悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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最近こりすちゃんと遊んであげましたっけ?

「マジカルブレイジングアロー!!」

 

「うあぁあああ!!」

 

 炎の矢がアズールの胸に突き刺さり、彼女は苦悶とも恍惚とも取れる悲鳴をあげる。

 だがアズールはヨダレを垂らしながらもすぐに凛とした表情に戻ると、羽衣を円状に展開して魔力を溜める。

 

「さぁ、ばっち来なさいな! 今日という今日こそは意識を飛ばさずに受けきってやります!!」

 

「えぇ! 愛のアヴァランチ!!」

 

「くっ……あぁああああ!!」

 

 我慢……我慢です。胸の奥の温かいもの……愛を深く意識すれば意識を飛ばす事もないでしょう。

 これで倒れなくなったら余程のことでは、戦闘を継続できると言うもの……今日こそは耐え切って見せましょう!!

 

 〜数分後〜

 

「はぁ……はぁ……やりましたよ。意識を飛ばさずに耐えきりました!!」

 

「やったわね、このまま頑張ればきっとカーネリアンも真化出来るわよ」

 

「そうだと良いんですが……。あ、またヨダレをそのままにして…………模擬戦が終わったらちゃんとふかないと。ほら、動かないでくださいね?」

 

「じ、自分でふけるから大丈夫……!」

 

 一昨日レオに敗北したからとアズールに特訓を申し込まれた私。

 ぶっちゃけ前回の件は私に非があるから気乗りはしなかったものの、アズールとの特訓は久しぶりということで付き合っていたが得るものはあったようだ。

 

 ……最近は愛のアヴァランチを受けると、冷たいのに温かい何かに包まれるような不思議な感覚がして気持ちが良くなってしまうんですが、それ以外の攻撃は普通に痛いだけだから愛のアヴァランチが特別なだけで私はMではないはずです。

 

「はぁ……それにしてもこんな暑い日に特訓をすると汗かきますねぇ。帰ってさっさとシャワー浴びたいです」

 

「そうね。それじゃあ今日は解散して……っ! カーネリアン!!」

 

「えぇ。これはエノルミータの反応…………マジですか……」

 

 前回うてなとキウィの情事が邪魔と言う最悪な形で失敗に終わってから、うてなとキウィが気まずい関係になってしまった。それが原因でうてなはずっと上の空だから出撃なんて出来ない筈なのに……

 

 ……だとしたらキウィですかね? うてなと気まずくなってムシャクシャして暴れたくなったんでしょうか。だとしたら前回邪魔をしてしまった償いの為にもストレス発散に付き合って差し上げないと……。

 

「模擬戦でお互い消耗してしまってますが、戦えそうですか?」

 

「えぇ。今度こそ負けないわ。行きましょう!」

 

「はい!」

 

 お互いに消耗してしまっているとはいえ、それは魔法少女業をサボって良いと言う理由にはならない。

 大急ぎで反応があった公園へと向かうと、そこにあったのは普通のお家のようなドールハウス。……犯人はレオではなくアリスちゃんだったみたいですね。

 

「全くもう……。あの子の事だから誰かを傷つけようとかは考えてないでしょうけど、こんな所にドールハウスなんて置いたら近所の子達がビックリしちゃうじゃないですか…………」

 

「……もしかしたら既にマゼンタかサルファが囚われてるかもしれない……入りましょう」

 

「えぇ。捕まえてお説教です」

 

 ドールハウスの玄関は閉ざされていたが、ドアをコンコンとノックするとしばらくしてガチャリと開く。どうやら素直に入れてくれるみたいですね。

 私とアズールは一度頷き合うと、ドールハウスの中へ入って行ったのだった。

 

 

 ◇

 

 

 さて、あのこをみちゅけなければいけましぇんね…………あれ? あのこってダレのことだったでしょ?

 う〜ん、おもいだしぇませんね。てゆーか、わたち、いままでなにしてたんでちたっけ?

 ……あ、そっか。わたち()()()()()だからいままでおひるねしてたんでちた。

 

「だぁ……あぅ……」

 

「う……?」

 

 わたちのおとなりには、あおいかみのこがいた。おともだちでしょーか?

 ねぇねぇ、わたちとあそびましょ?

 

「あう」ガブ

 

「きゃう!?」

 

 かいじゅーごっこでしゅ、かじりあっていきのこったほーがかちなのでしゅ。

 わたちもかんでいーでしゅよ? このよはじゃくにくきょーしょくなのでしゅ!

 

「……」ガジガジ

 

「うぇええええぇん!! あぁあああああん!!」

 

 ほらほら、ないてもだれもたしゅけてはくれましぇん。もっとつよくかみついちゃいましゅよ!!

 

「あう!」ガブ

 

「だ……あぁ……あう…………」ハァハァ

 

 おや、なきやみまちたが、なぜいきがあらくなってるんでしょ?

 あ、わかりまちた! しにかけてるんでしゅね。ならばさらにおいうちかけちゃいましゅよ!

 

「……」

 

「あう……?」

 

「う? ……む〜…………」

 

 ありゃりゃ、おかーしゃんにだっこされたせいでかみころせまさんでちた。

 も〜、せっかくあそんでたのに。ほら、おともだちもつまらなそうにしてるでしゅ!

 

 そのあと、おともだちといっしょに、おかーしゃんにはこばれてぴんくかみのこのいるばしょにつれてかれました。

 このこもおともだちでしょーか?

 

「あぅ……びぇえええええん!!」

 

「!!」

 

 ぴんくのおともだちがなきだしちゃいました。どうしちゃったんでしょ?

 

「あう?」

 

「ん」フルフル

 

 あおいおともだちもなんでないちゃったかわからないみたい。

 どうしてかなぁ? ……あ、おもらししちゃったんでしゅね!!

 それにきづいたおかーしゃんが、ぴんくのおともだちのおむちゅをかえようと…………

 

「って、これでは緩すぎです。もう少しキツめに巻いてあげないと、次漏らしてしまったときにオムツとの隙間から漏れ出てしまいますよ?」

 

「!」フムフム

 

 私の指摘にアリスちゃんは頷いて、マゼンタに強めにオムツを巻いて…………

 

「「「あぁ!!」」」

 

「!!」

 

 いけない! 私赤ちゃんごっこをしに来たのではなく、アリスちゃんを捕まえに来たんでした!!

 て言うか、まさかお姉ちゃんにまで催眠をかけてしまうとは……アリスちゃん、恐ろしい子!!

 

「キャーッ! あたしのパンツとスカートどこー!?」

 

「お、落ち着いてマゼンタ! オムツ巻いてるから見えてはないわ」

 

「そう言う問題じゃないよ〜! あと、アズールなんだか頭がべちょべちょだけどなにがあったの!?」

 

「それ私のせいです。取り敢えずアズールには後で謝るとして……マゼンタ、私のスカートどうぞ」

 

「いや、そんな事したらカーネリアンのが見えちゃうから!!」

 

「大丈夫です。私、羞恥心なんてないので!!」

 

「サムズアップして言う事!?」

 

 取り敢えずマゼンタに私のスカートを貸してあげておくとして、私はアリスちゃんに向き直る。

 この子はおままごとしたかっただけみたいですけど、洗脳して無理やり……しかもリアルを追求するあまり本当に脱がしてしまうのは流石に笑えません。今回ばかりはしっかりお説教しないといけませんね……。

 

「ほら、アリスちゃん? まずはマゼンタとアズールにごめんなさいしましょう?」

 

「…………」プイ

 

「むっ」

 

 だがアリスちゃんはとてもつまらなそうな顔でそっぽを向いてしまった。

 ほほう。そっちがその気ならこちらにも考えがありますよアリスちゃん……お尻ペンペンの刑に処して差し上げますよ!!

 そう思いアリスちゃんににじり寄っていると、アリスちゃんの様子を見ていたマゼンタが呟く。

 

「ネロアリス……もしかしてもっと遊びたかったの?」

 

「……ん」コクン

 

「……分かった。ば……ばぶ……ままぁ……////」

 

「!!」

 

 マゼンタは顔を赤らめながら赤ちゃんのように指をしゃぶりながら上目遣いでアリスちゃんを見る。

 

『ごめん二人とも、私に合わせて』

 

『え……わ、分かったわ』

 

『この子に付き合ってくれるんですか? すみません、ありがとうございます』

 

 どうやらマゼンタはアリスちゃんが満足するまで遊びに付き合ってくれるみたいですね。

 ……お説教するにしても、アリスちゃんに聞く気がないなら意味はないですしね。仕方ありません、お説教は後にして満足するまでアリスちゃんの遊びに付き合ってあげますか。

 

「ま、ままぁ……////」

 

「おかーしゃん……」

 

「……♪」

 

 赤ちゃんを演じ始めた私達を見たアリスちゃんは少し戸惑っていたものの、すぐに遊んでくれると気がついたようで、なぜか危険な笑みでミルクを取り出したのだった。

 

 

 ◇

 

 

 その後アリスちゃんの望むままにおままごとを楽しんでいたが、やがてアリスちゃんがおねむになってしまったようで、私達はドールハウスから解放される。

 

「……」カクリ

 

「ネ、ネロアリス!?」

 

「……大丈夫、魔力の使いすぎで眠くなってしまったんでしょう」

 

 アリスちゃんは満足したような表情で私に寄りかかって寝息を立て始め、それと同時に変身が解けた。

 それを見た私達も変身を解くと、こりすちゃんを抱き上げてはるか達に深々と頭を下げる。

 

「……二人とも、今日はこの子に付き合ってくれてありがとうございました。……そして、うちの妹が本当にご迷惑を…………」

 

「うぅん、こっちは大丈夫だよ」

 

「えぇ、むしろ私達も楽しかったし……」

 

 二人の優しさには頭が上がりませんね……。

 さて、せっかくここで寝たんです。この子の変身アイテムは没収してマゼンタに預けてしまいましょうか……いえ、多分取り上げてもヴァナリータが新しい変身アイテムをこの子に与えるのが関の山ですか……。

 

 その後、二人と別れて帰路につく。

 はぁ……今回何故かサルファが来なかったから良かったものの、もし彼女がいたらこりすちゃんボコボコにされてたかもしれません。全く、分かってるんですかねこの子は?

 

おねぇちゃん……マゼンタ……アズール…………たのしかった……ありがとぉ…………」スゥスゥ

 

「……こりすちゃんが寝言だなんて珍しいですね」

 

 …………そう言えば最近、海以外でこりすちゃんと遊んであげてましたっけ?

 今までもスイーツとかジムとかで帰るのは夕方だったのに、魔法少女になってからは魔法少女業で家を開けることが多くなってしまって…………もしかしたら、ただ寂しかっただけなのかも……だとしたら私も反省しなければいけませんね。

 

……フフ……」

 

「……全く、だとしても許さないんですから。起きたらお尻ペンペンとお説教、覚悟していて下さいね? ……ですが明日はお姉ちゃんとどこかに遊びに行きましょう」




 悪ノリして書きましたが、後で読み直して思った。
 怪獣ごっこと称して友達噛み殺そうとするベビーえりすに、噛まれて感じるベビー小夜……こんな赤ちゃんは嫌だ!!
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