悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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そう言えばトレスマジアはアイドル業と兼任してましたね

「ほーい、んじゃテスト返すぞ〜」

 

 まもなく夏休みではありますが、その前に期末テストの返却があるのは当たり前のこと。

 今回はロードエノルメとの戦いだったり、アズールの修行だったりがテスト前に重なってあまり勉強する時間が取れませんでしたがどんな感じですかね……。

 

「……よし!」

 

 全教科80点以上!!

 勉強する時間が無かったと言っても睡眠時間を削って少しでも進めてましたし、テスト期間直前に詰め込んだりもしたんでなんとか今回も高得点を取ることが出来ましたね!!

 ……ですが

 

「……キウィ、今回のテストどうでした?」

 

「あ〜? ほれ」

 

 隣の席のキウィとテストの答案を交換して点数を見せ合うと……。

 

「ほい、アタシの勝ち〜」

 

「ぐぅううぅうう…………ちくしょう!!」

 

 な、なんでこんなに頭いいんですか……。と言うか全教科オール満点って一体何をどうしたらそんな次元の違う点数取れるんですか……!!

 

「あれあれ〜? 今回はアタシに勝つんじゃ無かったかな〜? えりすく〜ん? プププ〜」

 

「つ、次こそは……次こそは負けません!!」

 

 キウィに負けるだなんて……屈辱です!! 次こそは絶対に勝って見せますからね!!

 

「ねぇ〜、うてなちゃ〜ん! えりすに勝ったから頭ナデナデして〜」

 

「…………」

 

 私に勝てたのが嬉しかったのかテンション高くうてなの下へ駆け寄るが、そんなキウィとは対照的にうてなは死んだ目で項垂れていた。

 

「あれ、どったのうてなちゃん?」

 

「……わ、悪い点数取っちゃって…………」

 

「悪い点数ですか。どれどれ……」

 

 うてなの点数を覗いてみると……全体的に悪いが数学に関しては赤点を取ってしまっていた。

 

「うぅ……ロードとの戦いで勉強の時間取れなかったよ……」

 

「おかしいですねぇ。私はロードとの戦いプラス光落ちイベントまでこなしていたと言うのに全教科80点取ってますよぉ? あれあれ〜、うてなよりも忙しかったはずなのにこれはどう言うことなんでしょうか?」

 

「グフゥ!!」

 

 正論ストレートを食らったうてなは胸を手で押さえると、机に突っ伏してしまう。

 だがプルプルと震えながらなんとか身体を起こす。

 

「そ、そうだよね……。キウィちゃんも私と同じくらい忙しかったのに100点取ってるんだもん。二人とも努力してたのに私だけサボっちゃったから「え、アタシ勉強してないよ。授業聞いてれば大体分かるし」ガハァ!!」

 

「う、うてなちゃん!?」

 

 キウィの悪気のない追撃を食らったうてなは吐血して倒れてしまったのだった。

 うてなは今日は補習ですね。この後エノルミータのメンバーで水着を買いに行くとか言っていたのに可哀想に……。

 

「ま、そう言うこともありますよ。これに懲りたらもうちょっと勉強頑張りましょうね〜」

 

 真っ白に燃え尽きたうてなと、それを見て慌てているキウィはもう放っておいて、近くにいた小夜達と合流する。

 今日は薫子が過去二回誤解して殴った件で本当にケーキバイキングを奢ってくれるのだ。ルンルンステップではるか達の所へ行くと、はるかと小夜が凹んでいた。

 

「……この反応を見れば分かりますが一応聞きますね。テストはどうでした?」

 

「見ての通りや。ウチはなんとかなったけど、はるかと小夜がなぁ……」

 

「うぅ……前より点数下がっちゃった〜。補習はギリギリ避けられたけどお母さんに怒られちゃうよ〜!!」

 

「はるかなんてマシよ……。私としたことが修行にかまけすぎて、学業を疎かにしてしまうなんて……」

 

 なるほど、小夜も補習なんですね。

 小夜は元々成績が良かった方だから、そもそもテスト前日までテストの存在をド忘れしてたとかそんな所なんでしょうね……。

 まぁ、それはそれとして。

 

「おかしいですねぇ。私はロードとの戦い以下略」

 

「略すな。……でも確かにそうやなぁ、えりすも小夜と同じくらい忙しかったはずやのになんで小夜だけ成績落ちたんやろか?」ニヤニヤ

 

「くぅううう……!!」

 

「や、やめようよ二人とも〜。小夜ちゃん可哀想だよ?」

 

「いえ、いいのよはるか……これは戒めにしなきゃいけないものだから…………。それに痛い所を指摘されたときの感覚もなかなか……」ハァハァ

 

「盛んなドアホゥ」

 

「はーい、ヨダレ出てますから拭きましょうね〜」

 

 ですがそう言うことなら仕方がありませんね。今日のケーキバイキングは延期して、小夜が補習を終わらせた後に改めて行くとしましょうか。

 帰って部屋の掃除でもしてしまおうかと思い、一言いって帰ろうとしたがはるかに止められてしまう。

 

「あ、待って。ケーキバイキング延期なら、えりすちゃんにやって欲しい事があるんだけど!」

 

「やって欲しい事?」

 

 

 ◇

 

 

「……アイドルですか」

 

 はるかと薫子に連れられてやって来たのはカラオケ。

 なんでもトレスマジアの活動の一環としてエノルミータとの戦いの他に、雑誌展開やCDなんかのアイドルとしての仕事も並行してやっているらしい。

 

「そんでえりすちゃんもトレスマジアに入ったし、やってもらわないとだからね」

 

「なるほど。つまりカラオケに来たのは私の歌唱力を確かめる為ですか」

 

「そう言うことや。面倒くさいと思うかもやけどギャラは出るから、バイト感覚でやればええで」

 

「その言葉で俄然やる気が出ました。私にアイドルなんてできるかは不安ですが、お金もらえるならなんでもしますよ!!」

 

 お金があればちょっと良いものをお母さんやこりすちゃんに食べさせてあげる事も、スイーツで普段手を出さない高い物を食べる事も、こりすちゃんにいいおもちゃを買ってあげる事もできますからね。だから薫子、現金過ぎて引くわ〜と言った感じの顔で見ないでください。

 

「それじゃ、早速えりすちゃんの実力を拝見させて貰おうかな〜?」

 

 そう言って曲を入力するタブレットを渡してくる。

 よし、ここはいつもよく聴いてて歌詞も暗記してるあの曲を……

 

 ……………………。

 

「あ、あの……すみません。カラオケ初めてなんですけど、これどうやって操作すれば良いんですかね?」

 

「え、初めてなの!?」

 

 申し訳ありません。なにせ私の友達なんて昔はカラオケ行かない派のうてなくらいしかいなかった上に、家族を誘って行こうにもこりすちゃん無口だから私だけ歌うって言うのも憚られて入った事ないんですよ……。

 

 その後、薫子に「いや、初めてでも曲の入れ方くらい分かるやろ……」と呆れられながらも丁寧に曲の入れ方を教えてもらうと、適当なアニソンを入れてマイクを口に近づける。

 

 あぁ、これが生まれて初めてのカラオケ……。ちょっと緊張しますがあくまでも歌唱力を確かめるため…………出来る限り頑張ってみますか!!

 

 

 〜数分後〜

 

「ご、ご清聴ありがとうございました。……えっと、いかがでしょうか?」

 

「う、上手い! 綺麗で透き通るような歌声だったよ!!」

 

「ほんまにカラオケ初めてなん? 随分洗練されてるやん」

 

 えぇ、初めてですよ。歌なんて音楽の授業か、こりすちゃんと一緒に寝るときに子守唄を歌ってあげる時以外は歌わないので。

 

「初めてこんなに歌えるってことは磨けば光るかも」

 

「そうやね、これなら秋のCDに間に合いそうやないの。今の歌唱力を上げるためにビシバシ指導していくから覚悟しいや?」

 

「は、はい!」

 

 その後はるかや薫子にアドバイスを貰いながら交代交代で歌っていた私だったが、途中すぐ近くでエノルミータの気配がした。

 

「っ! エノルミータ……それも隣の部屋からみたいだね」

 

「出現場所がカラオケってことは多分ロコムジカでしょうね。あの人アイドル志望ですし」

 

「なんでアイドル志望が悪の組織やってんや?」

 

 知りませんよ。

 それにしても何故ここで変身を? 採点機能で低い点数を取ってしまったからと、逆ギレして部屋のカラオケ機材をぶっ壊そうとしてるんでしょうか?

 

「だとしたら笑えませんね。さっさと捕まえてお仕置きしますか」

 

「そ、そうだね。……って次の曲始まっちゃう! えりすちゃんの番だよ!!」

 

「え!? くぅ……二人は先に行ってください!! 私はこの曲を歌い終えてから向かいますので!!」

 

「いや、カラオケは切り上げてアンタも来ればええやろ「そうだね! せっかくカラオケ来たんだから歌わないと勿体ないもんね!! 行くよ薫子ちゃん!!」…………うちが……うちがおかしいんか?」

 

 変身したマゼンタとサルファが部屋を後にする横で、流れて来た音楽に合わせて歌い始めた私。

 頑張ってくださいねマゼンタ、サルファ……私もすぐに合流しますから……!!




以前も後書きで書きましたが、えりすのイメージCVは能登麻美子。
つまり能登麻美子さんと同じレベルの歌唱力を持ち合わせていると言うわけです!!
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