悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!? 作:蒼天 極
『悪いね。アタシはもう魔法少女続けられないみたいだ……。お前だけだったんだけどなぁ、アタシのことこんなに慕ってくれるの……』
『……せっかくだ。形見ってわけじゃないが、アタシの変身アイテムはお前にやるよ』
『え、変身できない? そりゃそうだろう、前から言ってるけどお前の本性ってなかなかエゲツないし、魔法少女じゃなくて悪の力の方がよっぽど才能あるからなぁ。キッカケあればとんでもない化け物になるぞお前』
『……え? じゃあなんで渡したのか? そりゃ部屋にでも飾ってもらうためさ。私がいたって事を忘れないようにな』
『……忘れるつもりはない? ハッ、その言葉覚えたよ。それじゃあな、
ピリリリリリリ ピリリリリリリ
「ん〜……」
…………随分と懐かしい夢を見た気が……気が……私どんな夢見てたっけ?
まぁ良いや、さっさと私と妹の分の朝ごはんと弁当作らないと……。
あ、皆さんどうもおはようございます。私の名前は杜乃えりす、どこにでもいる普通の女子中学生。
お母さんがお仕事忙しいくて、朝早くから夜遅くまでお仕事で家に帰ってこないから、我が家の家事は私が一手に引き受けています。
と言うわけでお母さんが起きる前にさっさと朝ごはん作らないとね。
「ふわぁ……おはよう、えりす」
一通り料理を作り終えて、後はお母さんの分のお弁当箱に料理を詰めるだけと行ったタイミングでお母さんが起きて来た。
くそぅ、間に合わなかったか……。
「おはようございます、お母さん。朝ごはん作ったから食べちゃってください。お弁当もすぐ出来ますからね?」
「うん、いつもありがとうね。それじゃ、いただきまーす」
今日の朝ごはんは無難に白米とお味噌汁と卵焼き、そして簡単なサラダだ。
流石に私もこれから学校とかあるから手抜きではあるけれど、お母さんは料理を食べながらホロリと涙が溢れる。
「はぁ、こんな真面目でしっかりした娘がいてお母さん嬉しいわ……。あなたのおかげでお母さん最近楽できてるわ〜」
「仕事忙しいからこれくらいは」
それに食費が余ったら懐に納めて、そのお金で喫茶店にスイーツ食べに行くような親不孝者は真面目って言わないよ。
タダでさえお小遣い貰ってるのに食費の横領なんてなんて酷い子なのかしら!! 今は亡き師匠が見たら驚いて腰を抜かすに違いない。アーハッハッハッハ!!
「……えりすったら悪い顔してるわねぇ」
「……ナンデモナイデスヨ?」
その後お母さんがお仕事に出かけてから一時間後可愛い可愛い妹を起こしに行く。
「朝ですよ〜。起きて下さいこりすちゃん?」
「……ん〜」
私の声でまだ小学生の我が妹、こりすちゃんがゆっくり身体を起こす。
きゃわわ〜、寝起きのこりすちゃんマジ天使〜!!
「おはようございます、朝ごはんできてるので顔を洗ったら食べに来て下さいね?」
「ん」
「後またお部屋をこんなに散らかして、今日学校から帰って来たら一緒にお片付けしますよ?」
「…………」
すっごい嫌そう!
でもその辺に散らばった、ぬいぐるみとかを踏んで転んで怪我しても大変だ。それに明らかにボロボロのものがあるし、そう言うのは思い切って捨てさせた方が良いかもしれない。
うぅ、私が裁縫とかできたら修理してあげられるんだけど……裁縫とかだけはどうしても無理なんだよね……。
「それで車に気をつけて行くこと。最近ここら辺でも悪の組織の人が出没してるから気をつけるんですよ?」
「ん」
「あと今夜はこりすちゃんの好きなカレーですので、楽しみにしていて下さい!」
「ん!」
その後こりすちゃんと一緒に自宅を出て、こりすちゃんは小学校へ、私は中学校へ向かう。
おや、前の方にいるのは……?
「うてな、おはようございます。……おや、なぜそんな明日世界が滅ぶと知ったような絶望した顔を? ……まるで推しの魔法少女に酷いことしてしまった、生きていけない死のうと言った……」
「……な、なんでもないよ! ……おはよう、えりすちゃん…………はぁ」
むむ、これはなんともな落ち込み具合。ここは一人の友人としてうてなを元気づけてあげなければ……!!
「そう言えばうてなは今週の魔法少女特集を見ました? 最近はマジアマゼンタ、マジアアズール、マジアサルファの三人が有名みたいですね」
「そうなの!」
「うわっと!?」
先ほどまで一切の光を持たなかった彼女の瞳は途端に光を取り戻し、私に詰め寄って来た。
「トレスマジアは最高なの! 元気いっぱいなマゼンタに、クールなアズール、そしてミステリアスなサルファ……絵に描いたような理想の魔法少女だよ!! えりすちゃんもトレスマジアに興味あるなら、雑誌とかDVDとか貸して……でも私そんな人達に酷いことを…………」
「おや、また光を失って……」
あー、うてな完全に落ち込みきってるよ。これは現場にいなかった私が何を言っても立ち直ってくれないパターン。
…………。ニヤリ
「うてな、うてな」
「……なに、えりすちゃん?」
「少し……頭冷やそうか」
「ひぃ!? ……ってやめてよ私あれはトラウマなんだから!!」
フフフッ、魔法少女とは名ばかりの熱血バトルアニメ三期、某管理局の鬼教官となった主人公の名言を知っているとはうてなもなかなかやるではないか。
だが「でもあのシーンの後のやられシーンはなかなかに……ウフフフフフフ」と言う発言、小さいながらも聞こえているぞ?
「学校までまだ距離あるし、少しその件についてO☆HA☆NA☆SHIしようではありませんか?」ニッコリ
「ひぇえええ〜、お手柔らかにお願いします〜!」
「あれが杜乃えりす……うてなに勝るとも劣らないすごい才能だ。その才能、そのままにしておくのも勿体無いね」
杜乃えりす
年齢──14歳
誕生日──7月7日
好きな食べ物──甘いもの全般、辛いもの全般
嫌いな食べ物──酸味のある食べ物
最近の楽しみ──放課後に喫茶店のスイーツ巡りをする事
宝物──師匠と呼び慕っていた魔法少女、マジアカーネリアンの変身アイテム(変身不可)