悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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 投稿予定時間を設定し忘れて投稿したんで、少しだけフライングしてしまいました。

 申し訳ありません(土下座)


これは本気でやり合う必要がありそうですね。

 こりすちゃんから情報を聞き出すのを諦めて、地道に探そうと考えていると丁度良いタイミングでやって来た真珠とネモ。

 なんでも彼女らはこりすちゃんの安否確認をしに来ただけなのだと言う。

 

「アンタ、こりすには甘いから酷い目に遭ってないだろうけど一応見て来いってベーゼが言っててね」

 

「心配しなくともあの子は無事ですよ。お母さん直伝のお仕置き術を受けて疲れてしまっているので今は部屋で休ませてるところです。……というかベーゼもマゼンタにイタズラしてないで自分でくれば良いじゃないですか。それでも総帥ですか?」

 

「全くだ。クソ、エノルミータに入ったのが生涯で最大の選択ミスかもしれねェ……」

 

 本当に今からでもやめた方がいいですよ。前回の星空ぱあるの件も自力でテレビ出演まで行ったのにエノルミータ所属という点が足を引っ張ったじゃないですか。

 これを機に足を洗って真っ当にアイドル目指しなさいな。……え、ヴェナに弱み握られてるから辞められない? 退職代行にも無視される? それはそれは…………

 やはりヴェナリータは排除するのが最適かと考えていると、「ところで……」と二人は私を睨んできた。

 

「真珠達も一瞬で拘束されて拉致られたワケだけど、ベーゼの居場所を教えたら尋問せずに帰してくれるんでしょうね?」

 

「約束します。こちらも一刻も早くマゼンタを救出しなければならないので、知っているなら情報提供をお願いします。もし拒否すれば……」

 

「分かった分かった。こりす人質にとって怒らせたときに何されたか記憶がないけど、碌なことされてないのだけは分かるからな……。正直に言うからそれだけはもうやめてくれよ?」

 

 心配しなくてももうやりませんよ。

 情が湧いた相手に対してそう言う事をするのは流石に憚られますし、ムラムラしたときにあの惨劇を収めた動画をオカズにしすぎてマンネリ化してますからね……。

 

「…………もう一本あの惨劇とは違う展開の動画を撮ってもいいですか? 大丈夫、記憶はキチンと消しますし終わった後にケーキでもなんでも奢るので」

 

「ネモ、急いで言いなさい! またトラウマ植え付けられるわよ!! ただでさえ理科の実験で薬品に触れなくなって地味に困ってるのに、また変な後遺症を残されたらたまったもんじゃないわ!!」

 

「だ、だな! と言うかお前アタシらの記憶消せるのをいい事に絶対塩酸かなんかをかけただろ!? 記憶もやった事も消せるからってやりたい放題しやがって!!」

 

「塩酸ではありません。硫酸です♡ ほーら、早く言わないと今度は洗剤混ぜた際に発生する有毒ガスを吸わせてジワジワと……」

 

「よし分かった、もうお前喋んな! いいか? 場所は………………!!」

 

 どうやら残ってしまったトラウマから何をされたのか大体察しがついていたらしい二人は私の尋問が本当に洒落にはならないと察したらしく素直にベーゼの居場所を吐く。

 どうやら場所は忌々しい記憶しかない小学校の近くにある森の奥……流石に詳しい場所は分からないみたいですがそこまで聞けたならこっちのもんですね。

 

「ありがとうございます。では私はこれから出るので、お二人も帰ってよろしいですよ。拘束は今解き…………あ、流石に何をされたのか思い出してきているならば精神衛生上良くないでしょうし、もう一度消しておきますね♡」

 

「「ゑ?」」

 

 このまま何をされたかを明確に思い出して、再び私に恨みを持たれても面倒くさいので、具現化の力で上手く記憶を消してから家へ帰したのだった。

 知らない方が幸せな事もありますからね。うん。

 

「アリスちゃん、私行ってくるんでもう今日は家で大人しくしてるんですよ?」

 

「…………」スースー

 

「……お昼寝するならちゃんと毛布かけないと風邪ひいちゃいますよ?」

 

 尋問を受けて痙攣してしまっていたアリスちゃんをベッドで休ませていたが、どうやら疲れすぎて眠ってしまっていたみたいで、変身が解けていた彼女に毛布をかけてあげる。

 

 ……真珠とネモがあっさり吐いてしまったせいで、頑張ってくすぐり地獄を耐えたアリスちゃんの努力が無駄になってしまいましたねぇ。いい気味だと思う反面可哀想なんで、近々あの子が欲しがってる食玩を買ってあげますか。

 

 

 ◇

 

 

「……と言う事で、アリスちゃんの安否確認に来たルベルブルーメ曰く、あそこの森の奥に連行したみたいです」

 

「森の奥ね。サルファ、急いで助けに行くわよ!!」

 

「おう!」

 

 ルベルブルーメから得た情報を持ってアズールとサルファと合流すると、早速二人の情報通りの場所へ向かう。

 いくら結界で反応を隠しているとしても、結界があると自覚した上で近づけば見つけることは容易いはずですが……っ! 

 

「エノルミータの気配があるわ!! この先よ!!」

 

「ほんまかどうか不安やったけど、どうやら偽情報やなかったみたいやねぇ!」

 

「そりゃロコムジカとルベルブルーメにはしっかりと上下関係叩き込んでるんで! 嘘ついてたら後で酷い目に遭わせてましたよ!」

 

「あぁ、あのとき見せてもろた動画かいな……」

 

「あれに関しては二人に同情するわ……」

 

 ま、あの時は妹を人質にとった二人が悪いと言う事で。

 魔力反応を追って森の中を突き進むと、廃棄された建物が見つかる。この中みたいですねぇ!! 

 

「「マゼンタ!!」」

 

「生きてますか〜?」

 

「み、みんな……!」

 

 サルファに扉を蹴破ってもらい中に潜入すると、マゼンタは両手を縛られた状態で拘束されており、近くには黒い転移門…………なるほど、私達の気配を察知して逃げようとしていると……。

 

「ブレイジングアロー!」

 

「あぁああああ────!?」

 

「ぎゃぁぁああ────!?」

 

 咄嗟に炎の矢を閉じかけていた転移門に滑り込ませて報復をしておく。しっかり転移門の向こうから悲鳴が聞こえたから当たりましたね。ザマァ見ろです。

 

「よかった。無事みたいね……」

 

 マゼンタを見て安心したように息を吐くアズールだが、これ無事ですかね? 

 絆創膏で隠されてはいるが、何かで挟まれたのか真っ赤に腫れた乳首に全身の落書き……これ油性じゃないですか。消すの大変ですよ…………

 

 そんなことを考えていると、マゼンタの様子が変な事に気がつく。息が荒く苦しそうな顔をしてますね。

 

「ア、アズールゥ……サルファァ……カーネリアン……」

 

「ど、どうしたんや!? あのボケどもに何かされたんか!?」

 

「お、お願い……お願いだから……」

 

「な、なんなん? ……うちに出来ることならなんでもするで!!」

 

「こ、ここを……ここを……ここ搔いてぇええええ!!」

 

 そう泣き叫びながら左足を動かすマゼンタ。そこ見ると十字星の印が光っていた。

 …………なるほど。

 

「多分ベーゼはここを飛び回っている蚊を魔物にして、マゼンタの血を吸わせたのでしょう。結果痒さ倍増と言ったところでしょうか?」

 

「冷静な分析おおきに! そういう事なら気が済むまで掻いてやるさかい安心せぇ!!」

 

「待ってサルファ! 蚊に噛まれたら掻いたらダメというわ!!」

 

「チィ!!」

 

「そんなぁあああ! お願いだから掻いてよぉおおおお!! 痒くて辛いよぉおおおお!!」

 

「くっ……掻いてやりたいのは山々やけど掻いたら悪化する可能性もあるんか……カーネリアン、任せたで!!」

 

 あ、私に丸投げですか? まぁ良いですけど。

 ノワールモードに変身して、花と液体の入った瓶と綿棒を具現化して瓶の中の液体を綿棒でマゼンタに塗る。

 

「これ変な匂いするよぉ? なにぃ?」

 

「ドクダミの花の焼酎漬け、痒み全般に効くんですよ」

 

 夏におばあちゃん家に遊びに行ったとき、蚊に噛まれたらよくこれ塗ってもらってたんです。

 しばらくは痒くて泣き叫んでいたマゼンタだが、だんだん効いてきたようで息を吐く。

 

「どうです?」

 

「……痒み落ち着いた。ありがとぉ…………」

 

「……ひとまず無事で良かったわぁ」

 

 安心したように安堵の息を吐くサルファだが「けどなァ……」と言いながら憤怒の表情を浮かべる。

 

「流石にトサカに来てんでウチはァ……。ネロアリスは返り討ちにあったから除外するとしても、二人で一人を攫って手籠にするいうんは……ホンマに年貢の納め時が来たやつやなぁ」

 

「……そうね。流石の私も今回は腹に据えかねるわ」

 

「最近やり方がエゲツないですしね。お二人ほどではないといえムカついているので、ここらで一度しっかり締めたいですねぇ」

 

 今回もしこりすちゃんに引っ張られてたら私もマゼンタと同じ目に遭っていたでしょうしね。ここらで本気でやり合う必要がありそうです。

 

「待っとれよエノルミータ……次に会うたがお前らの最後や!!」

 

 おそらく次の戦いでエノルミータとの因縁は終わるでしょう。流石に今回ばかりは友達だからと言わずに容赦なくやらせて頂きますよ。




 〜おまけ〜

 たまネモの記憶を削除しようとしてた際の一幕……

「……おい、それはなんだ?」

「金属バットですが何か?」

「それで何をする気なのよ?」

「これには私が指定した記憶を消す能力を付与したので、これで頭を殴ればあら不思議、記憶は綺麗さっぱり消えてしまうんです!!」

「記憶より先に真珠達の命が消えそうなんだけど!? お願いだから別のにしてよ!!」

「分かりました。では無難に鉄パイプにしておきましょう」

「変わんねえよ、このサイコパス!!」

「あーもう、我儘ですねぇ。フライパンなら死にはしないでしょうし文句ありませんね?」

「痛そうだからいや! 頭叩けばいいならハリセンとかピコピコハンマーとか痛くないのでいいでしょ!?」

ピコピコハンマーになりました。
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