悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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誠心誠意叩かせていただきます!!

 と言うわけでお化け屋敷攻略を開始した私達。

 今回みんなとはぐれてしまったがトレスマジアの中ではサポート寄りの能力のマゼンタと、今回戦闘に出せるおもちゃを持っておらず戦えないアリスちゃんが近くにいるのは不幸中の幸いでしょう。

 何かあって変身せざるを得ない状況に陥った際に守ることができますからね。

 

「……」グイグイ

 

「どうしました? ……え、お腹減った? ……確かにお昼まだでしたもんねぇ」

 

 全く、嫌なタイミングで誘拐されてしまったものですね。こりすちゃんくらいの歳は一食抜くのすら良くないと言うのに。

 ですが困りましたね。今日は午前終わりという事でお弁当を持って来ていないんですよ。

 

「あ、それなら……はい、こりすちゃんこれどうぞ!」

 

「!」

 

 どうしたものかと考えていると、はるかがバッグからキノコグラタンパンを取り出してこりすちゃんに手渡してくれる。

 どうやら小腹が空いたとき用で持っていたらしい。

 

「ありがとうございます、はるか。ほらこりすちゃんも」

 

「…………ありがとぉ、はるかお姉ちゃん

 

「どういたしましてぇ」

 

 はるかもこの子がネロアリスと知っているでしょうに、いつも会ったら遊んでくれますよね。私はそんな優しい人に先ほど百発以上ビンタをしたんですか……。

 そんなの……そんなのって…………。恩知らずすぎてなんだか興奮しますね♡

 

「えりすちゃんヨダレ出ちゃってるよ?」

 

「?」モグモグ

 

「あらお見苦しいものを……」

 

 ドドドドドド‼︎

 

 おや?

 ハンカチでヨダレを拭き取っていると、廊下の奥から大量の足音が聞こえ始める。

 それはだんだん大きくなって行って…………。

 

 あぁ、これ多分アレですね。ならばさっさと逃げるのが鉄則……いえ、でももしかしたら小夜やうてな達の可能性もゼロではありません。

 足の速さには自信ありますし少し様子を見てから…………

 

 廊下を見るとそれはそれは綺麗なフォームでこちらに走ってくる大量のお化け達の姿……

 

「アウト! はるか、こりすちゃん、逃げますよ!!」

 

「う、うん!! いやぁああああああ!!」

 

「……」モグモグ

 

 こりすちゃんを脇腹に抱え、はるかの手を引いて全力で走って逃げる。

 一人が相手ならば殴り倒せる自信がありましたけど、流石にこの量は無理です。なんとか逃げなければ……!!

 

「あ"……ぐぇ!!」

 

「はるか!!」

 

 だがその直後、はるかがつまずいてしまいお化けの群れに飲み込まれてしまう。

 流石に見捨てる事ができず、こりすちゃんに逃げるように促しながらそちらを見るとお化け達は全員はるかの方を向いてしまっていた。

 

「お、お化け多いよぉ!! こう言うのって一人に追いかけられるものじゃないのぉ……?」

 

「このお化け屋敷を作った人はお約束というものを分かってないんですよ!! 全員それはそれは綺麗なフォームで走ってましたし!!」

 

 お化け達がはるかの上に積み重なって絶対に動けないように拘束してますね。このままでははるかはお化けの重さで潰れてしまうでしょう…………。くっ、このまま潰されてしまう結末……是非とも見たいところではありますが、流石にそれはアウトですよね…………。

 

「あっ、ダメェ! 変なとこ触らないでよぉ……! いやっ……やめてぇっ……」

 

「……あぁ、こいつらエロ目的ですね…………」

 

 このまま放置する事で訪れるであろうグロ展開への期待に救出するのを躊躇っていましたが、お化け達ははるかの服に手を入れて胸とか揉んでるしこれエロ展開ですね。

 小夜以外のエロ展開はぶっちゃけどうでも良いのでさっさと助けてしまいましょう。

 

「はるか、少し耐えてくださいね! すぐ助けますから!!」

 

「ん!!」

 

「だ、ダメだよ! 二人とも捕まっちゃうよぉ!!」

 

 逃げるように促したのに逃げなかったこりすちゃんと共にお化け達を剥がしにかかる。

 確かに危険ですがここではるかをリタイヤさせる訳にはいきませんからね……!! それに掴めるって事はどうせコイツら人形かなんかでしょう!!

 ならば壊して仕舞えば…………っ!!

 

「こりすちゃん、失礼しますね!!」

 

「!?」

 

 嫌な予感を感じ咄嗟にこりすちゃんを抱えてお化けの山から避難すると、次の瞬間には一瞬でお化け達は消し飛ばされ辺りにお化けの人形の残骸だけが残る。

 ……はるか、あなた何をしたんですか?

 

「え……消えちゃったの……? ……というか、え? い、今……あたしが……」

 

 だがお化けを消し飛ばしたであろうはるかは、困惑するばかり。

 もしかして無意識的にやったんでしょうか? それに今の魔力……はるかのものではなかったような……。

 

「…………」

 

「あ、こりすちゃん!」

 

 そんな事を考えていると、こりすちゃんが私の腕から脱出してはるかの元へ行く。

 ……今は明らかにこりすちゃんに見られていた。であるならば、はるかの正体を察してしまった可能性が高い…………。

 

「ストップですこりすちゃ「♪」……あれ?」

 

「あぁっ!? こ、こりすちゃん!? だっ……大丈夫! 大丈夫だよ!!」

 

 もしこりすちゃんが危害を加えるつもりならと捕まえようと手を伸ばしたが、捕まえる直前、こりすちゃんははるかの縦ロールをびろーんと引っ張るだけでそれ以上は何もしない。

 ……さっき起こそうとする時に引っ張ってましたが気に入ったんですか縦ロール?

 

「…………元気出して? 

 

 っ! 前から思ってましたが、こりすちゃんがお話しすると破壊力が凄まじいですね……。普段喋らない子が喋ると言うのはそれだけで尊いものなんです。

 そんな妹からの声援を浴びたはるかは「……そうだよね」と呟きながら立ち上がる。

 

「今は頑張ってここを脱出しよぉ! えいえいおー!!」

 

「ん!」ビシッ

 

 ………………。

 

「えりすちゃんもやろうよ〜!」

 

「私は見てるだけで充分ですよ〜」

 

 

 ◇

 

 

「♪」キャッキャッ

 

「おぉ、こんなにも人形があるとは……壊れていますが修理すれば遊べるでしょう。持っていけるだけ持っていきましょうか!」

 

「ん!」

 

「ふたりともそれあんまり触んない方がいいよぉおおおお……」

 

 しばらくお化け屋敷を進んでいると、糸で吊るされたたくさんの人形があったのでこれ幸いにも物色していた私たち姉妹。

 この間の全面戦争でこりすちゃんのおもちゃはほとんど全部壊されてしまいましたからね。

 

 近々おもちゃ屋に行く約束をしてるので、そのつなぎにはなるでしょうよ。

 おもちゃ買った後はこれらはフリマアプリで売って新しいおもちゃ代にすれば良いでしょうし。

 

「ん!」

 

「おぉ、確かにこれは可愛いですねぇ。もしかしたらあの着せ替えセットの洋服入るんじゃ無いですかね?」

 

「ん!」ズイズイ

 

「ひィ! そ……そうだね。お人形さん可愛いね!!」

 

 沢山のお人形に囲まれてテンションマックスの妹は、はるかにも見せようと思ったのかお人形を持っていくが、肝心のはるかはどうやらこの手のアンティークドールは苦手なようで後ろに下がってしまう。

 

ゔゔゔゔゔゔ……」

 

「……へ?」

 

 直後、はるかのすぐ後ろから唸り声が聞こえる。

 まーたお化けかと思いながら構える……が、どうやらお化けでは無いようだ。警戒して損しましたね……。

 

「ゔゔゔゔゔゔゔ……」

 

「ヤ"────!! ……ってキウィちゃん?」

 

 唸り声をあげていた犯人はそこらにある人形と同様に糸でつるされ猿轡を噛まされたキウィであったのだ。

 そしてそんな彼女の近くには……

 

「見つけましたよ小夜!!」

 

「んむむ!」

 

 同じく猿轡を噛まされ縛られた小夜であった。

 小夜は拘束で興奮するタイプなので助けるのは後ででも良いため、先にキウィの猿轡を外して彼女を縛る糸を解いてあげる。

 

「チクショー! あの毛髪ヤロー絶対許さねー!!」

 

「ドンマイですね。どうせキウィの事だから油断したんでしょうが……小夜、すぐ解きますね」

 

「え、えぇ。ありがとう」

 

「でも良かったぁ、やっと誰かと合流できてちょっと安心したよぉ……」

 

「良かねぇやい!! アタシは……アタシはうてなちゃんを守れなかった……この苦しみ分かるかよこりす〜〜!!」

 

「……」ヨシヨシ

 

「うてな? はぐれたんですか?」

 

「えぇ……我ながら情けないんだけどね…………」

 

 なんでもなんか色々あってキウィが小夜の胸を揉むのに夢中になってたら、背後から毛髪のお化けに二人仲良く捕まってしまい、一緒に行動していたうてなと強制的に引き離されてしまったとの事。

 …………。

 

「なるほどなるほど……小夜の胸を揉んでいる隙にね? ふぅ〜ん」ニコニコ

 

「えりすちゃん、笑顔怖いよ!?」

 

「ってぼーっとしてる場合じゃねぇ!! 急いでほどくぞはるかっぴ、えりす!! うてなちゃんを探すんだぁ!!」

 

「う、うん!!」

 

「ですね!!」

 

 ……それにしても小夜の拘束はだいぶ絡まってますね。もうこれは解くより切ってしまった方がいいでしょうね。

 懐に常に仕込んでいるカッターナイフを取り出していると、全然解けなくてイライラしたのか、キウィが小夜のお尻に向かって掌を叩きつける。

 

「オイ絡まりすぎだろお前小夜バカァ!!」

 

「ほぉおっ!?♡」スパーン‼︎

 

「キウィちゃぁん!?」

 

 …………。

 

「チクショー、こんな事してる場合じゃねーのによォ!!」

 

「お尻に当たっちゃダメだよぉ!!」

 

「そうですよキウィ、テメェ何やってんですか? 私があなたをこの屋敷の幽霊の仲間入りの手伝いをしてやりましょうか?」ニコニコ

 

「ギャー! なんか知らんがえりすの逆鱗に触れた〜!! 助けてこりす〜!!」

 

 キウィに対してとても良い笑顔で首元にカッターナイフを突きつけていた私だが「大丈夫よえりす……」と小夜に止められる。

 

「私の……! お尻で……っ! 誰かが……っ! 救われる……っなら……っ! それは素晴らしいことよ……!!」

 

「何言ってるの小夜ちゃん!? 意味わかんないよぉ!?」

 

「っ! な、なんて慈愛に満ち溢れているんですか貴女は!! 分かりました。ならば私も精神誠意叩かせていただきます!!」

 

「何言ってるのえりすちゃぁん!?」

 

「えぇ、来なさい!!」

 

「ありがとな小夜ぉ! みんな叩けぇ!!」

 

「あ"っ! ぉほォ♡ はぁあんッ!!♡」

 

 みんなで小夜のお尻を叩きました。……リョナ派の私にはぶっちゃけ物足らなかったんで、機会があるときに金属バットで殴って良いか聞きましょう。

 

 

 ◇

 

 

 その後改めてカッターナイフで小夜の拘束を外した私だが、少し考えていることがありキウィにこりすちゃんを任せて小夜とはるかと小声で話す。

 

「はるか、小夜……このお化け屋敷って誰の仕業だと思います?」

 

「普通に考えたらエノルミータね……でも、それだとなぜこりすちゃん(ネロアリス)まで巻き込まれたのか疑問に残るわ。マジアベーゼはネロアリスには手を出さないんでしょう?」

 

「はい。流石にこんな小さな子にイタズラはできないって言ってましたし、やったら私が本気で殺しに行きますもん」

 

「……それにやり方自体もなんだか違うような気がする……。あの人達はあたし達は狙うけど他の人達に悪さをしないもん」

 

「そうね。彼女の愛は全部私達に向いてたわ。…………だとすると、犯人はシオちゃんズかしら?」

 

「そう言う事です。と言うわけでちょっと私、元凶を締めてこようと思います。どこに隠れているかは当たりをつけているので、キウィとこりすちゃんのことお願いしても良いですか?」

 

「ひ、一人でやるの!? 危ないよぉ!?」

 

「大丈夫。一度は勝った相手ですし、今回はこちらから仕掛けるんです。負ける気はしませんね」

 

「……分かったわ。なら私達があの二人を守るから、えりすも気をつけてね?」

 

「はい」

 

 私ははるかと小夜の元を離れるとキウィに「元凶を締めてきます」とだけ言ってそのまま来た道を走って戻るのだった。




 こりすのトレスマジアへの評価

 はるか(マゼンタ)──遊んでくれるから好き

 小夜(アズール)──遊んでくれるけど、お姉ちゃん取られそうで少し苦手

 薫子(サルファ)──怖い、近寄らんどこ…………

 えりす(カーネリアン)──大好きなお姉ちゃん。でも怒らせたら怖い


 〜おまけ〜

「行っちゃったね……」

「大丈夫よ、えりすを信じましょう。それより私達はうてなさんを──」

「……」ジー

「……どうしたのかしらこりすちゃん?」

「……」バッ! シュバッ!!

「えっと……えりすちゃんの事をどう思ってるかって聞きたいんじゃないかなぁ?」

「ん」コクン

「え、えりすの事? そうね……落ち込んでるときに励ましてくれたりしてくれたし、優しいしちょっとした動作も素敵だと思うわ。それに最近のえりすからは他の人よりも大きな愛を感じるの……はぁんっ!?♡ ちょ、どうして私の胸を叩くの……あぁん!!」

「(怒)」パシンパシン

「ちょ、ダメだよこりすちゃん!!」

「良いからお前らもうてなちゃん探せよぉ!!」
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