悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

46 / 90
海に来てまで戦いたくないですねぇ……よし、サボりますか!!

 その後達は改めて海で遊ぶ事にして、こりすちゃんとはるかが作っていた砂のお城となめたけ神社を作るのを手伝ったり、泳いだり、かき氷やアイス、クレープなんかを制覇したりなど楽しんだ。

 

「テメー薫子、ズルしてたろ!!」

 

「知りませんけど? てかなんなんそのタコきっしょいわぁ」

 

「後で食べんだよ!!」

 

 それは良いですね。丁度近くに手頃なスーパーがあったのは確認できてますし、たこ焼きにでもしましょうか?

 あ、でも鉄板がないですねぇ……。わざわざこの場の為だけに買うわけにもいきませんし……。と言うかそもそもお昼ご飯も既に食べちゃいましたからね。

 

「タコパはまた今度ですかねぇ。さて、次はなんのスイーツ食べようかしら♡」

 

「え、えっと……えりす? 冷たいものたくさん食べてたけどまだ食べられるの?」

 

「甘いものは別腹ですし」

 

「……お腹冷やしたりしてないの?」

 

「砂糖が入ってるなら私の身体は拒絶反応なんて起こさないので」

 

 無論シロップの乗ってないかき氷を爆食いしたとかなら普通にお腹冷やして、トイレから出てこれないでしょうがシロップが乗ってるならどうと言うことはないんですよ。

 ……おや?

 

「そう言えばうてなとキウィは?」

 

「うてなちゃんは飲み物買いに行ったよ〜。キウィちゃんはうてなちゃんを追いかけていっちゃった」

 

 そうですか。飲み物を買ってくると言うなら私の分も頼んでおけば……いえ、うてなの事ですからみんなの分を買って来てくれるでしょうね。後でお金渡さなければ「エノルミータだぁあああああああっ!!」っ!!

 

「絶対キウィだ……」

 

「あのバカ……」

 

「……」(눈_눈)

 

 真珠とネモの言う通りうてなは魔法少女が絡んでなければ短絡的に変身するタイプではないためキウィで間違い無いでしょう。チッ、あの団子頭……後で頭を残して埋めて、スイカ割りのスイカにしてやりましょう。

 

『3人とも!』

 

『えぇ!』

 

『りょーかい……あ、えりすはネロアリス共々そこの二人(真珠とネモ)を安全なところまで避難させておくれやす。……今回はうちらでやるさかいネロアリスを合流させるんやないで?』

 

『合点です。あとこの子こりすちゃんですから』

 

 確かにここでこりすちゃんと真珠とネモを引き留めておけば戦力図は3対2。そして今の小夜ならばもうマジアベーゼには負けないでしょう。

 ならば私がやる事は一つ。

 

「さてエノルミータが出たからには逃げませんとねぇ。行きますよ三人とも!!」

 

「!?」ジタバタ

 

「ちょ、分かったから放しなさいよぉ!!」

 

「あ、ちょ、コラ待て!!」

 

 はるか達にバレないように変身しようとしていた、こりすちゃんと真珠を脇に抱えて明後日の方向に駆け出す。出来ればネモも抱えたかったが、私の脇は二つしかない上に、ネモは真珠やネロアリスと比べて攻略も簡単なので捨て置いておく。

 どっちにしろネモは真珠の事が大好きだから追ってくるでしょうしね。

 

 

 ◇

 

 

 その後こりすちゃんと真珠を逃げられないようにホールドしたまま、トレスマジアとエノルミータの戦場から離れた所へ移動する。

 

「ふぅ……。ここまで来れば問題ないですね」

 

「ちょ、真珠達を連れて来てどう言うつもりよ!?」

 

「(怒)」プンプン

 

「いえ、どうせベーゼとレオは丁度こっちのホテルで寛いでた(嘘)マゼンタ達がなんとかするだろうと思い、私は目の前にいるエノルミータを相手しようと思いまして」

 

 二人を解放すると真珠もこりすちゃんも怒ったようにこちらに文句を言って来た為、理由を説明すると納得したような表情を浮かべる。

 そして三人とも速やかに変身してまるで宿敵を見るような視線を同じくノワールモードに変身した私に向けた。

 

「……つまり上手い事分断したってことか。でも良いのかよ? いくらお前が星4と言っても前回とは違って今回はこりすもいる。それにアタシと真珠は合体技も習得した。もう負けねえぞ?」

 

「分かってますって。だから……ノワールサンクチュアリ」

 

「なっ!?」

 

 勝ち戦と思って油断していた三人を結界で閉じ込める。

 と言っても今回は真っ黒い空間なんかではなく、あくまでも背景は先ほどと変わらず海。結界と言ってもあくまでアリスちゃん達の能力の使用を封じただけで他は何も変わらないのだ。

 

「フフフッ……これであなた達はもう能力は使えません。一方的に惨殺出来ますねぇ」ニヤァ

 

「「ひぃ!?」」

 

「!!」

 

 忘れてしまっているとはいえ、前回ロコルベにやった事は本能に刻みつけられているのか青い顔を浮かべて抱き合うロコルベと、それでも負けないと言った表情でファイティングポーズを取るアリスちゃん。

 それを見た私は思わず吹き出してしまった。

 

「ウソですウソウソ。ロコルベはともかく敵であるとは言え妹を惨殺しようとするお姉ちゃんはいませんよ。それに……せっかく旅行に来てまで戦いたくはないので」

 

「「それは分かる」」

 

「ん」コクコク

 

 いくら撮影のためとは言え、旅行に来てまで戦いたくなんてないですよ。こういう時くらいエノルミータの事とか忘れて遊びたいじゃないですか?

 

「と言うわけで、キチンと戦っていたと言う事にして私らはサボって遊んじゃいません?」

 

「……そうね! せっかくの海なのに戦うのも面倒くさいしね!」

 

「だな、それに見てみろよ。向こうのあの大きなタコ……あれもし行ってたらアタシらも巻き込まれたパターンだぞ」

 

「……」グイグイ

 

「おや、ビーチボールじゃないですか。ビーチバレーやりたいんですか?」

 

「ん」コクコク

 

「いいわね、やりましょやりましょ。杜乃姉妹VS真珠達でいいわね?」

 

「いいですよ」

 

「んじゃ負けたチームがジュース奢りな」

 

 という事で私達は変身を解いて気にせず遊ぶ事にしましたとさ。

 別にサルファも今回は私らでやるって言ってましたし、こりすちゃんが行かないように見張ってたとかロコルベが加勢に来たから戦っていたとか言えば問題ないでしょうしね。

 ……おっとその前に

 

「あのタコがこっちに来たら困りますしね。変身(トランスマジア)からの……ブレイジングスラッシュ!!」

 

「……うわぁ。あんな大きな魔物真っ二つにするなんて、戦わないで良かったかも…………」

 

 ステッキに炎を纏って炎の斬撃を飛ばしてタコの魔物を真っ二つにしたのだった。

 

 

 ◇

 

 

 その後アズールがベーゼに真化(ラ・ヴェリタ)をお披露目して圧倒的な力でベーゼを追い込む横で、私達はビーチバレーで戦い敗北。真珠とネモにジュースを奢ったタイミングでアズールの愛のアヴァランチがベーゼとレオに炸裂し、見事トレスマジアが勝利を収めたのだった。

 その後こりすちゃん達と別れて小夜達と合流して、今回参加できなかった事を謝りながらみんなを回復して、改めてエノルミータ組と合流する頃にはすっかり夕方になっていた。

 

「なんだか今日は大変だったね〜」

 

「ほ……本当ですね…………」

 

 互いに正体を知らないはるかとうてなが何事もなかったかのように会話する隣で、キウィが今回も活躍できなかったとスネる薫子に絡み始める。

 クッ、もしはるか達がいなければ今回勝手に変身した件を追求して、キウィの真上で花火をしてやると言うのに……。

 

「おい薫子、なにスネてんだよ〜。花火あっからお前にもやらせてやんよ〜」

 

「っさいわ。ほっといてんか?」

 

「んだよ〜、なんかあんなら言えよ〜。心配だろ〜」

 

「はァ? アンタに関係……」

 

 そう言いながらキウィの方を振り返った薫子だが、そんな彼女に対してキウィは変顔で返す。それを見た薫子からブチーンと言う堪忍袋の尾が切れた音が聞こえたかと思うと、彼女はキウィから花火をひったくる。

 

「それ貸しィ!! ロケット花火アンタの〇〇〇ん中で爆発させたるわ!!」

 

「望むところだバーロォ!!」

 

「……私達も花火やりましょうか?」

 

「そうですね」

 

 その後みんなで線香花火を楽しんで、エノルミータ組と別れてホテルへ帰ったのだった。

 

「肌がヒリヒリして痛いよ〜!!」

 

「もぅ!だから日焼け止めは塗ったほうがいいって言ったじゃない!明日撮影があるって言うのに……」

 

「日焼けを回復させる塗り薬をちょっと具現化してみますね」

 

「ありがと〜、えりすちゃん〜!!」




 えりす、サボりました。


 〜おまけ〜

 それから数日後

「わざわざウチまで来てどうしました? あ、トレスマジアの撮影が気になったんですか? 仕方ありませんね〜。本当は一週間後の雑誌に掲載されるものですか特別に見せて差し上げますよ」

「うん、それは後でゆっくりと見せてもらうね。……それよりも」

「どうしました?」

「えりすちゃん、前回いなかったけど何処に行ってたのかな? 私の魔物に一発不意打ちを入れたけどそれだけだったよね? もしかして面倒くさいからってサボってた? 魔法少女はみんなを助けるために存在するのにそんな体たらくが許されると思ってるの?」

「うわぁ、まーた厄介オタクモードですか……」

「なに呆れたような顔してるの? えりすちゃんはトレスマジアを応援するみんなを裏切ったんだよ? その事実をちゃんと理解してるの? ねぇ? ねぇったら……? ねぇねぇねぇ!?」

(あ、これいつもより面倒くさいパターンですね……仕方ありませんねぇ……)

「ちょっと変身しよっか。その捻じ曲がった根性今度という今度こそ叩き直してあげるから」

「分かってないですねぇ……戦場に出なかったから戦ってないと判断とは二流……いえ三流! うてなに魔法少女ファンを語る資格はありませんよ!!」

「な、なんですって……」

「確かに私は今回こりすちゃんと真珠、ネモを連れて逃げましたよ? ビーチバレーしてましたよ? ……ですがそれは全てネロアリスとロコムジカ、ルベルブルーメをあなた達と合流させないようにするための作戦。つまり私は戦いに参加せずともエノルミータの戦力を削る戦いをしていたのですよ!!」

「っ!!」

「私も共にサボる事で確かにトレスマジアに負担をかけてしまいました……。ですがそれと引き換えにエノルミータの戦力を半分以上削って見せましたよ。……これが私、マジアカーネリアンの戦い方なんです」

「マジアカーネリアンの……戦い方」

「あなたの美学と私の美学を一緒にしないでいただきましょうか!!」

「……っ!! ご、ごめん。私、えりすちゃんの事を誤解してたよ!! サボってた件はしっかりトレスマジアを考えての事だったんだね!! やっぱりすごいやえりすちゃんは、私とは大違いだよ!!」

「えっへん」

(……ヘッ、チョロいですね)ニヤリ

「……」(눈_눈)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。