悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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エロトラップダンジョンを舐めるなぁああああ!!!!

 うてなとキウィが仲直りした事で、すっかりエノルミータも通常営業に戻ってしまい、今日も今日とてエノルミータ反応を追いかけていた私達。

 

 …………でも。

 

「……ねぇ、何かしらあれ?」

 

「ダンジョンじゃないですかね?」

 

 エノルミータ反応を追ってきて見てみると、そこにはいかにもRPG風のダンジョンの入り口のようなものがあった。

 ゲームもそこそこ嗜む私としては冒険心が疼いてしまうものですが、こんな明らかに罠なもの作りますかね普通?

 

「地味にクオリティ高いの作りよってからに……エノルミータって暇なんか?」

 

「ど、どうだろう? 取り敢えず……こらーっ!! こんな所で何してるのエノルミータ!!」

 

「あんたらもノコノコやって来てんじゃないわよ!!」

 

「えぇ!?」

 

 マゼンタがダンジョン前でたむろっていたエノルミータに怒鳴ると、ロコがそう返してくる。

 露出すると興奮する以外は比較的常識人よりなロコは今回の作戦は乗り気ではない。つまり相当悪趣味に作ったと言う事ですかね?

 

「ハァーッハッハ!! 我々を倒したくば後を追ってくることですねぇ!!」

 

 ベーゼ達はそう言いながらダンジョンの中へ逃げていってしまった。

 

「…………もうこれ帰ってええか? 付き合ってられんわ……」

 

「帰りますか。これだけ作り込んだのに、無視をされてしまうと言うのが一番悲しいことでしょうからね」

 

「ダメよサルファ、カーネリアン。何をしでかすか分からないんだから」

 

「ですがこれだけ人気のない所に大掛かりなダンジョン作ったって事は、明らかにターゲット私だけじゃないです…………か……?」

 

「どうしたのカーネリアン?」

 

 帰るよう説得していると、視界の端に何かが見える。そこにはこれでもかと大量に積まれたドールハウスやロボット、ぬいぐるみなどのおもちゃの山があった。

 

 …………あー、そう言う事ですか。ふぅん……

 

「……行きましょうか。ベーゼを許せない理由が出来ました」

 

「どうしたの?」

 

「あの人よりにもよってアリスちゃんを買収したんです。いや、それは良いんです。アリスちゃんが納得した上で力を貸すなら買収だろうが文句は言いません。……ですが! いくら買収の為とはいえあんなに沢山のおもちゃを与えるだなんて何考えてんですかマジアベーゼェエエエエ!!!!」

 

「うっわ、これ過去一キレてるんとちゃう?」

 

 我が家の教育指針は勉強を頑張ったらおもちゃを買い与えるなんです! だからこそ、こりすちゃんも勉強を頑張って、頑張るからこそおもちゃを買い与えて……なのに一度にこんなに沢山買い与えてしまえば、満足してしまい勉強をサボってしまうのは目に見えている……。

 

「殴り倒して説教してやりますから首洗って待っていてくださいよ!!」

 

「……カーネリアンもやる気になったし行こう!!」

 

「そうね、逃しはしないわよエノルミータッ!!」

 

「あーもう、気ぃ抜かんといこけ三人とも!!」

 

 私達がダンジョンに入ると、内部もRPG風のダンジョンそのものであった。

 …………なんて言うか……このドールハウスを作ったのはベーゼでしょう? もういっそドールハウス職人になった方が成功すると思えるんですよねぇ……。

 

「内側のちゃんとダンジョンになっとんのか……」

 

「わ……罠がこんなにたくさん……! 気をつけて進まないと……!」

 

 カチッ

 

「かち?」

 

「マ、マゼンタ……?」

 

「あんたそれ……」

 

「フラグ回収早すぎません?」

 

 変なスイッチを踏んだらしいマゼンタの方を向くとその直後、足元が開き重力のままに落ちてしまう。

 しばらく滑り落ちていたが、なんとか着地には成功。しかしトレスマジアの三人とはぐれてしまった。見事に分散させられてしまいましたか。……こう言うのはパーティーメンバー全員で攻略するからこそ楽しいと言うのに、分かってないですねぇ。

 

『さぁトレスマジアの皆様方……ダンジョン攻略の始まりです!! 数多のトラップを潜り抜け……私の元へと辿り着いて下さい!!』

 

 楽しそうですねぇ……。こっちは全然楽しくないと言うのに……

 今度ベーゼをノワールサンクチュアリに閉じ込めてお仕置きの一つでもしてやろうかと考えていると、マゼンタから念話が聞こえる。

 

『三人とも無事!?』

 

『……! テレパシーは使えんねやな!』

 

『はい、こちらは無事ですよ』

 

『ゴメン三人ともあたしのせいで〜!!』

 

『……大丈夫よマゼンタ! 必ずこのダンジョンを攻略し……エノルミータを倒しましょう!!』

 

 ……流石はアズール。こう言う場面でも冷静に物事を見ていますね。

 さて、こうなったからには仕方がありません。ベーゼの思惑通りになるのは癪ですが攻略してやろうじゃないですか。

 

 

 ◇

 

 

 しばらくトラップなどに注意して進んでいた私だが、一つの大きな部屋に出る。

 …………足元は金網で、それ以外には私が入って来たのを含めた二つの出入り口しかない。そしてもう片方の出入り口は開かず、入ってきた方の扉もいつの間にか鍵がかかってる……つまり。

 

「はいはい予想はしていましたよ。触手ですね!!」

 

 足元から大量のタコの脚……触手が出てきて、抵抗する間もなく捉えられてしまう。

 く……意外に力が強いですね。これでは振り解けなそうです……。仕方ありません、ここは炎で……

 

『カーネリアンは海にいたときいなくてこう言うことしてませんでしたからね。……今ここでやっちゃいましょう♡ あ、能力の使用は控えた方がいいですよ。生き物を操るのは難しく、炎なんか使ったら暴れてしまうかもしれませんからね』

 

「……マジですか」

 

 触手に暴れられて、拘束された手足をへし折られても困ります。ここは自力で拘束を解いてから倒すしかないでしょう。

 そんな事を考えながらも、なんとか脱出しようともがくが動くこともできずに触手は服の中に入っていく。

 

「う……くぅ……ウフフ……アハハ…………」

 

 くすぐったくて笑いそうになるのを堪えていると、天井がパカリと開きそこからスライムが垂れてきて、私のお腹にスライムが落ちると衣服が溶け始めた。

 

「触手にスライム……ここはエロトラップダンジョンだったんですねぇ…………」

 

『ほぉら、がんばってがんばって♡ このままじゃ全部溶けちゃいますよ? 羞恥心がないとしてもこんなトラップのたくさんある場所で防具を失うわけにはいかないでしょう?』

 

 確かにそうですねぇ。

 ……それにしても触手は服の中で私の胸とか股とか弄ってるし、スライムは服とかを溶かしてるのにさっきからくすぐったいだけですね。……少し聞いてみますか?

 

「ベーゼ、一つ質問いいです?」

 

『おや、こんな時に質問とは……なんでしょうか?』

 

「キチンと触手とスライムに媚薬の一つでも仕込んでますよね?」

 

『……は?』

 

 ベーゼは素っ頓狂な声をあげるがだってそうでしょう?

 エロトラップダンジョンというのは、媚薬漬けにして触手やスライムで相手の理性をドロドロに溶かす。そして最終的に苗床エンドという最悪な結末と言うのがお約束。

 バッドエンド好きということで、そう言うものも嗜む私としてはやっぱりそこは気になる所なんです。

 

 されるより眺めたい私ではありますが、再現してくれたならば趣味ではなくとも肌で感じてみたいと思うのがファンというもの。もし手加減してるなら容赦無くやっていいですよ?

 

「さっきから身体をまさぐってばかりですが〇〇を私の〇〇〇や〇〇〇に〇〇して最終的に〇〇を〇〇するように様に設定してるんですよね?」ワクワク

 

『……えっと、は? ……な、何言ってるのかなえりすちゃん? さ、流石にそう言う事は……と言うか魔法少女としてその発言はアウトすぎるんだけど、そこら辺分かってる?』

 

 困惑しすぎたのか、変身前の名前で私を呼びながらそう言うベーゼ。

 ……ほう? つまり媚薬は仕込んでないし、最終的に苗床エンドになる様に設定はしていないと。

 

 …………。

 

 私は無言でスライムや触手を焼き尽くす。

 その際に触手が暴れて手足を引っ張られたが、怒りに任せて触手を上回る膂力を発揮して逆に触手を引きちぎってこんがり焼いて差し上げる。

 そして大きく息を吸って…………

 

「エロトラップダンジョンを舐めるなぁあああああああ!!!!」

 

『えぇ!?』

 

 なに中途半端に作ってるんですか!!

 そう言うのはハードに手加減なく、相手の尊厳をとことんまでに踏み躙るように作るべき! だと言うのによりにもよって流石にそう言う事は……ですってぇ!?

 

「やると言うなら再現率100パーセントに作るべきでしょう!? いえ、作れなかったとしても、せめてハードにやる事はできたはず……!! 中途半端に辱める程度で満足するならそもそもエロトラップダンジョンに手を出そうとしないで欲しいものですねぇ!!」

 

『え……ご、ごめんなさい…………?』

 

 全く、期待して損しました。

 と言うかこんな事のためにこりすちゃんにおもちゃを買い与えたと言うのも気に入りません。とっとと攻略してベーゼを殴り倒して、こんな面白くないものは焼却処理してしまいましょう。

 炎でこんがり焼けたタコの脚を齧りながら鍵のかかった扉を蹴破り、不機嫌に部屋を後にしたのだった。

 

『…………そうだった。えりすちゃんはエロトラップダンジョンに並々ならぬ情熱があるのを忘れてた……』




 えりすのベッドの下に隠している保健の教科書(意味深)にエロトラップダンジョンものがあるため、中途半端な再現は地雷案件でした。(笑)
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