悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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今度はSASUKEですか。このダンジョンはどこを目指しているのやら……

「さて……まずはマゼンタ達と合流しなけれ……ば?」

 

 そんな事を考えながら扉を開けると、そこは壁一つしかない行き止まりであり、壁の真ん中にはアズールの上半身が突き刺さった状態……俗に言う壁尻となっており、その上には四段の見事なトランプタワーが建設されていた。

 いや、一体なにがあったんですか? ……というか大切なところ色々と見えちゃってますよ。

 

「また誰か来たのね!? 私はなにをされても屈しはしないわっ!!」

 

「落ち着いてくださいアズール。今、助けますんで動かないで下さいね?」

 

「そ、その声はカーネリアン? …………ね、ねぇ一つ聞いていいかしら?」

 

「なんでしょう?」

 

「もしかしてだけど……大切なお尻とか……あそことか……見えちゃってたり…………する?」

 

「バッチリ見えてますが大丈夫ですよ。私も服溶かされて半裸なんで」

 

「……ぃ」

 

「い?」

 

「いやぁああああぁああああ!! だ、ダメ、カーネリアン! 見ないでぇえええええ!!」

 

 壁尻の状態にあってもなお凛々しかったアズールだが、私に見られてると知った途端に急に乙女のように声を上げてジタバタともがき始めた。

 あぁ、トランプタワーが……中々のクオリティだったのに…………。

 

「す、すぐ解放するんで動かないで下さい! 自由になればいくらでも隠せるんで……ね?」

 

「う、うん……////」

 

 その後壁を調べると襖のように横開きできる作りぽかったので、扉を横に引いて解放してあげるとアズールは真っ赤な顔でスカートを隠す。

 

「大丈夫でした?」

 

「……う、うん。……お、恐ろしい罠だったわ。まさかカーネリアンに見られちゃうなんて……////」

 

「まぁ恋人でもない私が事故とはいえ一方的に見てしまったのは大問題ですしね。……分かりました。お見苦しいものではありますが、見てしまった代償に私のもお見せいたします」

 

「って、いい。いいから! 私は気にしてないから服を脱ごうとしないで!! ……だ、だったら恋人に……う、うぅん。な、なんでもない…………!」

 

「え、今なんと「はよ二人と合流せんとあかんなぁ…………ア?」……おや、サルファ」

 

「え?」

 

 スライムに溶かされボロボロになったスカートやパンツを脱いでいると、ドアが開いてサルファとマゼンタが入ってくる。そんな二人は私達を見て大きく目を見開くと、無言で部屋から出てドアを閉めた。

 

「び、びっくりしたぁ。アズールとカーネリアンがそんな関係だったなんて……」

 

「全くやわぁ。おいバカップルども、説教は終わってからにしたるさかいにとっとと済ませてな」

 

「ご、ごご誤解よ二人とも!」

 

「そうですよ。私はただ責任を果たそうとしただけです」

 

「ちょっと、誤解を招く言い方しないで!!」

 

 その後アズールが必死にマゼンタとサルファに事情を説明して、なんとか二人の誤解を解く。

 

「色々ツッコミどころ満載やけど、そう言うことにしとくわ。とりあえず先進もか……」

 

「そうだね。こんな所早く出たいよぉ……」

 

「ですね。私の地雷に引っかかるからもうこれ以上ここにいたくないです」

 

「三人とも大変だったのね……」

 

 

 ◇

 

 

 その後改めて四人でダンジョンを攻略する事になったが、壁尻で動かなかったからか体力が万全なアズールが加わった事で、一人で行動してるときよりも楽に魔物を蹴散らして先に進めていた。

 

「マゼンタ、先ほどから股を押さえてますけど、どうしました?」

 

「え、えっと……ごめん聞かないで」

 

「この中じゃ一番マゼンタが苦労したみたいやねぇ……それにしてもこの辺はえらい静かやなぁ……」

 

「あっ……なんか見えるわ!」

 

 そこにあったのは巨大な扉。見るからにボス部屋の扉といった所ですかね?

 そんな事を考えながらアズールと扉を押してみてもびくともしない。もしかして鍵が必要なんでしょうか? だとしたら良い加減付き合ってられないので扉を溶かして強行突破してやりましょう。

 

「下がっていてくださいね三人とも。この扉溶かしま『心配しなくても開けますよぉ?』……ベーゼ」

 

『よくぞここまで辿り着きましたねぇ。この先は我がダンジョンの最奥……果たしてあなた方に攻略することができますか……?』

 

 直後巨大な扉がゆっくりと開き始める。

 全く、わざわざ扉なんて用意せずに開けておけば良いのに……って!

 

「「「「なッ……何ィ────ッ!?」」」」

 

 目の前に飛び込んで来たのは、ロープや壁やその他諸々のアスレチックコース。

 えぇ……先ほどまでのエロトラップダンジョン要素なんて、奈落にクッション代わりに敷き詰められた触手以外にないじゃないですか……。

 

「待ちくたびれたぜトレスマジア〜!!」

 

「あっ……あなた達は……!!」

 

 そこにいたのはレオとロコルベ。

 一体どうしてここに……ベーゼや買い与えられたおもちゃで遊んでいるであろうアリスちゃんと一緒に高みの見物を決め込んでると思ってましたが……。

 

「これはいったいどういうつもりなの!? エノルミータ!!」

 

「こっちが聞きたいわよ……」

 

「あら、知らされてないんですか?」

 

「あぁ……。もう帰っていいか?」

 

「どういうつもり!? ベーゼちゃん!!」

 

『それでは御説明いたしましょう。ここに広がるのは筋肉の迷宮、乳酸地獄ッ!! 貴女方には自らの身一つでこれを攻略していただきます!! お集まりの7人のうちいち早くゴールに辿り着くのは果たしてどなたなのかァーッ!!』

 

「……ずっとアホやん」

 

「アホですねぇ」

 

 劣化版エロトラップダンジョンの次はSASUKEですか。このダンジョンはどこを目指しているのやら……。

 

「ちょっとまって! 7人ってロコ達もってこと!?」

 

『はい』

 

「アタシら勝っても良いことねーじゃん!!」

 

『ご安心ください。ちゃんとご褒美を用意しております。負けたら罰ゲームですが』

 

「「なんでだ!?」」

 

 うわぁ……ご褒美と聞いてやる気を出したレオはともかくロコルベは可哀想ですねぇ……。

 ですが、そう言うことなら勝ったも同然ですね。なにせこの程度のアスレチックならば魔法を使わずともどうとでもなる……。数年間のジム通いの成果、存分に見せてやろうじゃないですか。

 

『あ、カーネリアンはそこに置いてある50キロの重りをつけて下さいね?』

 

「……なんですか? このダンジョンを劣化だの、出来が悪いだの、この際私が本物のエロトラップダンジョンに劇的ビフォーアフターさせてやろうかだの散々こき下ろした件について根に持ってるんですか? 私一人だけハンデ付きってなんのイジメですか」

 

『カーネリアンの運動神経は知ってるんで、こうでもしないと他の方々に勝ち目がないんですよ。心配せずともなんの変哲もない普通の重りなんで安心して下さい。……あと三徹して、アリスちゃんの協力ももらって、やっとの思いで作り上げたものをそんな風に貶されるのは流石に傷つくからやめて…………』

 

 泣きそうな声でそう呟いたベーゼ。その努力を別の方向に向けたら大成すると思うのは私だけですかねぇ?

 このまま泣かせてやたい所ですが、レオが凄い顔で睨んでるんでこの程度にしておきましょうかね…………どうしましたサルファにロコルベ? ……え、良いぞもっとやれ?

 ならば喜んでとベーゼに追い討ちをかけようとすると、SASUKEのスタート音が辺りに鳴り響く。

 

『……さ、さァ────準備はよろしいですかッ!? 今高らかに笛の音が始まりの合図を告げましたァ──ッ!!』

 

「これ以上何か言われる前に逃げたわね……。ったく、何よこんなもんバカらしいっ……! 飛んで行っちゃえばすぐじゃないの!!」

 

『おっと、ロコムジカが一人飛び立ちましたッ!!』

 

 付き合っていられないとばかりに飛行魔法で横着しようとするロコ。それをみたマゼンタとサルファも後に続こうとするが、ベーゼはルール違反を黙って見ているようなタイプではないため止める。

 

『お気をつけて!! 身一つでと申し上げた通り……! 飛行したり技を使うのはァ……ルール違反ですッ!!』

 

 直後、奈落の底に敷き詰められた触手がロコに向かって伸びたかと思うと、瞬く間に彼女を拘束したかと思うと彼女の身体をまさぐり始める。

 

「イヤァアアアアアアアアアア!?」

 

『ルール違反やコースアウトはァ! 触手のペナルティだァ!!』

 

 しばらく全身を……特にブラとパンツの下をまさぐられて綺麗なソプラノボイスで悲鳴をあげていたロコだが、やがてお仕置きが終わったのか解放されてぐったりと倒れる。

 

『ペナルティ後はそのエリアからやり直せますのでご安心を』

 

「……やっぱやめるかエノルミータ」

 

「もはや常識的な感性を持ってるのはルベルとアリスちゃん以外いないんで、ロコやアズールみたいに汚された挙句に変な性癖を開花させられる前にやめた方がいいかと……」

 

「よし、退職代行に相談してみるか」

 

「んな事したら退職代行が困るだけやと思うんやが?」

 

 その後、事前に伝えていなかった事や、私がまだ重りをつけていなかった事を考慮してスタートをやり直す事になり、ロコが復帰して私が重りをつけてから、改めてスタートの笛と同時に私達は駆け出したのだった。




 〜おまけ〜

 数日後……

「あ、すみません。退職代行をお願いしたいんですけど……」

『かしこまりました。では貴女のお名前と所属する企業様を教えていただいてもよろしいでしょうか?』

「ルベルブルーメで、エノルミータに所属してます」

『エノルミータのルベルブルーメ様ですね。少々お待ちください…………すみません、今なんと?』

「ルベルブルーメで、エノルミータに所属してます」

『……あ、あのー、申し訳ありません。流石に反社会組織の退職代行はちょっと…………頑張って抜けてもらって、真っ当な企業に入ってから退職したい時にまたご連絡ください……』

「……ちくしょう」

「あんたね〜、流石にそれは無理があるでしょうが」
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