悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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せっかくのオモチャ……壊れるまで遊びませんとねぇ!!

「ヴォア・フォルテ!!!!」

 

 ロコムジカの音符攻撃を回避しながら様子を見る。

 前回のように転移門を使っても良いですが、あんまり使うと逆に相手が転移門を使って音符を離れたところへ転送させる事ができる事に気がつく可能性があります。

 だから転移門はここぞと言うときまで使うのはやめておいたほうが良いですか。

 

「ベーゼ、気をつけてあいつの音符は攻撃力が高いです」

 

「みたいだね。なら猿轡を噛ませれば……っ!?」

 

 突如回避に集中していたベーゼの動きが止まる。……もしやさっき私がルベルブルーメから受けた金縛りでしょうか? しかも音符が動きの止まった彼女の方に……!!

 咄嗟にベーゼの目の前に鋼鉄の壁を展開して彼女を守る。

 

「ベーゼちゃん!!」

 

「っとあぶねぇ」

 

 それとほぼ同時にレオの銃弾がロコムジカとルベルブルーメを襲い、ルベルブルーメが回避をした瞬間にベーゼの金縛りは解けたようだ。

 ……ルベルブルーメは最初私をターゲットにしていた筈。なのにどうしてベーゼを狙ったんでしょうか?

 

「ベーゼちゃん大丈夫!?」

 

「うん。ノワールちゃん、レオちゃん、アリスちゃん気をつけてルベルブルーメ……彼女の能力は身体の自由を奪ってくる……!」

 

 知ってます。一度身を持って体感したので。……ですがどう言うプロセスで金縛りをしてるんでしょうか?

 何かタネがあるならいくらでもやり用はあるんですけど……。

 

「ふっふっふ……! アイツらロコの力にビビってるわね……!」

 

「お前タコか? 今話してたのはアタシだろうが」

 

「ハァ!? 誰がタコだってのよ!!」

 

「テメーだよタコムジカ」

 

 ……え? このタイミングで喧嘩します? 今のうちに催涙ガスでも具現化して浴びせてやったほうが良いですかね? ……あ、今風下にいるから催涙ガスなんて使ったら私達の目がやられます「だったら見せてやるよ、アタシの力……!!」っ!?

 直後私の背後にルベルブルーメがいて、私の左肩にナイフを突き刺していた。

 

「……痛いですねぇ。刺すにしても他に刺す場所があったのでは……?」

 

「オメェは楽には終わらさねぇっつたろ? 今度は右「ノワールちゃん!」ハッ、用意周到なやつだ」

 

 右肩もやられると思った直後、ベーゼがハサミを操ってルベルブルーメを攻撃。

 ルベルブルーメは逃げたもののおかげで私は解放される。

 

「大丈夫!? 肩を刺されたけど……!」

 

「えぇ、このくらいへっちゃらです。だからアリスちゃんも泣きそうな顔しないでください」

 

 そう言って私は緑色の液体が入った瓶を具現化。瓶の中の液体を傷跡にかけるとあら不思議、傷は綺麗さっぱり消えてなくなってしまった。

 本当に具現化はチートですよね、ゲームに出てくる回復アイテムすらも具現化出来るんですから!!

 

「そ、そんなものまで具現化出来るの? ……って事は今まで高くて手を出せなかったあんなものやこんなものを具現化して貰えばトレスマジアともっと…………あ、でもノワールちゃんは光落ち要員……くぅううう……神は不平等だ……!」

 

「あの、集中してくれませんかベー「ベーゼちゃん!!」っと、レオ?」

 

 膝をついて項垂れてしまったベーゼを無理やり起こそうとしていると、レオがこちらに駆け寄ってくる。

 

「いやいや、くだらない事で項垂れてるだけだからわざわざ駆け寄らなくても大丈夫で「違うのっ!! 避けてっ!!」っ!?」

 

 見ると先ほどベーゼが操ったハサミを持ってこちらに襲いかかってくるレオ。

 彼女がベーゼを攻撃しようとするが、その直前に近くにいた私が彼女の左腕を絡め取って彼女を止める。

 

「れ、レオちゃん……!?」

 

「レオ、どう言うつもりですか……?」

 

「止めてくれてありがとノワール……! 身体が勝手に……!」

 

「っ!?」

 

 そう訴えかけるレオの身体には黒い何かが巻きついている。恐らくこれが彼女を……!!

 これを見たベーゼは黒い何かを睨みつける。

 

「なるほど……そう言う事ですか! ルベルブルーメ、あなたは影を使うんですね……!」

 

「ご名答ォ」

 

「影!?」

 

「多分……自分の影と交わったモノを操れるんだと思う……! さっきもハサミの影に潜んで、レオちゃんの影に乗り移ったんだ!!」

 

 ベーゼ、あなた……影を使う能力はともかくハサミを介して乗り移ったって、一度見ただけでそこまで分かりますか? 凄まじい観察眼ですね……。

 なるほど一番最初に私でなくベーゼを狙ったのも、影が繋がったのがベーゼとだったからですか。

 

「全く、操りやすくて助かるぜ。魔力の低いヤツはよォ?」

 

「っ!!」

 

「おっと動くなよネロアリス。姉ちゃんがどうなっても知らねぇぞ?」

 

「……!?」

 

 咄嗟に追い払おうと動くアリスちゃんだが、私の首筋にナイフを突きつけて彼女を止めるルベルブルーメ……。

 悔しいですが今は私の影も繋がっており、ルベルブルーメに拘束されて動く事が出来ません……。

 直後ロコムジカが私達の真上に飛び上がりマイクを構える。

 

「ルベル、そのまま押さえときなさいよ!!」

 

「っ!? ベーゼ、あなただけでも逃げな「残念、ベーゼも今は影が繋がってるぜェ……?」っ! ……はぁああああ!!!!」

 

「なにィ!?」

 

 半ば無理やり身体に力を込めて、レオを突き飛ばしてベーゼも蹴飛ばしてロコムジカの攻撃範囲から追い出す。

 もし動きを封じるのがルベルブルーメの筋力に依存しているならば、無理矢理動く事が出来ると思いましたがうまく行ったようです。

 

「ヴォア・フォルテ!!!!」

 

「く……あっ!!」

 

 二人を安全圏まで追い出してからロコムジカの音符攻撃を盾で防ぐ事ができたが、いかんせん真上からの攻撃。

 音符の衝撃はなんとかなったが、その重量に耐えきれず大ダメージを受けてしまった。

 

「おいノワール!」

 

「大丈夫!?」

 

「えぇ、なんとか……。生きてさえいれば回復できるんで」

 

 先ほど具現化していた回復アイテムの残りを口に含んで、ダメージを回復させてから立ち上がる。

 

「ってちょっとルベル、アンタ何やってんのよ! ベーゼとレオパルトを取り逃すなんて!! アンタの方が魔力上でしょうが!?」

 

「うっせー、ちょっと油断しただけだ。……おい、ノワールカーネリアン?」

 

「なんです……っ!? アリスちゃん!」

 

「一歩でも動いたり、何か出したりしてみろ? 可愛い妹がどうなっても知らねぇぞ?」

 

「っ!!」

 

 ルベルを見ると、いつの間にかアリスちゃんにナイフを突きつけていた。どうやら回復している間に影を移動してあの子の背後に回ったみたいですねぇ。

 なるほどなるほど、無理矢理抜け出したら今度は妹を人質ですか。

 

「テメェ!! 「おーっと、動くなよベーゼ、レオパルト。お前らがちょっとでも動いたらネロアリスはケガするかもなァ」クソが!!」

 

「これはいけませんねぇ……」

 

 ベーゼやレオがルベルブルーメを睨みつける中彼女はニヤニヤしながら、ナイフを近づける。

 ……舐めたことしてくれますね。あぁ、私ちょっと不機嫌になっちゃいましたよ。

 

「…………」

 

「……」コクン

 

「今だロコ、やっちまえ!!」

 

「アンタ卑怯ね〜、まぁ、いいわ! それじゃあ前回の借り返させてもらうわよ、ヴォア──きゃっ!?」

 

「何──ぐぁ!?」

 

 直後ロコムジカとルベルブルーメの周りに大量の光球を具現化。それと同時にアリスちゃんの背後に控えていたぬいぐるみがルベルブルーメを殴り飛ばした。

 そして殴り飛ばされたルベルブルーメの右手をハイヒールで思い切り踏みつける。

 

「ぐぁ……!」

 

「影があるならば消して仕舞えばいい……。カラクリがバレた時点で何かしら対策を取っておくべきでしたね?」

 

「ぐっ……でもアタシ言ったよなぁ!? 何か出したらその時点でネロアリスを──」

 

「えぇ。だからアリスちゃんにアイコンタクトをとって、私が光源を出した瞬間に動いてもらったってわけです。アリスちゃんがケガする可能性も大いにあり、姉としては情けない限りですが……。幼いからってウチの妹を舐め過ぎましたね?」

 

「お〜、姉妹だから出来ることってか! 流石アリスとノワール!!」

 

「♪」エッヘン

 

「ルベル!? その足を退けなさ「そろそろお口閉じましょうねぇ?」んむぅ!?」

 

 ルベルブルーメを救出しようと、再び音符を出そうとしたロコムジカだが、既に動いていたベーゼが猿轡で口を塞いだ上で植物の魔物で縛り上げた。

 これでロコムジカもルベルブルーメも無力化……私達の勝利です。

 

「全く、アリスちゃんを人質に取るなんていけない人達ですねぇ? そんな悪い子達にはお尻ペンペンでしょう「待ってくださいベーゼ」……ノワールちゃん?」

 

「先に私が彼女らをお仕置きしても良いでしょうか?」

 

「でもノワールちゃんは色々容赦ができないでしょう?」

 

「大丈夫ですよ、ちゃーんと無傷で二人を渡しますんで♪」

 

「……いいでしょう。でもやり過ぎないでくださいね?」

 

「はーい♪」

 

 私は影の能力を使えなくなったルベルブルーメの髪を掴むと、彼女を引きずって拘束されたロコムジカの下へ移動する。

 

「イタタ! おい、放せ!!」

 

「私別に気にしてないんです、妹を人質に取ったこと。何せ戦いはなんでもありですからね。人質に取られるのが嫌ならそもそも妹を連れてくるなって話ですし……」

 

 植物の魔物の近くに到着したため、ルベルブルーメを魔物へ蹴り飛ばして彼女も拘束させる。

 

「ぐっ……」

 

「ですがあなた方は卑怯な手段を取ったならば絶対に勝つべきでした。…………なにせ卑怯な手段を用いた上で敗北した場合、普通に負けるよりも残酷で救いようのない結末が待ってるんですから。……ノワールサンクチュアリ」

 

 アリスちゃんのドールハウスを参考に考案した、結界を具現化して拘束されたロコムジカとルベルブルーメを植物の魔物ごと結界に閉じ込める。

 この結界で起きる事は外から見る事はできない。これから起こる事はベーゼでも目を背けたくなるような惨劇。わざわざ見る必要はありません、ベーゼ達は事が済むまでの間お寿司でも行ってて下さい。

 

「な……ここは!?」

 

「んむぅ!?」

 

「あなた達は私の想像以上に悪い子達だったようです。そんな子達をある程度で済ませるだなんて勿体無い! せっかくの全力で遊んでも問題ないオモチャ……壊れるまで遊びませんとねぇ!!」

 

 さぁ、そう簡単に壊れないで下さいよ? 本気で遊べるオモチャなんて貴重なんですから♡




ゲームの回復アイテムの具現化に結界の具現化……いくらなんでもチート過ぎますかね?
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