあるようだが助からないだろう俺の顔を見るなり

 

「イ・・・レギュ・・・ラー・・・」

 

恨めしそうにそう呟いて死んだ。

その様子を見ていたウォズは驚いたような、天之河や一部のクラスメイトは非難するような視線を向けてきて、雫はどこか苦々しい表情で俺を見ていた。

 

「まさか士君の今の力で倒してしまうとは・・・もはやこの本も役に立たないかもしれなね」

 

「いや、ウォズお前にはハジメを最高最善の魔王『オーマジオウ』にする役目があるだろ。その為にはその『逢魔降臨暦』が必須だろ?」

 

「確かに、その通りだね」

 

そんな事を話しながら戻ろうとすると何か光を反射する物が視界に入った。

 

「ん?」

 

俺は気になりそれを探すとハジメが落ちた場所の近くにあった。

駆け寄って見てみるとそこにあったのは『ジオウライドウォッチ』だった。

 

「何てことだ・・・」

 

ウォズが絶望の声色で呟いた。

俺は嫌な予感を振り払うとライドウォッチを持ち上げ、コートのポケットに突っ込んだ。

俺は団長の所に戻ると天之河がツカツカと駆け寄り

 

「おい!何で彼女を殺した!殺す必要はなかっただろ!」

 

「・・・は?」

 

「ちょっと待て・・・やっぱ何言ってんだ?」

 

俺は眉間に左手を当て右手で静止しつつ聞き返した。

 

「ちょっと光輝!士は私達を助けてくれたのよ!」

 

「雫は黙っていてくれ!犬飼、何故彼女を殺した!話を聞かない限り仲間とは認められない!」

 

雫は天之河を止めようとしたが今までのツケが回ってきたのか暴走列車のようにご都合解釈がとめどなく加速していった。

俺は少し面倒だが一応弁明はしようとすると、

 

「あのな天之河おウエッ!

 

その場で途轍もない嫌悪感に襲われ、吐いてしまった。

これじゃ弁明できないなと、思っていると

 

「あの戦いはお互いが全力を出し、その結果あの女が死んだだけだ。いずれ君達も経験すべき事を士君は先にそれを済ませただけだよ?それを否定するのかい勇者(笑)君?そうですよね、団長殿?」

 

ウォズは代わりに弁明してくれた。

 

「あ・・・ああ確かにそうだ。士、礼を言うありがとう、俺達を助けてくれて。そしてすまない、人殺しを経験させてしまって」

 

「メ・・・メルドさんまで何を言っているんですか!・・・まさか!俺達を混乱させてその隙に全員殺すのが目的だな!彼女と戦ったのも俺達の目を誤魔化すためだ、仮面ライダーの力が勇者である俺に与えられなかったのもこれで腑に落ちる!もしかして、無能の南雲や犬飼にライダーの力があたえられたのは二人を洗脳してから俺達を襲わせるためだな!汚い魔人族め!ここには沢山の仲間達がいる!お前は今度こそ倒す!」

 

天之河は長々と意味の分からん持論を繰り広げ聖剣を構えると檜山達だけがそれぞれの武器を構えた。

ウォズはやれやれと呟き腕を軽く振り、つっかかて来た馬鹿どもを吹き飛ばすと変身解除しウォズは首元からマフラーを引き抜く。

すると、蛇のように動き出したマフラーはウォズの体を覆い隠し、一瞬にしてその場から姿を掻き消してしまった。

 

 

その後俺達はホアルドに戻り団長は例のトラップとハジメと白崎の死亡報告をしに出掛けて行った。

だけど俺は二人が死んだとは考えない。

 

「そうだろ、ハジメ・・・」

 

俺は月明かりで輝くライドウォッチを眺めながらそう呟いた。




因みにウォズがライドウォッチを見て絶望したのは落ちるとはわかっていたので覚悟はしていたが、変身解除された時にハジメがライドウォッチを落としていたとは思っていなかったためです!
次回もお楽しみに!


・・・ウォズの口調あってるかな?

雫をどのタイミングで香織(士)と合流させるか

  • 士よ、城から連れ去れ!
  • 原作の香織のタイミング
  • 原作と同じ
  • ウルの町
  • フューレンで合流(錯乱)
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