悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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一緒に自爆しましょうか!

 飛行機事故から翌日、疲れが取れないながらも無茶して学校に来た私は、放課後うてなに呼び出されていた。

 

「……ごめんお待たせ〜」

 

「いえいえ。それで、追試は大丈夫だったんですか?」

 

「うん、キウィちゃんが教えてくれたからなんとかギリギリ……」

 

「え、キウィって頭いいんですか? バカだと思ってたんですが……」

 

「うん、今回のテスト超簡単だったんだって。……あと、キウィちゃんが聞いたら怒るよ?」

 

 大丈夫ですよ、ここにいませんし。それにしても勉強できる……というか今回のテストを超簡単と言ってのけるとは相当頭がいいみたいですね……。

 私も成績には自信あるんで次のテストで勝負してみましょうか?

 

「それで今日呼んだ理由なんだけど……」

 

「察しはついてます。続きは変身して話しましょうか。マジアベーゼ?」

 

「……流石ですねノワールちゃん」

 

 うてなはいつもベーゼ状態のときにするようなドSな表情を浮かべると、トランスアイテムを取り出して「変身(トランスマジア)」と唱えてマジアベーゼに変身する。

 それをみた私もトランスアイテムを取り出してノワールモードになった。

 

「それで、私を呼び出してどうしたんです?」

 

「……昨日は随分大活躍だったみたいだね?」

 

「別に活躍したかった訳じゃないんですがね。あの飛行機私の家に落ちそうだったから動いただけですし」

 

「え? それは大変だったね……。まぁ行動の理由はさておき、ニュースで飛行機の件を知った後にSNSを調べてみたらノワールちゃんの活躍がしっかり投稿されててね、ハッキリ言って凄いと思ったよ」

 

「ありがとう。……ですがテスト前にSNS見るなんて何考えてるんですかあなたは? 私が昨日マゼンタの対応した意味ないじゃないですか?」

 

「ノワールちゃんが悪いんだよ? タダでさえ一昨日の一件で不完全燃焼だったのに、あなたがまるで魔法少女と見違えるほどの姿を見せるから…………あのカッコよかった姿をメチャクチャにしたいって思っちゃったじゃないですか♡」

 

 そう言ってベーゼは懐から鋏を取り出すと、それを鞭で叩いて魔物に変えて私に襲い掛からせる。

 って随分と不意打ち気味ですねぇ!! 戦うのは分かってましたけど、練習試合みたいに始めって合図しましょうよ!!

 

「さぁ、避けてるだけじゃあなたの恥ずかしい姿が見えてしまいますよ!?」

 

「でしょうね。ならばそろそろ────っ!?」

 

 直後目の前がカッと光り輝き私の視界が潰される。うてなは懐中電灯も持参していたようで、それで私の目を潰したのだ。

 直後私の身体を守っていた衣服がなくなり、外の風をダイレクトに感じる。

 どうやら視界を潰された隙にドレスを切られてしまったみたいですねぇ…………。

 

「ほらほら、隠さなくていいんですか? 恥ずかしいところが見えちゃってますよ?」

 

 ……あ、本当ですね。

 ようやく視力が戻り確認してみると、ハイヒール以外の身に纏っていたものは全て切り刻まれて地面に落ちていた。……つまり今の私は裸という事。

 

「私の身体を傷つけずに服だけ斬るなんて匠の技を感じますねぇ」

 

「……あの、隠さなくていいんですか?」

 

 自分の身体が怪我していない事に関心していると、鼻血を出しながらそう尋ねてくるベーゼ。

 はて? この子は何を言ってるんでしょうか?

 

「甘いですよベーゼ、私に羞恥心なんてもの……あるわけないじゃないですか?」

 

 別に裸を見られたからなんだというんです?

 ノワール状態じゃどこの誰って言うのが分からないから、第三者に見られても世間体とか気になりませんし、別に見たけりゃ見せてやりますよ。私の裸なんて見られて減るものでもありませんし。

 

「……以前、胸部分を破ったときも恥ずかしがってなかったのはそういう事だったんだ。……でも辱める以外にも方法があるということを教えてあげましょう!!」

 

「やれるものならどうぞ! せっかくですし、私も少し遊ばせていただきましょうか!!」

 

 ベーゼも欲望全開で遊んでるんだ。私もちょっとくらい本性を出してもいいでしょう。これからの関係が壊れない程度にいたぶるとしましょうか!

 ベーゼが鞭で縄や地面なんかを叩き、色々なモンスターを作り出したが、アニメで見るような火球を具現化するとそれをモンスター達に投げつける。

 

「知ってますかベーゼ、今回呼び出したモンスターって全員燃えるんですよ!!」

 

「っ! 火そのものをも具現化出来るんですか? 本当に常識はずれな力ですねぇ!!」

 

 ですがそれを知って喧嘩を売ったのはベーゼでしょう!?

 いつも通り腕を召喚して数の暴力でベーゼを取り囲む。

 

「これはこれは……四面楚歌ですねぇ」

 

「先に仕掛けたのはあなたです。覚悟はできてますね?」

 

 と言っても私とベーゼの仲です。私と同じように全裸にひん剥いて全身引っ叩くだけで許して差し上げますよ。

 もっとも手のひらに紙ヤスリ巻くんで普通のビンタより痛いでしょうけど!!

 だがそんな絶体絶命な状況の中ベーゼはニヤリと危険な笑みを浮かべた。

 

「この腕……使わせてもらいますよ?」

 

 そう言ってベーゼがペシンと腕を鞭で次々と叩いていくと、直後叩かれた腕は別に命令していないのに自立稼働を始める。

 

「まさかコントロール権を奪うとは……とんだ泥棒猫ですね」

 

「誉め言葉と受け取っておきましょう!」

 

 その言葉と同時に襲い掛かる無数の腕……。

 この程度また具現化した別の腕で迎え撃てば────っ!?

 直後視界がかすみ、身体に力が入らなくなる。

 この感じ昨日の魔力の酷使での!? 昨日ほど魔力を使ってないのに……なるほど、昨日の疲労が回復しきってなかったみたいですね。

 

「くぅ!」

 

「捕まえましたよノワールちゃん?」

 

 四肢を掴まれしっかりと拘束された私の前に立つベーゼ。

 うん、そりゃあ対応が遅れれば捕まりますよね……。

 

「ノワールちゃ……えりすちゃんってくすぐりに弱かったですよねぇ?」

 

「……っ!? アハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

 いったい今回はどういう責めをするかと思ったがくすぐりとは……私の友人やってたからこそ知っている弱点ってわけですか!!

 しかも今や私が召喚した腕はベーゼの支配下、ベーゼ自身のを含めた無数の手が私の弱いところを的確に突くからタチが悪いですねぇ!!

 後さりげなく胸揉んでますけど、自前のが慎ましいからって八つ当たりしないでくれます?

 

「ん? ここが弱いんですか? 首筋もダメでしたよねぇ?」

 

「ぐ……く! ……アハハハ!! ……ぐぅ」

 

「おやおや、我慢してますねぇ……前回みたいに拘束から脱出したらどうですか……? あぁ、それともくすぐられてイメージに集中できない?」

 

「アハハ……ゲッホゴッホ…………ヒィ、……えぇ、集中できません…………少しくらい手加減していただきたい……ところ……ですが……!」

 

「ダメでーす♡」

 

「く……うぅ……アハハハ!!」

 

 そう煽りながら腕を操作して私の脇や首筋、内股なんかをくすぐるベーゼ。

 具現化は頭の中でしっかり形やどう言う特性を持っているかなんかを意識することが重要。くすぐられてそのイメージをまとめる時間が無ければ何も出来ないのが辛いところ……。

 ……ですが、いくら拘束したからと油断しすぎじゃないですかねこの子は!!

 

「~~あぐっ!!」

 

「いったぁああああ!? まさか噛みついてくるなんて……!!」

 

 手足を拘束していたとしても、こんなに無警戒で近寄っていたら噛み付くことは出来るんですよ。

 不意打ち気味に噛み付いたことでベーゼは怯み、無数の手のくすぐり攻撃も弱まった。

 おそらくこれも一瞬なのでとっととこの状況を突破できるものを生み出すとしましょう。

 

いっひょひひはふひはひょうは(一緒に自爆しましょうか)!!」

 

「え……こ、これってレオちゃんの手榴弾!?」

 

 突如私とベーゼの間に現れた手榴弾に、咄嗟にバックステップで逃げようとするベーゼだが、私が噛み付いているため後ろに下がれない。

 大丈夫ですよ。裸の私の方が被ダメージ多いんで! だから諦めて爆発に巻き込まれちゃいなさい♡

 

「ぎゃぁあああああ!!!!」

 

「あぁああああああ!!!!」

 

 

 ◇

 

 

 〜翌日〜

 

「あ、うてなちゃんえりすちゃんおはよう! ……ってどうして二人とも全身に包帯巻いてるの!? ミイラみたいだよ!?」

 

「えっと……」

 

「おはようはるかさん。いえ、大した理由ではないんですが……昨日うてなのお菓子作ってたら電子レンジが爆発しまして、二人仲良く巻き込まれたんです」

 

「えぇ!? だ、大丈夫だったの!?」

 

「大丈夫なら包帯巻いてませんよ……」

 

「そ、そうだよね。えっと……お大事にね?」

 

 …………うん。

 私も昨日はスイッチ入ってたからついついやってしまったけど、次からは自爆は無しにしましょう。

 日常生活に支障が出たら溜まったものではありません……。




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