悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!? 作:蒼天 極
うぅ〜ん、今日も学校おしまいですね〜。
今日はうてなとキウィが遊びに来る日でしたね。小走りで帰って軽く家の掃除でもしたほうがいいでしょうか……
そんな事を考えていると、小夜がこちらにやってくる。
「……ねぇえりす、ちょっとこれから私に時間くれないかしら?」
「すみません、今日用事があるんですが……」
「ごめんなさい、少しでいいの。お願い!」
そう言って手を合わせて頼み込んでくる小夜。
……おそらく彼女の誘いはトレスマジアやエノルミータの件でしょうし、彼女の言う通りほんの少しで済みそうには無さそうですが……。
「……まぁうてなとキウィとはいつでも遊べますよね。仕方ありません、分かりました」
「ありがとう! それじゃあ行きましょう。ついて来てちょうだい」
「えぇ。……と言うわけで小夜に呼び出されてしまったんで、私ちょっと遅れます。最悪今回来れないかもしれません。家にはこりすと合流して入ってくれます?」
「おっけ〜、それじゃあ一緒行こ〜うてなちゃ〜ん」
「う、うん。……それじゃあまた後でね?」
◇
と言う事で小夜に手を引かれて、前回トレスマジアと修行した場所へとやって来ていた。
「……それでどうしました? ……と言ってもここにやって来たと言うとは何をするのか想像がついてますが」
「えぇ。……悪いけど私と戦って欲しいの」
小夜曰く、私の具現化の力はベーゼと同等レベルに厄介な能力。故に私を攻略する事が出来たらベーゼに勝つ事が出来るかも知れないとの事。
なるほどなるほど……確かに私の能力ならばベーゼの魔物も擬似的に再現はできるでしょうし、そういう意味でいい訓練になるでしょうね。
「予定があったのに付き合わせちゃって申し訳ないけど……」
「いえ構いませんよ。せっかくなのでベーゼのよくやる拘束系やエロ責めも加えてみます?」
直後小夜の顔が真っ赤になり俯くがしばらくしてから「……えぇ、お願い」と小さな声で言った。
そして煩悩を消すようにバシンと強く頬を叩くと、トランスアイテムを取り出す。それを見た私も同じくトランスアイテムを取り出して双方構える。
「それじゃあ、悪いけど一戦だけ付き合ってね!!」
「はい! ですが興奮してまた首を絞めてしまっても許して下さいね!!」
「「
変身してノワールモードになると、同じく小夜が変身したマジアアズールと相対する。
それではいつもうてなが呼び出す植物型のモンスターでも呼び出してみましょうか。
「まずはこれを倒してみて下さい! 搦手も使うので気をつけて!」
「分かったわ!!」
植物型のモンスターの蔓攻撃を一つ一つ剣で捌くアズール。事前に搦手も使うと事前情報を伝えていたからか、地面からの不意打ちにも上手く対応できていますね。
ですが……
「ベーゼのような拘束やエロを足すとは言いましたが、ベーゼを100%再現するわけでは無いんですよ!!」
「あ!?」
ベーゼは基本この手の蔓なんかは拘束にしか使わないが、蔓は鞭として相手を引っ叩けたり、近くの岩なんかを投げ飛ばす事が出来る。先ほどのように拘束をする前提の戦い方から、攻撃前提の戦い方にシフトチェンジすると、一転して立場が逆転した。
「うっ……あぁ……!!」
「防戦一方になってますね……ここはダメージを覚悟で思い切り攻撃をしてみてはいかがですか?」
「く……うぅ……」
「……ふむ、拘束」
「あ……!」
蔓に氷の剣をはたき落とされて、鞭のようにベシンベシンと叩かれて、すっかり怯んだアズールを蔓で縛り上げる。
私ならばこの場で手足の骨を折るなりして抵抗できなくするからゲームセットにしますけど、あくまでベーゼ戦のリベンジを想定しているため、今回はこのまま続けさせていただきましょう。
「あ……く……」
「これからあなたをキツく縛り、ベーゼがやるようなイタズラをさせていただきます。なんとか脱出して下さいね?」
「……ッ! えぇ、分かった……! ん……あぁ!!」
動けなくなったアズールを骨が折れない程度の力で縛り上げて、服を破り素肌を露わにしたり太ももやお尻を撫でたり、胸を揉みしだいたりする。
……こう言うのを役得って言うんでしょうが、エロで興奮しないタイプなんであまり面白くないですね。
「く……うぅ……」
「アズール。こう言う時こそ痛みや快楽を耐えながら振り解こうとするのではなく、落ち着いてどう抜け出せばいいかを考えて下さい」
「ん……あん! ……ぬけだす……?」
「えぇ。あなたには振り解く以外にこの状況を抜け出す術を持っているはずです。一度力を抜いてゆっくり自らの状況を分析して下さい」
「……抜け出す方法……ん、く……っ!!」
アズールは一度目を瞑り完全に脱力してされるがままとなるが、やがて目を見開いて以前ファンネルのように使っていた遠隔操作の氷の剣を作り出して、それで蔓を切り裂いた。
「はぁ……はぁ……や、やったわ! 抜け出せた!!」
「お見事です。では拘束から解放されたので、そのまま魔物との戦闘を続けますよ」
「うん、分かったわ!!」
◇
その後、戦闘と拘束からのイタズラ、そして脱出を何回か繰り返していたが、途中から拘束中のイタズラにくすぐりと首絞めを追加すると完全に抵抗できなくなってしまったため、アズールの敗北という事にして彼女を解放してあげた。
「はぁ……はぁ……」
「だいぶ粘れましたね。……ですが流石に首絞めとくすぐりの二重コンボはダメでしたか」
「……うん、息できなくて死ぬかと思ったわ」
「にしては随分と幸せそうな表情でされるがままだったじゃないですか。実は気持ちが良かったんでしょう?」
「……////」
顔を真っ赤にしてそっぽを向くアズール。
まぁそういう顔をしてくれたおかげで、萎えてうっかりアズールを壊してしまう事がなかったんですが。
「……次はもっと頑張らないとね。今度こそ倒せるように……」
「えぇ。ですが一つ、アズールの欠点を見つけました」
「欠点?」
「えぇ。あなたは今、痛みや苦しさで得られる快楽を否定していますよね?」
戦っていて気がついたが、今のアズールは前以上に痛みや快楽を無理やり理性で押さえ込もうとしている。
これでは動きが直感的になってしまい攻撃が単調になってしまう。
「えぇ。この感情は危険よ。一歩間違えたらあの夜と同じ轍を踏んでしまう……。だからもっと前よりも厳しく自分を律する事が出来るようにならないと……」
まぁ確かにそれはそうですよね。
一度快楽に屈してしまったからこそ闇堕ちしかけたわけですし、否定をしてしまうのもおかしくは無いですよね。
ですが……
「痛いのが気持ちいい……別にいいじゃありませんか。自分の弱みを……欠点を否定するのではなく、向き合うことで見えてくるものがあるかも知れませんよ?」
「弱みと向き合う事で見えてくるもの……」
「……まぁこれは私の師匠の受け売りな上に、私は全っ然弱みと向き合えてないんですけど」
「あなたね……」
呆れたような視線を向けたアズールであるが、やがてクスリと笑い始める。
「でもそうね。弱みと向き合う……Mな私と向き合う……ちょっとやってみるわ。今日はありがとうノワール……いや、えりす」
「いえいえ。あのとき励ましてしまった手前無碍にする事も出来ませんしね。それじゃあ私は約束があるのでこれで」
「うん。今日は私も帰って……っ!!」
変身を解除して立ち上がろうとした小夜だが、腰抜けてしまっていたのかガクリと膝をついてしまう。
……仕方ありませんねぇ。
「ほら、背中貸してあげるんで乗って下さい。自宅までお送りしますよ」
「……ごめんなさい。本当にありがとう」
◇
その後小夜をおぶって彼女を自宅まで送ると、自宅へ戻る。
「すみません遅くなりました〜……あれ、うてな? キウィ? こりすちゃん?」
こりすちゃんの部屋を開けても、私の自室を開けても家には誰もいない。
……みんなでどこかへ遊びに行ったんでしょうか?
そんな事を考えていると、こりすちゃんの部屋に転移門が現れて、青い顔をしたアリスちゃんが出てくる。
「……!」
「ただ事じゃ無さそうですね……どうしましたアリスちゃん!?」
「!!」バッ! シュバッ! (ジェスチャー)
「……え、うてなが怪我をした? ついに魔法少女にお仕置きされました?」
「!」ブンブン
……え、違う?
それじゃあ一体どこの誰が……って今はそれどころじゃ無さそうですね。
「!!」グイグイ
「治療するんですね。了解です、無論私も手伝いますよ」
再びノワールに変身すると、病院のドールハウスを持ってアリスちゃんの開けた転移門に入りズタボロのベーゼを介抱しに行ったのだった。
「まぁ! 随分とボロボロになって……なんて素敵なんでしょう!! 後は絶望がトッピングされれば最高なんですが……ねぇうてな。追い討ちをかけていいですか?」
「やめて? 流石に死んじゃう」
「いいからとっとと治療しろよこのベクトル違いのクソヤバ女〜!!」
ノワールがアズールとのデートを楽しんでいる間、どうやらうてな達はトラブルに巻き込まれてしまったようだ。
彼女らをこんなにしたのは一体どこの○ード団なんだ……!?