悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!? 作:蒼天 極
その翌日、私はうてな達を呼び出して昨日あった事を説明し、トレスマジアに入ると言う事を伝えさらに数日が経過した。
今までエノルミータと共闘関係を結んでいたが、トレスマジアの一員になり本当の意味でうてな達の敵になった為私達の交流は完全に絶たれた……
「ねぇえりすちゃーん、お願いだから魔法少女に変身してみて〜!!」
「嫌です」
「ちょっとだけ! ちょっと見るだけだから〜!!」
「どうせ変身姿を見たら我慢できずに襲いかかるのは目に見えてるんです。ロードとの戦いを控える中私達が戦うのは危険なので我慢なさい」
わけでは無かった。
うてなとはエノルミータが絡んでくる前からの友人であり、立場が変わったからと言って今更友人関係が切れることをお互い良しとせず、変身したら敵としてやり合うけどそうじゃなければ友人という距離感で接する事にしたのだ。
「チッ、うてなちゃんの注目集めやがって〜。正真正銘敵になったし、ロードがいなけりゃアタシがぶっ潰してやんの痛! ちょ、こらこりすやめろ〜!!」
「(怒)」ポカポカ
元々敵対心があったキウィは今回の件で更に敵対心が増してしまったけれど、なんだかんだこりすちゃんの事を可愛がってくれてますし、私をブチギレさせたらどうなるかは知ってるんで流石に短慮な行動は取らないでしょう。
「そ、そう言えば今日はこれから遊びに行くんだよね?」
「うん、最近みんなで遊べてなかったから今日め〜ちゃ楽しみ〜」
「でもこんな事してて良いのかな……? 一応ロードさんと戦ってる最中なワケで……」
「この間ロコルベ倒したばっかだし大丈夫っしょ〜」
キウィはロコルベのザマを思い出したのか、ニヤニヤ笑いながら続ける。
「案外ビビって何にもしてこれないんじゃね〜の〜あいつら〜」
「……キウィ。良い事を教えて差し上げます」
「なんだよ?」
「そう言うのをフラグって言うんですよ?」
「キャァアアアアアアアッ!!!!」
キウィにフラグを指摘をした瞬間、さっそくフラグ回収したようで近くから悲鳴が聞こえる。
声の方を見ると、スライムと仮面で出来た魔物が街の人達を襲っている所だった。
「キウィ……」
「キウィちゃん……」
「……」(눈_눈)
「はぁ!? あ、アタシのせいかよこれぇ!!」
っとキウィを責めている場合ではありませんね。
街の人達をスライムの中に取り込んでいっていると言うことは、最悪窒息で死んでしまう可能性があります。早急に救出をせねば。
「という事で私、先に街の人救助してから合流しますね」
「あ……ついにえりすちゃんの魔法少女姿を見せてくれるんですね!? さぁ、早く見せて下さい! 急がないと街の人達が死んでしまいますよぉ!?」
ついに魔法少女の姿が見れると思ったうてなが、目をキラキラさせながらそんな事を宣う。それに対して私は彼女にニコリと微笑みかけると懐からエンブレムを取り出して天に掲げる。
「
十字星のトランスアイテムでノワールの姿になると、レモン果汁を具現化して、目につくスライムの魔物にかける。
フフフッ、レモン果汁をスライムにかけるとスライムはドロドロに溶けるものなんで「なんでだよ!!」ん? どうしましたうてな?
「そこはトレスマジアに変身するべきだよねぇ!? というかノワールのトランスアイテムまだ持ってたの!? 光落ちしたんだからエノルミータの変身アイテムは私に渡しなさい!!」
「なーに言ってんですか。魔法少女状態よりも
それに具現化の能力を失ったらタダでスイーツを食べられなくなったり、回復アイテム具現化して回復したり、ノワールサンクチュアリでムカついた相手を閉じ込めて制裁出来なくなってしまいますからね。
いくら魔法少女に覚醒したからと言ってこの力を捨てるつもりはないですよ。
「……おや? レモン果汁では溶けませんでしたか。仕方ありません、普通に助けますか」
「あ、待ってよノワールちゃん、私の話はまだ──」
厄介オタク状態になったうてなは放置して、ランスを振り回してスライム兵を倒して、街の人を救出していく。
「あ、ありがとうございます……っ!!」
「いえいえ。すぐにここから離れて下さい」
「は、はい!」
こんな調子でしばらく街の人達を救出していると、魔物達は私を標的に定めたようで他に捕らえられていた人達を解放して私を襲いに来る。
……よし、敵は私に引きつけられましたね。
「街の人は……。よし、巻き込む心配は無さそうですね」
周りの魔物を数回しっかりと観察して捕まってる人がいないかを確かめると、魔物の周りに鋼鉄の箱を具現化して魔物を閉じ込める。
スライム兵は中途半端に倒しても再生したり、残骸とくっついて巨大化していく。ならば閉じ込めて動きを封じて仕舞えば良いんですよ!!
脱出しようとボックスの中で暴れてますけど私も星4つ、この程度ならへっちゃらです。
「さーて、うてな達は……えぇ?」
私が別行動を取っている間に変身してロコムジカとルベルブルーメと合流していたベーゼ達であるが、そんな彼女らは見事スライムの巨人に確保されていた。そしてその近くでビルほどの大きさのこれまた露出の多い女性がベーゼ達の元に歩いてきている。
……これは助けた方が良いですね。
「悲しいですねぇエノルミータ……。ロードさまのお力の前にはあなた達もこの通りですぅ。こうしてジワジワと溶かされていくのもぉ、哀れなものですぅ」
涙を流しながらそう宣う巨人女は、手を振りかぶる。
「せめて一思いにぃ、私の手で叩き潰してあげましょお」
流石に妹を潰させるわけには行きません。
拳を振り下ろす瞬間に合わせて具現化を「ナメてんじゃねーぞテメー」……直後ベーゼ達を捕らえていたスライムの巨人が大爆発を起こして、スライムがあちらこちらに散らばる。
どうやら犯人はレオみたいですね。大方彼女がスライムの内側に銃火器を呼び出して発砲したんでしょう。
「あぁああああああ!!!! 手がぁあああああああ!!??」
「あん? 手を弾かれたくらいで随分と大袈裟に痛がんじゃねえか」
「あぁ、犯人私ですね。彼女の左手を見て下さい」
巨人女の手には深々と巨大な釘が突き刺さっている。
レオが行動する直前に巨大な釘を彼女の拳の軌道上に具現化させておいて、振り下ろしたときに突き刺さるようにしていたのが、爆発の衝撃でより深く突き刺さってくれたみたいですね。
「あなたですかぁ! ノワールカーネリアン!!」
「はい。大振りな攻撃だったんでついやっちゃいました♡ さぁて、次は鳩尾にパイルバンカーでも「待てノワール」……レオ?」
「レオちゃん?」
この巨人女……シスタギガントは私が甚振ってやろうと構えた瞬間レオから待ったがかかる。
「シスタはアタシがやる。ノワールは引っ込んでろ」
「……本気ですか?」
「ダメだよレオちゃん! ここはみんなで「たまにはさ〜。アタシも良いとこ見せたいんだよね」……!」
「ベーゼちゃん、ここはアタシらに任せてロードのとこに行って」
……彼女は本気だ。
それを察したベーゼは頷くとヴェナリータに転移門を開いてもらいナハトベースへ行こうとするがレオの「あ、そうだ」という声に彼女に振り向く。
「この戦いが終わったら……ホテルに行こーね?」
「……分かった」
…………。
「っしゃ、お前ら雑魚どもは頼んだわ〜」
「ちょっ……何言ってんのよ、アンタ自分の力量くらい分かって──」
「ならあの巨人女はレオに任せます。ですがあなた今度は死亡フラグを建てましたからね? 死ぬんじゃありませんよ?」
「わーってるよ。フラグなんざへし折ってやる」
不適な笑みを浮かべて銃火器を召喚するレオだが、そんな彼女の裾をアリスちゃんは心配そうな顔で掴む。
アリスちゃんもなんだかんだで面倒を見てくれるレオには懐いてますしね。彼女が心配なんでしょう。
「アリス、だ〜いじょうぶっつの。言ったろ考え無しはもうヤメだって」
そう言ったレオはシスタギガントと戦いに行った。
よし、では私は魔物をボックスに閉じ込めてしまいましょうか。
……そんな事を考えていると、スライム兵達は一つにまとまってシスタギガントよりも遥かに巨大な怪物へと姿を変える。
「……おいおいこれはヤベーぞ!!」
「分かってるわよ! ノワール、仕方ないから共闘するわよ!!」
「はいはい。……所詮はスライム、一気に倒しますよこりすちゃん!!」
「ん!」ビシッ!
前話で魔法少女に覚醒したえりすですが、愛のアヴァランチで変身アイテムが壊れていないため、現在もノワールとしての力は使えます。
そして肝心の魔法少女姿ですが……もう少し勿体ぶらせていただきます!!