悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!? 作:蒼天 極
さて、ロード団の先兵であったロコムジカを倒した私とアズール。その後アズールに教えてもらいながら壊された箇所や私が壊した箇所を修理して、元通りの綺麗道路に修理できた達成感を感じながら帰宅すると先に帰って来ていたこりすちゃんが私に抱きついて来た。
「……」プクー
「あ、今日は甘えたさんですか? というかどうして頬を膨らませて……え? アズールの事をどう思っているのか? 素敵な人ですよね。私の欲求を受け入れてくれて、闇に堕ちかけて、堕ちかけたら反省して誰よりも努力を積んでいる。ぶっちゃけタイプですね」
「……」プクー
あら、頬がもっと大きくなっちゃいましたね。
もしかして妬いてくれてるんでしょうか? 可愛い子ですねぇ。
「あんまり頬を膨らませるとつついちゃいますよ〜、ほらほら〜痛!? あ、ちょっとこりすちゃん!? 噛まないで下さい、私の指はポッキーじゃありませんよ〜!!」
「(怒)」ガジガジ
うぅ、これはこりすちゃんと小夜は仲良く出来ないかもしれませんねぇ。……いやまぁ、小夜にこりすちゃんを紹介したらノワールの妹=ネロアリスってバレちゃうんで紹介できないんですけど……。
◇
それから数日後、私達はうてなの家に集まっていた。
こりすちゃんの能力や私も具現化であれやこれやをした甲斐あってすっかり元気になったうてなにキウィが抱きつく。
「え〜ん、うてなちゃん元気になって良かったよ〜!!」
「あ……ありがとうキウィちゃん……」
しばらく泣きべそをかいてうてなに抱きついていたキウィだが、「あ、そうだ」思い出したかのようにゴソゴソの荷物を漁り出す。
「こりすにこの前のお詫び持ってきたんだわ」
「お詫び? 妹になんかしたんですか? 死にますか?」
「……」ガシ
カッターナイフを取り出そうとしてこりすちゃんに止められてしまった。
なんでも前回のロコムジカ戦で二人は途中で撤退したみたいだが、逃げるときにこりすちゃんのぬいぐるみの中に閃光弾を隠してロコムジカに投げつけたせいでぬいぐるみがお釈迦になったんだと。
「そうだったんですか……。言ってくれればぬいぐるみくらい買ってあげたのに……」
「……」フルフル
え、この間もドールハウス買ってもらったのにこれ以上は私のお小遣いがなくなる?
大丈夫ですよ。不定期でバイトしてるんで、そもそもジム代にスイーツ代、それにこりすちゃんのぬいぐるみ代とか考慮したら、いくら特売で浮いた食費を懐に入れてるとしてもお小遣い足りないですし。
「……お、あったあった。ほい、オモチャな」
そう言ってキウィがこりすちゃんに渡したのは半額のプラモデル。
「…………」
「キウィちゃん。ああいうのはちょっと違うんじゃ……」
「えっ、そうなの?」
「おもちゃにもジャンルがあるんですよキウィ……」
と言うか壊したのはぬいぐるみだったでしょう? お詫びって言うなら同じもの買ってきなさいよ……。
結局、私もこりすちゃんもプラモを使った事がないため、キウィがプラモを作ってこりすちゃんに渡すと言う事になり、こりすちゃんのぬいぐるみ問題はこれで解決した事にしました。
「この間の戦い……行けなくてごめんね」
「何言ってんの全然大丈夫だって! ケガしてたんだししょうがないじゃん!」
「うぅん……でも……」
直後うてなからドス黒いオーラが噴出する。
「あんなやつらはやくたおさなきゃあいつらやっちゃいけないことしたんだもん」
「……」
「ね?」
「ねっ!」
ロード団が魔法少女狩りという逆鱗に触れてブチギレたのは分かりましたから、そのドス黒いオーラ早くしまって下さい。こりすちゃん怖がってますから。
後キウィ、何も考えずに肯定するのやめましょうよ?
「それに大丈夫ですようてな。ロコムジカってやつなら前回喉を突いてやったんで。ちょっとは懲りたでしょう」
「あ〜あれはえげつなかったよなぁ」
「ん」コクコク
「え、二人とも見てたんですか? なら加勢してくれても「なにやってるのえりすちゃん?」おっと……うてな?」
うてなの溜飲も下がるだろうと、前回ロコムジカにやった事をうてなに伝えると、ドス黒いオーラをもっとドス黒くして私の胸ぐらを掴む。
ありゃりゃ、逆効果だったみたいですねぇ。
「えりすちゃんはひかりおちよういんなんだからそんなまほうしょうじょらしくないたたかいかたしちゃだめだよ、ねぇわかってる? わかってるの?」
「うてな。怒ってるのは分かりましたから、ひらがなだけで話さないで下さい。読者さん読みづらくなっちゃうんで」
それにいつも言ってますけど私相手が苦しむ所を見るのが性癖なんでやめるつもりはないですよ。あの手の相手は徹底的に分からせないとまたやってくるでしょうし。
「はぁ、えりすちゃんは未来の魔法少女って言う自覚が足りないよ。トレスマジアの所に行って、どう言う心持ちで戦ってるかとか色々学んで来なさい」
「え、嫌ですよ。光落ちなんてしたらあなた今まで以上にちょっかい出してくるでしょ「行きなさい」は、はい!!」
うてなの気迫に押されて、半ば追い出されるようにうてなの家を後にした私であった。
やれやれ、今日のうてなは怖いですねぇ……。
◇
「……って事があったんですよ。酷くないですか?」
「やからって本当にウチらのほうに来るアンタはんも大概やと思うけどなぁ?」
仕方ないじゃないですか。この際家でのんびりしようかとも考えましたけど、もし魔法少女の所へ行ってないのがバレたら後が怖そうですし。
いつもの場所で修行をしていて、現在休憩中だったサルファに愚痴を聞いてもらっていると、サルファは呆れたように言う。
「と言うかアンタはんがええやつっちゅうんは認めてもええけど、ウチはまだアンタはんのことは信用してへんからな? そこんとこ分かっとる?」
「それが正解ですよ。私はもしかしたらトレスマジアの情報を盗みに来たスパイかもしれないですからね」
「え、そうなの!?」
サルファと同じで休憩中だったマゼンタがショックを受けたような顔をするけど、あくまでもしかしたらであってスパイではありませんから。だから槍を取り出さないで下さい。
「なるほど、スパイだったんやねぇ。よしマゼンタ、やるで」
「うん!」
「サルファ、悪ノリして拳構えないで下さい」
「ええやないの。以前路地裏でやり合ったときは結局決着つかずじまいやったし、決着つけようやん♡」
「私の負けでいいのでやめてください」
剛拳を構えるサルファから逃げようとしていると、「まぁまぁ……」と言いながら白い妖精、ヴァーツが止める。
ヴェナリータの2Pカラーと言う事で苦手意識があったけど、認識を改める必要がありますね。
「二人ともそのへんで。ところでノワールさんに尋ねたい事があるんですがいいでしょうか?」
「なんですか?」
「これなんですが……」
そう言ってヴァーツが見せて来たのは、数日前のロコムジカとレオパルト、ネロアリスが戦っている動画だった。
あら、アリスちゃんしっかり活躍してるじゃないですか。頑張ったんですねぇ。
「あなたからの情報提供でエノルミータが二つに割れたのは分かりましたが、現在のエノルミータがどういう状況なのかもう少し詳しく知りたいんです。教えていただいてもよろしいでしょうか?」
「と言われてもアズールに説明した以外で知ってることって無いんですよね。そこら辺の事情はあの三人が詳しいんでしょうけど……連れてくるわけには行きませんし」
「そうですか……」
うてなの家に転移門開けばすぐさま連れてこれはするでしょうが、ベーゼが来たら有無を言わさず性的に襲いかかるでしょうし、レオパルトも有無を言わさずに銃撃って来る。アリスちゃんは良い子だから話には応じてくれるでしょうが、アリスちゃんをトレスマジアの前に連れて来るなんてお姉ちゃんにそんな事出来ません。
「まぁええんやないの? 内戦しとんのは間違いないんやし、潰し合ってくれたらめっけもんやわ」
「えっ!?」
「……というより今は力をつけなあかんやろ。強くなった上で消耗した奴らを潰す! やからこないだみたいにアズールの救援を期待しとったらあかんよ?」
「えぇ、分かっていますよ」
やはりサルファは漁夫の利を得るためにここは傍観に徹するようですね。ですが三つ巴の戦いになるよりはエノルミータ対ロード団と言った構図の方がいいですし文句はありません。
「で、でも……」
「心配せんでも街はノワールが頑張ってくれるやろ。今のうちらやと力不足やさかいそれはあの子も分かっとるみたいやで?」
そう言って近くで滝行をしていたアズールを指差す。……って街については私に丸投げですか!? それでも魔法少女ですかあなたは!!
「見てみ、あんなに集中して滝行を「すごいわ……体いっぱいに激しい圧を感じる……これはなかなか……」オゥ何しとんねんお前ェ」
ま、まさか滝行で精神統一するどころか、流水の重みすらも快楽に変えてしまうとは……アズール、意外と大物なのかもしれませんねぇ。
中途半端ですが一旦切ります。