悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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ロコルベの合体技……いや、マニアック過ぎてちょっと引きますね…………

「お待たせしました〜! っておや?」

 

 入れていた曲を歌い終わってからお会計を済ませてノワールモードでマゼンタ達と合流すると、呆れたようなサルファと顔を赤らめたマゼンタが同じく顔を赤らめたロコルベと相対していた。

 

「……えっと何があったんです?」

 

「いや、隣の部屋でなんやけどな…………」

 

「わー! わー! わー! 言わなくて良いわよ!!」

 

「なるほど、大方上手く歌えないからとパンツ脱いで歌ったんですね? ロコムジカは露出プレイ中に歌うと涙が出るほど綺麗な歌声で歌えるんで」

 

「……うわぁ、難儀な性質(タチ)やなぁ」

 

「察するなぁ!! 同情するなぁ!!」

 

 顔をこれでもかと真っ赤にしたロコ。

 それにしても分かりませんねぇ。トレスマジアが来るのは分かってる筈なのになんで変身したんだか……え? なんか勝手に変身した?

 そう言えばうてなも神社で勝手に変身してしまったとか言ってましたね。……もしかしたら何らかのトリガーで自動変身してしまう仕様なんでしょうか?

 

「はぁ……あんなの見せられたら気乗りせぇへんわぁ。あと1時間くらい待ったってもええねんけど……」

 

「よ、余計な気ぃ回してもらわなくて結構よ!! とっととくたばりなさいっ!!」

 

 恥ずかしい思いをした八つ当たりなのか先手必勝なのかは知らないが音符攻撃をしてくるロコ。しかしそんな彼女に対してサルファは涼しい顔をしていた。

 

「音波攻撃やねぇ。アズールから話を聞いてるさかいに……これでどない?」

 

 そう言ってサルファは防御魔法でロコを音波攻撃ごと取り囲んでしまった。

 サルファは拳によるゴリゴリの近接戦闘型ではあるが、普段猫を被っているときは防御特化の魔法少女として通している。それはつまり防御魔法も自信があると言うこと。

 

「きゃぁあああああっ!!」

 

「ロコォ!!」

 

「助けには行かせないよっ!!」

 

「くっ!!」

 

 ロコの音符攻撃はシールドの中で反響して彼女自身に降りかかり、それを見ていたルベルが悲痛な声をあげるがそんなルベルに対しては私とマゼンタで攻撃を行っていた。

 

「クッソ……また影を消しやがって…………!!」

 

「相手の強みを出させないのも戦闘というものです」

 

 ルベルの能力は影がある事前提の能力。故に以前の戦いでやったように光源を具現化して、周りの影を照らして仕舞えばルベルは影に潜る事は出来ない。

 そして光源の届かない場所まで逃げようとするルベルをマゼンタが槍で妨害していた。

 ……それにしても影がないと何も出来ないって弱点を自覚してるからなのか、マゼンタの攻撃結構避けてますねぇ。よし、妨害しますか。

 

「うぉ!?」

 

「今ですよマゼンタ!!」

 

「うん、やぁあああっ!」

 

「っあ!」

 

 ルベルの足下にジュースの缶を具現化して彼女に踏ませると、ルベルは予想通りバランスを崩しマゼンタの槍の薙ぎ払いでロコの方へ殴り飛ばされ、自らの攻撃を食らってボロボロだった彼女に追突して倒れた。

 

「やった! ありがとうカーネリアン!!」

 

「今の串刺しにしていたらルベルは倒せてまし「マゼンタにそんな事させられへんやろがい」いた! 小突かなくても良くないですかねぇ!?」

 

 いえ、確かに分かりますよ。

 マゼンタ……はるかって絵に描いたような良い子ですからそう言う事はさせられないと言う事を。穢してはいけないと言う事を……。

 

「ですが穢れ無き心だからこそ、ドス黒く染めたくなってしまうものなんじゃないですか!!」

 

「よし、お前ちょうどノワールモードやし、エノルミータもろともぶっ飛ばしてやるさかい動くんやないで?」

 

「ケンカはダメだよぉ! …………っ! サルファ、カーネリアン!!」

 

「「っ!?」」

 

 私達を止めていたマゼンタの声に、ロコ達が何か仕掛けて来たと察した私たちがロコルベの方を見ると、大量の音符が私達に襲いかかって来ていた。

 

「ちぃっ!!」

 

 咄嗟にマゼンタやサルファと同じ防御魔法を具現化して、音符攻撃を防いだが凄まじい力ですね……!!

 これでは鋼鉄の壁を具現化したとしても一発で砕かれてしまいそうです……。

 

「……ッ! はっ……はぁ……何や……今の攻撃……!! さっきまでとは威力がダンチや……アイツら、一体何を……!!」

 

「カ、カーネリアン、ロコムジカってこんなに強かったの!?」

 

「いいえ、鋼鉄ほどの強度なら充分防げる能力の筈でした。彼女に一体何が……?」

 

 そう呟きながらロコルベの方を向いていると、そこにいたのはロコただ一人。

 ……ルベルは一体どこに……影で移動した? いえ、そこにあるのはせいぜいロコの影くらい。…………ロコの影?

 

「るっ……ルベル……!! しっかり見ときなさいよォ!?」

 

「うわぁ…………」

 

 咄嗟にロコの影をよーく見てみると、なんとルベルはロコの影の中で、ロコのスカートの中をガン見していたのだ。

 なるほど。ロコは露出を見られる事で綺麗な歌声で歌うことが出来る。おそらくそれを攻撃に転用することで威力を底上げしたんでしょう。

 ……ですがちょっとマニアック過ぎて引きますね。

 

「まかせろロコォ!! かましてやれッ!!」

 

「ぐぁああああ!!」

 

 強化されたロコの攻撃を三人がかりでシールドを展開する事でなんとか防ぐ私達。

 それから更に一発、ついでにもう一発と何度も攻撃を受けてシールドのヒビが入り、やがてそれは全体に広がる。

 

 不味いですねぇ。これでは後一発撃たれてしまえば、どの道シールドを破られて私達は大ダメージ確定コース。これよりも威力が高い小夜の愛のアヴァランチを受けた私ならこの攻撃を耐え切る自信がありますが、マゼンタとサルファには難しい。

 ならば避けるのが鉄則でしょうが、この二人絶えずに攻撃してくるから避ける時間はない…………。

 

「…………ならば!!」

 

 具現化していたシールドを消して粒子砲を召喚。それに残った魔力の80%を即興で込める。

 急に私の分のシールドを消してしまったせいでマゼンタとサルファがこちらを向いたが、粒子砲を見るなり納得したような表情で、先ほど以上のシールドの維持に力を入れる。

 

「マゼンタ、サルファ。シールドが割れる直前に下がってくださいね」

 

「う、うん!」

 

「おう!」

 

「トドメよ!! フォルテッシモ・カノン!!!!」

 

 今まで以上の凄まじい威力の音符と音の波がシールドを襲う。これほどの威力ではシールドは一秒も持たない事を察したマゼンタとサルファが同時に私の背後に下がると、容赦なく粒子砲に込めたエネルギーを放出する。

 

「何度も似たような攻撃してんじゃないですよ!! マテリアライズブレイカー!!!!」

 

 直後、音波と光線がぶつかり合い凄まじい圧力がかかる。

 でもマテリアライズブレイカーの方が純粋な火力は高いみたいで、少しずつロコ達の音波は後退して行く。

 

「おいロコ! 押されてるぞ!!」

 

「わ、分かってるわよ!!」

 

 っ!! ここで更に威力を上げますか。ならば残りの魔力全部使ってやろうじゃないですか!! 私が倒れても後ろにはマゼンタとサルファがいるのでねぇ!!

 

「「いっけぇえええええっ!!」」

 

「はぁあああああああああ!!」

 

 互いに全てを持ってこの攻撃を相手に届けようと全力の押し合いをしていたが、喧嘩両成敗というべきか、私の光線とロコの音波の境界線が丁度中心に来たタイミングで大爆発。

 私やロコルベは勿論、マゼンタやサルファまで巻き込まれてしまった。

 

「ぐ……」

 

「ぅ……あ……」

 

「く……」

 

 双方共に大ダメージ。それに加えて私に関しては魔力の使いすぎでこれ以上戦闘を継続するのは難しいためここでリタイア。なんというか……無念です。

 

「で、ですがせめてサポートはしませんとねぇ……サルファ、これを……!」

 

 残った魔力をかき集めて回復ポーションを具現化させると、近くで倒れていたサルファに転がして渡す。

 サルファはそれを手に取ってラッパ飲みをしてゆっくり立ち上がる。

 

「おおきにカーネリアン……相手さんもうちら見たくボロボロやし、これならトドメさせるわ……」

 

 いくらダメージが回復したとは言え、残り少ない魔力で具現化した回復ポーションでは回復量もたかが知れてるようで、フラフラしながらゆっくりとロコルベの下へ歩くサルファ。

 だが直後、ベーゼの声が脳裏に響き渡る。念話だ。

 

『そこまでにしましょう。みなさん……とても良い戦いでしたよ。ですがこの辺りが頃合いでしょう……!!』

 

 そう言って倒れたロコルベの足下に転移門が展開されると、それはゆっくりと二人を飲み込んでいく。

 

「……待たんかいコラァ。勝負はまだ終わっとらんで……!!」

 

『いえ、今回はあなた方の勝ちでしょう。ですが次はこうは行きませんからね?』

 

 ベーゼのその言葉の最後に、二人を飲み込んだ転移門は閉じてしまい、二人を取り逃したサルファは力が抜けたのかドサリと尻餅をついた。

 そしてそれと入れ替わりになるようにアズールがやって来た。

 

「さんにんともっ……!! ごめんなさい、私がもっと早く来ていれば!!」

 

「いえ、補習だったなら仕方ないですよ」

 

「ちゃう。今回はうちの失態や、せっかく回復してくれたのに取り逃してもうた。それにカーネリアンが機転効かせてくれんかったら、うちらだけやられてたかもしれん……。うちが弱かったんや……」

 

 サルファは唇を噛み締めながらそう呟いた。

 いえ、言っちゃなんですが私が強いだけかと。アズールが真化してようやく倒せるレベルですし。……まぁサルファの怒りの炎に火炎瓶投げ込むような真似はしたくないんで、口に出したりしませんが。

 

「サルファ……そんな事……」

 

「くやしい……! めっちゃくやしい……! 今回うちなんも出来んかった……!!」

 

「サルファ……」

 

 直後、俯いてたサルファはガバッと顔を上げると、ヤケクソになったのか大声で叫び始める。

 

「あいつらぜんっいん!! 〇〇して〇したあと〇〇ん中に〇して!! 〇〇〇〇〇〇が〇〇〇さへんように〇〇〇〇〇〇〇して〇〇〇〇に〇〇〇って〇〇〇〇〇〇にしたらからなぁ!!」

 

「サ、サルファ……」

 

「ちょ、ちょっと落ち着いて! 伏字で表現濁さないといけない発言は控えて!! ……あと、その責苦はどれくらい辛いのかしら? カーネリアン、ちょっとやってみてくれないかしら?」ハァハァ

 

「魔力切れなんで無理でーす」

 

「あーもう、こうなったらうちも真化したる!! カーネリアン、これからちょっと付き合えや!! 前回のアズール以上のレベルで鍛えておくれやす!!」

 

「魔力切れなんで無理でーす」

 

 その後なんとかサルファを宥めて、アズールに支えられながら帰路についたのだった。




 〜おまけ〜

 その夜……

「そう言えば今日こりすちゃんは水着を買って来たんですってね。どんなのを買って来たんですか?」

「……」ドヤ‼︎

「あらマリンスーツにしたんですね。お姉ちゃん的には可愛い水着の方がいいと思いますけど、海を遊び尽くすならこっちの方がいいですもんね♪」

「……」フフン

 ピリリリリリ ピリリリリリ

「ん? はいもしもし」

『あ、もしもしうてなだけど……ねぇえりすちゃんは魔法少女になったんだよね? ノワールモードもいいけど、せめて来るときくらいはマジアモードで来ようよ。光と闇の力を使うって言っても闇の力だけ使うのって流石にどうな────』ブチッ

「?」

「なんでもありませんよ、タダの迷惑電話でした。それでなんですがちょっとそのマリンスーツを着た姿をお姉ちゃんに見せてくれません?」

「ん」コクン
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