悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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人質に取られてしまいそうですね……よし

 念話が飛んできた方角からおそらくまだ三人は学校にいるだろうと踏んだ私は、転移門で校舎裏に移動して誰かが来る前にすぐさま変身を解除。

 

「さて、学校ということはおそらく屋上にいるんでしょうが…………」

 

「オイ、お前らぁっ!! どういうつもりやこれはぁっ!! はなさんかいっ!!」

 

「ダ〜メ、今は大人しくしてるの♡」

 

 普段学校で魔法少女に変身する時は屋上で変身して飛んで現場に向かう為、屋上の階段を登ってドアをほんの少し開けて覗いてみる。するとそこにはイミタシオと昨日の一撃のせいか包帯を巻いたパンタノペスカ。そしてパンタノペスカの能力で屋上の床に繋がれた薫子達がいた。

 

 小夜は追いつくと言っていましたけど、これでは追いつくどころかコイツらに好き放題されてしまう。……来て正解だったようですね。

 

「さっ……小夜ちゃん……もっ、もがっ……い、息っ…………息できないよぉ、小夜ちゃん……」

 

「あっ……! はるか……ダメよそんな激しくっ……わ、私にはえりすが……あぁ!」

 

 どうやって助けようかと考えていると、小夜の喘ぎ声が聞こえそちらを向いてみる。

 するとお互いが向かい合うように拘束されてしまった事で、小夜の胸で窒息しかけてるはるかと、なんとか呼吸をしようとはるかがもがく事で、性感帯の胸を刺激されて喘ぐ小夜の姿が私の視界に…………

 

「…………」イラッ

 

 おのれパンタノペスカ、私の小夜になんて事を……ってなにバカなこと考えてるんですか。まだ告白すら出来ていないと言うのに。

 

「はぁ……薫子のこと笑えませんね……」

 

 ……まぁいいです、さっさと助けてしまえばいいんですからね。

 …………いや待ってくださいよ? この状況、言ってしまえば小夜達が人質に取られてると言っても良い奴なのでは? だとしたら馬鹿正直にまっすぐ行ったら人質に取られて私も捕まってまたリンチにされるのは目に見えてますよね……。

 今日はただでさえベーゼの攻撃を耐えていっぱいいっぱいなのに、これ以上好き好んで痛い思いはしたくありません。痛いのを我慢してるだけで痛みが快感に置き換わるタイプではないですし……。

 

「…………一か八かでやりますか」

 

 無言で数歩後ろに下がり階段ギリギリに立つと、助走をつけて一思いに屋上のドアを蹴破る。

 ドアを蹴破る音でイミタシオがこちらを振り向くよりも早く変身、真化するとそのまま彼女にランスを叩きつけた。

 

「うわっと!? ……不意打ちとはやってくれるね…………」

 

 やはり防がれてしまいましたか。ここで串刺しになって屋上から落ちてくれれば楽だったんですがそう簡単にはいかないもんですね。

 イミタシオが何かを仕掛けて来る前にバックステップで一旦距離を取った直後、小夜が喘ぎながら声をあげる。

 

「か、カーネリアン!? あなたなんで……あん!」

 

「助けに来ましたよ! ベーゼよりも小夜達の身が心配だったんでね!!」

 

「へぇ、エノルミータの裏切り者のくせに随分と仲間思いだね。でも良いのかな、パンタノペスカ」

 

「はい、ですわ」

 

 パンタノペスカはニコニコと笑いながら縛られたはるかと小夜の隣に立つ。

 

「……予想通り、人質と言うわけですね?」

 

「そう言うことなの。動いたらこの三人がどうなるか……それとも三人を見捨てて私を攻撃してみる?」

 

「あ、安心してくださいね。彼女らを傷つけるつもりはありませんわ。……ただ新型のスマホ買ったは良いですがセンシティヴなあれやこれやは戻って来ないのでここで撮影会をさせていただくだけですわ♡」ハァハァ

 

「ひぃ……」

 

「私達のことは良いわ! 私はそんなものに屈したりしないもの!!」

 

 例え小夜が屈しなくてもはるかの心に傷がついてしまいますよ?

 それに小夜の恥ずかしいあれやこれやをよりにもよってあのエロメガネに撮られてしまったらストレスで暴走しそうなのでなんとしても回避しなければなりません。

 

「そう言えばどうでも良い話なんですけど、校庭に生えてる木の裏で百合カップルが露出プレイしてたんですよね。ここからならよく見えるはずなんですが……」

 

「は、急になに言ってるの? まさかその程度でパンタノペスカが簡単に籠絡されるとでも「どこの木……どこの木ですの!? そんなドエロい瞬間、是非とも写真に収めて……いやいっそわたくしがもっとドエロくプロデュースをぉ!!」……そう言えばこいつはそういう奴だったの…………」

 

 予想通りエロネタに食いついたパンタノペスカが屋上から身を乗り出して該当する木を探し始める。

 そんな彼女を見たイミタシオは「こいつを仲間に入れたの間違いだった……」と呟きながら、自らが人質を取ろうと小夜達の方に歩き出して……させませんよ!!

 

「止めさせていただきます!!」

 

「……ま、そうだよね。パンタノペスカ、露出うんぬんはカーネリアンの嘘だからとっとと持ち場に戻るの!!」

 

「え、嘘でしたの!?」

 

 嘘に気がついたパンタノペスカがすぐに小夜達の元へ戻ろうとするが、火球を弾丸の様に撃ち出して彼女を牽制しながらエノルミータの変身アイテムを薫子の方に投げる。

 

「こ、これは……!!」

 

「薫子、それで変身を!!」

 

「おうやで! 変身(トランスマジア)!!」

 

 縛られた彼女の頭に変身アイテムが落ちた瞬間、エノルミータの変身アイテムは輝き出して薫子は特攻服の姿……ダークサルファに姿を変える。

 ダークサルファの能力は純粋な身体能力の強化、魔法少女の頃よりも底上げされた膂力で拘束を無理矢理破壊したサルファは、一瞬でパンタノペスカの懐に潜り込むと………………。

 

「昨日の分も……まとめて食らえやぁああああああ!!!!」

 

「がはぁ!?」

 

 昨日散々好き放題され、更には今回のはるかと小夜の縛り方に私と同様激しい怒りを抱いていたらしいサルファの怒りの鉄拳がパンタノペスカの鳩尾に捩じ込まれる。

 だがこれだけではサルファの気は収まらないらしく、そのままパンタノペスカの鳩尾に突き刺さった拳に力を込めると……

 

「オラァアアアアアアア!!!!」

 

「あぁぁあああああああれぇぇええええええ!!」

 

 そしてそのまま拳を振り上げた事で、パンタノペスカは再び空の向こうに殴り飛ばされて星になったのだった。

 もう二度と地球に戻って来ないで下さいね。

 

「はるか、今助けたるさかいに!!」

 

「ぷはぁ! ……あ、ありがとサルファ〜。息出来なくて死ぬかと思ったよ〜……」

 

「ハァ……ハァ……恐ろしい攻撃だったわ……」

 

「何言ってるんですか。はるかに胸刺激されて気持ちよくなってた癖に……ほら、ここですか? ここが気持ちがいいんですか?」

 

「あ、ちょ、ちょっと……そんないきなり…………あぁ!!」(あ、で、でもカーネリアンに胸揉まれてる……いつもよりもとても強い愛を感じて…………幸せ♡)

 

「いや、なに盛ってんねんバカップル?」

 

 おっと、サルファにジト目を向けられてるのでここまでにしておきしょうかね。

 その後すぐさまはるかと小夜も変身し、ダークサルファも自前の変身アイテムで変身し直してイミタシオを取り囲む。

 

「これで四対一だよ。散々酷いことしてもう許さないんだから……!!」

 

「…………」

 

 ……イミタシオは普段の明るそうな顔とは打って変わり、本性であろう絶対零度の目で私達を睨みつけてくる。どうやら作戦が上手くいかなかったのが面白くないのだろう。

 

「え、本当に屋上にトレスマジアいたの?」

 

「マジマジ、向こうの校舎から見えたんだよね。どうして学校の屋上にいるのかは分からないけどサインもらお!!」

 

 その顔を絶望に染めて差し上げようと四人がかりで襲い掛かろうとした瞬間、屋上の扉の向こうからそんな声が…………。

 チッ、どうやら別の校舎から見えてしまったようですね。大立ち回りをしすぎましたか…………。

 

「……はぁ、パンタノペスカはまた後でお仕置きだね。…………今日はこれで失礼するの。……次は心からの屈辱を味わわせてあげるから覚悟しておくんだね」

 

「あ、待ちなさい!!」

 

 マゼンタの呼びかけを無視して転移門を展開して撤退していくイミタシオ。

 …………。

 

「ブレイジングブラスター!!」

 

「な!? ぐぁあああああ!! おのれマジアカーネリア────」

 

 ふぅ……やっぱり、逃げる相手に対しては追撃をするに限りますね!! あれだけやってただで帰れると思わない方がいいですよイミタシオ。アッハッハ!!

 それはそうと、そろそろ生徒が来ちゃうでしょうし移動しますか。

 

 

 ◇

 

 

 その後、学校を脱出した私達は、私が命令違反をしたせいでベーゼとベルゼルガが戦ってると言うことで、そのまま二人の場所へ移動していた。

 

「皆さんご無事でしたか? 何か酷いことはされてません?」

 

「うん、あたし達は大丈夫、助けてくれてありがとう。……それにしてもあの人達何がしたいんだろ?」

 

「エノルミータへの復讐って言ってました。エノルミータはかつて魔法少女狩りで大量の魔法少女を狩っていたらしいですからね」

 

「……そんでそのツケが所属させられかけたあんたにも来たっちゅうわけか。ほんま迷惑な話やねぇ」

 

 面白くなさそうにため息を吐くサルファだが、ベーゼは魔法少女狩りをしてたロード達を倒した側なので責めるのはお門違いですよ? 責めるならロコルベだけ……間違えないようにしてくださいね!!

 

 ……ですが本当にそれだけなんでしょうか? なんだかイミタシオは私がエノルミータ所属だったから以外の理由で襲ってきてる気がするんですよね。

 

「どうしたの? なんだか考え込んでるみたいだけど……」

 

「……なんでもないです」

 

 その後、マジアベーゼとベルゼルガが戦っていた場所へ行ったがすでに戦闘が終了していたため、それぞれ帰路につくのだった。




 ダークサルファがダンジョン編だけと言うのも勿体無いんで活躍してもらいました。

 〜おまけ〜

「……そう言えばサルファがエノルミータの変身アイテムで変身したら純粋に力が強くなるけど、私が変身したらどんな能力が発現するのかしら?」

「どうでしょうね……攻撃を受けるとむしろ回復するとか?」

「それええねぇ。攻撃を気にせずに相手殴り放題やん」

「じゃああたしが変身したらどうなるんだろ?」

「「「マゼンタは変身したらダメ」」」

「なんでぇ!?」
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