悪の力? でもそれをどう使うかは私の勝手ですよね!?   作:蒼天 極

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ならば教えて差し上げましょう。どれだけ進展したのかをねぇ……!!

「あ……っ、あぁ……っ、そこ……っ、いぃ……気持ちいぃ……♡」

 

「ゔあ"〜……こ、これはなかなか……凄い刺激ですねぇ…………♡」

 

 私とアズールはとある人物の能力を間近で受けて、たまらず喘いでしまっていた。

 なんでしょうかこの快楽は……今まで経験した事のない力…………悔しいですが、認めざるを得ません。私は屈っしかけている……

 

「ダ、ダメェ……私にはカーネリアンがいるのにぃ……♡」ハァハァ

 

「ア、アズールが隣で見ているのに堕ちてしまいそう……ですが、このまま堕ちて脳破壊を味合わせるのもアリ……ですかねぇ……♡」ハァハァ

 

 つい数日前に告白して結ばれたばかりだと言うのにこのザマ……我ながら情けない限りですがこの快楽に流されたい渇望と、アズールを裏切っていると言う背徳感……そして私が堕ちたらアズールは一体どんな顔をするのかと言う期待……それが三つも纏めて襲いかかってきたら抗うことなんて出来っこないです…………。

 

「あぁ……もうダメ……もっと……もっとぉ……ほぉあ〜〜〜〜♡」

 

「アハッ、もっと強く……おねがいしますぅ……ゔあ"ぁ〜〜〜〜♡」

 

「ア、アズールが変になっちゃうのはいつもの事だけど、今日はカーネリアンも変になっちゃってるよ。大丈夫!?」

 

「あぁ……大丈夫ですよぉ〜♡ 私も気を抜きたいときはあるって事です〜♡」

 

「ご……ごめんなさい。マゼンタの回復魔法がとても気持ちよくて……ハァア…………♡」

 

 ……はい、別に二人仲良く第三者に堕とされた訳ではありません。修行で負った怪我をマゼンタに治療してもらっていました。

 と言うのも恋人になって初めての修行……私もアズールも存分に甚振り、甚振られることを愉しみ、夢中になりすぎて気がつけば双方ともにズタボロになってしまったのだ。

 

「前よりずっと成長してると思うわ。私たちの中で一番の腕前なんじゃないかしら?」

 

「そ、そうかなぁ? でもカーネリアンの具現化で回復ポーションとか作れるし……」

 

 いえいえ、私も援護はしますけど、どちらかと言うと殴りに行くタイプですしねぇ。

 戦いが終わる頃には大体回復ポーションを作る魔力がなくなって、回復するまでは自力で治療できないんで戦闘後のポーションの事を考えずに戦う事ができてますよ……。

 

「今ではすっかりトレスマジアの生命線なんです。もっと自信を持ってください」

 

「えへへ、それなら嬉しいや……」

 

「あ、マゼンタ。ここにもちょうだい……♡」

 

「うん! ……って焼け爛れちゃってるよ!?」

 

 いや〜、アズールを甚振ってるときの感じてる顔がとても可愛くてついつい力が入りすぎてしまったんですよねぇ……。

 やり過ぎてしまった件でマゼンタに睨まれてしまっていたので、ちょっと小悪魔風に舌を出してみる。

 

「ついうっかり……てへ☆」

 

「てへじゃないよぉ! もうちょっと手加減しないとぉ……」

 

「大丈夫よ、カーネリアンの渾身の愛の炎……むしろ気持ち良かったから!」(サムズアップ)

 

「意味わかんないよぉ!?」

 

 律儀にツッコミを入れながらもアズールの傷を回復していくマゼンタ。

 だがそんな彼女の横で面白くなさそうな顔をしているサルファが一人……。

 

「あっいいわ……マゼンタ、もっと強く……♡」

 

「えいっ!」

 

「ふわぁ〜〜〜〜♡ 「あー何か腕痛いわぁ! さっきのアズールとやり合った傷が残ってたんかなぁ!?」!!」

 

 火傷が完全に回復し、治療が完了したタイミングを見計らって突き飛ばすようにアズールをどかしたサルファ。

 あらあら、あからさまですねぇ……。

 サルファの今の行動に嫉妬心が多分に含まれている事を知らないマゼンタは心配そうな顔でサルファの袖を捲る。

 

「大変! すぐ治すよぉ!」

 

「お……おおきにマゼンタ////」

 

「…………」

 

 突き飛ばされたアズールがマゼンタとサルファのやり取りを無言で見つめると、私に耳を近づける。

 

「ねぇ、もしかしてサルファって……」

 

「みたいですよ。いやぁ、ほんと私達って青春してますよねぇ……」

 

 ほんと、トレスマジアに入ってからムカつくことも多々ありますけど、すっかり毎日が充実してますよねぇ……。

 そんな事を考えていると、サルファが呆れたような顔で私達の方を向く。

 

「ったく、アズールもカーネリアンも大袈裟やわ。確かにマゼンタの腕は上がってるけども、あないよがる程かいな?」

 

「そんなことないわ! 私は快感に正直なだけよ!!」

 

「こわっ」

 

「そしてそんな彼女を見習い、私も少々快感に正直になってみました。ヤバいですねこれ、堕落しそうです」

 

「見習うなアホゥ。カーネリアンまでドM堕ちしたら妹泣くで……?」

 

 ドM堕ちはしませんよ。だって私、責めたい派ですし。

 それに堕ちてない今の時点で私は特殊性癖持ちですからねぇ。今の時点でこりすちゃんとの関係は良好なんですから、天地がひっくり返ってドM堕ちしたとしても関係は変わりませんよ。

 

「……いや、こいつの妹ネロアリスやしなぁ。ここはドM堕ちしてもろて泣かしてやるのも一興ってもんか? アズール、ドMの真髄を教えてやりぃ」

 

「そ、そんな理由で……で、でも責められて悶絶するカーネリアンの顔は見てみたいかも…………」

 

 ほう……? この私に対していい度胸ですねぇ……しかし、つまりそれはアズールに責められるということ…………ちょっと受けてみたいかもですね。

 でもそれはアズールに対してだけなんで堕ちはしないと思います。

 

 そんな事を考えていると、「手袋とった方がやりやすいかも」と手袋を脱いでいたマゼンタの準備が完了して、サルファの傷跡にマゼンタの指が触れる。

 

「……んぅ……!?」ビクッ

 

 サルファは身体をビクビクさせながらも、声を出さないようになんとか耐えようとしている。

 やはり私やアズールがおかしいのではなく、マゼンタの回復魔法がおかしいですよね? なんで今まで経験した事ないような快感を感じるのか…………

 

「どうサルファ?」

 

「えっ!? いや……めっちゃええと思うわ! 効いてる感じ!」

 

「そっかぁ……えへへ。サルファとカーネリアンにほめてもらえた力だから……なんだか嬉しいなぁ」

 

「ウ……ウチは別に……っ! マゼンタの実力やさかい……っ」

 

 そう言って照れているかのようにマゼンタから視線を逸らすサルファだが、なんだか面白くなさそうな顔。

 それはそうでしょうね。なにせサルファだけでなく私まで引き合いに出されたら面白くないですよねぇ。嫉妬してしまいますよねぇ……。

 

「…………」ジー

 

「…………」ニヤニヤ

 

「なんやのその目は?」

 

「べっつになんでもないですよ〜。ねぇ?」

 

「それも一つの愛の形。応援するわ!!」

 

「ぐっ……ほ、ほう? あんたらがそないなこと言うんか…………?」

 

 喧嘩を売られたと認識したサルファは青筋を浮かべながらも、ニコリといつも学校でやっているような猫を被った顔をする。

 

「そう言うカーネリアンこそどうやの。気になる子にアタックできたん? ……あ、そういえばアズールも気になってる子がおったよなぁ。その方はどない感じなん?」

 

 ニヤニヤ笑いながらそんな事を言うサルファ。

 この間までの私達なら顔を赤らめて何かしら弁解したでしょうが、今の私達にとってその問いかけはもう恥ずかしいものではありませんよ!!

 しかし一応アズールの方をチラリと向くと、どうやら彼女も同じ考えだったようでコクリと頷く。

 よし、ならば教えて差し上げましょう。どれだけ進展したのかをねぇ……!!

 

「アタックしたと言うより、思い切って告白しました。ムードも何もなく我ながら最低な告白だったと自負していますが」

 

「……ゑ?」

 

「別に気にしてないのに……そして私はその気持ちを受け止めたわ。両片想いで驚いちゃった……」

 

「……は?」

 

「え、そ、それって……」

 

 今の会話で意味が分かったのだろう。マゼンタが目をキラキラ輝やかせながらこちらに詰め寄ってくる。

 

「二人は付き合ってるって事だよね!? おめでと〜!!」

 

「ありがとうございます」

 

「マ、マジか…………」

 

 ここに来てのカミングアウトに呆然とするしかないサルファであった。




 〜おまけ〜

 告白の翌日……

「よ〜、えりす〜」

「あ、キウィ。敵に言うのもどうかと思いますが、昨日はありがとうございました。発破をかけてくれたおかげでこの気持ちをアズールに伝える事が出来ました」

「いや、アタシ告白しろってつもりで言ったんじゃないんだけどな〜」

「アハハ、あのタイミングで告白しちゃうなんてビックリしちゃったよ……。あ、えりすちゃんお弁当交換しよ」

「んじゃ、アタシら屋上でメシ食ってくるな〜」

「あ、ちょっと!? ……はぁ、今日は新メニューに挑戦したんですが…………あら、お赤飯」


 帰宅後……

「ただいま帰りました〜」

「お帰りなさいえりす〜」

「あれ、お母さん? 今日も遅いんじゃ……」

「早退してきたわ! だから今夜は私が晩御飯作るわね。今夜はお赤飯よ!!」

「……」ジー

(お赤飯はお昼に食べたばかりなんですが……それとなぜこりすちゃんは私を睨んでるんでしょうか?)

 ピンポーン

「お届け物で〜す」

「あ、はーい。ありがとうございます。…………えっと私宛ですか。それで差出人は……桃森百花さん? そんな人知り合いにいましたっけ…………っ!? これもお赤飯!? なるほど、桃森百花さんってパンタノペスカのことですね!!」

(…………ですがどうしましょう。こんなに沢山のお赤飯……)


 その後数日かけて食べたせいで、当分赤飯は懲り懲りだと思ったえりすであった。
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