悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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※原作Episode7はうてなとキウィのデート回なので飛ばします。



もう我慢できないんです……!

 うてなとの勝負で、飛行機事故の際に無茶をした疲れが残ってしまっていた事が判明したため、週末は買い出しとスイーツ以外では家を出ずにゆっくり療養に務めて無事完全回復。

 ですが今回のうてなとの戦いで、私には一つ大きな問題が残ってしまっていた。

 

「む〜……」

 

「えっと……どうしたのえりすちゃん?」

 

「いえ、前回の戦いでは結局うてなばかりが楽しんだでしょう? だからぶっちゃけ不完全燃焼なんですよ……」

 

 ただでさえ普段自重しているのに、せっかく得たチャンスを逃してしまったからなんだかムラムラしてしまっているのだ。

 え、手榴弾で自爆した件? 私もダメージ受けて気絶したんでノーカンですノーカン。

 

「ねぇうてな? 放課後あなたの鳩尾にネイルガン108回くらい撃ってもいいですか?」

 

「え、私に死ねって言ってる? ……って先週は半ば無理やり付き合わせちゃったから怒るのも無理はないよね…………ごめんね?」

 

「あ、いえ、先週の件は別に怒ってないですよ。……ただこの際誰でもいいので血まみれになった死体を作りたいだけなんです」

 

「いくらなんでも物騒すぎない!?」

 

 青い顔して距離を取るうてな。

 いくらなんでもあんまりじゃないです? あなたも結構なエロ趣味持ってるんだから、私のグロ趣味に引かなくてもいいでしょうに……。

 逃げるうてなににじり寄っていると、背後からはるかさんが話しかけてくる。

 

「あ、ねぇうてなちゃん、えりすちゃん! 良かったらおひる一緒に食べない!?」

 

「え……? あ、えっ……」

 

「イヤじゃなければだけど……」

 

「い……いやそんなことは。大丈夫だよね、えりすちゃん?」

 

「そうですね。せっかくですしご一緒しま「う〜てなちゃんは〜!! ア〜タシといっしょにご飯するの〜!!」……うわぁ、来ちゃいましたよ…………」

 

 不真面目な授業態度を咎められて先生に呼び出されていたキウィがうてなに抱きつく。

 ねぇ、うてな? 今首がグキッて言いましたけど大丈夫ですか? 苦しかったらこれ以上苦しまないようにトドメ刺してあげるので、遠慮なく言って……ってみんなの前でそれはアウトですね。

 

「このドロボー猫、うてなちゃん盗ろうとしたでしょ〜!!」

 

「えぇ、そんなことしてないよ〜!?」

 

「ばーかばーか!! あんたらはえりす含めた四人でねこまんまでも食ってろっつーの!!」

 

「あ、あたしのご飯はなめたけだよ!?」

 

 相変わらずうてな好きですねぇキウィは……。ところでいま喧嘩売りました? 売りましたよね? まーだ自分の立場が分かってないんですか?

 近いうちにまた締めようか考えていると、無言で席に座って様子を見てた薫子さんが口を開く。

 

「はるか、先約があるならええんやないの」

 

「あ、そうだね薫子ちゃん」

 

「よろしおすなぁうてなはん。優しい友達がおって……ん?」

 

 やたらとトゲのある発言にキウィが薫子さんを睨むがそれでも彼女は涼しい顔で続ける。

 …………。

 

「でもその子が息苦しゅうなったらいつでも言ってくれたらええよ? 気疲れしたらかわいそやからなぁ……」

 

「そうですね。私先にこっちいるんでうてなも飽きたら来ていいですからね?」

 

「あ〜、何アンタ? と言うか、えりすまで……」

 

「ん〜、別になぁんでも?」ニコニコ

 

「ありませんよ?」ニコニコ

 

 せっかくだから薫子さんに加勢することにした。

 いきなり絡まれてバカバカ言った件に対してこれくらいしてもバチは当たらないですよね?

 

「か、薫子? えりすさんまで……」

 

「き、キウィちゃん?」

 

 キウィは私達をしばらく睨んでいたが、私と薫子さんを指を差す。

 

「貧乳ばかにウシチチばか」

 

「あんたはんみたく頭にも胸にも団子ぶら下げとるよりマシやわぁ」

 

「と言うかキウィは中途半端ですよねぇ、そう言うのを個性がないって言うんですよ?」

 

 別に私の胸が大きすぎるだけで別にキウィも巨乳なんですが、煽るにはもってこいですねぇ。

 あと薫子さん? 私に対して悪意はないんでしょうけど、その言葉は私にも突き刺さるのでもう少し言葉を選んでくれると助かります。

 

「あ?」

 

「「ん?」」

 

「キ……キウィちゃんご飯行こ!!」

 

 流石に不味いと思ったのだろう。「バーカバーカ!!」としか言えなくなったキウィを引きずって教室を出て行ってしまった。

 

「……私はご一緒してもいいですか?」

 

「えぇ、構わないけど……ねぇ薫子、どうかしたの?」

 

「なんか怒ってる?」

 

「……別になぁんも」

 

「おや、うどんなのにフォークなんですか?」

 

「コンビニの店員が箸やのうてフォークつけたんや……。ありえんやろ?」

 

「……私今日サンドイッチとサラダなんで私の箸と交換しましょう」

 

「あ、おおきに」

 

 

 ◇

 

 

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……!!」

 

 不完全燃焼の件でムラムラして勉強にも身が入らなかった私は現在ジムのランニングマシーンで汗を流していた。

 元々師匠に勧められて始めたのがキッカケではあるのだが、今ではスイーツを食べた際の食後の運動や、ストレス発散に思い切り身体を動かしたいときなんかに利用している。

 そして現在は、いつもよりハードなメニューを課してヘトヘトになるまで体力を消耗させることで、ムラムラを発散させようとしていたのだ。

 

 

「はぁああああああ!!!!」

 

「うわ、あの子すごい速度でエアロバイク漕いでる! 真珠も負けてられないわね、よーし!」

 

「やめとけ怪我しても知らねえぞ?」

 

 

「ふぅううううん!!」

 

「ゲッ、アイツ120キロのバーベルでベンチプレスしてやがる!?」

 

「あ、あんな細い腕のどこにそんな力があるの!?」

 

 

「ふぅうううう…………」

 

「あ、あんなに曲がるの!? で、でも負けないんだから〜!」

 

「おいやめとけ、素人がストレッチでそんなに無茶すると痛めるぞ!!」

 

「大丈夫よネモ!私だってやれるんだか(ゴキッ)あぁあああああああ!!??」

 

「真珠ぁあああああああ!!!!」

 

 

 ……ダメです。全っ然ダメです! 全然ムラムラが解消できません!! むしろ強まってます。さっきからうるさいそこの百合カップルをメチャクチャにしたいと思うくらいには!!

 困りました、このままでは衝動的に誰かを殺って刑務所に…………刑務所に入ったらスイーツが食べられなくて、ストレスで死ぬのでなんとしても避けたいところ……!

 

「……仕方ありません、うてなかキウィに喧嘩を売りに行きましょう」

 

 キウィはそろそろもう一度締め直さないといけないと考えていたし、うてなはそもそも私がムラムラするきっかけを作った。

 それに二人との戦いは必ずうてな達が仕掛けて来てるから、たまには私から仕掛けてもバチは当たらないでしょう。

 

「よし、そうと決まればまずはうてなの家に行くとしましょうか!!」

 

「イタタ……あの人凄かったわねぇ。きっとあれだけ運動出来るからスタイルがいいのね。スタイルの良さはアイドルになくてはならないものだし、真珠もあれくらい出来るようになる!!」

 

「いや、もうあれはアスリート並みだろ。別にお前がアイドル諦めてアスリート目指すなら止めないけどよ……」

 

 

 ◇

 

 

 早速うてなを誘って先週のリベンジをと思っていると、フォトスタジオの方で爆発音だったり破壊音が聞こえる。

 

「ん、なんでしょうか? ……まぁなんとなく想像はつくんですけど……」

 

 そこを見ると、獰猛な笑みを浮かべながら戦うサルファとベーゼとレオ、そんな彼女らになんとかついて行ってるマゼンタ。ほーら、予想通りでした。

 それにしても、どうやらベーゼ達にはとっくに先客がいたみたいですね。ならばこの疼きはどうすれば……流石にこの状態で家に帰るわけにもいきませんし……。

 

「……うん?」

 

 その直後、目に入って来たのは蔓で縛られ動けなくなってるアズール……。

 

 …………。

 

「……変身(トランスマジア)

 

 流石の私も少し発散がしたい。そんな中あんな激戦を見せられたら我慢できるわけないじゃないですか。丁度放置されてるなら少し私の相手をしていただきましょう。

 という事で、ノワールに変身してアズールの下へ移動する。

 

「うぅ……キツくて苦しい……それにこれじゃあ胸が……うぅ♡」

 

「縛られて恍惚な表情を浮かべている所申し訳ないんですがちょっといいですか?」

 

「……ぇ、の、ノワール!? べ、別に私はこの状況を愉しんでなんてないんだからね!?」

 

 ……嘘ですね。なんか縛られて興奮してたじゃないですか。

 別に実はMだったとしても私は何も言いませんよ? 私も特殊性癖の持ち主なので人のこと言えませんし……。

 

「少しお願いしたいことがあるんですが……あ、今蔓を斬りますね」

 

「あ……」

 

 拘束が解けたことに一瞬残念そうな表情を浮かべたアズール。でもすぐにブンブンと頭を振ってバチンと自分の頬を強めに叩くとキリッとした表情で「なにかしら?」と聞いてくる。

 

「……私少し……いや、かなり困ったタチでして、一言で言うなら人に深い傷をつけることに興奮を覚えるタイプなんです」

 

「え……?」

 

「ですがそれは自分でも悪い趣味だと自覚しています。故に普段は我慢してるんですけど、今日はなんだかついた火が中々消えなくて……もうはっきり言っちゃいますけど、人をズタボロにしたくてもう我慢できないんです……!」

 

「えっと……それってつまり加虐趣味って事?」

 

「えぇ、ベーゼと違ってエロの入らない、かなりハードなものです」

 

「それを悪い事って自覚してるのはいい事だと思うけど、魔法少女の私にそれを言うのはどうなのかしら? 流石にそれを聞いてほっとく訳には行かなくなっちゃったんだけど……?」

 

「えぇ、ほっとかないで下さい。このままでは耐えきれず一般人を狙ってしまう危険がある……無論、何もせず傷つけられろなんて言いません。ベーゼ達のように戦って頂ければ充分なんです。……エノルミータの襲撃途中でこんな事を頼んでしまうのは心苦しく、申し訳なく思うのですが、どうかこのどうしようもない熱の発散に付き合ってはいただけませんか!?」

 

 そう言って頭を下げる。

 私自身魔法少女と敵対はしたくない。だと言うのに何も言わずに襲いかかったりなんかしたらその時点で敵認定されるのは目に見えている。

 ならばどうするべきか? 答えは簡単、自分の性癖の事を正直に打ち明けて協力して貰えばいいのだ。

 ここで断られてしまったら諦めるしかないんですが、果たしてアズールは受け入れてくれるでしょうか?

 

「……分かったわ。確かにこのタイミングで頼むのはどうかと思う。でも今のあなたが一般の方に危害を加える可能性があるならトレスマジアとして見て見ぬ振りは出来ないわ。それに……」

 

 そこまで言うと、アズールはニコリと優しい笑みを浮かべて続ける。

 

「あなたには助けられてるんだもの、今日くらいお願いを聞いてあげてもバチは当たらないわ」

 

「アズール……ありがとうございます。それでは申し訳ありませんが、胸を借りさせていただきます!」

 

「えぇ、私も全力で行くわ。さぁ、来なさい!!」

 

 アズールの杖に氷を纏わせて作った氷の刃と、具現化したチェーンソーがぶつかり合った。

 ……ベーゼやレオならともかく、協力してもらってるアズールに対してチェーンソーはあんまりですかね? 鉄パイプにしておきましょう……。




 次回、ノワール(リョナラー)アズール()

 因みに今回キウィがウシチチと言ってましたが、ノワールの胸のサイズはパンタノペスカと同じくらいです。
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